最近と言いつつ、ずいぶん幅があるけど、4本。
映画は、観たらすぐ、書かないと、タイミングを逃すよね。と、反省しつつ。
『ツリー・オブ・ライフ』
父と子供の葛藤に、恐竜の親子を重ねてるのもわかりやすくないし、キリスト教的な感覚も前提になっている気がするし、全体的に重苦しさはあるし、結構長いし(138分)というのが、薦めにくい理由。
同時に、良い映画だなと思うのは、監督がしっかりとしたイメージを持っていて、それが実現できている気がするから。
2時間以上の時間をテレンス・マリック監督に「支配」されてしまった。この「支配」は、重苦しいんだけど、心地よさがある。グレン・グールドやセロニアス・モンクのピアノソロを聴いたときに感じる「支配感」と似ているなと思った。
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』
宇宙で漂流してたどり着いた、猿が支配する惑星が、実は未来の地球だった。というのは、今更ネタバレと言う必要もないだろうけど、何故、地球がそうなったかというのが、今回の「創世記」バージョン。
よくできた構成とシナリオ、そして、今更だけど、本当にリアルなCGの技術で、すごくリアル。人間社会の弱さも描かれていて、様々なことを考えさせられる。
主人公は、愛情と正義感が溢れる人物として描かれているけど、結局、この人が、個人プレーで、勝手に研究したことで、人類を滅亡させたんだよね。
エンタメとしてレベル高いです。
『ガザを飛ぶブダ』
素晴らしい!
イスラエルが長期にわたって「占領している」パレスチナのガザ地区が舞台。主人公はパレスチナ人の男と占領地にいるロシア系ユダヤ人女性。そして、突然現れたブタ。イスラム教徒であるパレスチナ人にとってブタは不浄だし、ユダヤ教徒にとっても、忌避すべき存在。
フランス人的なエスプリに溢れてるけど、独りよがりてはない。 難しい社会状況を笑いに変えながらリアルに描いている。
宗教的対立も相対的に、そして愛情ある目で捉えて、くすっと笑える。久々に良い映画を観た気分。
東京映画祭(TIFF)で観客賞をとった。まだ配給決まってないみたいだけど、是非、上映して欲しい。もう一度観たい。
『素敵な金縛り』
絶賛上映中、大人気の映画。
演技力の高い役者が多数出演。深津絵里と西田敏行、阿部寛と中井貴一と巧い人がたくさんという印象。浅野忠信もすごくよかった。
エキストラに近い端役が超豪華なのも、三谷作品の特徴だよね。ぜいたくーって思いながら、なんか楽しい。
物語の展開もテンポ感良く、笑いながら楽しめる。幽霊がいなくなってからラストまでは、ちょっとくどかったけど、そこにも味わいはあるしね。
フジテレビ×東宝という日本の大メジャーは、何となく敬遠しがちだけど、今回は、映画館で観て良かったな。
『モテキ』も観たいんだけど、タイミングを逃しているな。
それから、DVDで観た『LOVE ACTUALLY』は、凄く良かった。
60年代の海賊ラジオ局を描いた『パイレーツオブロック』のリチャード・カーティス監督の代表作というので観てみたんだけど、群衆劇として最高のシナリオ。いくつものラブストリーが折り重なっていくシナリオが素晴らしいし、気持ちの良いハッピーエンド。デートムービーとしても鉄板。