さて本題の前にコロナに関する役立つ情報を
新型コロナ 対策支援制度まとめ@Yahoo
・Yahooによる支援制度の情報です。
新型コロナお役立ちコーナー@首相官邸
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新型コロナウイルス感染症について@神奈川県
・神奈川県庁でのコロナウィルスに関するまとめサイトです。
新型コロナウイルス感染症に関する情報(2020年4月3日更新)@横須賀市
・横須賀市役所でのコロナウィルスに関するまとめサイトです。
横須賀市・横浜市公共交通各社の新型コロナウイルスに関する対応について
・横須賀・横浜地区の公共交通各企業のコロナ対策のリンク集です。利用者の協力をもとに3密を恐れず公共交通を利用しましょう。
横須賀公共交通バリアフリーマップの様なもの
・横須賀公共交通バリアフリーマップの様なものです。横須賀に車椅子で来られる際などにどうぞ
新型コロナウイルスワクチン接種の概要@横須賀市
・横須賀市のコロナウィルスワクチン接種に関する情報です。
写真:痴漢が怖い男女にお勧め出来る(?)混雑率の低い通勤電車です。@京急1000系
またかわいこちゃんの出てくる漫画で炎上騒ぎですが…
あいちトリエンナーレ、幸色のワンルームに続き…また
さて細々とながら何件か書いてきた炎上案件、またしても現れました。日経新聞に掲載された「月曜日のたわわ」と言う漫画の宣伝広告です。エロ漫画だの、不安と恐怖しかないだの言われていますが個人的には普通の青年誌の範囲かなとは思います。ちなみに掲載紙のwebサイトであるヤンマガwebで無料で読めますので興味のある方はどうぞ
月曜日のたわわ@ヤンマガWEB
さてこれまでは幸色のワンルームやあいちトリエンナーレの様にこういった炎上で企業・開催側が委縮し展示・広告・出版の中止などする事が多かったのですが、今回は広告を掲載した日経新聞社も広告を依頼した出版社側も何のアクションも起こしていないように見受けられます。
騒ぐよりスルー?
3つの観点から炎上させる人を考えてみる
そんな空気が変わっている兆候が見える中慶應義塾大田中辰雄教授(計量経済学)が行った調査が話題になりました。これまでコンテンツを批判する学者はいても調査して問題の状況を調査する学者さんはいませんでした。それだけにこの調査は興味深いところです。
さてその田中教授の論文で最も注目されたのは上のグラフ、広告に問題を感じる性別x年齢のグラフなのですが女性に関して20代18%、30代27%、40代34%と年齢が上がる毎に数値が上がっていくさまが多くの注目を集めました。ただもう1つ注目したいのは男性でも20代9%と3~50代12~14%と大きくはないものの差がある事です。私個人としても確かに問題はないとは思っていますが、違和感自体はありました。大まかに上げると以下の2点になると思います。
・日経新聞が漫画の広告を出した事
・紙の雑誌であるヤンマガでwebの漫画みたいなことをやっている
要はおっさんが若い世代の文化を理解できずに混乱している感じでしょうか?ただ逆に言えばこの違和感はこの広告が社会的には望ましい動きであるという裏付けにもなっているとも感じています。近年若い世代が全く読んでいないと言われている新聞社が若い世代に受け入れられている漫画の広告を出すというのは若い人にアピールする事になりますし、出版社も違和感を感じる人たちが多いと思われるメディアにアピールするというのは既存読者の囲い込みに終始せず新しいユーザーを批判覚悟で開拓するという事です。ある種の違和感はおっさんなので否めないですが、ただ日経新聞社にも出版社のリスクをとって新しい市場を開拓していくのはメディアの萎縮ばかり目立つ中では賞賛すべきことだと思います。
さてこのような差を生んだものは何でしょうか?田中教授の論文では様々な観点での分析があるので見ていきましょう。
個人的には以下の点に注目します。
3)既婚(1491)
8)痴漢は初犯でも刑務所にいれるなど厳罰を科すべきだと思う(1881)
10)男性優先社会の認識
5)全般的に漫画が好きでよく読む(996)、11)言論・表現の自由と正義に関しては自分の好きな漫画を否定されたくない、あるいはどんな表現でも規制は良くないという主張と整合性があり、6)趣味としてあるいはセミプロとしてイラスト・漫画を描いている(151)に関しては田中教授も「クリエイターにインタビュー調査をしないとわからない。」と判断を保留している為、ここでも保留したいと思います。
写真:広告を不快に思う人は聖地も不快に思うのだろうか…@はいふりの聖地さかくら総本家
今回の広告へ批判的な人の傾向は言ってみれば時間に余裕があり、差別などの悪い事への感度は高いがその解決ではなく悪い事をした人への罰を求める志向が強いと言った感じにまとまると思います。
しかし1つ思うのはもったいないのではないかと言う事、そういった人達がtwitterで訴えたり、電凸したりして悲しいことながらこれまであいちトリエンナーレや幸色のワンルーム等、様々なコンテンツが後ろ向きな決断をしてきましたが、結局の所、こう言った事が続いていると考えると実際体感的には問題は解決に近づいていないように感じます。
また先に紹介したtwitterではないですが、これからこういった訴えを無視する動きは広がる可能性は高い様な気がします。事実日経新聞も出版社も何もしていません。
実際あいちトリエンナーレや幸色のワンルーム等、様々なコンテンツの後ろ向きな決断が成果と考える事は出来るかもしれませんが、これからはその成果も期待できなくなりそうですし、現状ですらその成果が前向きに見えないのにどんどん閉塞感ばかり高まっていくのではないのでしょうか?
コンテンツ炎上よりも前向きな事
新型コロナウイルスの感染予防に関する取り組みについて(4月12日更新)@京浜急行より
とは言えチラシを配ったり、署名を集めるのはさすがにと思う方も多いでしょう。例えばいつも使っている電車の1本前、1本後の電車がどれだけ空いているかが分かればどうでしょう?実際鉄道会社によって温度差があるとはいえ、コロナ以降通勤時間帯の混雑状況を公開する鉄道会社は増えていますのでそういった情報を共有するのは不快感の軽減に役に立つのではと思われます。
横須賀市・横浜市公共交通各社の新型コロナウイルスに関する対応について
まとめ~この指止めて前を向いてみよう~
写真:コーヒーを飲んで落ち着いてみましょう。
さて如何だったでしょうか?最終的にクレームをつける人がどんな人か想像しても限界がありますし、「止めろ」と言ってもやめないだろうなと思います。ただ一つ言えるのはtwitterでコンテンツへのクレームを拡散したり、苦情の電凸をする前に一度指を止めて前を向いて見たらと言うのは思わずにはいられません。ここで挙げたのはあくまで一例ですが、そこにはクレームの拡散よりも電凸よりもより有意義で社会や自分の未来を良くしてくれるものがあるかもしれない、そう思わずにはいられません。
新型コロナ 対策支援制度まとめ@Yahoo
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新型コロナウイルス感染症に関する情報(2020年4月3日更新)@横須賀市
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・横須賀公共交通バリアフリーマップの様なものです。横須賀に車椅子で来られる際などにどうぞ
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写真:痴漢が怖い男女にお勧め出来る(?)混雑率の低い通勤電車です。@京急1000系
あいちトリエンナーレ、幸色のワンルームに続き…また
日経新聞の全面広告に“胸の大きな女子高生”が物議! 漫画『月曜日のたわわ』炎上も版元の一人勝ちか@週刊女性PRIME / 2022年4月8日より
漫画『月曜日のたわわ』が大炎上している。~中略~
ことの発端は、4月4日、日本経済新聞に掲載された同漫画の単行本発売をPRする全面広告だ。その広告というのも、『月曜日のたわわ』のキャラクターである女子高生「アイちゃん」が横向きに、
「今週も、素敵な一週間になりますように。」
と微笑んでいるというもの。あくまで、4月4日に発売される単行本4巻の広告であることは間違いない。~中略~
そんな『月曜日のたわわ』が全面広告に出されると、瞬く間に炎上。
「不安と恐怖しかない、きもい、嫌がらせだ取り下げろ」
「どんな内容か見に行ったら普通にエロマンガって感じだし、電車の週刊誌のエロ中吊り共々消えてほしいな」
さて細々とながら何件か書いてきた炎上案件、またしても現れました。日経新聞に掲載された「月曜日のたわわ」と言う漫画の宣伝広告です。エロ漫画だの、不安と恐怖しかないだの言われていますが個人的には普通の青年誌の範囲かなとは思います。ちなみに掲載紙のwebサイトであるヤンマガwebで無料で読めますので興味のある方はどうぞ
月曜日のたわわ@ヤンマガWEB
「誘拐肯定では」指摘受けたドラマ テレ朝放送取りやめ@朝日新聞2018/6/18より
連続ドラマ「幸色(さちいろ)のワンルーム」の放送を取りやめることを決めた。原作漫画が実際に起きた誘拐事件を肯定的に描いているのではないかなどとして、批判の声が出ていた。~中略~「あくまでフィクション」と擁護する声もあるが、テレ朝広報部は「改めて精査した結果、総合的な判断として放送を見送ることにした」としている。 制作する朝日放送は「(原作は)実際の事件をモデルにしたり、事件からモチーフを得たりしたものではないと認識しております」(広報部)などと答えた。関西地区では予定通り来月から放送するという。(湊彬子)
慰安婦問題の少女像 きょうかぎりで芸術祭展示中止へ@NHK2019/8/3より
愛知県で開かれている国際芸術祭で、慰安婦問題を象徴する少女像が展示されていることに批判的な意見が相次いでいることなどから、芸術祭の実行委員会が3日かぎりで少女像の展示を中止する方針を固めたことが、関係者への取材でわかりました。
さてこれまでは幸色のワンルームやあいちトリエンナーレの様にこういった炎上で企業・開催側が委縮し展示・広告・出版の中止などする事が多かったのですが、今回は広告を掲載した日経新聞社も広告を依頼した出版社側も何のアクションも起こしていないように見受けられます。
騒ぐよりスルー?
その一方でどこまで正確な情報かは分からないですが「フェーズが変わってこの手の炎上には無視してスルーするのが最善だと関係者に周知された」と言った話がtwitter等で出回るなど、間違いなく空気が変わって来ているように感じます。広告業界にいる者の実感として、「月曜日のたわわ」炎上騒動を新聞社、出版社、作者が全員スルーして、かつそれで何の問題もないことが証明されたことによって、明らかにフェーズが変わった雰囲気がありますね。つまり、謝罪や撤回ではなく徹底的に無視することが最善策だと周知されたということです。
— 場末のコピーライター (@copywriter___) April 13, 2022
3つの観点から炎上させる人を考えてみる
「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか@SYNODOS(田中辰雄)2022/4/20より
日経新聞に載った「月曜日のたわわ」の広告は波紋を呼んだ。「月曜日のたわわ」は青年漫画誌の連載漫画であり、その漫画のキャラを使った広告が不適切であるとして批判されたのである。批判の趣旨は、広告で描かれた絵は女子高生を性的に扱っており、新聞の広告として不適切という点にある。これに対し、表現の自由で許される範囲であるという反論がなされ、活発な論争が起きている。~中略~
この種の問題は、かつては炎上してしまい、ほとんど議論が不可能であったが、今回は多少なりとも議論の兆しが見える。議論ならば事実分析を踏まえるのが建設的である。このレポートはそれに資することを意図している。
調査時点は2022年4月14日、調査会社はサーベロイド社で、ウエブモニター調査である。対象者は20歳~59歳までの男女で、年齢と性別で均等割り付けを行った。きちんと設問文を読んで答えているかのチェック設問をおき、これを通過した3154人がサンプルである。
そんな空気が変わっている兆候が見える中慶應義塾大田中辰雄教授(計量経済学)が行った調査が話題になりました。これまでコンテンツを批判する学者はいても調査して問題の状況を調査する学者さんはいませんでした。それだけにこの調査は興味深いところです。
さてその田中教授の論文で最も注目されたのは上のグラフ、広告に問題を感じる性別x年齢のグラフなのですが女性に関して20代18%、30代27%、40代34%と年齢が上がる毎に数値が上がっていくさまが多くの注目を集めました。ただもう1つ注目したいのは男性でも20代9%と3~50代12~14%と大きくはないものの差がある事です。私個人としても確かに問題はないとは思っていますが、違和感自体はありました。大まかに上げると以下の2点になると思います。
・日経新聞が漫画の広告を出した事
・紙の雑誌であるヤンマガでwebの漫画みたいなことをやっている
要はおっさんが若い世代の文化を理解できずに混乱している感じでしょうか?ただ逆に言えばこの違和感はこの広告が社会的には望ましい動きであるという裏付けにもなっているとも感じています。近年若い世代が全く読んでいないと言われている新聞社が若い世代に受け入れられている漫画の広告を出すというのは若い人にアピールする事になりますし、出版社も違和感を感じる人たちが多いと思われるメディアにアピールするというのは既存読者の囲い込みに終始せず新しいユーザーを批判覚悟で開拓するという事です。ある種の違和感はおっさんなので否めないですが、ただ日経新聞社にも出版社のリスクをとって新しい市場を開拓していくのはメディアの萎縮ばかり目立つ中では賞賛すべきことだと思います。
さてこのような差を生んだものは何でしょうか?田中教授の論文では様々な観点での分析があるので見ていきましょう。
個人的には以下の点に注目します。
3)既婚(1491)
8)痴漢は初犯でも刑務所にいれるなど厳罰を科すべきだと思う(1881)
10)男性優先社会の認識
5)全般的に漫画が好きでよく読む(996)、11)言論・表現の自由と正義に関しては自分の好きな漫画を否定されたくない、あるいはどんな表現でも規制は良くないという主張と整合性があり、6)趣味としてあるいはセミプロとしてイラスト・漫画を描いている(151)に関しては田中教授も「クリエイターにインタビュー調査をしないとわからない。」と判断を保留している為、ここでも保留したいと思います。
「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか@SYNODOS(田中辰雄)2022/4/20よりまずは3)既婚(1491)を見ていきましょう。注目したいのは「子供の有無は入れても有意にならず、のちに見るように中高生の娘がいるかどうかも有意でない」の一文、実際「中高生の娘がいるか」と言うのは7)の設問にあり、確かに大きな差異はなくむしろ女性に限って言えば-1.3%と「中高生の娘がいる女性ほど広告に寛大」と言う傾向すら示しているのです。そう考えると広告に否定的な存在として既婚だが子供のいない女性が浮かび上がってきます。子供がいれば気にならなくなると言えますが、もう少し考えると子供の有無で大きく差が出るとしたら時間の余裕ではないかと思います。言い方は良くないですが時間に余裕があるからちょっとした広告すら気になると言えるのかもしれません。そして男性に関しては7)の設問で全体で+2.0%ですから子供の有無にかかわらず3~4%とマイルドに否定的と言った感じになると思われます。
3)は婚姻の有無で、既婚者は未婚者より広告を問題視する人が5~6%多い。なぜ既婚者が広告に批判的なのかはわからない。子供を守りたいからかというとそういうわけではない。子供の有無は入れても有意にならず、のちに見るように中高生の娘がいるかどうかも有意でないからである。子供とは無関係に結婚しているかどうかだけが効いている。男女で差がないので、なにかしら男女共通の心理的要因が働いていると考えられるがそれが何であるかはよくわからない。
「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか@SYNODOS(田中辰雄)2022/4/20より続いて8)を飛ばして10)男性優先社会の認識を見ていきましょう。注目したいのは一見似ている9)性別役割分業志向に関しては有意な差は見いだせない事です。「男性が優遇されている状況には敏感だが、(自分が優遇されている部分も含まれる)性差の解消には積極的でない」言い換えれば「差別などに敏感だが解決へ向けての具体的な行動に関しては消極的」人たちが広告に批判的と言えるのではないでしょうか?
10)は、フェミニズム要因である。~中略~
1(現在の日本では)職場において男性が優遇されている
2(同上、以下同じ)家庭生活において男性が優遇されている
3法律や制度の上で男性が優遇されている
4学校教育において男性が優遇されている~中略~
現在の社会では男性が優遇されているというのはフェミニズムの基本命題の一つであり、それに賛同する度合いで、回答者のフェミニズム傾向を測ることになる。結果は図5に見るように男女ともに7%程度、批判者が増えている。フェミニズムに賛同する人ほどこの広告に批判的になるという傾向は確かに存在する。
まず、9)では、回答者に男女の役割分業意識がどれくらいあるかを見る。~中略~
1男性は仕事をして家計を支えるべきだ
2デートや食事のお金は男性が負担すべきだ
3女性には女性らしい感性があるものだ
4女性は感情的になりやすい
5育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきでない
6共働きでも男性は家庭より仕事を優先すべきだ~中略~
そう思うを4点、思わないを1点として平均点を求め、標準化して説明変数に入れた。結果は、図5の9)で見るように、有意ではなかった。したがって、男女のステレオタイプに批判的な人ほどこの広告に問題を感じたという事実はない。一般的なステレオタイプについての認識は、今回の広告の是非とは無関係のようである。
「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか@SYNODOS(田中辰雄)2022/4/20よりそして最後に8)痴漢は初犯でも刑務所にいれるなど厳罰を科すべきだと思う(1881)を見ていきましょう。女性に限って言えば、最も相関性が高いです。とは言えこの漫画の当事者に最も近い中高生の娘さんがいるケースだと相関性が低く、誤差の範囲とは言え負の相関になっています。田中教授の分析では性被害、正義感と言う言葉が出て来ていますがどちらかと言えば「悪い事をした人を厳罰にする」事を求める、言い換えるなら犯罪などに対して問題の解決よりも犯罪者への罰を求める傾向が強いと言う印象を受けます。
痴漢に厳罰を課すべきとした人はこの広告には強く拒否反応を示しており、特に女性の場合の13%増は女性だけ回帰の全要因のなかで最も高い。一方、中高生の娘がいる親はこの広告に対し特に反応しておらず、有意にならない。
この不一致はどう理解したらよいだろうか。痴漢に厳罰を望む人は、自分が性被害にあったか、あるいは正義感が強くて性被害に強い憤りを持つ人と考えられる。このような性被害への問題意識の高い人は一定数おり、彼らが広告から性被害を連想したと解釈できる。
写真:広告を不快に思う人は聖地も不快に思うのだろうか…@はいふりの聖地さかくら総本家
今回の広告へ批判的な人の傾向は言ってみれば時間に余裕があり、差別などの悪い事への感度は高いがその解決ではなく悪い事をした人への罰を求める志向が強いと言った感じにまとまると思います。
しかし1つ思うのはもったいないのではないかと言う事、そういった人達がtwitterで訴えたり、電凸したりして悲しいことながらこれまであいちトリエンナーレや幸色のワンルーム等、様々なコンテンツが後ろ向きな決断をしてきましたが、結局の所、こう言った事が続いていると考えると実際体感的には問題は解決に近づいていないように感じます。
また先に紹介したtwitterではないですが、これからこういった訴えを無視する動きは広がる可能性は高い様な気がします。事実日経新聞も出版社も何もしていません。
実際あいちトリエンナーレや幸色のワンルーム等、様々なコンテンツの後ろ向きな決断が成果と考える事は出来るかもしれませんが、これからはその成果も期待できなくなりそうですし、現状ですらその成果が前向きに見えないのにどんどん閉塞感ばかり高まっていくのではないのでしょうか?
コンテンツ炎上よりも前向きな事
「ダイヤ改悪だ」JR労組が訴え 鹿沼駅混雑でチラシ配布 「安全性や輸送品質の低下」と問題視@下野新聞2022/5/9よりそう考えるともう少し前向きで具体的な努力に目を向けないかなと思わずにいられません。例えば通勤電車の混雑を緩和するための努力はどうでしょうか?混雑率と痴漢が比例するとは限らないかもしれませんが不快感は比例するというのは言えると思います。コロナ後のローカル線で利用者減少に対応したダイヤ改定で大混雑が起こったという話が出て来ています。しかしその混雑の問題を訴える人たちの中に広告を批判したような人たちを見かける事はありません。むしろ男性が大半であろう現場の労働者たちがチラシを配ったりして勤め先の会社に改善を求めていっています。
朝の通勤時間帯のJR日光線鹿沼駅で一部電車の混雑が発生していることに関し、JR東日本大宮支社の従業員らで作る労働組合は9日朝、駅前で混雑に対する意見を求めるチラシを利用客に配った。車両数と本数がいずれも減少した3月のJRのダイヤ改正を「お客さま軽視のダイヤ改悪だ」などと訴え、会社側に早期対応を求める。
新型コロナウイルスの感染予防に関する取り組みについて(4月12日更新)@京浜急行より
とは言えチラシを配ったり、署名を集めるのはさすがにと思う方も多いでしょう。例えばいつも使っている電車の1本前、1本後の電車がどれだけ空いているかが分かればどうでしょう?実際鉄道会社によって温度差があるとはいえ、コロナ以降通勤時間帯の混雑状況を公開する鉄道会社は増えていますのでそういった情報を共有するのは不快感の軽減に役に立つのではと思われます。
横須賀市・横浜市公共交通各社の新型コロナウイルスに関する対応について
全国の鉄道駅バリアフリー化を加速します!@国土交通省2021/12/24より「そんなまやかしでなく社会がきちんと投資して痴漢や満員電車の不快感などの問題を解決するべきだ」と言うならそれを訴えてみるのも手ではないかと思います。昨年伊是名夏子さんが起こした騒動がありますが、その結果実はバリアフリーの投資を促進する制度が作られ、実際JR東日本がその制度を使い利用者の負担によりバリアフリー化を進めるとの事です。当然この事は伊是名さんの騒動だけでなくこれまで様々な人たちが活動してきたことが背景にあるとは思いますが、それでも声を上げる人がいる事で一つの形となった例だと思います。当然伊是名さんの様なやり方は、賛否が分かれるとは思いますが、でも不快なコンテンツをつぶすよりもよほど前向きな努力だと思います。
①新たな料金制度の創設について
鉄道駅のバリアフリー化のため、国民の皆様から頂いたご意見も踏まえ、12 月 28 日(火)に鉄道駅のバリアフリー化により受益する全ての利用者に薄く広く負担を頂く制度を創設することといたしました。
②地方部における支援措置の重点化について 市町村が作成するバリアフリー基本構想に位置付けられた鉄道駅の施設整備については、補助率を現行の最大 1/3 から最大 1/2 に拡充することについて、本日閣議決定された令和4年度予算案に盛り込まれました。
バリアフリー設備の整備を促進します@JR東日本2022/4/5より
○ JR 東日本では、国および地方自治体のご協力のもと、エリア全体でバリアフリーに関するハード・ソフト両面の取り組みを進めてきました。
○ 今後は、特に早期整備が求められるホームドアについて、東京圏在来線主要路線の線区単位の330 駅 758 番線へ整備拡大することに加え、これまでの計画より1年前倒し 2031 年度末頃までの整備を目指します。
○ 設備整備にあたっては、2021 年 12 月に国により創設された、都市部において利用者の薄く広い負担を得てバリアフリー化を進める制度(鉄道駅バリアフリー料金制度)を活用します
令和の大きな宿題その7~車椅子騒動が示す分断~
まとめ~この指止めて前を向いてみよう~
写真:コーヒーを飲んで落ち着いてみましょう。
さて如何だったでしょうか?最終的にクレームをつける人がどんな人か想像しても限界がありますし、「止めろ」と言ってもやめないだろうなと思います。ただ一つ言えるのはtwitterでコンテンツへのクレームを拡散したり、苦情の電凸をする前に一度指を止めて前を向いて見たらと言うのは思わずにはいられません。ここで挙げたのはあくまで一例ですが、そこにはクレームの拡散よりも電凸よりもより有意義で社会や自分の未来を良くしてくれるものがあるかもしれない、そう思わずにはいられません。