2015年3月24日火曜日

SXSW2015〜輝きを増すオースティン、これぞ地方創生だね。

DMM.akibaも存在感あった
 今年もSXSWに行ってきた。初めて訪れたのは10数年前で、今回は7回目くらいだろうか?自分がプロデュースするアーティストを連れて行ったこともある。その時は、10代の女の子を10人連れてアメリカ横断ツアーをやったから、大変だったけれど、今や懐かしい思い出だ。

 今回の僕の役目は、TRADE SHOWの中でのJAPAN PAVILINとオースティン中心部で行ったJAPAN DAYのお手伝い。プロデューサーと言えるほどのことはしてないけれど、オールジャパンでプレゼンテーションできる場をSXSWの中に作ることは、めちゃくちゃ重要だったと思っているから、微力ながら、頑張っている。
JAPAN PAVILIONブース

 JAPAN PAVILIONは3年目になる。SYNC MUSIC JAPANを中心に、日本のコンテンツを伝える場になっている。
岩佐氏直々のデモ
 3年連続でオースティンに行って、今年感じたのは、日本人が多くなったなということ。特にインタラクティブ期間にこんなに日本人を見かけることは無かった。日本のIT企業、スタートアップにSXSW重要性が浸透してきたのは本当に良いことだなと思う。

 TwitterSXSWでの受賞をきっかけにブレイクして、インタラクティブ部門に世界中から人が集まっているのに、日本からは誰も来ないと、SXSW ASIA代表の麻田さんたちに相談されたのは6年位前のことになるだろう。セカイカメラ時代の井口尊仁さんを推薦したのが功を奏したようで、日本におけるSXSWの浸透がすごく進んだ。
SIX Award受賞の喜びの様子

 今年は、SIXという会社Accelerator AwardsBEST BOOTSTRAP賞受賞した。発表の時に客席にいたけれど、日本の会社が賞を取るのはやはり嬉しい。

JAPAN DAY会場のHighland 

 JAPAN DAYもお陰様で成功した。指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」開発者のログバー吉田卓郎さん、CESでも注目されたハードウエア企業Cerevoの岩佐琢磨さん、ヘッドマウントディスプレイ「FOVE」の小島由香さんという話題のスタートアップや、CNN「女性のビジョナリー10 人」にも選ばれたWomen’s Startup Labの堀江愛利さん、Perfume のコミュニケーションデザインで有名な電通の菅野薫さんなどが登壇してくださった。SXSW Interactive部門のディレクターの

HUGH FORRESTさんが、日本向けに話してくれたのも、とても有益だった。

 フィルム部門に出品されたドキュメンタリー映画『MADE IN JAPAN』が話題のトミ藤山さんも、駆けつけて、1曲歌ってくださった。
 
 この日の夜には同じ会場(Highland Lounge)で会場でPerfumeがヘッドライナーの公式ギグがあるので、前日深夜から午前中は、Perfumeチームにリハーサルできるように手配したので、仕込みからGPを拝見することができたけれど、素晴らしいメディアアートだった。Perfumeの伝説がまた一つ増えたと思う。
左から司会のKevi,吉田,岩佐,金子

 それにしてもオースティンの街の発展ぶりはすごい。僕が始めて訪れた10年数年前だったと思うけれど、音楽祭としては、素敵だったけど、正直、テキサスの田舎町という印象だった。

Perfumeファン
 近年は、開発も進んで、高層ビルやホテルが増えた。アメリカで一番近の上昇率が高いという話も聞く。テキサス州は、アメリカ建国の過程で独立の国だったこともある、地元愛の強い土地柄だ。州政府の税政策なども効果的だそうで、大手IT企業が本社機能や研究所をテキサスに置くことが増えている。トヨタの米国法人も本社をオースティンに移すと聞いた。発展のトリガーになったのは、間違いなくSXSWだ。2週間弱という長い期間になっているとは言え、一つのカンファレンスイベントが街を発展させるエンジンになるなんて、すごい話だ。



 折しも、安倍政権は、地方創生をテーマに掲げている。これからの日本で、街を発展させるなら、ダムや発電所、橋や高速道路を作っても効果は薄い。オースティンに学ぶべきではないか?今回はオースティンのアジア系企業が作っている商工会議所の方ともお話したけれど、街の発展を実感されていた。


期間中は人力自転車が大活躍
 そんなこんなで、ますます注目を集めているSXSW。注目を集めている分、理解が浅いケースもあるように感じる。中には、ITスタートアップのためのカンファレンスだと思っている人もいるようだ。音楽、映画、インタラクティブ部門が渾然一体としているのが、SXSWの個性だし、最大の魅力だ。

 行ってみないとなかなか実感はできない、他に類を見ないイベントだけれど、少しでも知ってもらうためのイベントを企画することにした。
いたるところで開発中
 SXSW ASIA代表の麻田浩さんは、音楽プロデューサーの大先輩だ。SXSWのファンダーチームと古い友人という関係で、長年REPを務めていらっしゃる。

 JAPAN NITEという日本のアーティストを紹介するショーケースも20年続けていて、毎回、SXSWを皮切りに、東海岸から西海岸までのアメリカ横断ライブハウスツアーもやられている。麻田さんには、SXSWの本質を語っていただきたい。主催者のフィロソフィーが明確だったのが成功の秘訣だと思うからだ。


 近年のSXSWのトレンドと、2015年のダイジェストは、AOIpro戦略事業本部の北村久美子さんにお願いする。彼女は、日本最大手CM制作会社の新規事業担当の執行役員だ。毎年、何人もの社員に事業プランを立てさせ、SXSWのメンターセッションを受けさせるという素晴らしい施策をやっている。セミナーも事前にリサーチして、ポイントとなるセッションは手分けして受講している。近年のSXSWのキーノート、セミナーを最も掌握している人なので、貴重な話が聞けると思う。
 

 シブハラミーティングは、4月か2回目。START ME UP AWARDSの関連イベントとして、朝日新聞メディアラボと共同で始めた。起業家、起業志望者、プログラマー、音楽、映像の業界関係者、音楽家、クリエイターなど、いろんな分野の人達が集う場にして続けていきたいと思っている。
●シブハラーティングVol.2 「SXSW2015徹底レポート」

 デジタル時代のプロデュース感覚を身につける「ニューミドルマン養成講座」は、5月後半から第2期を始める。この期は「音楽業界の構造を読み解く編」と名付けて、「ニューミドルマン視点で日本の音楽ビジネスを知る」というテーマでやる。業界の第一線の素晴らしいゲストが来てくれる。
 ミニセミナー付きの説明会もやるので、興味のある人はどうぞ。
●第2期ニューミドルマン養成講座〜音楽業界の構造を読み解く編〜

2015年3月2日月曜日

6冊目の本は恋愛本!?ラブソングラボって何?朋ちゃん推薦が嬉しい。

 最近のinstagramを見返していたら、スタバのコーヒーやBARで飲むジンソーダの写真の横に「原稿書いている」とか、「原稿が進まない」とか投稿している自分がいる。昨年末から1時間でも空いていたら、PCを広げて原稿を書く、ゲラやプリントアウト原稿を持ち歩いて、赤ペンで直しを入れるという生活が続いている。去年の12月の時点で、4冊の本の出版が決まっていた。本当にありがたいことだけれど、時間が足らない。

 旧い友人達は、「最近は作家さんみたいだね。」と励ましのような、小馬鹿にしたような感想をくれるけれど、〆切がいくつもある生活は生まれて初めてだ。やってもやっても終わらないし、でもやらないと終わらないと思いながら、本業の合間は、すべて原稿書きに充てている。元旦に思ったのは、「ライター本業の人ってすごいな」ということ。永遠に〆切があるように思える生活なんて、絶対に無理だ。書くこと自体は好きな行為だけれど、プレッシャーも感じるし、マネージャー出身者としては、他のスタッフに自分が〆切が遅れることで迷惑を掛けるというのが耐えがたい。



 そんな中、この本は楽しくやらせてもらった。数えたら6冊目になる。本日32日出版の『とびきり愛される女性になる。』は、なんと恋愛本!迷える女性達に恋を指南をするって、そんな資格は1ミクロンも有していないけれど、サブタイトルに「恋愛ソングから学ぶ魔法のフレーズ」とあるように「ラブソング解析」という一点で、許していただきたいと思っている。示唆を与えているのは、楽曲であり、その歌詞を書いたアーティストで、あくまでそこを繋いでいるだけ。恋の神様はアーティストで、楽曲がバイブルで、僕らは牧師の役割という喩えは、敬虔なクリスチャンには叱られるだろうか?生臭坊主ということで、勘弁してもらおう。

しかも僕一人では無い、優駿な盟友、伊藤涼さんとの共著だ。一昨年から始めたCREAwebの連載「来月流行るJポップ」が、好評をいただいていて、ローソンHMVエンターテインメントの出版セクションからお話をいただいた。あの連載も、伊藤涼を「歌詞アナリストとして売り出す」というのが影の目的だったから、今回の企画案がスタッフから出たときの、僕の第一声は「それは伊藤涼が活かせます。その案にしましょう」だった。この本では、ラブソングの歌詞フレーズを拾い上げて、そこから恋の処方箋を書くという肝の部分は、彼の力量だ。僕は、全体の企画を整理するプロデュース的なことと、読者とのアタッチメントである文体を決め込むのが主な役割だった。

 伊藤さんと取り組んでいる作曲家育成でも「コーライティング」の作曲法を推奨しているけれど、まさに僕らの著作活動も「コーライティング」的だ。印税は折半と最初に決めて、得意分野を責任範疇としながら、思いついたことは言い合って作品をつくっていく。楽曲のデモテープをつくる時と同じやり方だ。
 ちなみに、4月に『最先端の作曲法!コーライティングの教科書』という本をリットーミュージックから共著で出す予定なので、共作の意義や可能性の話はその時に書こうと思う。

 恋愛は、若い女性の最大の関心事。以前より、人々の話題から音楽の話が減っているような気がして、コアな音楽ファンでは無い人たちに、Jポップへの関心を少しでも喚起できたら嬉しい。というか、CREAwebの連載もそうだけれど、音楽プロデューサーとしての僕の動機は、そのことに尽きる。

 ただ「ほら、いい曲だから聴いてよ」と押し付けがましくならないように、できるだけ読者の視点と合うように工夫したつもり。出版社側から提示された想定読者は、20代から30代のOL層。僕の普段の生活ではお会いすることの無い人たちだ。

 見えない人にメッセージを書くというのは、なかなかロマンティックな行為だった。


 帯に推薦文をいただこうということで、スタッフ含めて話し合って、華原朋美さんにお願いすることにした。想定読者からの好感度が高く、恋愛の機微がわかっていて、今も頑張っているというイメージがピッタリだった。写真付きでのコメントを快諾していただいた時は、久々にガッツポーズが出るほど嬉しかった。

 まだ準備中のフェイスブックページをTOKYOFMLOVE CONNECTIONのスタッフが見つけてくれて、番組に出演依頼をといただいたのはビックリした。アーティストのPRでは、日本中のラジオ局に数え切れないほど言っているけれど、自分が出演するのは、一昨年のNHKFM『元春レディオショー』以来二度目だ。佐野元春さんと二人っきりで話したあの時ほどでは無かったけれど、やはり緊張した。聞いてくれた人ありがとう。コメント収録だったせいもあって、ちょっと堅すぎたなと反省した^^;


 伊藤涼との共著は初めてだし、せっかくだから何かやろうと話していて思いついたのが、オリジナル楽曲の制作だ。この本は、48曲のラブソングから象徴的な歌詞のフレーズを引用して、恋愛に役立ててもらおうという趣旨になっています。その48のフレーズをコラージュ的に組み合わせて歌詞にして、オリジナル楽曲をつくってみた。制作は、作曲家育成「山口ゼミ」卒業生によるクリエイティブ集団CoWritingFarmの選抜メンバーだ。3人×2組で、2曲つくった。作曲だけで無く、アレンジやボーカルもメンバーによる作品だ。『なんていうかさ』『UNDO』の2曲。先行配信リリースがAmazonJポップチャート1になったのは、コミュニティとなっている「山口ゼミ」のファミリーパワーの後押しが大きいのだろうけれど、幸先の良いスタートが切れた。
 本の宣伝をYouTubeするにも、紹介した楽曲の許諾と取るのは難しいから、この2曲のコラージュソングでリリックビデオを作っているので、是非、観てください。

 今回の著者のクレジットは「ラブソングラボ・山口哲一、伊藤涼」となっている。出版社の要請を受けてつくった、急ごしらえの「ユニット」だけど、名乗ってみたらなかなか気に入っている。「山口ゼミ」卒業の作曲チーム「CWF」のメンバーや伊藤涼主宰の「リリックラボ」卒の作詞家が、研究員として参加してくれている。選曲に当たっては、ローソンチケットはHMVの会員アンケートも参考にしたから、協力してくださった皆さんも「ラブソングラボ」のメンバーだと僕らは思っている。


 担当編集者は次作も出したいと言ってくれているので、本を読んでの感想や、本書に触発されて、楽曲と結びついた恋の思い出のエピソードなど、フェイスブックページやツイッターで教えてくれたら、思いっきり参考にさせてもらうつもりなので、よろしくお願いします。そんな感じでブラッシュアップして、ラブソング×恋愛力アップ企画を考える「ラブソングラボ」活動も続けていきます。




 こんな日々の中でメルマガ発行できずにいます。ごめんなさい。必ず再開するので、ちょっと待ってね。週末にニュースチェックしてキュレーションするのは僕にとっても良い習慣なので続けたいのだけれど、時間がとれていないので、やり方考えています。

 1月から始めた「ニューミドルマン養成講座」も、熱気と活気が感じられて、めちゃやる気になっている。ゲスト講師の熱量もすごく高くて感謝。前向きに継続するつもり。 
 まずは、原稿を書きまくります。どこかのスタバでPCを睨んでいる僕を見つけたら、優しく声を掛けてね。