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珠玉の名曲たち、クラシック音楽を楽しむブログ。クラシック音楽の楽曲をテーマに、短いエッセーを書いています。

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【番外編】ジャック・ルーシェ・トリオ:プレイ・サティ

Satie: Gymnopidies GnossiennesSatie: Gymnopidies Gnossiennes
(1998/05/26)
Jacques Loussier

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ジャック・ルーシェ・トリオ:プレイ・サティ

ベースがバンサン・シャルボンから、ベノワ・デュノワイエ・デ・セゴンザックに変わって、アンドレ・アルピノ(ドラム)とジャック・ルーシェ(ピアノ)という第三期ジャック・ルーシェ・トリオとしての初録音。
サティは僕の大好きな作曲家。トップ画像にもあるように、やはりジュ・トゥ・ヴは僕には特別な曲。
このアルバムには残念ながらジュ・トゥ・ヴは収録されていないのだが、まあジュ・トゥ・ヴはもともとジャズみたいなものだし別に構わない。
何より着目すべき点は、ジュ・トゥ・ヴに並ぶ人気曲、ジムノペディ第1番が、4つのバージョンで録音されているということ。2番、3番はあえて切って、この1番にだけ集中して取り組むジャック・ルーシェの姿勢には驚嘆だ。
グノシエンヌ第6番ではさっそくセゴンザックが絶妙なソロを見せてくれるし、アルピノも負けじと応戦。ちなみにこれはアルピノの勝ち。

クラシック音楽のファンは、サティについて評価する人と、「こんなのはクラシックじゃない!」と切り捨てる人といるけれども、まあ後者のように感じるのも無理はない。
それだけに、サティはジャズと相性が良いと言える。ジャズと言っても、ガチャガチャしたうるさいジャズではなく、もっと静的な装いのうちに情熱を感じるようなジャズだ。
そういうジャズには、サティの音楽に特有な調性の効果や「家具の音楽」といった思想がよく似合う。
ジムノペディ第1番は、メロディに加わった新しい和音がまるでもともとそんな曲だったかのように、ごく自然にジャズナンバーとして再構築される。
そこに加わるウィンド・チャイムの音がまた綺麗だ。幻想的ですらある。ベースラインが活かされ、インプロのシーンが始まると、そこはよくわかっているのだろう、あばれることなくスタティックに、サティらしい世界観は揺るぎない。
サティをよく知り尽くしていることがわかる、ジャック・ルーシェのサティは、クラシックファンにも勉強になるものだ。

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| 【番外編】ジャック・ルーシェ・トリオ | 19:02 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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【番外編】ジャック・ルーシェ・トリオ:バロック・ヒッツ

Baroque FavoritesBaroque Favorites
(2001/10/23)
Jacques Loussier

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ジャック・ルーシェ・トリオ:バロック・ヒッツ

バロック・ヒッツという名の通り、バロックの名曲の詰め合わせ。
大体ひとつのアルバムにつき一人の作曲家に焦点を当てているジャック・ルーシェにしては、なかなか珍しいアルバムだ。
名曲集なだけあって、知名度の高い曲も多く、聴きやすい仕上がりとなっている。しかし全部が全部超有名曲という訳ではないので注意。某有名ジャーナルには「一度は耳にしたことのある有名曲ばかりなので入門編にも最適な1枚」などと書いてあるが、これ全て耳にしたことがある方は間違いなくクラシック・ファンだと思う。
ヘンデル、スカルラッティ、マルチェッロ、アルビノーニ、マレらの名曲があるが、何といっても一番はパッヘルベルのカノン。
これを聴くためにある1枚と言っても過言ではない。この超有名曲のジャズ・アレンジは絶対に逃せないだろう。このベース・ソロは聴き惚れる。
ベノワ・デュノワイエ・デ・セゴンザック(ベース)、アンドレ・アルピノ(ドラム)とジャック・ルーシェ(ピアノ)の第三期ジャック・ルーシェ・トリオの演奏。

ヘンデルは名曲のハープシコード組曲第2番のサラバンド、歌劇「セルセ」のラルゴ、オルガン協奏曲第13番「カッコウとナイチンゲール」。
サラバンドとラルゴは説明不要だが、「カッコウとナイチンゲール」は知らない人もいるかもしれない。この2楽章は鳥の声の模倣で有名で、トリオの演奏も非常に楽しい。トロピカルな雰囲気に、可愛い鳥はどこへやら。アルピノのソロも激しい。
マレは「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」、マルチェッロはオーボエ協奏曲。マレはクールなアレンジでオススメ。マルチェッロもボッサ風・或いはスタンダードなジャズ・ワルツで、品があって良い。
あまりこういうことは大きな声で言いたくないが、正直スカルラッティのソナタは原曲より良い。まあ冗談。
パッヘルベルのカノンと並んで知名度の高い、アルビノーニのアダージョが収録されているのも嬉しい。僕としては、さんざん上でカノンを奨めておいて言うのもなんだが、アレンジはこっちの方が好みだ。
カノンとアダージョだけでも聴く価値はあると思う。バロックファン必聴の1枚。

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| 【番外編】ジャック・ルーシェ・トリオ | 21:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【番外編】ジャック・ルーシェ・トリオ:月の光~ジャック・ルーシェ・プレイ・ドビュッシー

Jacques Loussier Trio Plays DebussyJacques Loussier Trio Plays Debussy
(2000/09/26)
不明

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ジャック・ルーシェ・トリオ:月の光~ジャック・ルーシェ・プレイ・ドビュッシー

ジャック・ルーシェがドビュッシーを弾く。それだけで、ジャック・ルーシェのファンは身震いするだろう。
フランス印象派を代表するドビュッシーを、フランスの生んだクラシックとジャズのコラボ・アーティストが弾く、このアルバムはジャック・ルーシェの至高の1枚とも言える。少なくとも、ドビュッシーのピアノ曲を愛している僕にとっては。
月の光の他に、牧神の午後への前奏曲、アラベスク、亜麻色の髪の乙女、喜びの島、夢想、沈める寺、パンの笛をジャズっているのだが、牧神の午後も注目すべきところだろう。月の光以上に、夜の雰囲気全開にプレイしている。
ベノワ・デュノワイエ・デ・セゴンザック(ベース)、アンドレ・アルピノ(ドラム)とジャック・ルーシェ(ピアノ)の第三期ジャック・ルーシェ・トリオの演奏。

そもそも、ドビュッシーのピアノ曲は、普通に弾いたってジャズ・ピアノ顔負けのオシャレさがあると言っても良い。その分「あれ、案外普通に弾いてるなあ」と思うこともしばしばある。まあそれは宿命だろうが、ジャズ畑の人にとってはもっと冒険して見ても良いと思うのかもしれない。
月の光なんか特に、バーなんかで真面目に弾いても様になるような曲だと思うのだが、あの聴きなれた音列が現れると、すぐさまベースが顔を出す。一瞬「おっ」と眉をしかめたくもなるが、恐ろしいほどに怪しくも美しい月夜を描き出すから文句は言えない。
アラベスク、これももともと美しい曲だが、ベースが加わると一気に大人らしい雰囲気になって面白い。ブラシスネアも良い味。肝心なところ、例えば冒頭の美しいアルペジオチックな旋律などを壊さずにいてくれてるのは、クラシックファンとしては嬉しいものだ。
亜麻色の髪の乙女も楽しく聴かせてくれる。もとより崩壊気味の和声にはちょっといやらしいベースが。途中から軽くファンキーなドラムが入るのも面白い。
あまり暴れられないドビュッシー曲の中では、喜びの島は貴重。沈める寺も、アルピノの繊細なタム・シンバルの音作りが光る。
夢想のアレンジ、特に前半は素晴らしい。僕なんかぼーっと聴いていると何の曲か気付かないようなレベルだ。前半はピアノだけでインプロチックなアレンジ、後半はトリオでぐっとわかりやすいアレンジを施している。
パンの笛、これはフルート・ソロのための曲だが、これも大人っぽいプレイをしている。
ピアノ曲も、ピアノ以外が元ネタの曲も、それぞれの味わいが合って楽しめるアルバム。

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| 【番外編】ジャック・ルーシェ・トリオ | 21:37 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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【番外編】ジャック・ルーシェ・トリオ:インプレッションズ・オン・ショパンズ・ノクターンズ

インプレッションズ・オン・ショパンズ・ノクターンズインプレッションズ・オン・ショパンズ・ノクターンズ
(2004/10/21)
ジャック・ルーシェ

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ジャック・ルーシェ・トリオ:インプレッションズ・オン・ショパンズ・ノクターンズ

「トリオ」と書いて紹介するのは誤解を招きそうなので最初に断わっておくが、これはジャック・ルーシェ単独の録音である。
ショパンのノクターンを、アレンジャーとしてというよりもはや作曲家としてであろうが、彼が彼のイディオムを駆使して再構成した作品群。
このCDの凄いところは、ノクターンを全曲録音しているということだ。
ジャック・ルーシェ流のノクターンの解釈とでも言うのだろうか、あらゆるジャズの要素を盛り込んだ彼のピアニズムが、ショパンの音楽のロマンティックさを一層際立たせている。

ショパンのノクターンはというと、ご存じの通り全21曲、この全曲録音というのは、クラシックの世界でもやはりショパン弾きとして腕の立つ一流ピアニストの仕事だ。
ジャック・ルーシェが、彼のクラシック作品へのアプローチとして最も成功した「ジャズ・ピアノ・トリオ」ではなく、敢えてピアノだけでショパンに挑んでいるところに、「ピアノの詩人」への彼の敬意が感じられる。ピアニストならそう来なくっちゃ!
さてそれぞれの曲についてだが、大胆なアレンジを施したものと、原曲の雰囲気を最大限保ったものとある。
第5番なんて一瞬何の曲だかわからなくなるほどに表情を変えているが、根本的な性格は彼のアレンジと原曲の間に差はないようにも思う。
人気の高い第2番は、ドビュッシーのような雰囲気すらうかがわせるも、明らかにジャズ風のリズムとコードが決まると、ジャック・ルーシェの世界だ。
同じく人気のある第20番は、その美しいショパンの旋律を活かし、浮き立つリズムと華やかで力強いアルペジオで彩られている。ややポップなアレンジ。
自分の好きなノクターンというものを持っている人は、ぜひその番号のものを聴いてみて欲しい。

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| 【番外編】ジャック・ルーシェ・トリオ | 20:16 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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【番外編】ジャック・ルーシェ・トリオ:モーツァルト ピアノ協奏曲第20番、第23番

Mozart Piano Concertos 20/23Mozart Piano Concertos 20/23
(2005/10/25)
Jacques Loussier Trio

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ジャック・ルーシェ・トリオ:モーツァルト ピアノ協奏曲第20番、第23番

やや異色のアルバムとなるジャック・ルーシェ・トリオのモーツァルトは、ストリングスを盛り込んだ豪華な録音。
2006年のモーツァルト生誕250周年を記念したアルバムで、ベノワ・デュノワイエ・デ・セゴンザック(ベース)、アンドレ・アルピノ(ドラム)とジャック・ルーシェ(ピアノ)の第三期ジャック・ルーシェ・トリオの演奏。
ストリングスが入ってぐっとクラシックに歩み寄っているし、ピアノ協奏曲20番と23番のカップリングの仕方などはもう、明らかにこれはクラシックのピアニストに肩を並べようというジャック・ルーシェの意気込みだろう。

映画『アマデウス』でも有名なこのピアノ協奏曲第20番 K.466は、やはり2楽章の美しさが特筆すべき点として挙げられるが、ジャック・ルーシェもこの2楽章には細心の注意を払ってアレンジしていることがうかがえる。
ストリングスのバランスや、上品さを保ったトリオ・ジャズは、この神がかった2楽章の美しさを、また違った引き出し型で聴衆に魅せてくれる。
さらに、緊張感と神々しさに満ちた2楽章が終わると、弾けるようなドラムが、勇ましく音楽を導く。サンバ風のジャズ、ファンク調のジャズなどで、モーツァルトの舞曲を現代風にダンサブルにアレンジしている。2楽章とのギャップが心地好い。
第23番もクラシカル。1楽章、ジャズ・ワルツと正統派クラシックが混在している雰囲気はなんとも言えず優雅なものだ。
ストリングスが真面目にクラシック音楽をかもし出し続けるので、ガチガチのジャズ・ファンにはあまりオススメできないが、むしろクラシック・ファンやモーツァルト・ファンには聴いてほしい名盤だと思う。
確かにジャズではあるのだが、どう聴いてもクラシックなアルバム。

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