円相場が告げるインフレの収束
さて12月は金融政策転換をにおわせる日銀総裁の発言とアメリカの早期利上げ観測が広がった事から急激な円高が進みました。
それを受けて日銀政策決定会合ではマイナス金利政策の解除は見送りとなりました。とは言え一度進んだ円高は殆ど解除されませんでした。言って見れば実際の政策変更はなく、発言や思惑が先行しての円高が進み、予想される政策変更が延期となってもそれが続いた訳です。
さて今後を考えると、日本の政情から読みづらいものの、アメリカに関してはまだ物価上昇率は高いとは言え、インフレのピークからは落ち着いた状況であり現状の政策金利が物価上昇率が上回っている上に、2024年が大統領選挙がある事を考えると利下げ圧力は高く続いていく事が考えられます。その為日銀が動かなくても、円安のきっかけとなった日米の金利差が小さくなる、あるいはその期待で円安が解消し円高に向かう傾向は続きそうです。
表消費者物価指数総合指数@2020年基準 消 費 者 物価指数全 国 2023年(令和5年)11月分より
消費者物価指数を見ても前年同月比の総合指数では2022年末~2023年初頭の4前後から最新の2023年11月は2.8と2022年7月以来の3割れとなっています。これをどう評価するかは最終的に読者の皆様の判断になると思いますが、11月の段階では1ドル150円前後だった為、円安環境でこの状況とするとインフレのピークは過ぎ少しずつ物価が落ち着きつつあるように感じます。
またインフレのきっかけとなったロシアとウクライナの戦争に関しても停戦の動きが出始めています。2022年2月の開戦から2年近く、イスラエルとハマスの戦争も始まった事で欧米の関心も薄れてしまった事で落としどころを始めるフェーズに入ったのかもしれません。当然これで戦争が終わるというのが確定した訳ではないですし、いつ終わるのかもわかりません。ただ1つのポイントには来たと思います。こういった事を考えると2024年はコロナ、ウクライナ戦争による様々な混乱が収束していく1年になってきそうな気がします。
コロナ禍とインフレが生み出した社会のひずみ
しかしコロナ禍以降ウクライナ・ロシア戦争をきっかけとしたインフレと言う3年間で様々な歪が広がっています。アメリカではテスラなどのテック企業が立地する有力都市サンフランシスコの惨状が伝えられています。有力なデパートが閉店し、僅か4年で商業施設が半減する地域が現れ、ホームレスや万引きが蔓延している。日本でも地方都市の特に中心市街地を中心とした衰退が伝えられますが、ここまで急激な事はさすがに聞きませんし、ホームレスや万引きの話も地方都市の衰退と言うテーマでは出てきません。来年の大統領選挙ではこういった地域の惨状が掘り起こされ議論がなされると言えます。
また中国ではゼロコロナなど政策による経済の混乱による若年層の失業率が問題となっています。公式発表では21.3%、学者の調査では50%近いという説もあるほどです。日本の就職氷河期世代でも10%強と半分くらいだった事を考えるとその深刻さが見て取れます。その中でタンピン族と言う言葉が流行っています。タンピンと言うのは「寝そべり」と言う意味なのですが、寝そべって家・クルマを買わず、恋愛・結婚をせずに子供を作らないと言うのは就職氷河期に日本ではやった「サイレントテロ」と言うスラングを思い起こさせます。またここでは出てこないですが専業子供と言う「実家に留まり働かず、家の事をやってお小遣いをもらう」と言うある意味で日本ではニートや家事手伝いに近いスタンスの言葉も出て来ています。
就職氷河期にはこんな漫画もありました
EU、クリスマス時期の「テロの危険性大きい」 ガザでの戦闘でリスク増加と@BBC2023/12/6
ドイツ テロ計画の少年2人逮捕 イスラエル情勢受け警戒高まる@NHK2023/11/30
テロ警戒最高レベルの仏 ユダヤ系住民 安全への不安強まる@NHK2023/10/28 ヨーロッパでは直接的にはハマスとイスラエルの戦争がきっかけですが、政治的なテロのリスクが高まっています。確かに直接的にはコロナやウクライナの戦争は絡んではいないですが、コロナ以降の政治・経済的な混乱、戦争によるエネルギー供給の不安定化が招いたインフレ、かつてナチスを生み出したユダヤ人差別に絡む問題、中東からの移民の増加が戦争と言うきっかけで噴出している感があります。
日本では政治・経済の直接的な問題は少ないもののバス運転手不足に代表される社会を回す人材の不足が大きくクローズアップされてきました。
バスが注目されがちですが、当然物流にも影響は大きいはずで物流業界にも「働き方改革」が適用される事で言われる2024年問題から来年以降物流費用の値上げや、到着時間の延期と言う意味で大きな影響を与えます。多分2024年以降は単なるインフレと言う形でなく複雑な影響が出るものと思われます。
ポストインフレ時代の複雑な状況と政治
若い世代の失業の問題が大きくなっている中国のCPIはマイナスとなりデフレの状況に陥りつつあり、輸出に活路を見出そうとしている為、ダンピングを行う懸念が出て来ています。インフレの解消と言う意味ではプラスですがインドに抜かれたとはいえ10億人を超える人口を抱えGDP世界第2位の国が全力でデフレ輸出に向かった時のリスクも考える必要があります。
逆に物流を中心とした人手不足の業界に中国で失業した若い人を誘致するというのは出てきそうです。実際中国人ではなくグループ企業が展開しているベトナムが対象ではあるのですが、東急バスの社長が打開策として外国人運転手の採用を訴えています。実際これで門徒を解放した際に失業した中国の若い人たちは対象となりうると考えます。
しかし労働者を中心とした外国からの移住者は往々にして地域住民との軋轢や治安悪化を起こしがちで、メディアがそれを報道するのを躊躇するのがメディアが信頼を失う一因なのですが、埼玉県川口市でのクルド人の騒動が今年夏に大きく報じられました。とは言え失業率の高い中国の若者、エリート校である清華大学の学生も含め軍隊に志願する高学歴者が増えている事を考えると単純な問題ではないと思われます。
そして意思決定を行う政治に関しては所謂パーティー券問題で岸田内閣の支持率が低下しています。所謂政治とカネの問題ですが、コロナ禍以降緊急事態宣言による経済の停止をはじめ岸田内閣では増税の話が俎上に上るなど国民への負担の多い施策が多かったうえに、日本はまだましな部類ではあるとはいえ、物価上昇もあったことがパーティー券問題で潜在的な不満が顕在化した感じです。
即決を避ける事~令和の悲劇を避けるには~
表消費者物価指数総合指数@2020年基準 消 費 者 物価指数全 国 2023年(令和5年)11月分より
怖いのはこういった難しい状況で政治が弱いと課題が感情的・短絡的に判断がなされることでしょうか?上は最初の方で出した消 費 者 物価指数の表ですが、月で判断するなら今はインフレが落ち着きつつあるのは前に書いた通りですが、年で判断するなら2023年はインフレ率は大きくなり、この数値が公表される2024年には「2023年物価上昇率拡大、岸田首相無策」と言う記事が出たら信じる人は多く出そうな気がします。それだけならともかくその後急激にインフレが解消し、デフレになりかかっている時期に世論の圧力から「インフレ解消政策」が出たらどうなるでしょうか?急激にデフレに突入し、いま中国の若者が苦しんでいるデフレ、失業の問題が日本の若い人にも及んでくるのではないでしょうか?
no more war! no more deflation!!
Choose or Loose令和最初の総選挙その1~平成最大の失政~
平成の就職氷河期、昭和の戦争と言う悲劇は景気後退時のデフレ政策がきっかけとなって引き起こされました。昭和・平成と繰り返された悲劇を令和に繰り返さないかどうかは令和の人達がどれだけ聡明かが問われるかだと思います。こういった時に必要なのはまずはメディアの情報やネットの情報に安易に流されずソースをじっくり調べる事、もう1つは即決しない事、即決を求めない事になると思います。果たして令和の悲劇を避けられるか来年は注目していきたいと思います。
円相場 NY市場では1ドル=141円台も 急速に円高ドル安進む@NHK2023/12/8より
8日の東京外国為替市場は、日銀の植田総裁の7日の国会での発言を受けて金融政策の転換が近づいているのではないかとの見方が強まり、急速に円高ドル安が進んでいます。
円相場は1ドル=147円前後で推移していましたが、7日のニューヨーク市場ではおよそ4か月ぶりに1ドル=141円台まで円高ドル安が進みました。
植田総裁の発言を受けて市場では、金融政策の転換が近づいているのではないかとの見方が強まっています。
円相場 一時 1ドル=140円台後半まで値上がり 約4か月半ぶり@NHK2023/12/14より
14日の東京外国為替市場は、アメリカが早期に利下げを行うとの観測が広がったことで急速に円高ドル安が進み、円相場は一時、およそ4か月半ぶりに1ドル=140円台後半まで値上がりしました。
14日の東京外国為替市場では、ドルを売って円を買う動きが強まり、円相場は昼すぎに1ドル=140円台後半まで値上がりしました。
さて12月は金融政策転換をにおわせる日銀総裁の発言とアメリカの早期利上げ観測が広がった事から急激な円高が進みました。
日銀、マイナス金利解除見送り 大規模緩和を継続2023/12/19より
日銀は19日に開いた金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持を決めた。マイナス金利政策の解除は見送り、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)や上場投資信託(ETF)買い入れといった措置も現状のまま維持した。物価、賃上げの動向をさらに見極める必要があると判断した。
それを受けて日銀政策決定会合ではマイナス金利政策の解除は見送りとなりました。とは言え一度進んだ円高は殆ど解除されませんでした。言って見れば実際の政策変更はなく、発言や思惑が先行しての円高が進み、予想される政策変更が延期となってもそれが続いた訳です。
アングル:来週のFOMC、利下げ転換シグナルの適切な発信巡る議論開始か@ロイター2023/12/5より
実際利下げする時期はまだ先に見える。足元の基調的な物価上昇率は前年比3.5%と、FRBが目指す2%を大きく上回っている。政策担当者は、低失業率下の経済が再び過熱化することを引き続き懸念しており、彼らが言及するのはむしろ高金利長期化や追加利上げの方が多い。
もっともこれは、7月以降5.25─5.5%に据え置いている政策金利水準でも十分に経済や物価を落ち着かせられるとFRBが確信を強めながらなお、選択肢としてさらなる引き締め余地を残しておくという意味合いでもある。~中略~
来年は11月に大統領・議会選が行われ、投票日が近づくほど、利下げが政治と結びついて見えやすくなる。特に大統領時代にFRBの利上げに怒ったトランプ氏が、現在の支持率通り野党共和党の大統領候補に指名されれば、その傾向は一層強まるだろう。
さて今後を考えると、日本の政情から読みづらいものの、アメリカに関してはまだ物価上昇率は高いとは言え、インフレのピークからは落ち着いた状況であり現状の政策金利が物価上昇率が上回っている上に、2024年が大統領選挙がある事を考えると利下げ圧力は高く続いていく事が考えられます。その為日銀が動かなくても、円安のきっかけとなった日米の金利差が小さくなる、あるいはその期待で円安が解消し円高に向かう傾向は続きそうです。
表消費者物価指数総合指数@2020年基準 消 費 者 物価指数全 国 2023年(令和5年)11月分より
消費者物価指数を見ても前年同月比の総合指数では2022年末~2023年初頭の4前後から最新の2023年11月は2.8と2022年7月以来の3割れとなっています。これをどう評価するかは最終的に読者の皆様の判断になると思いますが、11月の段階では1ドル150円前後だった為、円安環境でこの状況とするとインフレのピークは過ぎ少しずつ物価が落ち着きつつあるように感じます。
欧米当局 ウクライナに停戦交渉の可能性 協議持ちかけか@NHK2023/11/5より
ロシアがウクライナへの侵攻を続ける中、アメリカのメディアは欧米の当局者がウクライナに対し、ロシアとの停戦交渉の可能性について協議を持ちかけていたと伝えました。一方、ロシアは東部で攻勢を強め、軍事侵攻を続ける姿勢を強調しています。
アメリカのNBCテレビは4日、アメリカ政府高官などの話として、先月行われたウクライナ支援の会合の場で欧米の当局者がウクライナ政府に対し、ロシアとの停戦交渉の可能性について内々に協議を持ちかけていたと伝えました。
またインフレのきっかけとなったロシアとウクライナの戦争に関しても停戦の動きが出始めています。2022年2月の開戦から2年近く、イスラエルとハマスの戦争も始まった事で欧米の関心も薄れてしまった事で落としどころを始めるフェーズに入ったのかもしれません。当然これで戦争が終わるというのが確定した訳ではないですし、いつ終わるのかもわかりません。ただ1つのポイントには来たと思います。こういった事を考えると2024年はコロナ、ウクライナ戦争による様々な混乱が収束していく1年になってきそうな気がします。
コロナ禍とインフレが生み出した社会のひずみ
空き店舗に溢れたサンフランシスコの市街地のレポート
サンフランシスコが陥った負の“スパイラル”@NHK2023/9/26より
8月、街の一等地にある大型デパートが閉店しました。そのデパートが入居しているショッピングモールも撤退を決めています。その周りを見ても、空き店舗ばかり・・・。
ここはアメリカ西海岸の大都市、カリフォルニア州サンフランシスコ。入り江にかかる真っ赤なゴールデンゲートブリッジに、急な坂を行き来するケーブルカー。華やかなイメージに彩られた町の中心部には驚くべき光景が広がっています。~中略~
歩道にはテントが張られ、バス停は路上生活者、いわゆるホームレスの荷物で埋め尽くされています。~中略~
地元メディアによると、この一帯では営業している小売店が2019年に203店舗だったのに対し、2023年5月の時点ではほぼ半数の107店舗に減りました。~中略~
「(コロナ禍で)かつてのようなレベルまでオフィスワーカーたちが戻ってきていないのが大きな理由です。パンデミックがおさまってからも、オフィスに出勤しているのはかつての40%から50%に過ぎません。その結果、店のお客さんは大幅に減少しました。当然、店の売り上げも減り、営業を続けることが難しくなったのです」~中略~
小売店の撤退が相次ぐ背景として、もうひとつ指摘されているのが治安の悪化、とりわけ万引きが多発していることです。
非営利のシンクタンク「カリフォルニア公共政策研究所」が9月に発表した分析によるとサンフランシスコ周辺では商業施設での万引きや強盗の件数が、この数年で大幅に増えています。
カリフォルニア州では、盗んだものが950ドル相当(日本円でおよそ13万9000円)以下の場合は、軽犯罪として分類されることになっていて、こうした州の法律が犯罪を助長しているという批判も出ています。
しかしコロナ禍以降ウクライナ・ロシア戦争をきっかけとしたインフレと言う3年間で様々な歪が広がっています。アメリカではテスラなどのテック企業が立地する有力都市サンフランシスコの惨状が伝えられています。有力なデパートが閉店し、僅か4年で商業施設が半減する地域が現れ、ホームレスや万引きが蔓延している。日本でも地方都市の特に中心市街地を中心とした衰退が伝えられますが、ここまで急激な事はさすがに聞きませんし、ホームレスや万引きの話も地方都市の衰退と言うテーマでは出てきません。来年の大統領選挙ではこういった地域の惨状が掘り起こされ議論がなされると言えます。
中国の若年失業率、46.5%に達した可能性 研究者が指摘@ロイター2023/7/20より
[北京 20日 ロイター] - 中国で若者の失業率が3月に50%近くに達した可能性が研究者によって指摘され、公式統計を巡る議論が再燃、労働市場の低迷が改めて注目されている。
国家統計局は同月の16─24歳の失業率は19.7%と発表した。これに対し北京大学の張丹丹副教授は財新のオンライン記事で、家で寝そべっていたり親に頼る非学生の1600万人が統計に含まれていたら、失業率は46.5%に達した可能性があると指摘した。記事は17日に掲載されたがその後削除されている。
中国のタンピン族に関する解説動画「どうせ敗北するならゴール付近よりスタートラインに近いほうがいい」と言う言葉が響きました。
6月の公式統計では若者の失業率は過去最高の21.3%。これは就職活動を行っている人を対象としている。 Z世代を1000文字くらいで語りたい(7)-「タンピン族」ってなんだろう?@ニッセイ基礎研究所2023/6/19より
タンピン族という言葉を聞いたことがあるだろうか。躺平(タンピン)とは中国語で「寝そべる」という意味で、そこから「欲張らない」「頑張らない」「競争しない」という意味に転じ、中国のZ世代にて広まっている競争社会や行き過ぎた消費社会に抵抗するライフスタイルのことを指す。そして、このようなライフスタイルを志向し、「不買房(家を買わない)」「不買車(車を買わない)」「不談恋愛(恋愛しない)」「不結婚(結婚しない)」「不生娃(子供を作らない)」「低水平消費(低水準の消費)」をモットーに低意欲、低欲望の生活を送っている人々はタンピン族と呼ばれている。タンピンという語は、2021年4月17日に中国のインターネット掲示板「百度貼吧」に「寝そべりは正義だ」と投稿されたことがきっかけとなり、その言葉に対して多くの若者が共感したことで、ある種のネットミーム1として拡散され、2021年の中国国内の流行語に選ばれるまでに定着している2。
また中国ではゼロコロナなど政策による経済の混乱による若年層の失業率が問題となっています。公式発表では21.3%、学者の調査では50%近いという説もあるほどです。日本の就職氷河期世代でも10%強と半分くらいだった事を考えるとその深刻さが見て取れます。その中でタンピン族と言う言葉が流行っています。タンピンと言うのは「寝そべり」と言う意味なのですが、寝そべって家・クルマを買わず、恋愛・結婚をせずに子供を作らないと言うのは就職氷河期に日本ではやった「サイレントテロ」と言うスラングを思い起こさせます。またここでは出てこないですが専業子供と言う「実家に留まり働かず、家の事をやってお小遣いをもらう」と言うある意味で日本ではニートや家事手伝いに近いスタンスの言葉も出て来ています。
EU、クリスマス時期の「テロの危険性大きい」 ガザでの戦闘でリスク増加と@BBC2023/12/6
ドイツ テロ計画の少年2人逮捕 イスラエル情勢受け警戒高まる@NHK2023/11/30
テロ警戒最高レベルの仏 ユダヤ系住民 安全への不安強まる@NHK2023/10/28 ヨーロッパでは直接的にはハマスとイスラエルの戦争がきっかけですが、政治的なテロのリスクが高まっています。確かに直接的にはコロナやウクライナの戦争は絡んではいないですが、コロナ以降の政治・経済的な混乱、戦争によるエネルギー供給の不安定化が招いたインフレ、かつてナチスを生み出したユダヤ人差別に絡む問題、中東からの移民の増加が戦争と言うきっかけで噴出している感があります。
全国バス会社の99%が運転手不足、3割が路線廃止検討 民間調査@2023/12/21より
2024年4月から、バスやトラックなどの運転手の時間外労働の上限が規制されるのを前に、運輸・不動産など両備グループ(岡山市)のシンクタンク「地域公共交通総合研究所」が、全国のバス会社に運転手不足についてアンケートしたところ、99%が「不足している」と回答した。また対策として、半数が「減便」、約3割が「路線廃止」を計画していると答えた。
さよなら金剛バス、終幕に「寂しい」 21日からは後継の路線バス@朝日新聞2023/12/20より
大阪府富田林市など4市町村を走っていた金剛自動車(富田林市)の路線バスが20日で最後となった。21日からは、4市町村の地域公共交通活性化協議会による「4市町村コミバス」や、自治体が運行するバスが走り始める。
近鉄長野線富田林駅前ではこの日、金剛自動車の緑色のバスが発着していた。バスに向かい、盛んにシャッターを切る人の姿も見られた。
日本では政治・経済の直接的な問題は少ないもののバス運転手不足に代表される社会を回す人材の不足が大きくクローズアップされてきました。
「あと4ヵ月しかないのにどうすんだ?」運送会社社員も悲鳴を上げる!スーパーから野菜が消える「2024年問題」のヤバい実情@週刊現代2023/12/15より
こうした人たちを運送業に引き止めるために給料を上げるとしたら、運賃はこれまで以上に跳ね上がっていく。
「来年度以降、荷物の到着が今までよりも遅くなる可能性は高いと思います。これまでは朝に採れた野菜がその日のうちにスーパーに並ぶことが普通でしたが、今後はかなり難しくなる。それでも新鮮な野菜を並べようとすると、結果的に価格を上げるしかありません。消費者が買えなくなれば、スーパーも品揃えを見直すでしょう。今後、新鮮で安価な野菜を店頭で見かけることは少なくなるかもしれません」(前出・角井氏) 道路貨物運送、「2024年問題」前に倒産顕著 「ドライバー不足」と「燃料費高騰」が経営圧迫@帝国データバンク2023/10/10より
人手不足が本格化し、輸送能力の大幅な低下が顕在化するといわれる「2024年問題」まで半年を切るなか、道路貨物運送業者の倒産が相次いでいる。トラック運送や軽自動車で宅配をおこなう道路貨物運送業者の倒産は2023年1-9月に220件発生し、前年同期(169件)を大幅に上回った。9月時点で200件を超えるのは、軽油価格が大幅に上昇した2014年(212件)以来9年ぶり。このペースで推移した場合、年間の倒産件数はリーマン・ショック時以来14年ぶりに300件を超える可能性がある。
バスが注目されがちですが、当然物流にも影響は大きいはずで物流業界にも「働き方改革」が適用される事で言われる2024年問題から来年以降物流費用の値上げや、到着時間の延期と言う意味で大きな影響を与えます。多分2024年以降は単なるインフレと言う形でなく複雑な影響が出るものと思われます。
ポストインフレ時代の複雑な状況と政治
中国のデフレ懸念強まる、11月CPIは前年同月比0.5%低下@Bloomberg2023/12/9より
中国の消費者物価は11月に過去3年で最も急ピッチに下落し、生産者コストはマイナス圏でさらに落ち込んだ。
国家統計局の9日の声明によると、11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.5%低下。これは2020年11月以来最大の落ち込み。ブルームバーグ集計のエコノミスト予想中央値は0.2%低下だった。
中国、広がる「デフレ輸出」 内需不振で鋼材や自動車に@2023/12/12より
中国からの輸出品が値下がりしている。鋼材や自動車など主要品目の7割で単価が下がった。中国経済は内需がさえず、企業が過剰在庫を国外で安く売る動きが広がる。世界生産シェアが高い中国の「デフレ輸出」は、主要国のインフレ圧力を和らげる効果がある。安値攻勢が新たな貿易摩擦に発展する恐れもある。
若い世代の失業の問題が大きくなっている中国のCPIはマイナスとなりデフレの状況に陥りつつあり、輸出に活路を見出そうとしている為、ダンピングを行う懸念が出て来ています。インフレの解消と言う意味ではプラスですがインドに抜かれたとはいえ10億人を超える人口を抱えGDP世界第2位の国が全力でデフレ輸出に向かった時のリスクも考える必要があります。
外国人バス運転手の採用「先陣を切りたい」東急バス社長 危機的ドライバー不足の打開策 なぜ今議論?@乗りものニュース2023/11/27より
運転士の人手不足が深刻化し、全国で減便や路線廃止が相次ぎ危機的状況に陥っているバス業界。その打開策のひとつと目されているのが、外国人ドライバーの採用です。しかし、現状の制度では思うような採用が不可能であることから「まずは国に制度を早急に変えていただく必要がある」と古川社長は話します。
逆に物流を中心とした人手不足の業界に中国で失業した若い人を誘致するというのは出てきそうです。実際中国人ではなくグループ企業が展開しているベトナムが対象ではあるのですが、東急バスの社長が打開策として外国人運転手の採用を訴えています。実際これで門徒を解放した際に失業した中国の若い人たちは対象となりうると考えます。
病院でクルド人「100人」騒ぎ、救急受け入れ5時間半停止 埼玉・川口@産経新聞@2023/7/20より
埼玉県川口市で今月初め、トルコの少数民族クルド人ら約100人が病院周辺に殺到、県警機動隊が出動する騒ぎとなり、救急の受け入れが約5時間半にわたってストップしていたことが30日分かった。同市は全国で最も外国人住民の多い自治体で、クルド人の国内最大の集住地。現在国内には約314万の外国人が住んでおり、うち約7万人は不法滞在とされる。同市では近年、クルド人と地域住民との軋轢(あつれき)が表面化している。
中国で大学生6000人が軍への入隊申し込む 志願増加の背景には20%超の「失業率」@TBSNEWS2023/6/27より
習近平国家主席の母校で中国屈指の名門、清華大学を卒業したという兵士が訴えるのは。 「皆さん、軍に参加して、建軍100年の目標に青年の力で貢献してほしい」
今、中国では軍への入隊を志願する大学生が増えています。首都・北京市ではインターネットで入隊を申し込んだ7000人のうち6000人が大学生でした。
しかし労働者を中心とした外国からの移住者は往々にして地域住民との軋轢や治安悪化を起こしがちで、メディアがそれを報道するのを躊躇するのがメディアが信頼を失う一因なのですが、埼玉県川口市でのクルド人の騒動が今年夏に大きく報じられました。とは言え失業率の高い中国の若者、エリート校である清華大学の学生も含め軍隊に志願する高学歴者が増えている事を考えると単純な問題ではないと思われます。
岸田内閣支持率23% 発足以降最低に 自民政権復帰以降でも最低@2023/12/11より
NHKの世論調査によりますと、岸田内閣を「支持する」と答えた人は、11月の調査より6ポイント下がって23%と、おととし10月の内閣発足以降、最も低くなりました。一方、「支持しない」と答えた人は6ポイント上がって58%でした。
そして意思決定を行う政治に関しては所謂パーティー券問題で岸田内閣の支持率が低下しています。所謂政治とカネの問題ですが、コロナ禍以降緊急事態宣言による経済の停止をはじめ岸田内閣では増税の話が俎上に上るなど国民への負担の多い施策が多かったうえに、日本はまだましな部類ではあるとはいえ、物価上昇もあったことがパーティー券問題で潜在的な不満が顕在化した感じです。
即決を避ける事~令和の悲劇を避けるには~
表消費者物価指数総合指数@2020年基準 消 費 者 物価指数全 国 2023年(令和5年)11月分より
怖いのはこういった難しい状況で政治が弱いと課題が感情的・短絡的に判断がなされることでしょうか?上は最初の方で出した消 費 者 物価指数の表ですが、月で判断するなら今はインフレが落ち着きつつあるのは前に書いた通りですが、年で判断するなら2023年はインフレ率は大きくなり、この数値が公表される2024年には「2023年物価上昇率拡大、岸田首相無策」と言う記事が出たら信じる人は多く出そうな気がします。それだけならともかくその後急激にインフレが解消し、デフレになりかかっている時期に世論の圧力から「インフレ解消政策」が出たらどうなるでしょうか?急激にデフレに突入し、いま中国の若者が苦しんでいるデフレ、失業の問題が日本の若い人にも及んでくるのではないでしょうか?
no more war! no more deflation!!
Choose or Loose令和最初の総選挙その1~平成最大の失政~
平成の就職氷河期、昭和の戦争と言う悲劇は景気後退時のデフレ政策がきっかけとなって引き起こされました。昭和・平成と繰り返された悲劇を令和に繰り返さないかどうかは令和の人達がどれだけ聡明かが問われるかだと思います。こういった時に必要なのはまずはメディアの情報やネットの情報に安易に流されずソースをじっくり調べる事、もう1つは即決しない事、即決を求めない事になると思います。果たして令和の悲劇を避けられるか来年は注目していきたいと思います。