てい‐こく【帝国】
ていこく【帝国】
帝国
収載図書ロック・スプリングズ
出版社河出書房新社
刊行年月1990.7
帝国(ダゴン星域会戦)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 15:22 UTC 版)
「銀河英雄伝説の歴史上の人物」の記事における「帝国(ダゴン星域会戦)」の解説
ヘルベルト 皇帝フリードリヒ3世の三男。大公。ダゴン星域会戦の帝国側総司令官。 次期皇位を確実視される野心家の青年。行動力と積極性に富み、親切で気前も良く、容姿も美男子と称され得る。長兄グスタフは病弱、次兄マクシミリアン・ヨーゼフは母親が下級貴族という中で、知性はともかく、健康も有力貴族の後ろ盾も問題ないため、次期皇帝の有力候補とみなされ、叛徒討伐の最高司令官に抜擢される。しかし、軍事に関しては素人同然であり、また、感情家で精神が不安定という欠点を持ち、調子の良い時と悪い時の振れ幅が極端に大きい。他者から掣肘されることを好まず、叔父のステファンからは驕慢児と手厳しく批判される。後世にダゴン星域会戦で大敗を招いた指揮官として知られており、本編中でも戦後の政治劇も含め、名が登場している。 侵攻作戦では終始、インゴルシュタットら本職の軍人たちの足を引っ張る。幕僚団の半分に軍隊経験のないサロン仲間を任命するなど、準備段階からして周りの眉をひそめさせ、実際に同盟領への遠征が始まると、ただの移動の日々にすぐに退屈して自堕落な生活を送るようになり、しまいには司令部を仲間である若い貴族たちとの遊興の場に変えてしまう。さらには興味本位で進軍中の事故の見学をするなど侵攻計画の支障となり、それでいて皇太子であることを憚って誰も苦言を呈さず、是正されないという状況が続く。 同盟軍と接触すると、その緒戦の勝利に気を大きくして、軍事常識を無視した攻勢を命令し、さらに地理不案内な敵地で不明瞭な命令を発するなど味方の行動に制約や混乱を与えるいっぽう、前線に旗艦を進めて艦隊を叱咤し兵士を鼓舞する姿も見せる。非常識な用兵は結果としてリン・パオやトパロウルを焦らせるが、ただ無能なだけと気づかれた後は一方的な展開により、追い込まれていく。その中にあって最善を尽くしていたインゴルシュタットに責任をなすりつけて激怒し、さらには稚拙な戦力集中によって敵の包囲網を完成させ、「ダゴンの殲滅戦」を自ら呼び寄せた形となる。 果敢な部下たちの敵中突破によってかろうじて生還を果たすも敗北の衝撃で虚脱状態に陥り、そのまま離宮の1つに軟禁される。その後の去就は不明だが、フリードリヒ3世の晩年は陰謀や暗殺が横行したとあり、皇位はヘルベルトの次の有力候補であった四男リヒャルトではなく、皇帝の異母兄マクシミリアンが継ぎ、また、さらにその後に皇帝位についた兄グスタフはヘルベルトの部下に毒殺され、その次に皇位に継いた次兄マクシミリアンは同じく何者かの毒で半盲となっている。 ゴットリーブ・フォン・インゴルシュタット ヘルベルトの幕僚(作戦責任者)。中将。 用兵を熟知した有能な軍人。同盟領侵攻作戦において、ヘルベルトの補佐役となる。同戦役中は、終始ヘルベルトの行動に悩まされる形となり、かといって諌めることもできず、多大な制約の中で最善を尽くそうと模索する。同盟軍との戦いが始まると、リン・パオが唯一懸念していた戦法を取り、失敗に終わるが同盟軍に動揺を与える。その後も同盟軍を危機に陥れられる機会があったものの、ヘルベルトの気まぐれのために予備兵力を確保しておく必要から見逃さざるを得ないなどの事態が続いていく。戦役終盤、パッセンハイムが彼自身のミスで戦死すると、それに対して癇癪を起こしたヘルベルトに、衆人環視の前で一方的に無能と誹りを受け、さらに階級章をもぎ取られる屈辱を受ける。慎重に行おうとした戦力集中も、ヘルベルトの横槍で稚拙な行軍となり、結果、敵に捕捉され「ダゴンの殲滅戦」に至る。 戦後は衛兵に銃を奪われ、自殺すら許されない状態となる。神聖不可侵たる皇族であるヘルベルトの罪が問えないため、彼のスケープゴートとして敗戦の全責任をなすりつけられた上に、物資の横流しや敵に内通していたなど、無能で腐敗した上官や同僚の罪や瑕疵まですべてインゴルシュタット個人の罪とされてしまう。予め死刑が決まっていた法廷において最後まで沈黙を守ると、最期に弁護してくれたミュンツァーには深く頭を垂れ、銃殺される。 なお、仮に最初からインゴルシュタットのような帝国軍将校が指揮をとっていたとしても、リン・パオらはむしろ彼のような正統な用兵の相手を想定しており、良くても補給不足の欠乏による撤退に追い込まれていたことが作中で示唆される。 パッセンハイム 艦隊司令。中将。 同盟軍との戦いにおいて史上初の提督級の戦死者。味方を敵と、敵を味方と誤認するミスを犯し、味方と思った敵艦隊に無防備な右側面を攻撃されて損害を被った上に、敵と思った味方艦隊から逃げるような命令を出して戦死する。パッセンハイムの戦死は純粋な彼自身のミスであったが、帝国史上初の提督の戦死という事実はヘルベルトの勘気に触れ、インゴルシュタットが理不尽な問責を受けることになってしまう。 オスヴァルト・フォン・ミュンツァー 帝都防衛指令部参事官。インゴルシュタットの被告弁護人。中将。後に司法尚書。 後世、晴眼帝マクシミリアン・ヨーゼフ2世治世下での司法尚書として著名な人物。ダゴン星域会戦時は帝都防衛司令部参事官という役職にある軍人。インゴルシュタットとは「顔を見るのもいやだ」と日ごろ公言するほど10年来不仲であり、そのために、ダゴン星域会戦敗戦後の軍事裁判において、インゴルシュタットにすべての責任をなすりつけたい上層部の思惑で被告弁護人に指名される。ところが、その思惑に反して彼の無実を訴えた上に、理路整然と彼の起訴罪状の矛盾を指摘し、裁判の公正性を公然と批判する。秘密裁判だったにも関わらず最終弁論で述べられた内容が外部にも伝わり、「弾劾者ミュンツァー」と呼ばれるようになったものの、宮廷と軍首脳の忌避を買い、職を解かれた上に名目は予備役編入という形で、実質的な辺境への流刑に処される。 6年後に第23代皇帝として即位したマクシミリアン・ヨーゼフ2世に見いだされて司法尚書に任命され、事実上の宰相として国政を粛正して蔓延していた腐敗の一掃を行う。また、同盟征服の困難さを「距離の暴虐」と称して同盟領への侵攻計画を諌め、マクシミリアン・ヨーゼフ2世治世下では侵攻が行われなかった。続くコルネリアス1世にも仕えたものの、コルネリアスは逆に外征に積極的であったため、最後は諦めて職を辞し、宮廷から退く(その際に元帥号を授与されるが固辞する)。 上記、「距離の暴虐」のエピソードなど、本伝や外伝にも過去の偉人としてしばしば名が登場している。 ステファン・フォン・バルトバッフェル 皇帝フリードリヒ3世の異母弟。侯爵。上級大将。 皇族だが軍人としての見識にも長ける人物。ダゴン星域会戦に先立つ同盟領侵攻計画の御前会議において、ただ一人、純軍事合理的観点から討伐計画に反対を唱える。特に計画の実行者である甥ヘルベルトの野心を咎めるが、正論で手厳しく批判したがために皇帝の不興をも買ってしまう。退役して宮廷からも退いたが、帝国首都への立ち入り禁止、男爵への降格、領地8割没収という追い打ちをかけられ、残った領地の山荘に籠もって3年後に病没する。 侵攻する代わりに回廊内に拠点を設けて防衛に徹するという戦略案は後にイゼルローン要塞として結実する。 フリードリヒ3世 第20代皇帝。先帝レオンハルトの甥。 帝国と同盟が初めて邂逅した時の皇帝。別名:敗軍帝。実子に恵まれなかった叔父・先帝レオンハルトの養子となり、皇位を継ぐ(レオンハルトの皇后クリスティーネの強い勧めで養子となり、その直後にレオンハルトが急死したため、皇后と不倫関係にあると噂されたという)。4人の息子に恵まれるも、長男グスタフは病弱、次男マクシミリアン・ヨーゼフは健康・知能共に問題ないが母が下級貴族で、三男のヘルベルトに目をかけていた。 同盟領への侵攻作戦を計画し、その司令官に上記理由からヘルベルトを指名する。計画を批判する異母弟ステファンを更迭するなどしたが、遠征の結果は、ダゴン星域会戦の大敗北となってしまい、後世に「敗軍帝」と渾名されることになる。その晩年は明確ではないが、宮廷クーデターを極度におそれ、帝国は「暗赤色の6年間」と呼ばれる陰謀・暗殺・テロの横行という社会混乱に見舞われた。皇位は息子達ではなく異母兄のマクシミリアン・ヨーゼフ1世が継ぎ、政治混乱は次男マクシミリアン・ヨーゼフが第23代皇帝として即位し、腐敗を一掃するまで続いた。
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帝国
出典:『Wiktionary』 (2021/06/20 11:34 UTC 版)
名詞
関連語
翻訳
- ボスニア語: imperija 女性, carstvo 中性, carevina 女性
- カタルーニャ語: imperi
- ウェールズ語: Ymerodraeth
- デンマーク語: riget
- ドイツ語: Imperium 中性, Reich 中性
- ギリシア語: αυτοκρατορία
- 英語: empire
- エスペラント: imperio
- スペイン語: Imperio
- フィンランド語: keisarikunta, imperiumi
- フランス語: empire 男性
- グジャラート語: સામ્રાજય (sāmrājya) 中性
- ヘブライ語: האימפריה ?
- ヒンディー語: साम्राज्य (sāmrājya)
- クロアチア語: carstvo 中性
- ハンガリー語: birodalom
- インドネシア語: kekaisaran
- イタリア語: impero 男性 a
- 朝鮮語: 제국 (jegug)
- ラテン語: imperium
- ルクセンブルク語: Räich
- リトアニア語: imperija 女性
- ラトヴィア語: impērija
- 低地ドイツ語: Riek
- オランダ語: rijk 中性, keizerrijk 中性
- ポーランド語: imperium 中性, cesarstwo 中性
- ポルトガル語: império
- ルーマニア語: imperiul
- スロヴァキア語: staroveký
- スロヴェニア語: cesarstvo 中性, imperij 男性
- アルバニア語: perandoria
- セルビア語: империја 女性, царство 中性, царевина 女性
- スウェーデン語: riket
- タイ語: จักรวรรดิ
- トルコ語: imparatorluk
「帝国」の例文・使い方・用例・文例
- 大英帝国の黄金時代
- ローマ帝国
- 大英帝国
- 彼は石油帝国を受け継いだ
- 帝国の
- 彼は帝国を長い間支配してきた
- 彼がその帝国の最後の支配者だった
- 帝国ホテルまでお願いします。
- 指導者は国内各地から集まった何百人もの反帝国主義者に,団結して,権利のために戦おうと呼び掛けた。
- アフリカでは、反帝国主義運動が民族解放運動の基礎となった。
- 彼はコンピューター科学への貢献により英帝国勲爵士を授与された。
- 大日本帝国は厳しい植民者だった。
- もともとは「ダルバール」はムガル帝国の宮廷のことを指していた。
- 大日本帝国は中央集権化の支持する政府の典型である。
- 彼らから帝国を奪い取る
- 彼らは帝国の領土を広げた。
- 彼らは帝国ホテルに泊まっています。
- 彼らは500年前にペルーに帝国を築いた。
- 同盟国はその激しい戦いで悪の帝国を打ち破った。
- 帝国の逆襲。
帝国と同じ種類の言葉
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