リアサス固定ボルト カチカチ音対策コイルスプリング
BSモールトンのリアサスは上下したときにこの固定ボルトが浮いてしまう。左の画像が標準状態で、ゆるみ止めにロックタイトかネジロックかでねじ山を接着しつつ、ゴムワッシャで吸収しているのだが、激しい上下でワッシャがカチャカチャ音を立てたり、締めるたびにロックタイトしないと走っているうちに緩んできたりと、いまいちだ。僕はサスのゴムに穴を開けているので上下動が大きくなっていて、カチャカチャ言いだすとああまた緩んできたかという状態になっている。そこで右二つが今回やってみたコイルスプリング方式。中央のように締めておいて、ゴムサスが縮んだら右のようにコイルスプリングが伸びる。
クルマ用のビルシュタインなどの高級ショックアブソーバーは沈み方向が柔らかく、伸びが硬くなっているのが多い。コイルスプリングが縮むときは邪魔をせず、伸びるときは大いに邪魔をして伸びにくくするというのが、固いけど地面に吸い付くような感じという、ロードホールディングもさることながらスポーツカー乗りの喜ぶ乗り心地になるわけである。
今回のコイルスプリング作戦の目指すところは、クルマ用のショックアブソーバーが「車体を支える硬さの金属コイルスプリングでは素早すぎる(特に伸び側の)反発特性を抑える」ように、「とくに素早くない特性のゴムサスに金属コイルの素早い応答性でもって縮みやすさと伸びにくさをプラスする」という、あやしいチューニングパーツのうたい文句みたいだが、結果の感想からいえばそのとおりアヤシイものだった。ロックタイトなしでカチャカチャ音もしなくなったので成功なのだが、期待していた乗り心地の変化のほうは、いろいろ組み替えて試し乗りしているうちに分からなくなるくらいの微妙さだった。車体がガタガタ揺れるような路面でバタバタしにくくなってはいるが、それって、単にもっと柔らかいゴムのサスと差し替えた場合とどう違うのかというと、正直わからない。
人間の体重に合わせた硬さのゴムサスの伸び縮みを小さいコイルスプリング一つで味付けするには、想像以上の硬さが必要で、ボルトはM8だったから内径8mm以上、BSモールトンのこの場所のスペースは幅20mm、ストローク30mmの範囲内で、手に入れてみたスプリングの中ではこれは難しい話だった。バカなアイデアのこのエントリーをどうか笑ってやってほしい。
Monotaroで昌和発条の圧縮コイルバネ(バネ検索)で買ってみたのは、ピアノ線(ステンレスは倍の値段がしたのでやめた)右3つは線経1.6mm(最大荷重:6Kgf前後、バネ定数:0.6Kgf/mm前後)でどれも柔らかすぎだったけど、単にカチャカチャを抑えるには十分。左から2番目が念のためと思って買った、線経2.6mmで自由高25mm(最大荷重:22.62Kgf、バネ定数:4.794Kgf/mm)で一番硬く、ストロークに余裕はないけどこれを使うことにした。上の画像で使っているのは左から3番目で(最大荷重:18.02Kgf、バネ定数:3.807Kgf/mm)。さらに硬いので線経3.2mm、最大荷重:34.72Kgf、バネ定数:8.866Kgf/mmと、バネ定数が倍のもあるので、これも買って試してみる予定。→追記:試してみるとこれは体感する硬さ。しかし、たとえばリアキャリアに34.72kgの荷物を載せているのとは違い、ボヨンボヨンするゆれ戻しは全くない。さすがに荷物の重力加速度とバネ反発速度の違いだ。この設定で一度高速走行も試してみたいが、硬くなるのは求めるところではないので、結果として使っているのは画像一番右のやつ。今度はゴムサスの穴をさらに大きく開け、ちょっと柔らか過ぎる位でバネで締め上げてスイートゾーンを探すというのも面白いかもしれない。