『リックの量子世界』 ディヴィッド・アンブローズ
パラレルワールドのあちら側とこちら側で世界が微妙に異なっていて、主人公も名前が違ってしまっているのだが、文中で「ぼく」として語られる話がときどきどっちのものか、読む方も分からなくなってしまうのは、作者も狙ってやっているのだろうか。
病気の名前でいってしまえば、統合失調症や多重人格障害ということだが、結局のところ、誰もが気は確かで正常だったのだから、処女作でこれは力技というかそういう迫力があった。いや、ありえないようなことが小説の中では事実として起きているのだからそういうことなのだが、ひょっとしたらエマも含めて気がおかしくなってしまったのかもしれないが、それはうがった見方か。量子論では多世界解釈というのもれっきとした仮説のひとつとしてあるのだから。
病気の名前でいってしまえば、統合失調症や多重人格障害ということだが、結局のところ、誰もが気は確かで正常だったのだから、処女作でこれは力技というかそういう迫力があった。いや、ありえないようなことが小説の中では事実として起きているのだからそういうことなのだが、ひょっとしたらエマも含めて気がおかしくなってしまったのかもしれないが、それはうがった見方か。量子論では多世界解釈というのもれっきとした仮説のひとつとしてあるのだから。