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市街地を襲う畜産糞尿臭と有機肥料末完熟臭に悩む米沢市民。

kage

2008/04/26 (Sat)

 今更はじまったことではない。 平成以前からの臭気である。風にのってどこからとも流れてくる臭気に眉をひそめながらも耐えてきたのが、ここにきて爆発的な市民の苦情となってあらわれてきたというわけだ。

  ある観光客が米沢駅頭にたって、この激しい臭気に驚いたということも聞いた。臭気の原因はどちらも南原の畜産農家と有機肥料会社の未完熟臭である。
  畜産農家では6500頭の豚を飼育し、半年間育てて出荷するのだという。 また一方の臭気排泄の原因とされていのは、旧ニッセキハウスの敷地で「有機肥料を製造中」の会社からである。
  両者ともに排泄する悪臭は、米沢盆地の上昇気流によって一度は吾妻山系にのぼるものの、朝夕の気温の下がり目とともに吾妻稜から吹き下ろす風に乗るようにして米沢市街地を直撃するのだ。以前から女子短期大学の被害は大きかったと聞いている。はじめは畜産農家から出る糞尿臭だけだったが、今では「未完熟野菜臭」が加わっている。
  この臭気、朝夕の食事時間を直撃するから始末が悪い。  この臭気も風任せで場所によっては被害にあうこともない地域もあるようだ。

  臭気がひどいからといっても豚肉は大切な食料源である。 有機肥料も日本の農業を改良進展させるためには大事な肥料となる。どちらも大切な産業であれば、産出過程から出る「両臭気の始末」をなんとか解決できないものであるか?

  市の担当課長に聞いてみた。 結論として「2~3年はこのままで我慢してもらう以外に手はないようだ」とサジを投げている。担当課としても打つ手を考えていないわけではない。山形大学とも協議しながら解決の方法を模索しているのだが、結論がでないのだという。
  方策はただ一つ、「豚舎の改築」なのであるが費用が莫大なのだ。一畜産農家が賄いきれる金額ではないのだという。関係筋からの補助金も模索する段階であってこれという現実性に欠けるものだ。補助金だけでなく長期借り入れの方法はあるにしても返済能力に問題も出てくるだろうから。
  糞尿臭だけであれば治水工事で尿の始末を考え、糞臭であれば60%の水分を糞から抜けば「ひとりで発酵し無臭となる」。この技術は二井宿農協が成功しているから参考にできないものであるか。
  糞尿臭には観光牧場のある黒磯や岩手の小岩牧場はどのような対策を講じているのであろうか。無論、担当課員は現地を訪れ各地の対策を検分しているであろうから老生らがとやかくいうことではないだろう。が、現実には米沢のイメージを害なっていることは事実だ。

  桜が満開になり春到来である。松川河川敷で繰り広げられる川中島の模擬合戦時に吾妻稜からの風が下りてこなければよいが。せめて観光客にあの臭気に気ずかれたくないものである。
  米沢を訪れる人たちは「静かで落ち着いた町ですね」と褒めことばを寄せるが、一方では米沢は「不景気な町」「死人のいる町」という評価は困るのだ。 たしかに活気に欠ける町であろうがさしたる犯罪もなく、安心して住める町であることは確かだ。たとえ雪害があろうが老生は米沢が好きだから定住している。米沢は日本の故郷として株はあがるだろうが、都会の喧騒に疲れた人たちが大挙して住める町にしたいものだ。
  老生の母は「この場所は地震や洪水の被害もなく強風に吹き飛ばされることもない」と、自然被害のない老生の町(東二丁目)界隈を生前、母は褒めたたえていたものである。今どき迷惑といえば朝夕の糞尿臭であろうか。市の対策に期待するものだ。