今日は、いま話題になっている「アイスバケツチャレンジ」について書きたいと思う。
「アイスバケツチャレンジ」についての説明は、ネットで検索をすればたくさん出てくるので省略するが、この「頭から氷水をかぶる」という行為に関して、「危険だ」「水がもったいない」という声や、【氷水をかぶるか、寄付をする】という原則が「半ば強制的である」「寄付は自主的にするもの」という批判を集めている、とニュースで読んだ。
実際、氷水をかぶることは身体にはよくないと思う。この活動はそもそも発案者が「見てるひとを笑わせたい」とからだを張ったものが起源になっているので、少々からだに悪いのはまあ、当たり前っちゃあ当たり前なのだ。スタートが芸人の発想だからね。
そして、「指名されたら体面上断れない」「寄付は強制的にするものではない」という批判もわかるっちゃあ、わかる。誰も「強制」されることは好きじゃない。
ただ、そういうひとたちに是非見てもらいたいなぁ、と思う記事がハフィントンポストに載っていたんだけど、
これは英語なので、特に知ってほしい、記事の中のビデオのところだけ一部、訳してみた。
このビデオで、バカみたいな格好をしてアイスバケツチャレンジをしている男性は、ALS患者である。最初はただのおふざけビデオかと思いきや、後半では彼の、アイスバケツチャレンジに対する想いが、語られている。なかでも印象的なことばが、以下のものである。
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「誰も、あと2年~5年しか生きられなくて落ち込んでいるひとなんか、見たくない。そんなひとのことなんか、話したくない。そんなことで、一日を台無しにしたくないんだ。
アイスバケツチャレンジに対して反感を持っているひとたちがいる。それは構わない。ひとびとの関心をひくことに、成功しているという事だ。むしろ、少しぐらい反感をもたれないと、成功しているとはいえないだろう。
みんなの関心はまたすぐに、かわいいネコの動画や、「Let It Go(ありのままで)」のカバー映像なんかに向いてしまうんだろう。でも今は、ALSコミュニティが、スポットライトを浴びている。
アメリカでは30000人しか、ALS患者はいない。これは、大金を投じて新薬を開発する製薬会社にとって、多くの「見返り」が期待できる数じゃない。ぼくは、儲けを生み出さない、だから、ぼくは救う価値がない、それが新薬開発に費用が使われない理由だ。
ぼくが頭から氷水をかぶるだけじゃ、ぼくの本当に伝えたいことは、伝わらないだろうから、このビデオを作った。
みんなが行う、ひとつひとつの「アイスバケツチャレンジ」が、ぼくをどんな気持ちにするか、想像もできないだろう。とても勇気付けられる。すべてのALS患者が、勇気付けられている。あなたたちは、確実に、本当に、世界を変えているんだ。そしてぼくたちは、本当に、とてもとても、感謝している。」
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そしてビデオの最後には、“MAKING A SCARY DISEASE EASIER TO TALK ABOUT(この怖い病気について、もっと気軽に話すことができるように)”という一文が出てくる。

このビデオでわたしが最も心打たれたのは、この一文だった。
わたしの中学の同級生は、この病気の患者である。2年ほど前に、同級生数人とお見舞いに行ったが、それっきり連絡はとっていない。特にそこまで親しかったわけではない、ということもその理由のひとつではあるが、もっと大きい理由は、もう正直に話すけど、彼女の姿を見た時になんて言ったらいいのか、どうしたらいいのか、本当にわからなかったからだ。言葉を失う、という表現がある。まさにそんな心境だった。ただ実際には、わたしはその場でずっと、喋っていた気がする。こころが絶句したかわりに、それを気づかれまいとして、必死に、意味のない事をたくさん口から吐き出したような覚えがある。
どうしたらいいのかわからないとき、それはひとが絶望するときだと思う。そしてわたしは、恥をしのんで書くけど、病人を見舞っておきながら自分が絶望してしまったのである。そしてそれ以来、お見舞いには行っていない。
「誰も、あと2年~5年しか生きられなくて落ち込んでいるひとなんか、見たくない。そんなひとのことなんか、話したくない。そんなことで、一日を台無しにしたくないんだ。」
彼のこのことばは、わたしに向けて言われているような気がした。
この「アイスバケツチャレンジ」に対しては、多くの人が「指名制」や「寄附」「氷水」というところにひっかかっているようだけど、わたしは、「プロモーション」として見るのが一番いいと思う。ALSとは何か、どんなALS団体があってどこに寄附ができるのか、何故寄附が必要なのか、ということを多くのひとが知るきっかけを与える「広告」だと考えると、実はものすごいことを、ものすごい規模でやっていることがわかる。多くの人に何かを「伝える」というのは、実はとてもお金がかかることだからだ。そして何かが「伝わる」と、確実に、事態は変わるのである。だからこそ、ひとは常に何かを「伝えよう」とするのだ。変化を起こしたくて。世界を、状況を変えたくて。
「あなたたちは、確実に、本当に、世界を変えているんだ。そしてぼくたちは、本当に、とてもとても、感謝している。」
「アイスバケツチャレンジ」の本質が、彼のこのことばに集約されていると思う。ただのバカ騒ぎでもいい。流行にのってやっただけ、でもいい。そのひとつひとつが、誰かの関心を、良かれ悪かれ引くのであれば、それは変化を生み出すからだ。実際、この数日間で何人ものひとがこの病気について知ることができたと思う。それが変化であり、それがこのムーブメントの本質だと思う。
ちなみに「わたしはやらない」と拒否した海外の著名人もいる。彼女は「動物実験反対運動」を推進しているので、そっちに注目してほしい、とチャレンジを拒否したのだ。ここで彼女の決断に対してあーだこーだ言うひとは、本質を見失っている。彼女はチャレンジを拒否することで、アイスバケツチャレンジと同時に自分の運動のことも「伝える」ことができたのだから、結果的には「WIN/WIN」の関係だといえる。
「見ていて辛そうだし不快」「氷水の意味がわからない」「一過性じゃ意味が無い」「ただのお祭り騒ぎ」…こうした感情を抱くことが悪いとは言わない。ものの受け取りかた・感じ方はひとそれぞれだし、「肯定的な見方」を強要することは誰にも出来ない。ただ、わたしは、世界規模で変化が起こっていることは、肯定したい。そして、どんな感情を抱いても自由だけど、世界を変えるのはいつだって「感情」ではなく、「行動」だと思うので、アイスバケツチャレンジを行った世界中の無名・有名なひとたち、そしてビデオの彼を、わたしは、讃えたいと思う。
おぱん ぱんだ すたいる(明日早いのにこれ書いてたらめちゃ遅くなった、の代わりに)
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目から鱗が出ました
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アイスバケツチャレンジについて。
gunxxx reblogged this from anmoada and added:
たいへんわかりやすい文章 とっても素敵なのでシェアします
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