「福島への責任で存続許された」 東電HDは廃炉費を捻出できるのか

東京電力福島第1原発。(左から)1号機、2号機、3号機、4号機=福島県で2025年2月15日、本社ヘリから
東京電力福島第1原発。(左から)1号機、2号機、3号機、4号機=福島県で2025年2月15日、本社ヘリから

 「福島への責任を貫徹するために存続を許された会社」

 東京電力ホールディングス(HD)の小早川智明社長は、機会を見つけてはこう強調する。同社は福島第1原発事故からこれまでに約11・6兆円の賠償金を支払った。今後は溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しが本格化するが、上振れが見込まれる廃炉費用を継続的に負担していけるかが焦点となる。

原子力事故の「無限責任」

 「賠償は一定のめどが立ったが、今後は廃炉費用をどう捻出していくかが課題だ」。ある東電HD幹部は危機感を募らせる。

 福島第1原発事故は1~3号機の炉心溶融(メルトダウン)と複数基の水素爆発が重なった、世界で最も深刻なレベルの複合事故だった。その廃炉作業は当然前例がなく、必要な費用はただでさえ見通しが立てづらい。

 東電HDは、原子力政策を進めるために1961年に制定された「原子力損害賠償法」が規定する原子力事故の「無限責任」を負っている。同法3条1項ただし書きに「異常に巨大な天災地変」が原因であれば免責すると定められているが、政府は福島事故を受けた同社への適用を認めなかった。福島第2や女川原発が同様の事故を回避したことも理由の一つと言われる。

 このため、東電HDは現在、政府が交付国債で立て替える賠償費用の返済に加え、廃炉作業のための積立金年3000億円を含む資金を捻出している。その目標は年5000億円。原資は電気料金のため、安定的に利益を出せる経営体制を目指していたが、事故後に目標を達成できたのは2回のみで苦しい状況が続く。

 政府は2016年、米スリーマイル島原発2号機の廃炉事例と比較し、燃料デブリの取り出し費用を8兆円と概算した。近年の資機材や建設作業員の賃金の高騰などを踏まえれば、1・5倍の12兆円前後には膨らみそうだ。

 東電HDがこれまでに支出し、27年度までに見積もっている廃炉費用は計約5・4兆円に上る。…

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