写真:日本一豪華なバスターミナル待合所?
さて本題の前にコロナに関する役立つ情報を
新型コロナ 対策支援制度まとめ@Yahoo
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新型コロナお役立ちコーナー@首相官邸
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新型コロナウイルス感染症について@神奈川県
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新型コロナウイルス感染症に関する情報(2020年4月3日更新)@横須賀市
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秩父鉄道「大増発」ダイヤ改正 ふかや花園プレミアム・アウトレットのアクセス路線に変身…だけじゃない!@乗りものニュース2022/9/13より
秩父鉄道は2022年9月13日(火)、ダイヤ改正を10月1日(土)に実施すると発表しました。10月20日に控えた「ふかや花園プレミアム・アウトレット」開業にともなうものです。
同アウトレットは秩父鉄道で最も新しい駅「ふかや花園」(永田~小前田間)に直結しています。これにともない、熊谷~寄居間で平日は92本、土休日94本を運転。現行はそれぞれ60本、58本なので、大幅な増発になります。なお、アウトレットのオープン日(10/20)やバーゲン期間などは、さらに臨時列車を運転するということです。~中略~
なお、ふかや花園駅には「SLパレオエクスプレス」も停車しますが、アウトレットのオープンに伴い10月22日(日)から11月6日(日)のあいだは、下りが寄居→三峰口(始発駅を寄居に変更)、上りが三峰口→熊谷の運転になるとのこと。この期間はアウトレットのオープン記念として、下りの寄居→三峰口はSL指定席料金不要、乗車券のみでOKということです。ただし全車指定席のため、ウェブサイトからの予約は必要です。
さて旧聞になりますがダイヤ改正と言うと減便の話ばかりの昨今、2022年10月秩父鉄道が沿線に大規模アウトレットモールが開業するのを機に熊谷~寄居間で日中の列車本数を1.5倍近くに増発する大規模なダイヤ改正を行ったと言うので少し見てきました。
プロローグ熊谷駅に見る秩父鉄道の積極策
さて、秩父鉄道へJR高崎線熊谷駅から乗り換えます。熊谷駅は昔来たことがありますが、その頃に比べてエキナカの商業施設が増え活気があるように思います。写真ではわかりづらいですが通路の反対側にも店舗が多く、人の往来も多かったです。
写真:秩父鉄道熊谷駅改札
さて秩父鉄道の熊谷駅にたどり着きます。小さいながらも自動改札が並び、真新しい企画乗車券の案内看板が印象的です。
【デジタルチケット】MaaSアプリ「EMot」、ウェブ版「EMot Online Tickets」にて紙券よりお得なフリーきっぷを毎日発売@秩父鉄道より
秩父鉄道では、小田急電鉄と連携し2021年11月4日(木)から、秩父鉄道全線が何度でも乗り降り自由で、飲食店舗や温浴施設等約50店舗の優待を受けられるお得な乗車券「秩父路遊々フリーきっぷ デジタル版」と、宝登山ロープウェイで使える「宝登山ロープウェイフリーきっぷ」を販売開始します。 なお、両きっぷは2022年5月中旬よりウェブブラウザ版「EMot Online Tickets」に対応しております。(2022/5/23(月)16:00)
おトクなきっぷ@秩父鉄道
秩父路遊々フリーきっぷ@Emot
【2022年3月12日(土)よりサービス開始】交通系ICカード「PASMO」を導入 について@秩父鉄道
この広告は一日乗車券の「秩父路遊々フリーきっぷ デジタル版」の宣伝ですが現状小田急系のMaas、Emotでの購入が可能なようです。個人的に興味深いと思ったのは
・紙の乗車券もあるがデジタル版が毎日可能なのに対して紙は基本的に土・休日のみ
・紙とデジタルの料金差は大人100円に対して、子供300円と大きい
・ICカードPASMO導入が2022年3月なのに対して、2021年11月と先行している
と言った所です。導入時期を考えると、コロナ禍の厳しい中で2022年下半期に向けて「紙からデジタル(スマホ)」への思い切った転換を目指したように思います。そしてターゲットは若い世代、家族連れを中心としてスマホを使いこなして沿線外から事前に切符を購入して乗車する層と言った所でしょうか?
写真:ホームではラッピングトレインがお出迎え
ホームではラッピング電車がお出迎えです。
【4/3(土)運行開始!】秩父鉄道フルラッピングトレイン第4弾★「超平和バスターズトレイン」デビュー!@秩父鉄道より
秩父鉄道では、フルラッピングトレイン第4弾となる『超平和バスターズトレイン』の運行を開始いたします!秩父市が舞台設定のモデルとなったアニメ3部作「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」「空の青さを知る人よ」のキャラクターや劇中画を全車両へラッピング。それぞれの作品の魅力を車両にぎゅっと詰め込み、外装・内装ともにアニメの世界観をお楽しみいただけます。
このラッピング事業は秩父市からの製作費負担のもと、コロナ禍で落ち込んだ観光客を回復させるための新しいコンテンツとしての役割を担うとともに、「あの花」が初めてテレビ放送されてから今年で10 周年を迎えることを記念して実施されるものです。
このラッピングトレインは沿線秩父市を舞台としたアニメ、映画などのキャラクターが描かれています。秩父市とのコラボレーションとは言え、ポストコロナ時代を見据えた観光客誘引の為積極的に手を打っている事が見て取れます。
ターミナル化と感じさせたふかや花園駅の活況
写真:ふかや花園駅
そんな熊谷駅から秩父鉄道の電車に乗り込みます。今回の目的地は今回のダイヤ改正のきっかけとなったアウトレットの最寄り駅ふかや花園駅です。
ふかや花園駅@Wikipediaより
深谷市は、関越自動車道花園インターチェンジに程近いこの地区に、『ふかや花園プレミアム・アウトレット』を中核とする産業拠点を開く事を計画しており(花園IC拠点整備プロジェクト)、2015年に三菱地所・サイモンがモールの事業者として選定され、2022年10月20日に開業した[1]。2017年6月に深谷市と秩父鉄道は共同で、地元住民の利便性向上と、このアウトレットモールへの交通手段の一つとする事を目的として、当駅を新設することを発表した[2]。請願駅として、深谷市が総事業費の約4億円全額を負担した[3][4]。
駅名の由来は、歴史や伝統のある深谷市の「ふかや」と、当駅周辺の地名「花園」(旧大里郡花園町)を組み合わせたものであり、駅新設発表の場で開業日と共に公表された[2]。
当駅の設置に当たっては、アウトレットモール予定地が優良農地となっており、本来は商業施設を建設できないため、それを解除する手段として、新駅建設を前提としており(つまり当駅が開業しない限り、モール建設の申請・建設が始められない)、更にモール用地も深谷市が取得する形になっているとして、税金負担に反対する一部の市民が駅・モールの建設の是非を問う住民投票を行うべく署名を集め、市議会に提出したが否決されている[5][6]。
ふかや花園駅はふかや花園プレミアム・アウトレットと言う今回の目的地となるアウトレットの為に作られ、費用も地元の深谷市が全額負担を行っています。ただアクセスの為の駅と言うよりも、優良農地だった地域を開発する為と言うあまり聞かない理由で開設された駅です。ただこの事によって秩父鉄道はピカピカの新駅と駅前に大規模なアウトレットモールと言う2つのものを手に入れることになりました。
写真:ふかや花園駅で下車する乗客
熊谷駅での乗車時では席がさらっと埋まるくらいの乗客数だったのが大半の乗客がこの駅で下車していてターミナルのラッシュ時並みの混雑となっていました。訪れたのがアウトレット開業から間もない時期である事を差っ引いても地方私鉄では破格の1日1778人の利用者の見込みも決して無理な数字ではないと感じさせました。そしてその乗客の多くはアウトレットモールに向かっています。これから先どうなるかは分かりませんが現段階では電車で行くイメージのないアウトレットモールへのアクセス手段としての誘客に成功したと言えます。
アウトレットモールに乗り入れるバス
写真:アウトレットモールのバスターミナル
さてふかや花園駅近くにできたアウトレットですが、公共交通は秩父鉄道だけでなくバスも乗り入れています。このアウトレットは関越道花園ICに近いのがウリであり、車でのアクセスもそうですが都内からの高速バスも乗り入れることになりました。
佐野新都市バスターミナル@佐野市より
佐野新都市バスターミナル発高速バス一覧
バスタ新宿・東京駅方面 ジェイアールバス関東
羽田空港(東京国際空港) 関東自動車(羽田空港行き)
成田空港(成田国際空港) 関東自動車(成田空港行き)
名古屋方面 関東自動車(名古屋行き)
京都・大阪方面 日本中央バス(シルクライナー)
仙台方面 日本中央バス(仙台ライナー)
新越谷・郡山方面 福島交通(あだたら号)・東武バス(あだたら号)
佐野新都市バスターミナル発路線バス一覧
佐野新都市線(浅沼町、佐野駅、佐野厄よけ大師方面)
植下高萩線(高萩町、植下町、佐野駅方面)
犬伏線(米山市営住宅、久保町、佐野駅方面)
同じよう都内からの高速道路のICに作られた栃木県佐野市の佐野新都市ではバスターミナルが整備され、都内、羽田・成田の両空港をはじめ、名古屋・京都・大阪・仙台・郡山など各方面への高速バスが乗り入れる高速バスの一大拠点となり、また地域のバス路線も乗り入れる事で地域の公共交通の状況を大きく変える事となりました。
写真:アウトレットモールに乗り入れるバス
実際ふかや花園のアウトレットモールでも規模は小さいとは言え東京・新宿、大宮・川越発着の高速バス、ふかや駅・森林公園駅からのシャトルバスが乗り入れスタートしていて、結果的に電車、高速バス、中距離(シャトル)バス等が乗り入れる大きなターミナルとなっています。強いて言えば地元のローカル輸送を担うバス路線がないというのが違いと言えます。
⼤宮駅‧川越駅発着@ふかや花園プレミアムアウトレットモール
東京駅‧新宿駅発着@ふかや花園プレミアムアウトレットモール
深谷駅発(土日祝日)@ふかや花園プレミアムアウトレットモール
森林公園駅発@ふかや花園プレミアムアウトレットモール
写真:帰りはシャトルバスで深谷駅へ
その中で帰りは深谷駅へのシャトルバスで深谷駅まで向かって帰りました。そのまち時間に森林公園雪のシャトルバスの発車時の利用者も見れたのですが、どちらも10人前後と少なくはないものの秩父鉄道の様な活況を呈しているとは言い切れない状況でした。
ふかや花園駅活況の理由と示すもの
写真:秩父鉄道の誘客策
シャトルバスに比べて秩父鉄道が活況を呈している理由としては当然新幹線・高崎線・湘南新宿ラインと繋がる熊谷駅、東武伊勢崎線と繋がる羽生駅、東武東上線と八高線と繋がる寄居駅に乗り入れている鉄道と言うのが当然大きいですが、実際秩父鉄道が貪欲に努力しているのも見逃せません。実際駅前には縁日の様にキッチンカーが並び、訪れた当日には電車利用の買い物客へのプレゼントもありました。また東武鉄道と共同で出している東武鉄道×秩父鉄道SAITAMAプラチナルート乗車券と言う乗車券もアウトレット開業を機にふかや花園迄範囲を拡大しています。言って見ればふかや花園のアウトレットモールに来たお客さんを秩父・長瀞方面等回遊してもらおうという事なのでしょう。
【10/20(木)フリー区間を拡大】「東武鉄道×秩父鉄道SAITAMAプラチナルート乗車券」☆東武鉄道東上線・越生線全線と秩父鉄道のふかや花園駅~三峰口駅間が1日乗り降り自由@秩父鉄道
【おすすめ情報】ふかや花園駅前で「ちちてつはなぞのマルシェ」☆11/26(土)、27(日)開催@秩父鉄道
写真:アウトレットモールの駐車場
当然最大の努力として10月1日に増発のダイヤ改正があったのは言うまでもないですが、その貪欲さが多くの乗客の利用を掘り起こすのに成功したと言えます。ふかや花園駅のアウトレットモールはICが近いのが最大の売りであり当然車で来る人が多いですが、それでも努力すれば鉄道やバス等で訪れる人は地方鉄道にとっては準ターミナル級の利用者を掘り起こせるというのが現状のふかや花園駅の示しているものではないかと思います。