最初の印象は駐車料金が千円とは高いなぁというものであった。
あれは忘れもしない
昨年の7月のことである。
大峰山系の夏場は、午前中からお昼ごろにかけて最高の天気であったとしても、
午後も14時を過ぎてくると必ずといっていいほど雨になったりすることがある。
それもけっこうしつこく激しく降ったり。
和佐又ヒュッテを起点とし、伯母谷の覗を目的地としたピストンで
夕方になり、あと一時間半くらいで駐車地に到着するという岩本新道でまさかの大雨。
しかもレインウェアを着る間もないくらい突然の出来事。
ずぶ濡れになって戻ってきたらポツンと自分の車だけになっていた。
和佐又ヒュッテの管理人のおばさんがすっ飛んできて
「遭難したんちゃうかと心配してたんよ~」と。
それまでに何度も車のところまで見に来てくれていたらしかった。
車には、フロントガラスの内側のところに駐車料金領収書を置いていて
そこには入山時刻、行き先、ピストンか周回かなどが書き込まれている。
もちろんヒュッテの管理人さんが料金を支払うときにいろいろ聞いてきて書き込むのである。
こんなところで人の暖かさに触れてホロリとさせられたという出来事があった。
結局は人というのは一人では生きられないわけで、
(例えば無人島で虫歯になったら自力でなんとなる?歯医者のお世話にならなきゃムリだ。
トムハンクス主演でそんな映画があった。。)人は、他人のため、人助けのため、人と関わるために存在する、なんて思った。
機械が自動的に料金を徴収するどこかの人間味の無い駐車場とは大違い。(^^ゞ
登山者に寄り添って - 吉野署が感謝状/和佐又山ヒュッテ 岩本さん夫妻2012/12/25 奈良新聞より引用大峰山系の山小屋「和佐又山ヒュッテ」(上北山村西原)で、長年にわたり山岳救助活動に協力したとして、
管理人夫妻の岩本二朗さん(79)と実子さん(73)に、吉野署(牧村嘉泰署長)から感謝状が贈られた。
夫妻は昭和59年、わかくさ国体の山岳競技の手伝いを頼まれて以来28年間、
ヒュッテに居住して登山者や修験者らを見守ってきた。
この冬で管理人を交代する。
ヒュッテは標高1150メートルの山の中にあり、大普賢岳(標高1780メートル)などへの登山基地。
登山者は年間約1万5千人という。
けがをした登山者から助けを求められたり、帰りが遅いと吉野署に通報。
山をよく知る二朗さんは救助隊より早く現場に駆け付けた。
滑落で足をけがした子どもを背負ってヒュッテまで下りたこともある。
捜索活動が長引くと、ヒュッテに吉野署の本部が設営され、
山の状況をアドバイスするなど捜索隊員らを陰でサポートした。
牧村署長は「救助活動への協力や登山者への注意喚起など、大変ご苦労をおかけしました」とねぎらった。
同署管内では、今年だけでも8件の山岳遭難が発生。
7月には大普賢岳で1人が死亡した。
登山届を提出せずに山に入ったり、山中で登山計画を変更するなど、
山のルールを守らない登山者らを見るたび、「命が関わる問題なのに」と夫妻も歯がゆい思いをしてきた。
「朝日が昇る瞬間から満天の星空まで一日中、また1年を通じて移り変わる自然がある」
とヒュッテの魅力を語る二朗さん。
最初は里に帰りたくてホームシックになったという実子さんも
「大事な場所だからこそ、どなたにも安全確保を一番に考えてもらいたい」と願っている。