九州で原発4基分がムダに なぜ再エネ電力は捨てられるのか?

京セラなどが鹿児島市で2013年から運営している鹿児島七ツ島メガソーラー発電所=京セラ提供
京セラなどが鹿児島市で2013年から運営している鹿児島七ツ島メガソーラー発電所=京セラ提供

 九州で、せっかく発電された太陽光など再生可能エネルギーの電力が使われない事態が頻発している。発電能力(設備容量)で見て、原発4基分もの電力が送電できないまま、無駄になっている日もある。政府は2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出実質ゼロ)実現を目指し、再エネの主力電源化を図っているはずなのに、なぜこんなことが起こるのか。そこには二つの「壁」が立ち塞がっている。

 再エネの電力がなぜ使われないのか。まず、その仕組みを確認しておきたい。

 電力会社は、電力の需給バランスを保つため、電力使用量が少ない時には、発電会社に一時的に発電の抑制を求める「出力制御」を行う。例えば春や秋は、冷暖房の使用が減る。電力需要が少ないのに、発送電を続けて需給バランスを崩してしまうと、周波数の乱れなどによって、最悪の場合、大規模停電の事態を引き起こす。

 このため、電力会社は、電力が余りそうな日には、①火力発電②バイオマス発電③太陽光・風力発電④水力・原子力・地熱発電――の順に、発電会社に出力を抑制してもらうルールになっている。こ…

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