こう‐ぞく〔クワウ‐〕【皇族】
皇族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/09 20:21 UTC 版)

皇族(こうぞく、英: Imperial Family)は、皇帝の一族、あるいは日本の天皇の親族のうち、既婚の女子を除く男系の嫡出の血族およびその配偶者の総称[1]。すなわち皇室典範の規定するところの三后(皇后、太皇太后、皇太后)、親王、親王妃、内親王、王、王妃、女王、天皇の退位等に関する皇室典範特例法の規定するところの上皇后の総称である。
概要
皇族の範囲
皇族については、現行の法律においては以下のように規定されている。皇室典範によってその範囲は皇統に属する天皇の一族(親族)を皇族と定めている。
現在(1947年以降)の皇族の成員は、明治天皇の男系男子とその配偶者、未婚の男系女子である(この構成に至る経緯は#歴史の節を参照)。
天皇の母方の血族や姻族に関しては特別の規定がなく、民法の規定により、天皇の外戚の内、皇后から3親等内の者が天皇の姻族となる。天皇の姻族は皇族ではないが、民法上は天皇の親族である。このように「皇族=天皇の親族・血族である者全員」というわけではない。皇族以外の親族には下記「#特有事項(一般国民と皇族の差異)」は該当しないが、近親婚の禁止等の規制等は適用される。
天皇または親王・王の嫡出の子女として生まれた者以外が皇族となることができるのは、女子が天皇・親王・王のいずれかと結婚する場合(すなわち皇后・親王妃・王妃になる場合)のみに限られる(皇室典範15条)。
- 皇族の身分の離脱
- 満15歳以上の内親王・王・女王は、本人の意志に基づき、皇室会議の承認を得ることにより、皇族の身分を離脱できる(皇室典範11条1項)。
- 皇太子・皇太孫を除く親王・内親王・王・女王は、やむを得ない特別の事由があるときは、本人の意思にかかわらず、皇室会議の判断で、皇族の身分を離れる(皇室典範11条2項)。
- 皇族女子は、天皇・皇族以外の者と結婚したときは、皇族の身分を離れる(皇室典範12条)。
- (1)皇族の身分を離れる親王・王の妃 (2)皇族の身分を離れる親王・王の子孫 (3)皇族の身分を離れる親王・王の子孫の妃は、その親王・王と同時に皇族の身分を離れる(他の皇族と婚姻した女子とその子孫を除く)。ただし、(2)と(3)の皇族の身分を離れる親王・王の子孫とその妃については、皇室会議の判断で、皇族の身分を離れないものとすることができる(皇室典範13条)。
- 皇族以外の女子で親王妃又は王妃となった者が、その夫を失って未亡人(寡妃)となったときは、本人の意思により、皇族の身分を離脱できる。また、この場合、やむを得ない特別の事由があるときは、本人の意思にかかわらず、皇室会議の判断で、皇族の身分を離れる(皇室典範14条1, 2項)。なお、皇太后や太皇太后は皇籍離脱をすることができない。
- 皇族以外の女子で親王妃又は王妃となった者が、離婚したときは、皇族の身分を離れる(皇室典範14条3項)。なお、皇后や上皇后は離婚をすることができない。
- 皇族の身分を離れた親王・王の子孫で他の皇族と結婚した女子が、その夫を失って未亡人となったときは、本人の意思により、皇族の身分を離脱できる。この場合、やむを得ない特別の事由があるときは、本人の意思にかかわらず、皇室会議の判断で、皇族の身分を離れる。また、この者が離婚したときは、皇族の身分を離れる(皇室典範14条4項)。
職務
- 皇位継承
男性皇族は、皇位継承資格を有し、定められた順序に従って就任しうる(日本国憲法第2条・皇室典範第1条・第2条)。令和6年(2024年)1月1日現在の継承順位第一位は秋篠宮文仁親王。
- 摂政・国事行為臨時代行
皇族(親王妃・王妃を除く)は、摂政および国事行為臨時代行への就任資格を有し、定められた順序に従って就任しうる(日本国憲法第4条・第5条・皇室典範第16条・第17条・国事行為の臨時代行に関する法律2条)。令和6年(2024年)1月1日現在の継承順位第一位は秋篠宮文仁親王。
- その他公務
現在各皇族が就任している公職については後述。
一般国民との相違点
皇族も、日本国憲法第10条に規定された日本国籍を有する「日本国民」である[2]。皇室典範その他の法律により若干の制限はあるものの一般の国民との差異は本来大きいものではない。皇族の参政権は、皇族が戸籍を有しないため(詳細後述)公職選挙法付則により当分の間停止されているだけである。しかし、実態として皇族の権利や自由は大きく制約されている。これは「『皇族という特別な地位にあり、天皇と同じように制限されるべきだ』という考え方が市民の間で根強かったため」であるとされる[3]。このため、一般国民とは異なる取り扱いがなされている面が多くある。
具体的には、事実上、皇族に対しては日本国憲法第3章が一部適用されないということである。
- 家制度があり家父長制が存在する。
- 養子をすることができない(皇室典範9条)。
- 皇族男子の結婚は、皇室会議の承認が必要である(皇室典範10条)。離婚と皇族女子の結婚は承認不要[注釈 2]。
- 2022年3月31日まで、皇太子・皇太孫以外の皇族は民法を準用して満20歳で成年となるが、皇太子・皇太孫は満18歳で成年とされ、直系か傍系かという地位により区別されていた(皇室典範22条)。2022年4月1日以降は満18歳で成年とする改正民法が施行され、皇太子・皇太孫とそれ以外の皇族の区別は事実上無くなり全ての皇族が18歳で成年となることとなったが、皇太子・皇太孫は満18歳で成年と規定した皇室典範22条の条文自体はそのまま残っている。成人または婚姻した際に、「皇族身位令」(1947年廃止)を準用して叙勲される(身位#日本国憲法下を参照)。
- 皇后・太皇太后・皇太后は天皇同様「陛下(へいか)」、それ以外の皇族は「殿下(でんか)」の敬称を付する(皇室典範23条)。上皇・上皇后に対しては「陛下」を用いる(天皇の退位等に関する皇室典範特例法第3・4条)。また氏を持たない。マスメディアでは宮号を使って「**宮さま」「**宮妃**さま」「**宮家の**さま」と表現される。これにより、動静は最高敬語を以て報じられる(1947年〈昭和22年〉8月の旧宮内省と報道各社の取り決めに基づく)。
- 皇后・太皇太后・皇太后(または上皇后)の死は天皇同様「崩御(ほうぎょ)」、それ以外の皇族の死は「薨去(こうきょ)」と称される。
- 成年皇族は皇室会議の議員・予備議員(各2人・任期4年)の互選人となり、当選すれば議員・予備議員に就任することができる(皇室典範28,30,32条)。
- 通常の戸籍には登録されず、身分に関する事項は皇統譜(こうとうふ)に登録される(皇室典範26条)。
- 公職選挙の参政権(選挙権・被選挙権)が停止されている[注釈 3]。
- 住民基本台帳には記録されない(住民基本台帳法39条・同法施行令33条)。
- 通常の旅券(パスポート)を用いず、皇后を除き、「皇族」という官職名で外交旅券の発給を受ける[注釈 4]。
- 国民健康保険に加入する義務・権利がない。民間団体に勤めないと[注釈 5]医療費は全額自費負担となる。
- 皇后・太皇太后・皇太后(または上皇后)を葬る所は天皇同様「陵」、その他の皇族を葬る場は「墓」と称される(皇室典範27条)。
- 内廷費や、皇族としての品位保持の資に充てるために皇族費が国庫から支出される一方で、財産の賜与(贈与)および譲受に関して日本国憲法と皇室経済法による強い規制がある。生計が政府の丸抱えになるので“極端な形の世襲の国家公務員”だと評する意見がある[4]。
- 内廷には侍従職・東宮職(もしくは皇嗣職)があるほか、各宮家には、宮務官や侍女長といった側近(家事使用人)が付けられている。なお、侍従職・東宮職・宮務官・侍女長は特別職国家公務員である。
- 全ての皇族は、どこに赴く際にも必ず護衛が付く。皇室関連施設内では皇宮警察本部に属する皇宮護衛官が、皇室関連施設以外の東京都内ならば警視庁の所轄署の警察官が、東京都(警視庁)以外の46道府県ではその道府県警察本部の警備部が指揮し所轄の警察官が警護する。護衛は皇族の外出先を全て把握し、24時間体制で警護にあたる。東京都から他の46道府県に赴く際は、護衛官がその道府県警察本部の警護担当者に連絡を入れる[5]。
- 事実上、信教の自由がない。法的根拠はないが、宮中祭祀という宗教行事があるために実質上、皇室構成員全員は神道の信徒である[注釈 6]。
皇族の成員
2025年3月9日現在の皇族は、以下の14名である。
天皇、および天皇の退位等に関する皇室典範特例法の規定するところの上皇は、皇族には含まれない[6]。現任の徳仁(第126代天皇)および明仁(上皇)を含むと、皇室構成員は、16名となる。
名前 | 読み | 御称号 | 身位 | 敬称 | 性別 | 世数 | 宮家 | 生年月日 | 現年齢 | 天皇から 見た続柄 |
皇位 継承順位 |
摂政 就任順位 |
お印 | 勲等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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雅子 | まさこ | 皇后 (第126代天皇后) |
陛下 | 女性 | (内廷) | 1963年 (昭和38年) 12月9日 |
61歳 | 妻(配偶者) 旧姓:小和田(おわだ) |
第4位 | ハマナス | 勲一等宝冠章 | |||
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美智子 | みちこ | 上皇后 (第125代天皇后) |
陛下 | 女性 | (内廷) | 1934年 (昭和9年) 10月20日 |
90歳 | 皇母 旧姓:正田(しょうだ) |
第5位 | 白樺 | 勲一等宝冠章 | |||
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愛子 | あいこ | としのみや 敬宮 |
内親王 | 殿下 | 女性 | 一世 | (内廷) | 2001年 (平成13年) 12月1日 |
23歳 | 第一皇女子 (一女のうち第一子) |
第6位 | ゴヨウツツジ | 宝冠大綬章 | |
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文仁 | ふみひと | あやのみや 礼宮 |
親王 | 殿下 | 男性 | 一世 | 秋篠宮 | 1965年 (昭和40年) 11月30日 |
59歳 | 皇弟 上皇第二皇男子 (二男一女のうち第二子) |
第1位 (皇嗣) |
第1位 | 栂 | 大勲位菊花大綬章 |
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紀子 | きこ | 親王妃 (秋篠宮文仁親王妃) |
殿下 | 女性 | (秋篠宮) | 1966年 (昭和41年) 9月11日 |
58歳 | 義妹 旧姓:川嶋(かわしま) |
檜扇菖蒲 | 勲一等宝冠章 | ||||
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悠仁 | ひさひと | 親王 | 殿下 | 男性 | 二世 | (秋篠宮) | 2006年 (平成18年) 9月6日 |
18歳 | 皇甥 / 文仁親王第一男子 (一男二女のうち第三子) |
第2位 | 第2位 | 高野槇 | ||
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佳子 | かこ | 内親王 | 殿下 | 女性 | 二世 | (秋篠宮) | 1994年 (平成6年) 12月29日 |
30歳 | 皇姪 / 文仁親王第二女子 (一男二女のうち第二子) |
第7位 | ゆうな | 宝冠大綬章 | ||
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正仁 | まさひと | よしのみや 義宮 |
親王 | 殿下 | 男性 | 一世 | 常陸宮 | 1935年 (昭和10年) 11月28日 |
89歳 | 皇叔父 / 昭和天皇第二皇男子 (二男五女のうち第六子) 上皇の実弟 |
第3位 | 第3位 | 黄心樹 | 大勲位菊花大綬章 |
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華子 | はなこ | 親王妃 (常陸宮正仁親王妃) |
殿下 | 女性 | (常陸宮) | 1940年 (昭和15年) 7月19日 |
84歳 | 義叔母(上皇の義妹) 旧姓:津軽(つがる) |
石南花 | 勲一等宝冠章 | ||||
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信子 | のぶこ | 親王妃 (寬仁親王妃) |
殿下 | 女性 | (三笠宮) | 1955年 (昭和30年) 4月9日 |
69歳 | 義従叔母(上皇の義従妹) 旧姓:麻生(あそう) |
花桃 | 勲一等宝冠章 | ||||
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彬子 | あきこ | 女王 | 殿下 | 女性 | 三世 | (三笠宮) | 1981年 (昭和56年) 12月20日 |
43歳 | 皇再従妹/ 大正天皇皇曽孫 /寬仁親王第一王女子 (二女のうち第一子) |
第8位 | 雪 | 勲二等宝冠章 | ||
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瑶子 | ようこ | 女王 | 殿下 | 女性 | 三世 | (三笠宮) | 1983年 (昭和58年) 10月25日 |
41歳 | 皇再従妹/ 大正天皇皇曽孫 /寬仁親王第二王女子 (二女のうち第二子) |
第9位 | 星[要曖昧さ回避] | 勲二等宝冠章 | ||
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久子 | ひさこ | 親王妃 (高円宮憲仁親王妃) |
殿下 | 女性 | (高円宮) | 1953年 (昭和28年) 7月10日 |
71歳 | 義従叔母(上皇の義従妹) 旧姓:鳥取(とっとり) |
扇 | 勲一等宝冠章 | ||||
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承子 | つぐこ | 女王 | 殿下 | 女性 | 三世 | (高円宮) | 1986年 (昭和61年) 3月8日 |
39歳 | 皇再従妹/ 大正天皇の皇曽孫 /憲仁親王第一王女子 (三女のうち第一子) |
第10位 | 萩 | 宝冠牡丹章 | ||
系図
現在の 天皇・上皇 | 現在の皇族 | 皇籍を離脱し生存する者 | 崩御・薨去した天皇・皇族 | 皇籍離脱後、逝去した者 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大正天皇 | 貞明皇后 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昭和天皇 | 香淳皇后 | 秩父宮 雍仁親王 | 勢津子 | 高松宮 宣仁親王 | 喜久子 | 三笠宮 崇仁親王 | 百合子 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東久邇成子 (照宮) | 久宮 祐子内親王 | 鷹司和子 (孝宮) | 池田厚子 (順宮) | 明仁 (上皇) | 美智子 | 常陸宮 正仁親王 | 華子 | 島津貴子 (清宮) | 近衞甯子 | 寬仁親王 | 信子 | 桂宮 宜仁親王 | 千容子 | 高円宮 憲仁親王 | 久子 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
徳仁 (天皇) | 雅子 | 秋篠宮 文仁親王 | 紀子 | 黒田清子 (紀宮) | 彬子女王 | 瑶子女王 | 承子女王 | 千家典子 | 守谷絢子 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
敬宮 愛子内親王 | 小室眞子 | 佳子内親王 | 悠仁親王 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
備考
- 宮号と称号は、皇統譜には登録されない(宮内庁告示の形式によって官報で公表はされる)。なお、宮号は宮家の当主の親王・王のみが名乗るものであり、当該親王・王の妃や子女等が自らの宮号としてこれを称することはない。ただし、上表では妃や子女等についても便宜のため括弧書きしている。
- 身位
以下、身位別該当者人数は2024年(令和6年)11月15日現在のものである。
- 皇后(こうごう)
- 性別:女
- 天皇の后。
- 皇室典範に定められた敬称は「陛下」(皇室典範第23条)。
- 成人であれば摂政に就任しうる(第17条)。
- 崩御後は陵に葬られる(27条)。
- 立后には皇室会議の議を経ることが必要である(10条)。
- すでに皇位継承者の妃である場合、夫の即位に伴って皇后となる。
- 崩御した際には、「○○皇后」と追号されるのが慣例となっている。これは、存命中の最高班位に基づくものであった[注釈 7]。
- 該当者:1名 – 雅子
- 太皇太后(たいこうたいごう)
- 性別:女
- 先々代の天皇の皇后。
- 成人であれば摂政に就任しうる(皇室典範第17条)。
- 敬称は「陛下」を用いる(第23条)。
- 太皇太后を葬るところは陵と称する(第27条)。
- 該当者:不在
- 皇太后(こうたいごう)
- 性別:女
- 先代の天皇の皇后。
- 敬称は「陛下」を用いる(皇室典範第23条)。
- 皇太后を葬るところは陵と称する(第27条)。
- 成人であれば摂政に就任しうる(第17条)。
- 該当者:不在
- 上皇后(じょうこうごう)
- 性別:女
- 上皇の后(天皇の退位等に関する皇室典範特例法第4条第1項)。
- 皇太后の例に倣うため、敬称は「陛下」を用いる。
- 成人であれば摂政に就任しうるものとされる。
- 該当者:1名 – 美智子
- 親王(しんのう)
- 性別:男
- 皇位継承資格を有する(日本国憲法第2条・皇室典範第1条)。
- 皇位継承順位は皇室典範第2条に定められる。
- 天皇の嫡出の皇子(正妻の皇子:皇男子)および天皇の嫡男系嫡出の皇孫男子(6条)、または天皇の皇兄弟(7条)。皇太子、皇太孫も含まれる。
- 敬称は「殿下」。
- 成人であれば摂政に就任しうる(第17条)。
- 天皇・皇太子の息子である場合、さらに「○宮」の御称号が与えられる。
- 王が皇位を継承したときは、その兄弟たる王を親王とする(7条)。
- 該当者:3名 – 秋篠宮文仁親王、悠仁親王、常陸宮正仁親王
- 親王妃(しんのうひ)
- 性別:女
- 親王の妃。皇太子妃・皇太孫妃も含まれる。
- 敬称は「殿下」。
- 親王妃は夫である親王が皇位を継承した場合、これに伴って皇后になる。
- 親王妃が成婚前より内親王または女王であった場合は、成婚後も皇后となるまでは、引き続き元来の身位(内親王または女王)を併存(保持)する。
- 該当者:4名 – 文仁親王妃紀子、正仁親王妃華子、寬仁親王妃信子、憲仁親王妃久子
- 内親王(ないしんのう)
- 性別:女
- 天皇の嫡出の皇女および天皇の嫡男系嫡出の皇孫女子(第6条)、または天皇の皇姉妹(第7条)。
- 敬称は「殿下」。
- 成人であれば摂政に就任しうる(第17条)。
- 天皇・皇太子の娘である場合、さらに「○宮」の御称号が与えられる。
- 親王または王と結婚した場合は、成婚後も皇后となるまでは、引き続き元来の身位を併存(保持)する。
- 王が皇位を継承したときは、その姉妹である女王を内親王とする。
- 該当者:2名 – 敬宮愛子内親王、佳子内親王
- 王(おう)
- 性別:男
- 皇位継承資格を有する(日本国憲法第2条・皇室典範第1条)。
- 皇位継承順位は皇室典範第2条に定められる。
- 天皇の嫡男系嫡出で三親等以上(曽孫以下)離れた皇族男子(傍系でなく直系尊属の天皇から数える)。
- 敬称は「殿下」。
- 成人であれば摂政に就任しうる(第17条)。
- 王は、皇位の継承によって嫡出の皇子または嫡男系嫡出の皇孫となった場合、あるいは王の兄弟である王が皇位を継承した場合、親王に身位が変更される(皇室典範第6条・皇室典範第7条)。
- 該当者:不在
- 王妃(おうひ)
- 性別:女
- 王の妃。
- 敬称は「殿下」。
- 王妃は夫である王が親王に身位が変更された場合は親王妃に、皇位を継承した場合は皇后になる。
- 王妃が結婚前より内親王または女王であった場合は、結婚後も皇后となるまでは、引き続き元来の身位(内親王または女王)を併存(保持)する。
- 該当者:不在
- 女王(じょおう)
- 性別:女
- 天皇の嫡男系嫡出で三親等以上(曽孫以下)離れた皇族女子。
- 敬称は「殿下」。
- 成人であれば摂政に就任しうる。
- 親王または王と結婚した場合は、結婚後も皇后となるまでは、引き続き元来の身位を併存(保持)する。
- 女王は、皇位の継承によって嫡出の皇子または嫡男系嫡出の皇孫となった場合、あるいは女王の兄弟たる王が皇位を継承した場合、内親王に身位が変更される。
- 該当者:3名 – 彬子女王、瑶子女王、承子女王
- 敬称
各皇族個人に対して用いられる敬称として、「陛下(へいか)」と「殿下(でんか)」の2つがある。
- 呼称
皇族の呼称は、内閣告示、宮内庁告示や官報の皇室事項欄では、歌会始などの特別な場合を除き、次のようになっている。宮号や称号が表記されないことに注意が必要である。
- 皇后・太皇太后・皇太后・上皇后:「皇后陛下」「上皇后陛下」- 身位+敬称の順。
- 皇太子:「皇太子徳仁親王殿下」-「皇太子」+名+身位+敬称の順。
- 皇太子妃:「皇太子徳仁親王妃雅子殿下」-「皇太子」+夫の名+夫の身位+「妃」+名+敬称の順。
- 親王・内親王・王・女王:「愛子内親王殿下」、「悠仁親王殿下」、「彬子女王殿下」- 名+身位+敬称の順。
- 親王妃・王妃については、「正仁親王妃華子殿下」と、夫の名+夫の身位+「妃」+名+敬称の順。
- 皇族が崩御ないし薨去した後は、「故皇太后」や「故宣仁親王妃喜久子」と、上記に「故」が冠され敬称が省かれる。
- 夫が薨去して未亡人となった場合でも、親王妃・王妃の呼称については「憲仁親王妃久子殿下」と、夫の名に「故」を冠さない。
- 法律や叙勲においては、「皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律」など、敬称は省かれる。
宮内庁のウェブサイトや尊皇関係の書物においての呼称は以下のようになっている。(上記と多少異なる)
- 皇后・太皇太后・皇太后・上皇后には、身位+敬称で「皇后陛下」や「皇太后陛下」など。
- 皇太子や宮号を持つ男性皇族には、身位か宮号+敬称(「皇太子殿下」や「常陸宮殿下」など)。
- 御称号を有する皇族には、御称号+敬称(「敬宮殿下」など)。
- 宮号などを有さない男性皇族や未婚の女性皇族には、名前+身位+敬称(「悠仁親王殿下」や「瑶子女王殿下」など)。
- 既婚の女性皇族(親王妃・王妃)には、夫の名前+夫の身位+「妃」+敬称(「寬仁親王妃殿下」など)、夫の宮号かそれに値する身位+「妃」+敬称(「皇太子妃殿下」や「常陸宮妃殿下」など)。
- 崩御/薨去した皇族に追号がある場合は「故・皇太后陛下」などではなく「香淳皇后」となる。
- 班位・席次
班位(はんい)は、すなわち皇族の序列である。皇族身位令(明治43年皇室令第2号。昭和22年皇室令第12号「――及附属法令廃止ノ件」により廃止)において詳細に定められていた。
- 内廷皇族と宮家
皇族の内、皇后、皇太后、皇太子または皇太孫、皇太子妃(または皇太孫妃)などとその独立していない子女の内廷に属する皇族は「内廷皇族(ないていこうぞく)」と呼ばれる。その他の皇族は、内廷から独立した宮家に所属しており、「宮家皇族(みやけこうぞく)」または「内廷外皇族(ないていがいこうぞく)」と呼ばれる。
歴史
律令制以前
皇族のことを古代では皇親といい、天皇の一族として政府からの保護を受けるものを指した。その範囲は、歴代の天皇の男系卑属(皇統)であることを大原則とした。元々は世数の制限は定められておらず、「王」/「女王」の称号を名乗ったものは皇親、氏を名乗って「公」の称号を有したものは皇籍を離脱(臣籍降下)したものとされた[7]。
律令における規定
大宝令・養老令により、皇親の範囲が定められた。この時、皇親の範囲は、歴代の天皇の男系卑属で四世までとされ(身位は、一世は親王/内親王、二世以下は王/女王)、五世孫は王/女王の身位は保持するが皇親の範囲外、六世孫で臣籍降下とされた[8]。
その後、皇親の範囲に変化が加えられる。慶雲3年(706年)2月16日、文武天皇の勅令により、皇親の範囲が五世孫まで広げられるとともに、六世孫以下でも、五世王の「承嫡者」(嫡男)は代々王の称号を許されることになった。更に、天平元年(729年)8月5日、格により、六世孫・七世孫であっても、生母が二世女王[注釈 8]である場合は、承嫡者以外も全員皇親とされた[9]。
その後、皇親の人数が増加したことにより、不良行為をなすものが増えたことから、延暦17年(798年)閏5月23日、桓武天皇の勅命により、皇親の範囲を元へ戻す。しかし、六世孫以下が王の称号を名乗ることは引き続き認められた[9]。
親王宣下による運用
平安時代初期にかけて、子女の多い天皇が続いたことにより、皇親の人数が激増、最大で数百人の規模に及ぶ。これを受けて、傍系の皇親は、一部の一世親王に至るまで、六世孫への到達を待たずして臣籍降下させ、一方で皇親に残すものを選別して親王/内親王の身位を授ける(親王宣下)ことにより、世数によらない弾力的な皇親の選定が行われるようになる[10]。
世襲宮家の成立
鎌倉時代以降、皇室の所領である荘園の一部を経済基盤とし、世襲することによって、天皇から経済的に独立した、宮家の原型が発生する[11]。数ある宮家の中で、特に永続した伏見宮は、室町時代前期、皇統断絶の危機を前に後花園天皇が伏見宮家より皇統を継いだのが契機となって、後花園天皇の勅命によって"永世御所"とされ、皇位を継ぐ正統が途絶えるときにはこれを継ぐこととされた。ここから、永世にわたり皇親に留まり、正統が途絶えた後の控えの役割を果たす、世襲親王家の制度が始まる。江戸時代の中期にかけて、桂宮、有栖川宮、閑院宮が加わり、合計四宮家の体制となる[12]。
一方、臣籍降下は行われなくなり、皇位及び宮号を継承しない親王は、出家して門跡となることで、子孫を残さなかった。
明治~昭和前期
明治維新の前後、還俗した親王が新たな宮号を名乗り、これの取り扱いの処理を兼ねて、明治22年(1889年)1月15日、皇室典範が制定される。この時、皇親が皇族と呼称されるとともに、その範囲が変更された[13]。
- その時の皇族の男系子孫は永世にわたって皇族であり続けると定められた(永世皇族制)。
- 身位は、世数による機械的な運用を再開して、四世孫までは親王/内親王、五世孫以下は王/女王とされた。親王宣下は、廃止された(既に宣下を受けたものに限り終身有効)。
- 従来は、内親王/女王は、臣下の男性と婚姻しても終身に渡って皇親であり、また親王/王と婚姻した臣下の女性は皇親に含めなかったが、これを改め、臣下の男性と婚姻した内親王/女王は身位を返上して臣籍降下(降嫁)し、親王/王と婚姻した臣下の女性には、新たに創設された親王妃/王妃の身位が授けられ、新たに皇族に加えられる。
その後、皇族の増加を受けて、大正9年(1920年)5月19日に臣籍降下の準則が定められ、五世孫から八世孫までは嫡男以外、九世孫は嫡男を含め全員が臣籍降下することとなった[注釈 9][14]。
昭和中期~
昭和22年(1947年)10月14日、皇室典範の改正と前後して、伏見宮系の皇族が臣籍降下する。これにより、皇族として残ったのは、明治天皇の男系男子とその配偶者、未婚の男系女子のみとなった。以降、この血統の範囲内に入る者のみが、皇族とされている。なお、新典範においては、永世皇族制が復活している。また、非嫡出子は皇族とされないこととなった[15]。
現在の元皇族の一覧
現皇室典範下で行われた、1947年(昭和22年)10月の11宮家51名(いわゆる旧皇族)より後に臣籍降下(皇籍離脱)した人物の一覧は下表のとおりで、全員が皇室典範第12条の規定[注釈 10]を根拠とした離脱である。
2024年(令和6年)1月1日現在、元内親王6名および元女王2名の計8名の元皇族がいる。
姓名 | 読み | 御称号 | 皇族としての 名・身位 |
生年月日 | 現年齢 | 天皇から見た続柄 / 皇統 | 結婚・配偶者 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ![]() |
小室眞子 | こむろ まこ | 眞子内親王 | 1991年(平成3年)10月23日 | 33歳 | 皇姪 / 上皇の皇孫 / 文仁親王第一女子 | 2021年(令和3年) 10月26日 (30歳) 小室圭 | |
2 | ![]() |
黒田清子 | くろだ さやこ | 紀宮(のりのみや) | 清子内親王 | 1969年(昭和44年)4月18日 | 55歳 | 皇妹 / 上皇第一皇女子 | 2005年(平成17年) 11月15日 (36歳) 黒田慶樹 |
3 | 池田厚子 | いけだ あつこ | 順宮(よりのみや) | 厚子内親王 | 1931年(昭和6年)3月7日 | 94歳 | 皇伯母 / 昭和天皇第四皇女子 | 1952年(昭和27年) 10月10日 (21歳) 池田隆政 | |
4 | ![]() |
島津貴子 | しまづ たかこ | 清宮(すがのみや) | 貴子内親王 | 1939年(昭和14年)3月2日 | 86歳 | 皇叔母 / 昭和天皇第五皇女子 | 1960年(昭和35年) 3月10日 (21歳) 島津久永 |
5 | ![]() |
近衞甯子 | このえ やすこ | 甯子内親王 | 1944年(昭和19年)4月26日 | 80歳 | 大正天皇の皇孫 / 崇仁親王第一女子 | 1966年(昭和41年) 12月18日 (22歳) 近衞忠煇 | |
6 | ![]() |
千容子 | せん まさこ | 容子内親王 | 1951年(昭和26年)10月23日 | 73歳 | 大正天皇の皇孫 / 崇仁親王第二女子 | 1983年(昭和58年) 10月14日 (31歳) 千宗室 | |
7 | 千家典子 | せんげ のりこ | 典子女王 | 1988年(昭和63年)7月22日 | 36歳 | 皇再従妹 / 大正天皇の皇曾孫 / 憲仁親王第二女子 | 2014年(平成26年) 10月5日 (26歳) 千家国麿 | ||
8 | ![]() |
守谷絢子 | もりや あやこ | 絢子女王 | 1990年(平成2年)9月15日 | 34歳 | 皇再従妹 / 大正天皇の皇曾孫 / 憲仁親王第三女子 | 2018年(平成30年) 10月29日 (28歳) 守谷慧 |
役職
現在
- 日本赤十字社名誉総裁
- 皇室会議 議員[20]
- 山階鳥類研究所総裁
- 日本動物園水族館協会総裁
- 御寺泉涌寺を護る会 総裁
- 大日本農会 総裁
- 済生会 総裁
- 大日本山林会 総裁
- 日本植物園協会 総裁
- 家畜資源学術標本基金 総裁
- 世界自然保護基金ジャパン名誉総裁
- 日蘭協会 名誉総裁
- 特定非営利活動法人 全日本愛瓢会 名誉総裁
- 日本水大賞委員会 名誉総裁
- 日本ワックスマン財団 名誉総裁
- サイアム・ソサエティ 名誉副総裁
- 東京農業大学農学部客員教授
- 東京大学総合研究博物館特招研究員
- オーストラリア博物館 名誉会員
- 皇室会議予備議員[20]
- 公益財団法人結核予防会総裁
- 恩賜財団母子愛育会総裁
- 大聖寺文化・護友会 名誉総裁
- 日本赤十字社名誉副総裁
- 日本学術振興会 名誉特別研究員
- お茶の水女子大学人間発達教育科学研究所 特別招聘研究員
- 皇室会議予備議員[20]
- 財団法人日本鳥類保護連盟総裁
- 社会福祉法人日本肢体不自由児協会総裁
- 社団法人発明協会総裁
- 日本丁抹協会総裁
- 財団法人大日本蚕糸会総裁
- 財団法人日本障害者リハビリテーション協会総裁
- 財団法人日本美術協会総裁
- 財団法人日本バスケットボール協会総裁
- 財団法人東京動物園協会総裁
- 財団法人日仏会館総裁
- 日本瑞典協会名誉総裁
- 日本ベルギー協会名誉総裁
- 公益財団法人がん研究会名誉総裁
- 特定非営利活動法人日本パスツール協会名誉総裁
- 日本赤十字社名誉副総裁
- 皇室会議 議員[20]
- 日本いけばな芸術協会名誉総裁
- 日本動物福祉協会名誉総裁
- 日本馬術連盟名誉総裁
- 日本・ラテンアメリカ婦人協会名誉総裁
- 日本赤十字社名誉副総裁
- 日本赤十字社名誉副総裁
- 一般社団法人心游舎総裁
- 日本・トルコ協会総裁
- 公益社団法人日本職業スキー教師協会総裁
- 公益財団法人中近東文化センター総裁
- 立命館大学衣笠総合研究機構客員協力研究員
- 法政大学国際日本学研究所客員所員
- 京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員教授・特別招聘研究員
- 京都産業大学日本文化研究所専任研究員
- 國學院大學特別招聘教授
- 一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会総裁
- 社会福祉法人友愛十字会総裁
- インクルーシブデザインネットワーク 名誉顧問
- 日本グラススキー協会 総裁
- 日本アマチュアオーケストラ連盟 総裁
- いけばなインターナショナル 名誉総裁
- 全日本軟式野球連盟 名誉総裁
- 全日本アーチェリー連盟 名誉総裁
- 日本フェンシング協会 名誉総裁
- 日本水難救済会 名誉総裁
- 日本ホッケー協会 名誉総裁
- 日本サッカー協会 名誉総裁
- 日本スペイン協会 名誉総裁
- 地域伝統芸能活用センター 名誉総裁
- 稲盛財団 名誉総裁
- 日本セーリング連盟 名誉総裁
- 日本スカッシュ協会 名誉総裁
- 日本海洋少年団連盟 名誉総裁
- 日本学生協会基金 名誉総裁
- 日本アジア協会 名誉総裁
- フランス語婦人会 名誉総裁
- 日本・エジプト協会 名誉総裁
- 日加協会 名誉総裁
- バードライフ・インターナショナル 名誉総裁
- 国際弓道連盟 名誉総裁
- 高円宮記念日韓交流基金 名誉総裁
- 仁和会 名誉総裁
- 中宮寺奉賛会 名誉総裁
- 国際教育振興会賛助会 名誉会長
- 日本赤十字社 名誉副総裁
- バードライフインターナショナルのレアバード・クラブ 名誉顧問
- 財団法人日本ユニセフ協会の常勤嘱託職員
- 全日本アーチェリー連盟 名誉総裁
- 日本スカッシュ協会 名誉総裁
戦前
- 大日本水産会 会頭
- 大日本山林会 総裁
- 大日本武徳会 総裁
- 高野山興隆会 総裁
- 婦人共立育児会 総裁
- 恩賜財団愛育会 総裁
- 東京慈恵会 総裁
- 愛国婦人会 総裁
- 大日本婦人衛生会 総裁
- 高松宮妃癌研究基金 名誉総裁
- 人形美術協会(全日本人形師範会) 名誉総裁
- 国際教育情報センター 理事長
- 菊医会 名誉会長
- 筆頭門跡尼院大聖寺・煎茶道「永皎流」 副総裁
- 陸海軍将校夫人会 総裁
- 福田会 総裁
- 結核予防会 総裁
大日本帝国憲法下での皇族
大日本帝国憲法下では、1889年(明治22年)制定の旧皇室典範(きゅうこうしつてんぱん)によってその範囲を規定された、皇統に属する天皇の一族を皇族とする。
現在も同様に、天皇は、皇族に含めない。また、天皇と皇族を合わせた全体を皇室といった。
皇族の構成員は、皇后・太皇太后・皇太后・皇太子・皇太子妃・皇太孫・皇太孫妃・親王・親王妃・内親王・王・王妃・女王である(旧・皇室典範第30条)。また、皇室親族令により、姻族の範囲は3親等内と規定された。
律令制の元で皇親と呼ばれていた呼称に変えて、「皇族」という呼称を採用した。また、旧来は皇后といえども臣下の家に生まれた場合には「皇親」とは認められなかったが、この改正によって皇后・妃なども皇族として扱われるようになった。
現行皇室典範との相違点として、四世孫(皇玄孫)までが親王・内親王とされ、五世孫以下が王・女王とされていた(旧皇室典範第31条)。また、非嫡出子も皇族とされた。
皇族会議
旧皇室典範により、成年(皇太子・皇太孫は満18歳、その他の皇族は満20歳)に達した皇族の男子は、皇室内の事項について天皇の諮詢を受ける皇族会議(こうぞくかいぎ)の議員となった。
枢密院
1888年(明治21年)5月18日の明治天皇による勅命により、成年に達した親王は、枢密院の会議に班列(列席して議事に参加すること)する権利を有した。
貴族院
貴族院令により、成年に達した皇族の男子は自動的に帝国議会上院の貴族院における皇族議員となった。だが、皇族が政争に関与すべきではないこと、男性皇族(親王および王)は武官(大日本帝国陸軍および大日本帝国海軍に属する皇族軍人)であったことから、登院は極めて稀であった。
叙勲
皇族身位令によって、身位に基づき叙勲された。
軍人任官
皇族男子が軍人(武官)となることは、1873年(明治6年)12月9日の太政官達を経て、皇族身位令第17条によって、次の区分に従ってその義務が明文化された。
明治天皇の意向で開始された。第二次世界大戦終戦(日本の降伏)後の1945年(昭和20年)11月30日に、根拠規定である皇族身位令第17条が削除され、義務が消滅した。
皇族の裁判
民事訴訟
皇族相互間の民事訴訟については、特別裁判所として皇室裁判所が臨時に必要に応じて置かれ、これが管轄することになっていた。他方、皇族と人民(臣民)の間の民事訴訟については、人民の皇族に対する民事訴訟の第一審と第二審が東京控訴院の管轄に属することとされたこと等のほかは、一般の法令によるものとされた。
刑事訴訟
皇族の刑事訴訟については、軍法会議の裁判権に属するものを除くほかは、大審院の管轄に属するものとされた。軍法会議の裁判権に属するものについては、高等軍法会議で審判された。
皇族の特有事項
- 皇族男子(親王および王)は、皇位継承資格を有する。
- 親王妃と王妃を除く成年に達した皇族は、摂政就任資格を有する。
- 皇后・太皇太后・皇太后は陛下、それ以外の皇族は殿下の敬称を称した(旧・皇室典範第17,18条)。また氏を持たない。
- 皇族は天皇の監督を受けた(旧・皇室典範第35条)。
- 皇族の後見人は、成年以上の皇族に限られた(旧皇室典範第38条)。
- 皇族の結婚は、皇族同士か特に勅許(天皇の許可)を受けた華族との間に限定され、勅許を必要とした(旧・皇室典範第39,40条)。また、大正7年(1918年)11月28日皇室典範増補により、皇族女子は王公族(旧・韓国皇室)に降嫁することができた。
- 皇族の養子は禁止された(旧・皇室典範第42条)。
- 皇族は住所を東京市内に定め、東京市外への住所移転や国外旅行には勅許を必要とした(旧・皇室典範第43条)。
- 皇族を勾引し、裁判所に召喚するには勅許を必要とした(旧皇室典範第51条)。
- 皇族が品位を辱める行いをしたり、皇室に対して忠順を欠くときは勅旨を以って懲戒を受け、重い場合は皇族特権の停止、剥奪を受け、臣籍に降されることもあることになっていた(旧・皇室典範第52条・明治40年/1907年2月11日皇室典範増補第4条)。
- 王は、勅旨または情願によって華族となることができた(臣籍降下)。また、勅許によって華族の家督を相続することや、家督相続の目的で華族の養子となることができた。(明治40年-1907年-2月11日皇室典範増補第1,2条)
- 宮号を賜った皇族には、別当・家令・家扶・家従といった職員が附属された。また、武官である皇族には、皇族附武官(佐官・尉官)が附属された。
- 皇族は満6歳から満20歳まで普通教育を受けるものとされ、原則として学習院または女子学習院で就学するものとされた(皇族就学令)。
- 皇族は商工業を営み、または営利を目的とする社団の社員もしくは役員となることができない(ただし株主となることはできる)。また、任官による場合を除くほか、報酬を受ける職に就くことができない。さらに、公共団体の吏員または議員となることもできない(貴族院議員を除く)。営利を目的としない団体の役員となる場合は勅許を要した(皇族身位令第44,45,46,47条)。
皇族の班位
皇族の班位(順位)は、皇族身位令により、次の順序によるものとされた。
また、以上の順序の中でも細かな点については以下のようになっていた。
- 親王・王の班位は、皇位継承の順序に従う。
- その順序は、以下のとおりである。
- 天皇の長子
- 天皇の長孫
- その他の天皇の長子の子孫
- 天皇の次子およびその子孫
- その他の天皇の子孫
- 天皇の兄弟およびその子孫
- 天皇の伯叔父およびその子孫
- それ以上の皇族
- 以上においては、同等内では、嫡出子およびその子孫の系統を先にして、庶出の子(非嫡出子)およびその子孫の系統を後にする。また、嫡出子・庶出の子それぞれの中でも、先に生まれた者およびその子孫の系統を優先して、後に生まれた者およびその子孫の系統を後にする。(嫡庶長幼の順)
- 内親王、女王の班位は、親王、王の班位に準じる。
- 「親王、内親王、王、女王」で同順位にある者は、男を先にし、女を後にする。(男女の順)
- 親王妃、王妃の班位は、夫の次とする。内親王、女王であって親王妃、王妃となった者も例外としない。
- 故皇太子の妃の班位は、皇太子妃の次とし、故皇太孫の妃の班位は、皇太孫妃の次とする。
- 親王、王の寡妃(未亡人)の班位は、夫生存中と同じとする。
- 摂政に就任している親王、内親王、王、女王の班位は、皇太孫妃の次とする。ただし、故皇太孫の妃があるときは、その次とする。
- 皇太子、皇太孫が皇位継承の順序を変えられたときは、その班位は、皇太孫妃の次とする。ただし、故皇太孫の妃があるときはその次とし、摂政に就任している親王、内親王、王、女王があるときはその次とする。
- 親王、王が皇位継承順位を変更された場合においても、その班位は、順位変更前と同様にする。
- 本来は王であるが、旧皇室典範制定前に親王宣下を受けて親王となっている者(宣下親王)は、宣下された順序によって、王の上とする。
皇族と学業
日本の近代化に伴い、皇族もまた通学により学業を修めるようになった。特に、1877年(明治10年)に創設、1884年(明治17年)に宮内省管轄となった学習院には、男女問わず多数の皇族(後に配偶者となる華族子女も含む。)が多数進学している。ただし、昭和中期以前に修学が一般的でない時代においては、婚姻を機とした中途退学や、昭和天皇・香淳皇后のような専属の学問所での教育受講等も珍しくない。
また、先述の通り、旧皇室典範下において皇族男子には軍人となる義務が課せられていたことから、軍学校(陸軍幼年学校、陸軍士官学校および海軍兵学校)に進学し、さらに陸軍大学校または海軍大学校に進学している者も多数いる。
以下には、生まれながらの皇族(親王、内親王、王、女王)であって、学習院または軍学校以外に進学した者を挙げる(義務教育より後のもの。また降下後の進学、卒業後の海外留学を除く。)。
旧皇室典範下
現皇室典範下
備考
- かつては、竹の園、竹の園生(たけのそのう)梁園・梁苑(りょうえん)、金枝玉葉(きんしぎょくよう)とも呼ばれていた。
旧皇族
北朝第3代崇光天皇の男系(父系)子孫の宮家およびその子孫。かつては皇室の成員であったが、連合国軍占領下の1947年(昭和22年)、GHQ/SCAPの経済的圧迫により皇籍離脱をした(形式的には、現皇室典範の規定による自発的な離脱)。皇籍離脱後も皇室の親戚という立場には変わりがなく(特に東久邇宮家は女系で昭和天皇の直系の子孫である)、皇籍離脱にあわせて設立された親睦団体の菊栄親睦会を通じて、現在でも皇室との親近な交流は継続されている。
脚注
注釈
- ^ 皇室儀制令19条では「親王旗親王妃旗内親王旗王旗王妃旗女王旗」。
- ^ ただし離婚者が出た実例は、旧皇室典範下における1896年(明治29年)の東伏見宮依仁親王のみ。なお、天皇と皇后、上皇と上皇后は離婚をすることができない
- ^ 公職選挙法附則2項および地方自治法附則抄第20条により「戸籍法の適用を受けないため、選挙権・被選挙権は当分の間停止されている」という規定が根拠とする見解がある。しかし、前述の法規定は「法施行時に日本国籍を有していた台湾人や朝鮮人を対象としたのであって、天皇や皇族を対象としたのではない」とする見解もある。1992年(平成4年)4月7日の参議院内閣委員会で宮尾盤宮内庁次長(当時)は、「天皇及び皇族の選挙権・被選挙権は、象徴的な立場にある天皇とその一家として『政治的な立場も中立でなければならない』という要請や、『天皇は国政に関する権能を有しない』(憲法4条1項)という規定の趣旨などを根拠として、有していないとされているのであり、公職選挙法の規定が根拠になるわけではない」とする旨の答弁している。なお、1946年(昭和21年)2月に制定された参議院議員選挙法は附則第2条で「皇族は、当分、この法律の規定にかかわらず、選挙権を有する」と規定されて皇族は参院選の選挙権を有していたが、1947年(昭和22年)4月に第1回参議院議員通常選挙が実施される直前の3月に、同年3月に公布された衆議院議員選挙法改正で参議院議員選挙法附則第2条が削除される形で皇族は参院選の選挙権を有さなくなり、同条文は参議院議員通常選挙で適用されることがなかった。
- ^ 皇后は、天皇を元首として待遇する国際慣習により、元首の配偶者となるため旅券を必要としない
- ^ 彬子女王は立命館大学の研究員なので私学共済に加入している。また愛子内親王は日本赤十字社職員なので組合健保。
- ^ 上皇后美智子が聖心女子大学卒ということで、結婚が発表された際「洗礼を受けたクリスチャンなのではないか」とゴシップ的に問題になった
- ^ 昭憲皇太后については事情により「皇太后」と追号されている。詳細は「昭憲皇太后#追号について」を参照。
- ^ 一世内親王の婚姻相手は四世王以内とされたため、五世王・六世王の婚姻相手としては二世女王が最高位であった。
- ^ ただし、当時皇親の大半を占めていた伏見宮系の皇族は、全員が九世を大幅に超過していたため、邦家親王を四世親王とみなして運用が行われた。
- ^ 皇室典範(昭和二十二年法律第三号)「第十二条 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。」
出典
- ^ 『大辞林 第三版』三省堂
- ^ 芦部信喜『憲法』p86
- ^ 藤田さつき (2020年1月20日). “皇族の「人権」どこまで? 目につく「不自由さ」”. 朝日新聞. 2022年1月20日閲覧。
- ^ 日本の天皇はどんな場所に住んでいる? - 中国網(2012年4月12日)
- ^ 皇族の方々、デートで完全2人になれずNG職種の交際相手も NEWSポストセブン
- ^ 退位後のお立場|平成から令和へ 新時代の幕開け|NHK NEWS WEB 2020年1月2日閲覧。
- ^ 赤坂, pp. 1–4.
- ^ 赤坂, p. 7.
- ^ a b 赤坂, p. 8.
- ^ 赤坂, pp. 19–20.
- ^ 赤坂, p. 35.
- ^ 赤坂, p. 36.
- ^ 赤坂, pp. 38–39.
- ^ 赤坂, pp. 40–41.
- ^ 赤坂, pp. 42–43.
- ^ 皇室典範(昭和二十二年法律第三号)「第十二条 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。」
- ^ 2021年(令和3年)10月26日の眞子内親王(小室眞子)皇籍離脱以降から現在の元内親王・元女王一覧
- ^ ご結婚により,皇族の身分を離れられた内親王及び女王 – 宮内庁
- ^ 宮内庁 皇室 ご略歴
- ^ a b c d 皇室会議議員名簿 宮内庁 平成28年10月24日現在
参考文献
- 赤坂恒明『「王」と呼ばれた皇族』吉川弘文館、2020年1月10日。ISBN 978-4-642-08369-0。
- 河内静太郎『皇族華族名鑑』河内静太郎、1878年 。
関連項目
外部リンク
皇族(練家)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 21:17 UTC 版)
練紅炎(れん こうえん) 声 - 中村悠一 元煌帝国第一皇子。西征軍大総督。第二代皇帝・練紅徳の第一子。複数迷宮攻略者。 赤髪で顎髭 を生やした男性。頭に冠を乗せて甲冑を身につけ、表地が黒で裏地が赤いマントを羽織っている。異名は「炎帝」で、白龍曰く「野心家であり比類なき最強の将軍」。普段はぼんやりした印象(作者曰くコケシのような顔)だが、世界の仕組みや在り方、謎について興味を持つ知的好奇心の塊で、自分が追い求める世界の真理についての話になると人が変わったように精力的になり、そのためには自分が傷付くような戦い方も厭わない。一方で知識欲の対象外のことで感情を動かすことはほとんどないが、アリババに女性経験が全くないと知った時には珍しく大爆笑している(この時「本当に軽蔑した」と述べているが、彼の持つ王の器は認めている)。どんな汚い手を使ってでも国を守ろうと考え、そのために自国と繋がりを持つアル・サーメンをも自身の一部とし、全てのものを自分の武器に変えて進み続けると決めている。弟の紅明・紅覇からは「兄王様」と呼ばれ、彼ら弟妹達には信頼を寄せている。伯父である初代皇帝・白徳を尊敬し、白雄・白蓮にも敬意を払っていた。白徳の皇女である白瑛とは良好な関係を築いており、その弟である白龍も気にかけているが、彼が玉艶や自分に恨みを抱いていることにも気付き、「恨みを飲みくだせぬ王の器」を持つ彼を王にさせないとしていた。戦争が特技でファッションセンスが弱点。28歳→29歳→32歳。身長185cmで体重83kg。趣味は歴史研究。好きな食べ物は辛い物で嫌いな食べ物は甘い物。好きなタイプは賢い女性で嫌いなタイプは愚図。 複数迷宮攻略者としては、シンドバッドに次ぐ三体のジンの主。判断力に長け、魔力消費で戦闘不能に陥らないために冷静に状況分析をし、その状況に応じて魔装を変える戦法を取る。アガレスの力により噴出した溶岩でアシュタロスの金属器に自ら魔力を補填し、それによる連戦が可能。9歳時には既に剣術をマスターしている。なお、紅覇と共に第14迷宮「レラージュ」に入っていることから、シンドバッドとは違いまだジンの力を得られる模様。 幼少期には紅明と共に中原統一をかけた吾国・凱国との戦争の惨状を目の当たりにし戦う意味を失いかけていたが、白徳から「それぞれの正義のために戦い、守るべきものがあるからこそ恨みが生まれる」と諭される。玉艶によって白徳達が死んだ後は彼らの志を継ぎ、戦を後世に残さないために世界中の思想の数を減らし、この世から一切の戦争を消し去ろうと考えている。当時はまだ金属器は二つしかなく、仮に内戦を起こして玉艶を討っても国は弱くなり、世界の統一は果たせないという理由から彼女と手を組み強くあろうとし、得体の知れない力を持つ玉艶に恐怖を感じていたため「王にならなかった」のではなく「王になれなかった」のだと自嘲している。力と知識を蓄え続けていたのはいずれ白徳達の仇である玉艶を討つためでもあり、トラン語を学んでこの世界の人々が一つの言語を使用しているのは通じ合えずに争い滅びることがないようにするためだという考えに至り、一人の王が世界を統一する必要性を見出した(その過程でアルマトランの存在も突き止めている)。 バルバッドに派遣され、そこから一気に西方侵略を果たそうとしている。紅徳の葬儀の後、白龍が仮に反旗を翻したことを考えてフェニクスの能力で「何もできない」ように仕向けていた。マグノシュタット侵攻の際は先鋒隊の窮状を察し、自身の眷族達と共に紅覇の元へ駆けつける。アラジンから「世界の真実の全て」を聞くことを条件に軍を退き、暗黒点を閉じるために煌帝国の全金属器使いを前線に呼び寄せる。戦争終結後、マグノシュタットから引く代わりにアラジンを貰うと宣言し、シンドバッドにも「扱いづらい男」と称された。その後、シンドバッドとの会談の前に使節として自身の遠征軍の居城を構えるバルバッドにアリババを呼び寄せる。そこでアリババに将来的にバルバッドの全権を返すのと引き換えにシンドバッド達と手を切り、煌帝国の将軍(自分の部下)になるように強制する。 会談でアラジンからアルマトランの話を聞いた後、ジュダルの出現と共に兵達から玉艶が白龍に謀殺されたという報告を聞き、彼を迎え撃つためにバルバッドへ戻った。白龍達との戦いでアリババとジュダルが消えた際にはアリババの行動を「やり方は稚拙だったと思うが、奴なりにバルバッドを守るために戦った」と評価した上でアラジン自身が何がしたいのかを説いた。その後、バルバッドを首都に自らを皇帝と宣言し白龍を討ち取るために挙兵したが、七海連合の介入により劣勢となり臣下達の命を守るため自ら降伏した。裁きを待つだけの身でバルバッド城の牢に入れられ、その6日後に白龍と対面。詰問する白龍に「復讐より世界から争いを失くすことの方が大事だ」と説き、玉艶の死に対してはそのしぶとさから疑念を投げかけていた。先に事を成した白龍に負けを認めて紅明や紅覇は内政に加わらせてほしいと頼み拒否されるが、フェニクスの能力で自身の手足を代償に白龍の左腕と両足を治した。その後はアラジンの魔法で表向き斬首刑に処されたことにして、ザガンの力で補強された木製義肢 を身につけ杖を突いた姿で「無様に生きながらえてしまった」と自虐的な笑みを浮かべながらも煌帝国領沖合の沙門島で紅明・紅覇と同じく流刑となった。 最終章では流刑生活の影響かかなりやつれており、自分への召集命令から3年ぶりに戻って来たアリババと再会した。「堕転」していた頃の白龍のルフが半分混じっていたことからルフの書き換えを受けておらず、アラジン達が聖宮に向かう直前、白龍から国際同盟本部に置かれていた金属器を託される。「世界をルフに還す魔法」が発動するとエリオハプト王国へ駆けつけ、「いましめの輪」によって紅玉達がアリババに向けて発動しようとしていた極大魔法を停止させる。一喝だけで煌帝国軍を制止させるなど、かつてのカリスマ性は健在。アガレス 声 - 橘潤二 16歳時の紅炎が初めて契約したジン。不屈と創造の精霊。 ワニの鱗のような肌を持つ狼の姿をしている。アルマトラン時は鱗狼族を束ねる長だった。力魔法を操る。金属器は紅炎の右肩の防具。 魔装では、右肩の防具は悪魔のような巨大な右腕になり、それに対して体は小さくなって尾が生え光背を背負ったような姿になる。大地に地脈に達するほど深い大穴を穿つことができる。地殻旋斬爪(アウグ・アルハザード) 極大魔法。地面から複数の巨大な鋭い土の柱を作り、対象を貫く。アルマトラン時にはソロモンから改造された神杖を与えられたことでアガレス自身が使用した。 アシュタロス 声 - 松本健太 第29迷宮の主。恐怖と瞑想の精霊。 蛇のような髪と鱗、ドラゴンのような鋭い爪を持つ男性の姿をしている。アルマトラン時は蛇人族を束ねる長だった。16歳時の紅炎が2番目に契約した。三体のジンの中で最も使用頻度が高く、アモンと同じく炎を操る能力を持つ。金属器は紅炎の愛用の刀。 魔装では、刀は刀身の端が黒い細身で両刃の長剣になり、ジンと同様髪の色が赤からオレンジ色の蛇の鱗のような長髪になって全身がオレンジ色の鱗に覆われ白い炎の竜を纏った姿になる。武器化魔装による長剣で斬ったものはその部分から燃やされ爆裂する。白閃煉獄竜翔(アシュトル・インケラード) 極大魔法。巨大な竜の形状の白い炎を放ち、対象を焼き尽くす。放った後も発生した炎は紅炎が命じない限り永遠に消えない。また、作中ではアリババの「炎宰相の裂斬剣」に炎を分け与えることで威力を強化させている。 フェニクス 声 - 三木美 21歳時の紅炎が3番目に契約したジン。慈愛と調停の精霊。 額に飾りをつけ鳥のような羽を持つ、憂いを帯びた女性の姿をしている。アルマトラン時は鳥人族を束ねる長だった。治癒能力を持ち、金属器使いの体の一部を欠損した相手の体に移植させることも出来る。金属器は紅炎の刀の柄頭についた金の装飾品。いましめの輪 対象者の頭に天使のような輪を発生させ、殺意と体を遮断し縛り上げ行動を抑える。事前に相手に仕込むこともでき、その者の殺意が温められている間は効果は無いが、明確な意図と確信によって育てられた殺意が表面化した時に発動する。 練紅明(れん こうめい) 声 - 日野聡 元煌帝国第二皇子。紅徳の第二子。紅炎の唯一の同母弟。迷宮攻略者。 長い赤髪を後ろに結い上げ右目を前髪で隠しており、地顔は男前だが痘痕と乱れ髪のために陰気な印象をした男性。薄紫色の着物と陰陽魚太極図の形をした胴を纏い、左耳にハートの形をした耳飾りを付け、腕にはハートの飾りがついた数珠のようなものを巻いている。一人称は「私」で、常に敬語で話す。生活力が皆無であり、他人にやってもらわないと何もできず、テンションも低めの物静かな性格。また、軍議で寝不足になることも多いらしく、バルバッドでは紅炎に呼ばれアリババの前に現れた直後に立ったまま居眠りをしていた。アリババのことを「バカ」と称しながらも「バルバッドをより効率的に支配するのに使える人間」と評し、様々な国の重要人物をも引き付ける彼は国外で力を発揮することに気付いており、大罪人として国民から憎まれようとも自国のために尽くす覚悟を持つという点では似た者同士であるとも語っている。26歳→27歳→30歳。身長177cmで体重66kg。趣味は鳩の餌やり。好きな食べ物はアバレヤリイカの燻製で嫌いな食べ物は肉全般。好きなタイプは世話女房で嫌いなタイプはテンションの高い人。 実戦は得意ではなく、金属器がなければ戦闘力もない が、その一方軍略に長けた頭脳派であり、その才能をもってバルバッドをはじめとした煌帝国の傘下を法的に支配している。先見の明については兄弟の中でも群を抜いており、幼少期からその当時東方では評価の低かった気(魔法)が将来戦争を大きく変えると確信しその研究を率先して行っていた。そのため紅炎は「平時の王」としての器を買ってかなり早い段階から世界の統一後に譲位することを決意していた他、アリババも紅明がもっと早く生まれていたならば本当に煌帝国が世界を征服していたかもしれないと考えている。 共和制となったバルバッドから自治権を奪い、奴隷制度を持ち込んだ人物。「黒の神」との戦いの時は後衛に回って他の金属器使い達をサポートし続けながら、街への被害を別の場所へ転移させていた。シンドリアとの会談前では紅炎や紅玉と共にバルバッドに訪れ、そこでアリババに「人間はそれぞれで思想が違うために分かり合うことは不可能」「世界を統一し、未来の安寧のために戦争も奴隷制も今は仕方がない」ことを話した。 白龍率いる東軍との戦いでは、19万の兵を率いて西軍の総大将を務める。本陣で作戦指揮を執りながらジンによる支援を行い、東軍側の煌帝国兵の犠牲を最小限に留める包囲殲滅作戦を展開したが、突然の鬼倭王国軍とササン騎士団の乱入に加え白瑛の裏切りに動揺・唖然とする中、健彦の遠距離攻撃を食らい重傷を負うが一命は取り留める。敗戦後は流刑の身となった。 最終章では長い髪を切り、過酷な流刑生活のために精悍な容姿の青年になっている。危機に瀕する煌帝国の軍師(=相談役)としてアリババから渡された仮面 を付け正体を伏せて 本国に帰還、アリババ達に協力することとなる。「世界をルフに還す魔法」の起動時には転送魔法で煌帝国軍をエリオハプト王国へと送るが、流刑地から駆けつけた兄にその不甲斐なさを叱責される。ダンダリオン 20歳時の紅明と契約したジン。 頭に二本の山羊のような角を生やした長髪の女性の姿をしている。口が悪く、フォカロルを「色ボケ」と称していた。戦闘向きではないものの、空間を支配する能力を持ちサポートに長けている。金属器は紅明の黒い羽毛の扇。 魔装では、黒い羽毛の扇は別の場所に物を転送する光を出す両手になり、ジンと同様頭から二本の山羊のような角が生えて硬い鎧を纏い腰には内側に星座が描かれたマントを巻いた姿になる。七星転送方陣(ダンテ・アルタイス) 北斗七星に近い形状の魔法陣を空中に作り出し、その光の枠内に入った物体の転送を行う魔法。攻撃を別の場所へ受け流すだけでなく、味方の攻撃を敵に対して最も効果的な場所へ送る、複数の味方の攻撃を一ヶ所に集めて一気に放つ、味方の攻撃の規模を拡大させることもできる。一度に移動できる物の数や質量の上限は不明だが、山を丸ごと一つ転移させることも可能。 練紅覇(れん こうは) 声 - 柿原徹也 元煌帝国第三皇子。紅徳の第三子。迷宮攻略者。 中性的な容姿をした小柄な少年 で、部分的に伸ばし三つ編みを交えた独特の赤髪を持つ。帽子を被り露出度の高い衣装を着ている。一人称は「僕」で、外見とは裏腹にかなりの戦闘狂。紅炎のことは「炎兄」「兄王様」、紅明のことは「明兄」と呼び、二人とは異母兄弟に当たりそのことを少し引け目に思っている。配下は魔導士のなり損ないや反逆者の末裔、汚れ仕事を請け負ってきた一族など問題のある者達ばかりだが、彼らのことを大切に思っており、同時に彼らには厚く慕われている。18歳→19歳→22歳。身長158cmで体重45kg。趣味は美容・オシャレ。好きな食べ物はイチジクで嫌いな食べ物は辛い物。好きなタイプは個性的な女性で嫌いなタイプは自分から何もしない人。 ジン・レラージュの金属器である大刀「如意練刀(にょいれんとう)」を武器に持ち、大きさを自在に変えることができる。ただし、巨大化させすぎると重量で扱いが難しくなるため、敵を斬る瞬間だけ巨大にしており、めった斬りを特技とする。また、その巨大さを生かして盾のような使い方も可能。 幼少期は紅徳に母親共々「用無し」として見捨てられた挙句、母は心を病んで幼児退行を起こし赤子のような態度しかできず、宮中の奥で5〜6歳にして難しい言葉を使って母の保護者のように振る舞いながら暮らしていた。また当時は今以上に過激な性格で、近づく者や小動物を傷つけ自分と同じ「用無し」にしようとしていた。紅炎・紅明のことも出会った当初から暴力を振るったが、紅明に「自国の中で認められれば居場所を見つけられる」と諭されて紅炎からも実力を見出され、「唯一の弟」と認められたことで紅炎達を慕うようになる。 マグノシュタットに煌帝国への服従を強いるため、そこへ向かう途中にアラジンと出会い、旅に同行する。マグノシュタット滞在中に父の崩御を知り、一時帰国。その後、レームと開戦したマグノシュタットへ進軍する軍の先鋒隊総大将を務めることとなる。行軍中に黒いジン達の襲撃を受け、かなりの数の部下を失い激昂して反撃するも負傷。ジンを追ってきたアリババの救援で難を逃れ、続けて現れた紅炎の治癒を受けジンの掃討に加わる。戦争終結後は、白瑛と共に天山でマグノシュタットの暗黒点の跡を見張っている。 白龍率いる東軍との戦いでは、22万の兵を率いて西軍第一軍の軍団長を務め、戦いの先鋒を切る。紅玉と共に白龍の目前まで迫ったが、健彦とダリオスの加勢で戦況が一変し、シンドバッドに操られた紅玉に身柄を取り押さえられる。終戦後は兄達と共に流刑に処されることとなった。 最終章では流刑生活の中で成長し、アリババよりも身長が伸びて彼との再会時に「長身の美女」と勘違いされた。レラージュ 声 - 長沢美樹 第14迷宮の主。 煙管を携え、結晶のような髪が生えた化粧のくずれた女性の姿をしている。紅覇曰く「男に捨てられそうな顔」。アルマトラン時はフォカロルに想いを寄せていたが、女性にモテモテだった彼への想いは報われなかったため、後に「浮気者に身を焦がすのはやめよう」と決意することになる。アガレスと同じく力魔法を操り、武器化魔装をした状態でも衝撃波を放てる。金属器は紅覇の「如意練刀」。 3年前、紅炎に連れられて迷宮攻略をした紅覇の「日陰者達の王」としての器を見抜き、彼と契約した。また、既に三体のジンと契約していた紅炎を「浮気者」と言っていた。 魔装では、「如意練刀」は峰の部分が槌になった大鎌になり、髪の色が赤から薄紫の長髪になって背中からは結晶状の翼が生えた姿になる。武器化魔装による大鎌も自在に巨大化させることが可能。如意練槌(レラーゾ・マドラーガ) 極大魔法。武器化魔装による大鎌を振るい槌部分から巨大なサークル状の衝撃波を放ち、一定範囲内の物体を押し潰す。 練白龍(れん はくりゅう) 声 - 小野賢章 煌帝国第四皇子→煌帝国第四代皇帝(後に自ら退位)。初代皇帝・練白徳の第四子にして三男。白瑛の実弟。紅徳の養子。複数迷宮攻略者。 顔の左半分を火傷の痕で覆われているため、右目は青で左目は灰色のオッドアイが特徴。口元にホクロがあり、頭には冠を乗せている。「ザガン」攻略後、体内に入り込んでいたイスナーンの復活に伴い左腕を肘の先から失い、以降は木製の義手を付けている。性格は至って真面目だが小さなことでも思い悩んでしまい、アリババからは「真面目すぎて意外と面倒くさい」と評される。誠実であるあまり正論を真っ直ぐ伝えすぎて他人に悪い印象を与えることもあり、世の中の我慢できないことから目を背けられないことが後述の「堕転」にも繋がる。かなりの泣き虫でもあり、「ザガン」ではザガンにアラジン達の足を引っ張っていることを指摘され、周囲に当たりながら泣き喚いていた。アリババほどではないが酒にはあまり強くなく泣上戸で、酔っては管を巻き周囲を困らせる。姉であり母親代わりでもある白瑛のことをただ一人の大切な姉弟として大切に思っている。冗談が弱点。16歳→17歳→18歳→21歳。身長165cm→169cm→172cmで体重58kg。趣味は料理。好きな食べ物・嫌いな食べ物は白瑛の手料理。好きなタイプは凛々しい女性で嫌いなタイプは不真面目な人。 特技は槍術で、後にジン・ザガンの金属器となった青龍偃月刀を武器に扱う。魔力操作の一種である「気」を使うことができ、それを青龍偃月刀に宿らせて戦う。その性質上長時間は使えないが、魔力量だけでいえばアリババよりも多い。 白瑛の他に2人の実兄がいたが、アル・サーメンから自分を守ってどちらも死亡し、自身もその際に顔や左半身に火傷を負う。この時、暗殺の首謀者が実母の玉艶であることを知り、「煌帝国を滅ぼし、母を殺す」という目的に取りつかれるようになる。紅徳が父を疎んでいたことで国政に関わる権限は一切与えられず、監視付きで冷遇されていた。母に対する強い憎悪と怒りを買うジュダルから才能を見込まれ自身も力を欲していたが、「組織」と深く繋がっている彼の手を借りるわけにはいかないという理由で自国にいる間は迷宮攻略に行かず、紅徳に従順で鍛錬と学問にしか興味のない振りをしていた。 煌帝国の留学生としてシンドリアを訪れ、シンドバッドとの会談を強く望んでいた最中アラジンとアリババの2人と出会い、姉の命を救ったアラジンに感謝の意を示す。シンドバッドにのみ自分の真の目的を明かすが、彼からは世界を学ぶように諭され、アラジン達と共に行動するように命じられた。後に迷宮攻略の指令が下ったアラジン達に同行を申し出て、共に第61迷宮「ザガン」攻略へと向かう。当初は自分の責任を果たすために自分一人の力で迷宮攻略をやり遂げようとして自らの力不足に悩み、その姿は霧の団時代のアリババに酷似していた。また、自国が占領下にあっても不甲斐なさを感じているように見えないバルバッドの王族達に不信感を抱いていたが、無力感からアラジン達一行に当たってしまった時アリババの涙ながらの説得を受け和解し、彼への軽薄でいい加減だという評価を改めた。アル・サーメンとの戦いの後に迷宮攻略に成功し、ザガンと契約する。 ジンの入手及び煌帝国を滅ぼす際の協力をシンドバッドに要請するという2つの目的を果たした後は、白瑛と合流するべく天山西部へと向かうことを決める。途中までアラジン達と行動を共にした際の大聖母との戦いで彼らにも自分の目的を明かすが、その思想が受け入れられることはなく、想いを寄せるようになったモルジアナにも半ば強引に迫るも拒絶され、諦めきれないまま帰還した。白瑛との合流後は、金属器の力を振るい数々の戦で活躍するも、力に任せた無慈悲な戦いを繰り返している。その後ジュダルの手引きで仇である玉艶と対峙するものの敗れ、ジュダルに「堕転」を勧められる。マグノシュタットの戦いでは紅炎の招集に応じず、ジュダルと共に行動していた。 その後、ジュダルが出現させた第68迷宮「ベリアル」の攻略に向かい、そこで白瑛やモルジアナ、アリババの幻影を見せられ仲間として戻ってくるよう言われるも自分の中の怒りを捨てられないが故に「堕転」し、幻影とはいえ彼女らを切り捨てる非情さを見せ迷宮を攻略、シンドバッドや紅炎に次ぐ3人目の複数迷宮攻略者となった。迷宮脱出後は戦力を得るためにザガンとベリアルの能力を使い、兵の頭に植物を仕掛けて憎しみと興奮の回路を刺激させ「玉艶と紅炎が煌帝国を盗み、このままでは家族が無残に殺される」という幻を丸6日間見せることで記憶を固着させ強靭な戦士を作り上げた。決戦直前には紅炎が仕掛けたフェニクスの「いましめの輪」により行動を抑制されながらも立ち上がり、玉艶を討つために煌帝国帝都の洛昌に攻め込み、ジュダル・青龍・黒彪と共に激闘の末玉艶の首を討ち取る。その後は一時的に放心状態になっていたが、「世界の人々から怒りを奪う紅炎が許せない」という自身の行動を棚上げした大義を掲げ、恨みの矛先を紅炎に向ける。説得に来たアラジンとアリババを拒絶し、彼らを自分達の兵士にするためアリババと死闘を繰り広げるが、最終的に極大魔法の激突で両足を焼き切られる重傷を負いながらもアリババの精神を奪うことに成功する。しかし、アラジンの魔法でジュダルを失い、当初の計画としてシンドバッドと連絡して七海連合の使節である七海と合流。その後皇帝の即位を宣言し、「おそれ」と「慈悲」をそぎ落とすことで強化した兵士達を率い、東軍の総大将として紅炎率いる西軍に対抗するため華安渓谷に本陣を移す。支配下に置いたアル・サーメンの魔導士から魔力を供給しながらも魔力切れで義肢の保持もままならず兵力差の前に劣勢に陥るが、七海連合の援軍により「一人で国を取り戻せなかった」という後悔や取り戻した国もシンドバッドの手でいずれ消滅するという悩みを抱えながらも勝利する。その6日後、牢に入れられた紅炎と問答し、彼のフェニクスの金属器の力で失われた手足を取り戻す。そして人間の正しさが変わるということを理解し、自身がこれまでに様々なものを切り捨ててきたことを後悔するようになり、復讐を終えて空虚さに甘えず前に進むという覚悟を持って紅炎を密かに助命した。これと同時に「堕転」していた自分のルフが白に戻っている。 即位後は同盟の新政策による打撃を受けてしまい、法を作り直したり失業者に財を分配したりして必死に自国を治めようと奔走していたが、領内で発生したクーデターの責任を負って更迭される。その後はアルバに襲撃されたアラジン達を助け、ザガンの金属器を所持したまま鬼倭王国へ亡命したために世界指名手配犯となり、鬼倭王国では同じ金属器使いの健彦に修行をつけてもらっていた。アラジンが姉の肉体からアルバを追い出した後で彼女に体を乗っ取られそうになるが、紅炎の手足を移植された際に彼のルフが混じり生まれついての「練白龍」とは異なる存在となっており、そのおかげでアルバと適合せず支配を免れた。アリババと再会し彼と和解した後、自分の魔力を込めたネツメグサの種子を手掛かりにジュダルを発見した。一度「堕転」していたことで「大いなる流れ」の規格から外れたためシンドバッドのルフの書き換えから逃れ、ベリアルの金属器を取り戻しアラジン・アリババ・ジュダルと共に聖宮に赴く。聖宮では第二の迷宮である虚偽と信望の試練「ブァレフォール」に単独で挑み、国を守れなかった自分の姿を見せつけられるが、王としての力を紅玉に託した決断が正しかったと信じていることや、姉を守ろうとするのではなく全てを打ち明け共に戦うべきだったと反省していることを告げ、自分以外を信じていないシンドバッドを否定し、生きている内に何度も変わる正しさではなく己以外の存在を信じるべきだと意見し試練を突破する。ダビデの手で「世界をルフに還す魔法」が開始されると外の世界へ戻り、ジュダルと共にシンドリア王国で聖宮から現れる無数の天使達を迎え撃ち、国際同盟から派遣された鬼倭王国軍と対峙する。ザガン 声 - 高橋広樹 第61迷宮の主。忠節と清浄の精霊。 孔雀の羽のような装身具と仮面を着けた若者の姿をしている。自分可愛さに簡単に人を裏切る面を持つ人間を嫌っているため、マギ以外の人間にはとことん冷淡な態度を取る。また、アルマトラン時からアモンとも仲が悪いが、それは同じ絶縁結界で暮らしていた頃の師弟関係が尾を引いているらしい。大地と生命を司る能力を持ち、金属器に直接触れた植物の力を呼び覚ますことができる。白龍の失われた手足の代わりに装着している木製義肢はザガンの魔力で補強された物であり、生身同様とはいかないまでも自由に動かすことが可能で魔力の続く限り機能し続ける(魔力切れになると自然に外れる)。魔力操作能力と合わせて魔力を植物内に送り込んでおくことで魔力が切れるまでは遠隔操作をすることも可能。金属器は白龍の青龍偃月刀。 迷宮攻略者の中で最も魔力の量が多く、自分の能力と相性の良い魔力操作能力を持つ白龍と契約した。また、白龍に上記のような一面がなく、姉と同様に痛いほど真っ直ぐなルフを持っていることも彼と契約した理由の一つである(一方で彼のルフが黒く染まりつつあることも見抜いていた)。 魔装では、青龍偃月刀は両端に刃がある槍になり、孔雀の羽のような長髪になって全身が黒い鱗に覆われた姿になる。半身まで魔装が進むと空気中の菌類や単細胞生物をも成長させ眷族として操ることができる。降龍木蓮衝(ザウグ・モバレーゾ) 左手の木製の義手に生命を与えて爆発的に成長させ、龍の形に変形させて自在に操る。全身魔装の状態では巨大な森を発生させ龍の形にして操っている。ベリアルの攻撃を確実に当てるために拘束具の代わりに使うことも可能。 操命弓(ザウグ・アルアズラー) 武器化魔装による槍を「弓」にして、魔力で瞬時に成長・増殖させた空気中の微生物を「矢」として射る。この微生物は防壁魔法をも破壊できる。暗黒大陸での修行によりアルマトランの細菌を操作できるようになり、細菌を針のような形にして相手に撃ち込み肉体を崩壊させる攻撃が出来るようになった。 ベリアル 第68迷宮の主。真実と断罪の精霊。 5つの目を持ち、竜のような骨を纏った男性の姿をしている。虚偽を許さぬ厳格な性格。8型の命魔法に分類される魔法を使い視覚・聴覚などの相手の感覚を操作して幻を見せる能力を持つ他、別の金属器と同時発動できるという他のジンにはない力を持つ。「肉体」と「魂」の次元を切り離し、魂をどこか分からない空間の狭間に送るという小規模ながらソロモンが「黒の神」を封印する際に使ったのと同じような魔法が金属器に込められており、ウーゴくんも破滅を望む王の器に渡ることを危険視していた。金属器は白龍の左肩の防具。 迷宮攻略に来た白龍が「堕転」したことで彼を拒絶するが、ジュダルの新たな力で無理やり白龍と契約させられた。最終章では国際同盟の管理下に置かれ白龍の手から離れていたが、聖宮突入時に奪還している。 魔装では、左肩の防具は骨の意匠がある大鎌になり、髪の色が黒から白の長髪になって耳と背中から生えた蝙蝠のような黒い翼と目の模様がある4本の腕を持ちジンと同様竜の形の骨を纏った姿になる。この状態では相手の感覚を断絶させることができる。記憶操作(ベリオル・ザケーラ) 相手に幻を見せて記憶を書き換える。ただし、幻を見せられる範囲は金属器の半径10m以内しかなく、完全な書き換えには6日も時間がかかる上、悪意ある魔法を弾く防壁魔法を持つ魔導士には効き目が弱い。 絶葬鎌(ベリオル・ゴルドレーザ) 全身魔装の状態で、武器化魔装による大鎌で切った人間の感覚を刈り取り、亜空間へ封殺する。外傷は負わせられないが、切られた体の部分は「感じる」ことが出来ず治療魔法で治すことも不可能で、未来永劫指一本動かすことすらできない。なお、「精神」そのものを封殺する場合、どこに飛ばされたかは誰にも分からない。 絶葬咆哮(ベリオル・ザウト) 極大魔法。巨大な骸骨の竜を出現させ、そこから放つ咆哮の領域内にいる全ての人間の五感を喰らい尽くす。 練白瑛(れん はくえい) 声 - 水樹奈々 煌帝国第一皇女。西征軍北方駐屯兵団将軍。シンドリア商会最高顧問。白徳の第三子にして長女。白龍の実姉。紅徳の養子。迷宮攻略者。 長い黒髪を2つの金の髪飾りと白い帯で垂髪にした女性。口元にホクロがあり、後に傷も増える。作中ではあまり触れられないがスタイルの良い巨乳体型。平和主義的な考えから一部の部下からは信頼が得られず軽く見られており、自身も将軍という立場と平和への望みの板挟みに苦しんでいる。その思想は敗残兵に父を殺されたことから発しているが、それが実母・玉艶による暗殺であることは知らない。正面から相手の剣を受けても怯まないなど、迷宮攻略者としての胆力と精神力、高い戦闘力を持ち、アラジンからは「痛いほどに迷いがない」ルフをしていると評されている。白龍に自分で何でもできるようにと料理なども仕込んだ母親代わりのような存在だが、本人の料理は弟と従者を殺しかけたレベルの不味さで、弱点でもある。馬術が特技。21歳→22歳→23歳→26歳。身長169cmで体重54kg。趣味は裁縫。好きな食べ物は馬乳酒で嫌いな食べ物はない。好きなタイプは強い男性で嫌いなタイプは話し合いをしない人。 父である白徳や兄達の死後、白龍同様冷遇された立場にあったが、ジュダルに誘われて迷宮攻略に成功しパイモンの金属器を手に入れる。その力を買われて監視付きではあるが一軍を任されるまでになった。 黄牙一族を傘下に収める交渉で彼らの下を訪れた際にアラジンと出会う。彼との語り合いの末「誰も殺さず傘下に加える」ことを約束するが、呂斎の企みにより一族から敵意を向けられ、その際口元に傷を負うも、アラジンとの約束を守り反撃せずババの意志を引き継ぎ、黄牙一族と和解。その帰り道で呂斎とその部下達に暗殺されそうになるが、アラジンに救われた。 約半年後は天山西部に拠点を構え、眷族となった黄牙一族を従えていたが、紅徳の死により白龍と共に帰国。その際、白龍から父と兄達の死の真相を伝えられた。マグノシュタットから発生した黒いジンとの戦闘に紅炎の命で駆け付け、アラジンと再会する。 マグノシュタット戦後は紅覇と共に暗黒点の監視を行っていた。白龍が反乱を起こした際には静観の姿勢を取り、軍を率いて天山山脈を守っていたが、弟の命を守るためにシンドバッドに協力しササン騎士団を素通りさせた。 実はいつの頃からか実母の玉艶(アルバ)に憑依されており、最終章ではシンドリア商会の最高顧問に就任し、シバの先端が三日月に近い形状の神杖を持ってシンドバッドの傍に仕えている。暗黒大陸の大峡谷でのアラジンとの戦いの末「錬金魔法」で肉体を構成する素粒子が別の物に変わったことで憑依が解け「練白瑛」に戻り、長期間の憑依の弊害で昏睡状態が長く続いたが、「世界をルフに還す魔法」が発動したしばらく後で目を覚まし、弟が戦うシンドリア王国へと駆けつける。パイモン 声 - 大原さやか 第9迷宮の主。狂愛と混沌の精霊。 露出度が高く、非常にナイスバディな女性の姿をしている。なお、乳首とへそにはピアスが付いている。同性愛者らしく、アルマトラン時はフォカロルの浮気癖に疲れたレラージュを慰めると同時に口説いていた。その容姿と性格からウーゴくんには苦手意識を持たれている。白瑛と契約している。フォカロルと同じく風を操る能力を持つ。多産型のジンで、ドルジをはじめとする百余名もの眷族を生み出している。金属器は白瑛の白い羽毛の扇。 魔装では、白い羽毛の扇は柄が伸びて形状が変化し、髪の色が黒から白に変わり頭や足に白い羽毛のような装飾を身に纏った姿になる。風の巨人を生み出して自在に操ることも可能となる。轟風旋(パイル・アルハザード) 極大魔法。天地を繋ぐほどの巨大な竜巻を発生させ、地上の構造物と共に敵を上空へと巻き上げる。 練紅玉(れん こうぎょく) 声 - 花澤香菜 煌帝国第八皇女→煌帝国第五代皇帝。国際同盟常任理事(後に自ら辞任)。紅徳の第七女。迷宮攻略者。 リボンのような形状に結い上げた赤紫色の長髪で可憐な容姿 をした少女。袖余りの着物と羽衣を身につけている。一人称は「私(わたくし)」で、「〜よぉ」や「〜わぁ」といった間延びした口調で喋る。かなり勝気で誇り高い性格だがその実仲間思いであり、年相応の少女らしさや色恋沙汰に直面するとすぐに赤面したり泣きだす純情さを持つ。また、皇族育ちとして性的に下世話な話題などには疎い。そうした面もあってか、お付きの官女や配下の兵士からは慕われており、夏黄文の計略の片棒を担いでいた兵士も彼をあっさり裏切った。アリババ・白龍・ジュダルのことはちゃん付けで呼んでいる。皇女でありながら後述の理由で武人として生きるために剣術を得意とし、魔装も含めてその才能はシンドバッドにも認められるほど。武術の稽古は夏黄文につけてもらっている。友達が欲しいと思っているほど友達作りが苦手だったが、生まれて初めての友達(後述)であるアリババのことは尊敬する友人と見ており、彼の前では弱さを見せないように気をつけている。一時期アリババとの間で婚約話が持ち上がっていたが、彼が一時的に死んだことなどもあって自然消滅している。17歳→18歳→19歳→22歳。身長163cmで体重は秘密。趣味は美容・オシャレ。好きな食べ物は果実全般で嫌いな食べ物は野菜。好きなタイプは紅炎お兄様のような男性で嫌いなタイプは高圧的な同性。 母が遊女であるため地位は高くなく、政治的決定権は強くない。故に幼少期は内気で消極的な性格であり周りからも遠巻きにされていたが、夏黄文に自信をつけられ紅炎とジュダルに見出されて武人として生きようと思っていた。そのため紅炎や自分と似ている紅覇のことを兄として慕っているが、一方で似たような立場を持つ白瑛のことは快く思っていない。 アブマドと政略結婚するためにバルバッドにやってきた際、シンドバッドに一目惚れした。後に煌帝国来訪中のシンドバッドに辱められたと思い、その真偽を確かめるため、白龍と共にシンドリアを訪れる。その後、無実が明らかになった後はシンドバッドに素直に謝罪し、そのままシンドリアに逗留する。初恋が一方的なものだと自覚しており、シンドバッドとの手合わせを機に自分の初恋に区切りをつけ、同時に自分と同じ出自を持つアリババとは打ち解けて初めての「友達」となった。シンドリアとの戦争には金属器を使わないと決め煌帝国へ帰っていったが、手合わせの際にシンドバッドのゼパルによる催眠を受け、以降彼のスパイとしての役割を無自覚に担うことになる。 約半年後、マグノシュタットから発生した黒いジンとの戦闘に紅炎の命で駆け付け、アリババと再会する。戦争終結後、煌帝国の将軍の位を授かる。白龍率いる東軍との戦いでは、アリババやジュダルがいなくなったことを悲しみながらも兵とその家族、民達を守るために20万の兵を率いて西軍第二軍の軍団長(ただし、実権は古参の将軍が握っている)を務める。当初は東軍側の煌帝国兵に家族や友がいることを想って手をかけることを躊躇していたが、これ以上犠牲者を出さないために一刻も早くこの戦争を止める必要があることを紅覇に諭され、彼だけに汚れ役を担わせないために戦うことを決意する。紅覇と共に白龍の目前まで迫ったがあと一歩という所でシンドバッドのゼパルに操られ、無意識の内に西軍を裏切らされる。戦後ゼパルは取り除かれた もののシンドバッドに玩ばれた恨みから今までと一転彼を激しく憎悪するようになる。 最終章では白龍の跡を継いで女帝になったが、混迷する国内事情を治めるために苦心している。アラジン達が鬼倭王国に匿われていたことを知っていたが、何所に監視の目があるか分からなかったことから、彼らの身の安全を守るために即位後もその秘密を抱え続けていた。愛する国を自分のせいで滅ぼしてしまったという自責の念により苦しんでいたが、復活したアリババに励まされて立ち直り、演説によって燻り続ける国民達を奮起させることに成功する。その後はそれまで助けてもらっていた部下達に加え、新たに宰相に任命したアリババや流刑地からの帰還を許された「軍師」こと紅明の協力を受け、煌帝国を農業を中心産業とする商会として再興させるべく奮闘する。アラジン達の帰還を受けた後は国際同盟からの離脱を宣言するが、神になったシンドバッドにより思考を操られ再び同盟入りを決める。「世界をルフに還す魔法」の起動後は書き換えられたルフに従い、転送魔法陣を使ってエリオハプト王国に向かう。金属器を手放しアリババの説得を試みるも拒否され、彼の説得でルフの支配に抗おうとしたが聖宮の力が強まったことで抵抗に失敗。しかし紅炎の「いましめの輪」で極大魔法を封じられている間に聖宮が破壊されたことで正気を取り戻し、「迷宮の塔」の破壊に尽力する。一連の事件後は、地形の滅茶苦茶になった世界で国を立て直すために活動を続けている。 イメージは乙姫。ヴィネア 第45迷宮の主。悲哀と隔絶の精霊。 大きなエラと牙を持つ魚のような姿をしている。紅玉と契約している。水を操る能力を持つ。金属器は紅玉の簪。 魔装では、簪は水晶玉が組み込まれた大きな剣になる。髪の色が赤紫色から水色に変わり、鎖骨部分から臍部を除く全身が水色の鱗に覆われて下半身は半透明のスカートを身につけた姿になる。水神召海(ヴァイネル・ガネッザ) 極大魔法。巨大な津波を起こす。ヒナホホに「海上戦で使えばシンドリアの艦隊は壊滅」と言わしめるほどの威力を持ち、海のルフから魔力を集めればそれだけの力を出してもまだ余力を残すことができる。また、波を収束させて巨大な槍とすることも可能。 水神槍(ヴァイネル・アロス) 全身魔装の状態で、武器化魔装による剣に激流を纏わせて巨大な槍状の武器と化し、高速で回転しながら突進する。貫通力に優れている。水神散弾槍(ヴァイネル・アルサーロス) 全身魔装の状態で、空中に無数の「水神槍」を作り出し、相手に向けて一気に打ち出す。 練玉艶(れん ぎょくえん) 声 - 伊藤美紀 煌帝国皇后→煌帝国第三代皇帝。白徳の妻。白雄・白蓮・白瑛・白龍の生母。 白瑛・白龍と同じく口元にホクロがあり、実年齢にそぐわぬ若々しさを誇る。白龍にとっては父と兄を殺した仇であり強烈なまでの憎悪の対象だが、白龍が幼い頃までは優しい母親で紅炎から見ても普通の女性だった。48歳→49歳没。身長159cmで体重53kg。 実は白雄・白蓮を産んだ後にアル・サーメン首領であるアルバに肉体を乗っ取られており、彼女によって夫や息子達を暗殺させられ、自身は与しやすいとして紅徳に妻として寝返っている。紅徳の死後は大陸の平定までの臨時という名目で第三代皇帝の座に収まる。最終的には復讐を果たしに来た白龍達に殺される寸前に正気に戻ったようだが無視され、白龍に首を斬り落とされた直後にアルバに体内のルフを暴発させられ自爆するという悲惨な最期を遂げた。 練白徳(れん はくとく) 煌帝国初代皇帝。白雄・白蓮・白瑛・白龍の実父。現在は故人。 中原の統一に成功した実力者で、死してなお未だ謎多き人物。紅炎曰く「偉大な王」であり、彼の元に生を受けた白龍を羨ましいとすら感じていたという。当時はまだ幼かった紅炎達に国の垣根を無くして世界を統一し、戦争の連鎖を断ち切ることを示していた。47歳没。身長180cm。 表向きはその苛烈さ故に敗残国である凱国の手の者に殺害されたことになっているが、白雄・白蓮と同様、妻の玉艶に取り憑いたアルバの企てにより命を奪われた。 外伝にも登場。バルバロッサがパルテビアの大統領に就任した際の祝賀会に訪れていた。 練白雄(れん はくゆう) 声 - 平川大輔 白徳の第一子。白瑛・白龍の実兄。現在は故人。 左で前髪を分け、母や弟達同様口元にホクロがある。白徳の峻烈さを受け継いでいる。かつての有力な皇帝候補であるが、人の命は本来平等であると考える人格者で、当時はまだ幼く天華にも影響する自身の命を尊重していた紅炎に対して「受け継ぐのは『血』ではなく『志』である」と諭していた。22歳没。身長182cm。 白蓮と共に白龍が物心つく頃には父に侍従して戦地に赴いていたが、その性格ゆえにジュダルが選ぶ王の器候補からは外されていた。アル・サーメンの魔術師達に襲撃され、実母が自分達の暗殺を仕組んでいたことや父の死の真相を白龍に伝え 自らの命を犠牲にして炎に包まれた建物から彼を逃がした。 練白蓮(れん はくれん) 白徳の第二子。白瑛・白龍の実兄。現在は故人。 短髪で口元にホクロがある。白徳の勇猛さを受け継いでおり、白雄の補佐に徹していた。明るくノリの良い性格だが、戦で致命傷を負った兵士を看取り、それに悲しみながらも前を向こうとする心の強さを持っていた。19歳没。身長175cm。 白雄同様ジュダルが選ぶ王の器候補からは外されていた。アル・サーメンの魔術師達に襲撃され、兄と共に抵抗するも殺害された。 練紅徳(れん こうとく) 煌帝国第二代皇帝。白徳の弟。紅炎・紅明・紅覇・紅琳・紅玉の父。 兄の白徳と違い妻が多数おり、それぞれと子を儲けている。疎んでいた白徳が暗殺されたために皇位についた が、愚昧でアル・サーメンからは与しやすいと考えられており、ジュダルからは「ブタ野郎」呼ばわりされている。白龍はシンドバッドの前では彼を「義父」と呼んでいたが、「俗物」と称し国を奪った敵としか見ておらず、見捨てた紅覇からも憎まれている。若りし頃は今よりも痩せていて、息子の紅炎によく似ていた様子。50歳没。身長180cm。 世界の統一が果たされる前に突如病のため崩御する。 練紅琳(れん こうりん) 煌帝国皇女。 名前だけ登場。紅明によると既に嫁いだ身らしい。
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「皇族」の例文・使い方・用例・文例
- 御微行の皇族
- お忍びの皇族
- 皇族付武官
- 皇族会議
- 皇族は華族の先に立つ
- 皇族のご出席があった
- 前朝鮮皇帝は皇族の待遇だ
- 1371年−1714年までスコットランドを統治し、1603年から1649年まで、また再び1660年から1714年までイングランドを統治した皇族
- 米国の映画女優で、モナコの皇族と結婚して引退した(1928年−1982年)
- 毎年英国議会によって英国皇族の費用に採択された金額
- 皇族の,姉である人
- 天皇の三世以下の皇族の男子
- もと,皇族の男子のうち,天皇の子どもでない人
- もと,皇族の女子のうち,天皇の子どもでない人
- 天皇や皇族の私有財産である金銭
- 男の皇族
- 天皇や皇族専用の列車
- 皇族や華族の家政を管理し,使用人を監督した人
皇族と同じ種類の言葉
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