8月23日に「アイス・バケツ・チャレンジ」で、氷水をかぶった。
あまりに流行ったので、賛否両論になっているこの現象について、自分の体験と気持ちをメモしておきたい。
僕のFB上でバケツで水をかぶる映像が出始めたのは、8月の上旬頃からだろうか?米国発の難病啓発キャンペーンとして、日本にも波がやってきて、友人達が次々に参加していった。SNSを活用の普及成功事例として、興味深く見ていた。
22日(金)の午後に、ZELSの田口さんから「アイスバケツチャリティ指名してもいいですか?」とメッセージが来た時は、一瞬戸惑った。「あー、やるなら2週間位前だよな。今やるのは、ダサいな」というのが正直な感想。既に、前日の夜には地上波のテレビ番組で紹介されていたのを見て、もう一般化したんだなと思った矢先だった。
ネット上の批判の意見も多く見た。「売名行為だ」「水をかぶるのに意味が無い」「寄付は自主的にちゃんと考えてするべきで、啓蒙になっていない」「チェーンメールみたいで気持ち悪い」等々、真っ当な批判も多かった。
ちょっと考えたけれど、やることにした。それほど深い理由は無いけれど、ソーシャルメディアの専門家風な立場としては、機会があれば何でも体験しておくべきかなと思ったのと、頼まれた人が好きな人だからだ。田口さんに頼まれて、同じ事を引き受ける自分がちょっと嬉しかった。
翌日に「作曲家リレートーク」というイベントがあって、「山口ゼミ」の弟子達がたくさんいるのも良いなと思った。どうせやるなら自宅でやるより、人がいた方が楽しい。会場のMUSE音楽院にバケツなどの手配をお願いして、スタッフにも連絡をした。次にやったのは、バトンの相手先を決めておくこと。友人だとしても、強制では無いにしても、勝手に名前を挙げるのは無いなと思い、メッセージで許可を求めた。
3人の人選は自分の中ではあっさり決まった。感覚的なものだったけれど、決めた後に、後付けで理屈を考えたら、以下の理由だった。
・ 洒落が理解できる大人なこと
・ 自分が信頼できる友人であること
・ ソーシャルアクティブで、一定の影響力があること
・ 自分と違うコミュニティを持っていること
瞬間的に選んだ人の共通点は以上だった。
女性を選ぶのは考えにくいし、極端に歳下だったりすると、強制的に感じられるかもしれない、みたいなことも思っていた。
3人とも快く受けて下さって、嬉しかった。
その日の夜は、改めて「アイスバスケットチャレンジ」現象と、ALSという病気について、ネットで調べてみた。WIKIPEDIAとALS協会のサイトを見る程度だったけれど、自分なりに、知識の確認はしておこうと思った。
同時に、自分がやる理由についても改めて考えてみた。普段の僕の言説は、すでにブームになってしまった「アイスバケツ現象」を批判する人達に近い気がする。「表層に流されずに本質を見ようよ」「一時的なブームは、時には逆効果だよ」という意見には、その通りだと思う。
でも、友人から自分にバトンが回ってきた時に、もう一般化しているタイミングで、ダサいことを引き受ける自分でいたいなと思った。ダサいことを堂々とやれる男でいたいなと、普段から思っているから。
J-POPの音楽プロデューサーとして、「ダサカッコイイ」ことを堂々とやり抜かなければいけないという職業的な強迫観念みたいなものを持っているのも関係あるかもしれない。
実際にやるのは一瞬のこと。白いTシャツが敗因で、最近、猛暑に負けてGYMをサボって。腹が出ているのがモロバレ映像なのが心から残念だけれど、一瞬のお祭りだった。
既にやってしまった自分が、どうだったのか、よくわからないけれど、忘れないうちに、自分の感じたことをメモしてみた。
なので、今回のエントリーは、特に誰に対しても何も訴えていないつもり。
銀行振込で寄付もした。元のルールは、100ドル寄付 or 水をかぶるらしいけれど、両方やる人が多いようだ。寄付先は、日本ALS協会で、金額も1万円にした。独自性を出さずにルールに従う心地よさもあるなと感じた。
ちなみに、氣志團の綾小路翔さんがTwitterで賞賛していて知ったブログの記事がこれ。
まじめに語るとこういうことなのだと思う。参加して良かったと思えたので、ありがとう!
そんな感じで、やってみて、思うのは、水をかぶるのは祝祭性があるんだなと、お祭りっぽい感じだから広がったのだと思う。タイにも水掛祭りってあるよね。ただ、観ていても一種のカタルシスがある。だから反感もかうんだろうね。
バトンを渡した3人の映像を見て、なんかうまく説明できないけれど嬉しい。こういう連鎖があるのは、言葉を選ばずに言うと、楽しいね。
ドマジになりすぎず、でも不真面目でも無く、アイスバケツチャレンジをやる友人がいて、そんな連鎖があったことは素敵な体験だった。
いろんな意見があって良いけれど、「啓蒙」って、関心を持ってない人に考えるきっかけを持ってもらうことだから、広まるほどに、薄まるのは自然で、目的は十分に達成しているんじゃないかな。
ノンポリ的なスタンスで、アイスバケツチャレンジに参加してみて、そんなバカっぽい感想を持った。
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