JR3月ダイヤ改正

改善の少ない新幹線延伸~JR東日本12月ダイヤ改正に思う~



写真:E5系が現れるまではまだまだ主役

2010年12月ダイヤ改正について@JR東日本9/24

 さて東北新幹線新青森延伸を中心としたダイヤ改正がJR東日本より発表されましたのでその辺についてすこしだけ書こうと思います。


(1)東京~新青森間「はやて」15 往復、最速3 時間20 分!
現行、東京~八戸間運転の「はやて」15 往復を新青森に延伸します。その他、仙台~新青森間に1 往復、盛岡~新青森間に1 往復の「はやて」を運転します。【別紙参照】
最速達の「はやて」は、上り列車で新青森~東京間を3 時間20 分(39 分短縮*)、下り列車で東京~新青森間を3 時間23 分(36 分短縮*)で結びます。


東京からの所要時間        始発の東京着       
新青森 3時間20分(36分短縮)9:51  (9:51) 
弘前  4時間13分(27分短縮)11:08※(12:08)9:51(※3)
函館  5時間45分(13分短縮)13:08 (13:08)
東京発終電            対東京本数    
新青森 20:04(20:04) 15往復(15往復※2)
弘前  18:56(17:56)※20:04(※3)
函館  15:56(15:56)
※現場の奥羽線ダイヤより想定 ※2八戸までの列車本数※3※JR盛岡支社プレスリリースより

 まずは主役の東北新幹線に関して新型車両E5系の投入が来年3月ということでオトナシメなのかもしれませんが、ちょっとこれはないかなというのが第一印象、新幹線などの大規模な速度向上の目的は単純にスピードアップするだけでなく、片道30分往復で1時間のスピードアップであればその分滞在時間を延長出来たり新青森で言えば弘前や函館などの周辺地域への波及効果も狙うべきだと考えられるのですが、そういった面からも残念なダイヤと言わざるをえません。

2010/9/29追記
 ※JR盛岡支社プレスリリースによると接続列車の整備により弘前に関しては滞在時間という面では青森と変わらない利便性を確保するみたいです、このことに関しては評価でき、たい弘前に関しては評価出来るダイヤだと考えられます。


新青森からの接続
~函館   8.5往復(10往復)→10往復
~弘前特急 9.5往復→4往復(※+大館まで臨時2往復)
~弘前普通 17往復→22.5往復
~弘前合計 26.5往復→28.5往復(※)

JR盛岡支社プレスリリースより

 実際新青森からの接続を見てみると対弘前は特急・普通合わせて本数増減なし、対函館に関しては新幹線接続列車は1.5往復増えているもののうち一往復は盛岡までの往復しかできない列車なので大都市である東京・仙台方面に関してはほとんど変わらないといえます。
2010/9/29追記
 ※JR盛岡支社プレスリリースによると青森~大館間に「つがる」がエインジ2往復増発されるということでそれに関しては評価できます。

2010/9/29追記
新幹線つばめ

写真:2011年に延長開業が予定されている九州新幹線つばめ号

 ちなみに最近開業した新幹線ということで九州新幹線と比較すると


     開業前の在来線特急  開業時の新幹線
つばめ   14往復      26往復(+臨時5往復→定期化)
はやて   17往復      17往復 


 はじめての新幹線であり、航空機や高速バスとの競合があるとは言え鹿児島という人口50万人を誇る大都市(ちなみに青森は30万人、弘前市18万人、函館市28万人)の潜在需要にかけたという面も大きいかもしれませんが臨時列車も含めると倍増以上の本数を用意したJR九州に比べる本数現状維持のJR東日本の姿勢は非常に消極的で意地の悪い言い方をしてしまえば「新幹線を機にローカル線のリストラが出来ればよいや」とでも考えている様なきさえします。

追記終わり

東北新幹線「八戸・新青森間」@青森県
青い森鉄道線経営計画素案@青森県

 実際この八戸~新青森間の事業費は4595億円、また並行在来線である八戸~青森間の3セク移管に伴う初期投資がおおむね250~260億円と言ったところでこういった負担を強いるなら早い段階でより高い利便性の向上をしていっても罰は当たらないと思うのは私だけでしょうか?

関連リンク
1541.12.4JR東日本ダイヤ改正の全貌@さすらい館
南武線3月快速復活関連
南武線の快速が33年ぶりに復活@F02のドラ鉄ブログ’10
千葉・武蔵野線方面
【JR東日本】2010年12月ダイヤ改正@Telmina 3rd


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列車追跡シリーズその5:大井町線急行初日を行く

急行大井町行き@大岡山駅





写真:大岡山駅に停車する急行大井町行き

 さて前回急行運転前夜を取り上げた東急大井町線
列車追跡シリーズその4:急行運転前夜の大井町線を行くその1
列車追跡シリーズその4:急行運転前夜の大井町線を行くその2
列車追跡シリーズその4:急行運転前夜の大井町線を行くその3
 今回はダイヤ改正初日にその急行電車を追ってみました。

大井町駅~巧者東急を思わせる戦略~
夜の大井町駅





写真:夜の大井町駅

 まず向かったのは始発駅の大井町駅です。

東急お台場パスの告知りんかい線から大井町線に乗り換える人の流れお台場パスの車体告知





写真:東急お台場パスの宣伝と大井町でりんかい線~大井町線乗換えを行う人の波

 さて個人的に今回のダイヤ改正の告知で一番印象に残ったのは上のお台場パスの告知、もともと今回の急行運転は田園都市線の混雑緩和目的で田園都市線~大井町線~目黒線と言うルートが予定されていたのが最終的に目的地が大井町駅になったのですが、その大きな要因となったのはやはりこのりんかい線の影響が大きかったと言うことでしょう。個人的には東急と言うと巧者と言うイメージがあるのですがこのダイヤ改正を機にこう言った展開を見せるさまはまさにその証明かなと感じました。

大井町線改札




写真:多くの人でにぎわう大井町線改札

 さて続いて駅から急行電車に乗ることにしましょう。さすがに夜のラッシュ時だけあって人が多かったのが印象的でした。大井町線大井町駅の乗客数は1日10万人強、この数字は京成線日暮里よりも大きくローカルターミナルと思われがちな大井町の意外な側面を見せてくれます。

急行を待つ人たち@大井町





写真:大井町駅で急行を待つ人たちと到着する急行電車

 さて急行電車を出迎えようとホームに出ると本日からの運転にもかかわらず、多くの人に急行が出迎えられていました。この急行電車の停車駅は、旗の台(池上線乗り換え)、大岡山(目黒線乗り換え)、自由が丘(東横線乗り換え)、二子玉川(田園都市線乗り換え)と乗換駅に限定されていて旗の台で普通に接続するものの、基本的に各線への乗換客と思われます。そう言った意味でこの急行電車を待つ人の多さはもともとのそう言ったお客さんの多さを思わせ興味深いです。

旗の台、大岡山、自由が丘~東急ネットワークの強さ~
旗の台駅で緩急接続をする急行二子玉川行き





写真:旗の台駅で緩急接続する急行

 急行電車の旅は続きます。旗の台駅では急行と普通が接続するのですが興味深いのは上の写真のように出発時急行は混雑し普通はがらがらになって発車する構図です。
 急行電車は大井町~旗の台の通過駅と池上線からの乗換駅で混雑するのはわかるのですが、普通の空いている状況は言うなれば旗の台~二子玉川の急行通過駅から多い町に向かう乗客の少なさを示しているのがわかると思います。
 等々力の反対運動に関して少し調べていた際に「等々力には急行は停車せず、スピードアップの恩恵を受けられない上に急行設定で普通の本数が減って不便になる」と言う主張も見て取れ、それに対しこの旗の台での緩急接続と言うのは一つの解答ではあったのですが、結局沿線住民の多くは大井町以外のターミナルを目指すのかこの緩急接続が上手く活用し切れていないようです。果たして今後大井町の巻き返しがあるのかも注目したいところです。

大岡山駅で目黒線からの乗客を出迎える二子玉川行き急行大井町線急行への乗換客を吐き出す目黒線急行武蔵小杉行き






写真:大岡山駅で接続し多くの乗換客を迎える大井町線・目黒線急行

 続いて向かうのは目黒線との乗換駅大岡山駅、大岡山駅では降りる乗客も少なくはないのですが目黒線からの乗換客が多く混雑は更に増します。相鉄や田園都市線等都心・ターミナルから住宅街に向かう路線の急行は停車駅ごとに乗客が減る一方なのですが大井町線の急行は旗の台・大岡山・自由が丘と乗客が増える一方なのが興味深いところです。


急行列車の予告ペイント2急行列車の予告ペイント3






急行列車の予告ペイント4急行列車の予告ペイント5







写真:各方面への所要時間がのっている車体広告

 これは大井町線のターミナルである大井町駅の求心力が山手線に接していない等それほど高いものではなく各乗換路線で都心に向かう環状線的な役回りの路線だからで車体の広告では品川(大井町乗換京浜東北線)、お台場(大井町乗換りんかい線)、大井町、五反田(旗の台乗換池上線)、目黒(大岡山乗換目黒線)と多彩なネットワークを強調していたのが印象的でした。東急にとっては今回の急行運転は単に田園都市線の混雑緩和と、大井町線の機能強化だけでなく大井町線に接続する目黒線、池上線と言った各路線の活性化や自社他社含めた鉄道ネットワークをフル活用した施策であり、ネットワークと言う東急ならではの強みを生かした柵なのだなと言う思いを強くしました。さすが巧者東急と言った感じです。

~二子玉川~6000系と徐行する急行と今後~
二子玉川の停車中の大井町線急行電車





写真:二子玉川に停車中の急行電車
 さて急行電車は終点二子玉川に到着します。二子玉川では子供連れのおかぁさんだったり、会社帰りのサラリーマンだったり、色んな人たちが思い思いにこの急行用電車を撮影していたのが印象的でした。
 今回の急行運転で投入されたのは今回何度も写真で出てきている6000系、赤い前面塗装が印象的な新車です。6000系と言うと30代以上の鉄道ファンにとっては「湯たんぽ」と言うキーワードも思い浮かぶのですが、もともとはもう引退した車両の形式が復活したものです。こう言った番号に引継ぎと言うと野球選手の背番号に引継ぎを思い出すのですが、先代6000系も大井町線に縁のある電車でした。もともとは東急初のステンレスかつ回生ブレーキと言うブレーキで発電した電気を架線に戻しリサイクルすると言うその後の東急のスタンダードとなる2つの仕組みを最初に導入した車両で平成に入るころ引退したのですが最後に走っていたのが大井町線だったのです。
 と言う事はやたら複雑な経緯を繰り広げた二子玉川駅の生き証人と言えるわけですがその番号を引き継いだこの急行用電車が今後どんな数奇な人生を歩んでいくかと言うのも興味深いところです。

 二子玉川に停車中の田園都市線急行





写真:二子玉川駅に停車中の田園都市線急行

 さて今回の急行運転の終点はこの二子玉川駅なのですが今後溝の口までの延伸が予定されています。さて二子玉川で現在その区間を走っている急行を見たのですが相変わらずの混雑でした。今後大井町線の延伸に加え、地下鉄グリーンラインの開業による港北NTからの流入の減少が期待されます。

急行鷺沼行き





写真:今回の改正から増えた田園都市線直通急行

 今回のダイヤ改正では延伸に先行してか田園都市線に直通する急行が増加し、特に休日大井町発夜間では一部の時間帯ですが30分毎に長津田や鷺沼への直通急行が走る時間帯も出来ています。
 ただ少し引っかかるのは二子玉川行き急行に乗った際に自由が丘を過ぎると先行電車に追いつくのか徐行している区間が続くことでやはり等々力の問題を引きずっているのかなと感じました。上りに関しては上野毛に退避施設があるのでそう言ったことは無かったのですが今後急行運転の拡大に関してはボトルネックになるかもしれないと感じさせるものがあったのは言うまでもありません。
 果たしてそんなこんなでスタートした大井町線急行運転、混雑緩和が期待される田園都市線含め今後の展開に期待したいところです。


深化する列車たち~2008/3ダイヤ改正特集その2~




写真:今回のダイヤ改正で増発される特急かもめ号

 さてダイヤ改正特集第2弾です。
JR北海道プレスリリース
JR東日本プレスリリース
JR東海特集ページ新幹線
JR東海特集ページ在来線
JR西日本プレスリリース
JR四国プレスリリース
JR九州プレスリリース 
 今回のダイヤ改正を見ると昨年デビューしたN700系を軸に東海道・山陽新幹線のダイヤが整備されそれに伴い西日本を中心に新幹線に接続する特急列車が増強されているのも1つの特徴と言えます。
 まず新幹線に関してみていきますと
・東京~博多間ののぞみの内1時間に1本はN700系に
・東京~広島間ののぞみが1時間3本化
 と言うのを売りにしています。
 そしてそれに接続する特急に関しては以下のようなことがうたわれています。
JR東海
・松本・長野方面しなの号終発40分繰り下げ
・高山方面たかやま号増発、名古屋方面行き始発30分繰り上げ、名古屋発始発1時間繰り上げ
・豊橋発飯田方面伊那路号豊橋始発1時間繰り上げ、飯田終発20分繰り下げ
JR西日本
・鳥取方面スーパーはくと号新幹線接続を姫路に変更し東京・名古屋方面から約25分所要時間短縮
・岡山発米子松江方面特急やくも号の毎時出発時刻を45分繰り上げ名古屋・関西方面からの滞在時間拡大
JR九州
・柳ヶ浦始発のソニック104号を大分始発に変更し大分~博多・新幹線方面への始発を早めます
 特に目立つのは大阪以西~長野や名古屋以東~山陰等比較的航空の手薄な地域の強化です。
東京~鳥取
航空機:4往復
今回の変化
・最速5時間10分→4時間51分
名古屋~米子
航空機:2往復
今回の変化
・名古屋始発到着時刻11:07→10:12、米子終発19:17→19:26(滞在時間1時間4分拡大)

 例えば東京~鳥取で見れば確かに航空と鉄道が激戦になる最速3時間台には程遠いのですが、それが成り立っている区間を見ると航空が10往復前後はある区間です。それを考えると4往復と言う本数は5時間でも勝負になりそうですし、名古屋~米子間も2往復と言う本数を考えるとこちらも5時間くらい掛かるのですが1時間に1本の乗り継ぎがあるのを生かすのに滞在時間を拡大したと言うのは大きいと思われます。
 更に書くと航空会社が経営改善のためにだんだん撤退を進めているだけにこれらの改善による利便性の向上の効果は派手さはないものメイン区間(スーパーはくとは大阪~鳥取、やくもは大阪~米子がメインの需要と見られる)以外での意外な乗客の掘り起こしに貢献するのではと思われます。

横浜線205系@町田南武線205系@武蔵溝ノ口






写真:今回のダイヤ改正で増発が予定されている南武線&横浜線の205系電車
 また今回のダイヤ改正では乗車整理券で着席保証のなされているいわゆる通勤ライナーの減便と通勤電車の増発等も目立ちます。
JR北海道
・函館本線札幌~小樽間で夜間時間帯のホームライナーの時間帯をずらしそこに普通列車を増発
JR東日本
・京葉線朝ラッシュ時に列車増発(ピーク時1時間19本→21本)
・横浜線、南武線、八高線、外房線、東金線で夕夜間に増発を行います。
・横浜線日中町田どまりの電車を橋本まで延長
・特急「おはようとちぎ」、湘南ライナー、「ホームライナー古河」を本数削減
JR東海
・中央線日中1時間当たり1本増発、夕夜間名古屋方面列車(東海道本線岡崎方面も)増発
・中央線・東海道線大垣方面最終快速を23:50台に
・東海道線朝ラッシュ時の快速増発、夕夜間のパターンダイヤ運転拡大
JR九州
・夕方時間帯に大牟田・荒尾発博多方面快速増発
・小倉発下関行き終電車を51分繰り下げ
大分発各方面終電を23:00→23:30へ繰り下げ
 特に注目したいのは大分地区の終電の繰り下げで、この23:30発列車と言うのはもともと年末の宴会シーズンの週末等に臨時列車として走らせていた列車を定期列車化したものです。ガソリン価格高騰や、飲酒運転取締りにより地方都市の中心市街地が苦しんでいる中でそれを逆手にとった策はできそうでやっているところが少ないだけに注目です。他の地域を見てもJR九州福岡地区やJR東海名古屋地区では夕方の上りというどちらかと言えばおざなりになりがちな部分のてこ入れを行っていたり、JR東日本もどちらかと言えば支線地区である各線の夕夜間の増発を行う等、あまり日のあたらない部分での改善が多い傾向が見て取れるのはガソリン高騰によりゆれる車社会への鉄道会社なりの回答に見えるのは私だけでしょうか?

 さて全体的に地味な部分にスポットの当たった今回のダイヤ改正、個人的には注目されている部分での改善を全体に広げると言う意味でダイヤの深化と言う言葉が当てはまるように思います。来週からはこの深化したダイヤを堪能できると言う意味で楽しみです。



 

列車追跡シリーズその4:急行運転前夜の大井町線を行くその3

 前回の続きです。

二子玉川駅~紆余曲折の舞台~
二子玉川駅ホームから眺める多摩川






写真:二子玉川駅ホームから撮影した多摩川、多摩川を渡る鉄橋上である事がわかる

 さて続いては二子玉川駅、現在の大井町線の終点です。2006年度の1日の乗降人員は大井町線のみで30,721人、0.2%増加、ただし田園都市線との乗り換え客が加わるのは言うまでもありません。

二子玉川駅に停車中の大井町線電車溝の口方面へ続く複々線に停車する大井町線電車






写真:二子玉川駅に停車している大井町線電車と複々線

 二子玉川駅は大井町線の中でももっとも複雑な経緯を持つ駅です。
 もともとは路面電車である玉川電気鉄道の玉川停車場として開業し、その後大井町線二子玉川方面の前身となる二子玉川線が開業して乗換駅となり…といった歴史を繰り返します。大まかに乗り入れ路線を振り返ってみると
1907 玉川電気鉄道開業(玉川線(~渋谷)、玉川電停)
1924 砧線開業(玉川線(~渋谷)、砧線(~砧)、玉川電停)
1927 玉川線溝の口まで全通(玉川線(~渋谷、溝の口)、砧線(~砧)、玉川電停)
1929 目蒲電鉄二子玉川線自由が丘~二子玉川開業(玉川線(~渋谷、溝の口)、砧線(~砧)、玉川電停、二子玉川線(~自由が丘)、二子玉川駅)
   目蒲電鉄大井町線が全通し二子玉川線を統合(玉川線(~渋谷、溝の口)、砧線(~砧)、玉川電停、大井町線(~大井町)、二子玉川駅)
1939 玉川線玉川電停をよみうり遊園に改称(玉川線(~渋谷、溝ノ口)、砧線(~砧)、よみうり遊園電停、大井町線(~大井町)、二子玉川駅)
1940 玉川線、大井町線の駅を統合し二子読売園と改称(玉川線(~渋谷、溝の口)、砧線(~砧)、大井町線(~大井町)、二子読売園駅)
1943 玉川線、溝ノ口までを大井町線に統合(玉川線(~渋谷)、砧線(~砧)、大井町線(~大井町、溝の口)、二子読売園駅)
1944 駅名を二子玉川に改称(玉川線(~渋谷)、砧線(~砧)、大井町線(~大井町、溝の口)、二子玉川駅)
1954 駅名を二子玉川園に改称(玉川線(~渋谷)、砧線(~砧)、大井町線(~大井町、溝の口)、二子玉川園駅)
1963 大井町線を田園都市線に改称(玉川線(~渋谷)、砧線(~砧)、田園都市線(~大井町、溝の口)、二子玉川園駅)
1966 田園都市線長津田まで開業(玉川線(~渋谷)、砧線(~砧)、田園都市線(~大井町、長津田)、二子玉川園駅)
1968 田園都市線つくし野まで開業(玉川線(~渋谷)、砧線(~砧)、田園都市線(~大井町、つくし野)、二子玉川園駅)
1969 玉川線一部を除き廃止(田園都市線(~大井町、つくし野)、二子玉川園駅)
1972 田園都市線つくし野~すずかけ台間開業(田園都市線(~大井町、すずかけ台)、二子玉川園駅)
1976 田園都市線すずかけ台~つきみ野間開業(田園都市線(~大井町、つきみ野)、二子玉川園駅)
1977 新玉川線渋谷~二子玉川園間開業(田園都市線(~大井町、つきみ野)、新玉川線(~渋谷)、二子玉川園駅)
1979 新玉川線、田園都市線直通開始、大井町線分離(田園都市線(~つきみ野)、新玉川線(~渋谷)、大井町線(~大井町)二子玉川園駅)
1984 田園都市線~中央林間全通(田園都市線(~中央林間)、新玉川線(~渋谷)、大井町線(~大井町)二子玉川園駅)
2000 新玉川線と田園都市線の名称統合(田園都市線(~渋谷、中央林間)、大井町線(~大井町)二子玉川駅)
2008年度? 大井町線溝の口まで延伸(田園都市線(~渋谷、中央林間)、大井町線(~大井町、溝の口)二子玉川駅)

 ものすごい紆余曲折です。特に大井町線は二子玉川線~大井町線~田園都市線~大井町線と名称を変え終点も二子玉川~溝の口~長津田~すずかけ台~つきみ野~二子玉川(~溝の口)と思いっきり変化しています。戦前は路面電車だった玉川線との連絡、戦後は東急の一大開発事業多摩田園都市の縁の下の力持ちとして頑張ってきた事がこの複雑な経緯から見て取れます。

二子玉川駅に停車中の田園都市線電車





写真:二子玉川駅に停車中の田園都市線電車

 さてそんな大井町線の新たな使命をもたらした存在、それは混雑著しい田園都市線です。開業当初は大井町線の線路で大井町駅に乗り入れていたこの路線も新玉川線との直通で都心へ、新玉川線との名称統合を経て現在は東武伊勢崎線とも直通する一大幹線へと成長を遂げています。個人的には従兄弟が沿線のお店でライブをすると言うので母に付き添って訪れた際にちょうど新潟の震災で、神奈川では揺れも被害もそれほどでもなかったのですが、東武沿線の埼玉・群馬でのゆれの大きさからかダイヤが乱れていたと言う事がありました。
 通勤・通学に使う鉄道にしても地元だけを考えればよいと言う時代ではなくなったのでしょう。当然の事ながら東武方面への足が良くなることで北千住からロマンスカーで日光や、つくばエクスプレスでつくば、常磐線乗換えで柏や茨城方面へ行くのも便利になったり、押上駅から京成線に乗って成田まで1回乗換えでいけたり、錦糸町(ここは半蔵門線)乗換えで千葉や幕張方面へのアクセスが向上する等のメリットはそれを上回るものがあると思います。
 さて今後2008年度に大井町線が溝の口に延伸されるのですがその際にはこの二子玉川駅、そして大井町線がどう変わるかが楽しみです。

エピローグ~溝の口駅、NOCTYが似合う駅へ~
東急溝の口駅






写真:多くの人でにぎわう東急溝の口駅

 さて先ほどの二子玉川駅で大井町線の旅は終わりなのですが、エピローグとして延伸が予定されている溝の口を少し見ていきましょう。。2006年度の1日の乗降人員164,612人、2.3%増加、JR南武線との乗換駅で、田園都市線では渋谷に次ぐ乗客数を誇る1大乗換駅となっています。

工事中@溝の口その2工事中@溝の口その1






写真:工事中の溝の口駅

 現在の溝の口駅は複々線化工事真っ最中です。もともと乗客が多く朝のラッシュ時にはホームに乗客が溢れ返りその対処で上りホームを複線にした為か現在は下りホームを中心に工事が行われています。

NOCTY溝ノ口駅前ストアー






写真:溝口の新旧の顔NOCTYと溝ノ口駅前ストアー

 溝の口の駅前を見ていきます。溝の口の駅前の顔はNOCTYと言うSC、学生時代は良く溝の口のことを「のくち」と言っていたのですが、このNOCTYができた際は「こんなパチンコか飲みにしか行かない場所に似合わないな」と言うことを周りで言っていました。
 
JR武蔵溝ノ口駅駅前バスターミナル






写真:JR武蔵溝ノ口駅とバスターミナル

 今回久しぶりに溝の口に来たのですがベデストリアンデッキで東急とJRの駅がつながれ、その下には立派なバスターミナルが出来ているのを見ると「あのごちゃごちゃしたのくちが生まれ変わってやっとNOCTYの似合う街になったのかな」と言ううれしさ半分、寂しさ半分な気持ちになってきます。
 さて2008年度中には大井町線も乗り入れこの代乗換駅はどのように変わるのでしょうか楽しみです。

 さて久しぶりの列車追跡シリーズいかがだったでしょうか?何となく駆け足だったせいか資料が多くなったのですが東急の縁の下の力持ち大井町線の生まれ変わるさまが伝われば幸いです。


列車追跡シリーズその4:急行運転前夜の大井町線を行くその2

前回の続きです。
大岡山駅~今回のダイヤ改正の目的とは~
大岡山駅






写真:大岡山駅

 続いて訪れたのは大岡山駅、旗の台同様同じ東急の目黒線との乗換駅です。2006年度の1日の乗降人員は大井町線のみで23,294人、1.2%増加、ただし旗の台と同様目黒線との乗換駅なのでこの数字では語れない乗換客のいる駅です。


DSCN2594






写真:目黒線と隣り合わせの大岡山駅ホーム

 今回のダイヤ改正は大井町線改良・田園都市線複々線化工事の1部完成を期に行われるのですが当初の予定ではこの大岡山駅まで改良をし都心方面へは目黒線への直通も考慮に入れた計画でした。結果的には終点大井町まで改良することとなったわけですが、この駅がこの大きなプロジェクトの中核と言っても良いでしょう。
 もともとこのプロジェクトは混雑著しい田園都市線の混雑緩和を目的として行われています。田園都市線の混雑は首都圏でも圧倒的で数字で見る鉄道2006に乗っている2005年度の数字を見ますと
ラッシュピーク1時間あたりの混雑率:194%(1位、2位は小田急小田原線188%)
ラッシュピーク1時間あたりの輸送量:82874人(1位、2位は小田急小田原線72519人)
 と首都圏でも圧倒的な混雑である事がわかります。何よりも複線しかない田園都市線で複々線を持つ東武伊勢崎線(70635人)をも上回る人数を輸送していることがその混雑の凄さを物語っていると言えるでしょう。
 その為混雑率156%、輸送量20566人と比較的余裕のある大井町線を改良して田園都市線の混雑緩和を図ろうと言うのがこのプロジェクトなのです。
 大井町線改良・田園都市線複々線化工事を見ると完成時の効果として2008年度完成予定の溝の口~二子玉川複々線完成後朝のラッシュ時間帯で
溝の口~大井町駅間 :31分→22分
溝の口~目黒駅間  :33分→20分
自由が丘~大井町駅間:15分→12分
 に所要時間が短縮されるとあります。興味深いのは乗換えを前提とした目黒方面への所要時間が掲載されていることで大井町線~目黒線のルートを重要視していることがわかります。
 今回のダイヤ改正ではそのうち一部完成と言うことで二子玉川~大井町で以下のようになるとニュースリリースでは書かれています。
朝ラッシュ所要時間:24分→18分
朝ラッシュ本数:普通18本→急行5、普通15(田園都市線は準急13、普通16)
昼間所要時間:21分→16分
昼間本数:普通10本→急行4、普通8(田園都市線も同様)
夕ラッシュ時所要時間:22分→16分
夕ラッシュ時本数:普通13本→急行4、普通12(田園都市線は急行6、普通12※)
※現状渋谷駅発18時台、今回夕方~夜間時間帯増発予定
 ラッシュ時はわかりづらいのですが昼間に関しては田園都市線と本数が合い接続がとられるものと思われます。所要時間の短縮に関しては複々線完成前とあってか計画の半分程度と言うことでラッシュ時の接続も含めて今後に期待されます。
 きっとその際にはこの大井町線と目黒線が同居しているホームも乗り換え客で混雑することでしょう。

大岡山駅前の東工大大岡山駅のヴィドフランス大岡山駅にある東急病院の看板





写真:大岡山駅近辺

 さてダイヤの話ばかりしてしまったのですが、駅周辺の話も少し、大岡山駅というとまず浮かぶのは東工大、日本の理系の受験生の中では東大や京大とは違った意味で存在感をもつ大学です。地元の友達で「大学は東工大だけ受けて落ちたら専門学校に行く」といっていたのがいたのですが、実際そのままの進路をとって驚いたことがあります。
 そういう大学町のエキナカということで出店しているのはイートンベーカリーのヴィドフランスとコンビニのローソンと言うのはある意味でらしさを感じさせます。
 また大岡山駅には東急病院も併設され駅の写真だけだったら駅ではなく病院に見えるのも興味深いところです。駅併設の病院と言うのも便利そうで地方では重宝しそうな気がします。

自由が丘駅~地に足ついた駅と地に足着かない街~
自由が丘駅





写真:自由が丘駅
 続いて訪れたのは自由が丘駅、大岡山駅同様同じ東急の東横線との乗換駅です。2006年度の1日の乗降人員は大井町線のみで38,802人、5.0%増加、ただし大岡山と同様東横線との乗換駅なのでこの数字では語れない乗換客のいる駅です。

自由が丘駅のスロープ自由が丘駅とマリクレールどおり






写真:駅のスロープとマリクレール通り
 大井町線自由が丘駅は地上駅なのですが、2つあるホームのどちらにも改札口があり、かつスロープが完備されてバリアフリーに対応しています。東急の特に大井町線や多摩川線、池上線といった路線ではこういった駅が多く東急の隠れた特長ともいえます。その為駅前のマリクレール通りの一店舗といった趣で、街に溶け込んだ身近な駅といった風情をかもし出しています。
 よくバリアフリーと言うとエレベータやエスカレータの設置が言われますが、こういった地に足着いたやり方というのももう少し注目されて良いのかなと思います。
 一方自由が丘駅に関して少し思うのは「ここが秋葉原にならず自由が丘になれたという事の意味」といったら良いのか、街についての点です。自由が丘の周辺には尾山台に武蔵工業大学、前述の大岡山の東京工業大学、元住吉には慶応大学理工学部と理工系の大学がそろっています。一見少なく見えますが秋葉原の周辺を見ると東京電機大学しかなく秋葉原自身が「東京電機大学向けのジャンク街」として育ったと言ういわれ方をすることも含めて考えると「自由が丘と言う立地は秋葉原以上にアキバになる可能性があった街」とすらいえるのかもしれません。それでも「オタクの聖地」ではなく「お洒落な街」となれたのは結局準地元人ともいえるこれらの大学生に背を向けて街づくりが出来、それを行ってきた結果と言えるでしょう。その大学生たちは飲みに行く際は渋谷や横浜、ジャンク品を買いに行くには日比谷線直通列車に乗って秋葉原に行けばよいと考え(実際は自由が丘で飲むことも多いが)ているから成り立っている街づくりともいえます。
 実際今の自由が丘は「お洒落な街」として成功し電車の乗客も増え続けています。ただ何となく地に足着いた駅とは対照的に地に足着かない街づくりだなと感じてします。そして「お洒落な街」としての地位が低下したときに秋葉原や渋谷や横浜に行っていた大学生たちは手を貸してくれるでしょうか?そんなことをふと考えてしまいました。

等々力駅~渓谷の守り人に混雑で苦しむ隣人は見えるのか~
等々力駅等々力駅もバリアフリー






写真:等々力駅

 続いては今回訪れた中で唯一乗換駅でない駅等々力駅です。。2006年度の1日の乗降人員は25,274人、0.4%増加です。


柵に張られた等々力渓谷の案内掲示板に張られた工事案内駅前のPRセンター





写真:等々力駅周辺の等々力渓谷及び工事に関するあれこれ
 等々力駅を訪れたのは等々力駅地下化工事への反対運動が少し引っかかったから、実際駅前の案内の多さが住民による反対運動の存在が無視できないのを物語っています。
 反対運動に関して調べてみたら以下の2つのサイトが見つかりましたのでちょっと参考までに見ていきます。
とどろきシンポジウム
東急不動産・東急リバブル不買運動
 下の方は少し過激な不買運動なのですがまとめサイト的な存在が殆どなかったので、まず経緯としては2003年に署名などで運動がスタートしたようです。
 主張としては主には下の3点かなと思います。
・地下駅が出来ることで等々力渓谷に影響が出て良好な環境が保てなくなること
・駅の地下化の一方で列車が増発され急行も出来てスピードアップが図られるためるため残った踏切(踏切そのものは駅の傍の1つしか減らない)では危険度が増す
・想定されるケースでは普通の本数がラッシュ時18→12本に削減され、等々力駅には急行が止まらないために利便性が非常に減少する
 確かに住民としては無視できない問題だとは思うのですが一方で気になる部分もあります。
住民アンケートの集計結果と熊本世田谷区長への質問書@とどろきシンポジウムより
大井町線の急行化が鉄道事業ネットワーク計画の一環として事業者の命題であるとしても、等々力駅地下化が最良の方法なのかどうかは大きな疑問です。

 確かに大井町線急行運転の目的にネットワーク戦略があるのは言うまでもありませんが大きな目的は田園都市線の混雑緩和にあるはずです。

【電車】東急田園都市線@青葉台Walkerより
大手私鉄15社ワースト1の混雑は、遅延を日常茶飯事に起こしており、ダイヤはあって無いようなもの。朝ラッシュ時の上り電車は渋谷到着が5分~10分の遅れは当たり前。15分~30分遅れる事も頻繁にあります。~中略~
①大混雑で降りる人も多い上、なかなか車内の奥から降りれない、乗る人ももちろん多く、乗る人に関しては「降りる駅に階段等出口があるドア」に集中する事もあり左右のドアは誰も利用していないのに1箇所のドアに並んで乗ろうとしたりしてドアがなかなか閉まらない。


 実際田園都市線の混雑はひどいもので職場の同僚でも「あの混雑には耐えられない」と時間が掛かるものの混雑はそれほどでもない東横線通勤に切り替えた人もいました。実際この混雑があったからこそ大井町線の改良が行われているわけで、それを無視したり、軽視するとしたら何となく厳しいなと思わざるを得ません。
 仮に彼らが「自分たちの地域の高級住宅街である周りの環境さえ守れれば混雑に苦しむ田園都市線沿線の住民のことはどうでも良い」と考えているならそれはどう見ても浅ましいし少なくとも人としては高級とは真逆の存在と思わざるを得ません。
 昔ホリエモンが「浅ましい金の亡者」とバッシングされましたがより性質の悪い「浅ましい環境の亡者」といった感じでしょうか?
 当然地域の環境を守ることは大切なことですし、運動をしている人たちも田園都市線を軽視しているわけではないのかもしれません。ただふとそんなことを考えてしまいました。

 さて今回も長くなったの次回に続きとしたいと思います。



列車追跡シリーズその4:急行運転前夜の大井町線を行くその1

東急ダイヤ改正チラシ







写真:東急大井町線ダイヤ改正のチラシ

都心への新しいアクセスが誕生3.28FRI大井町線の急行運転開始@東急プレスリリースより
3月28日(金)、大井町線で急行運転を開始し、朝ラッシュ時(上り)二子玉川~大井町間を、現行の各駅停車より約6分短縮して約18分で結びます。さらに、運行本数を増発するとともに、急行列車は、6両編成(各駅停車は現行通り5両編成)で運転し、輸送力を増強します。急行列車用には、故障に強く環境にやさしい新型車両6000系を導入します。

 新年度前の3月を迎えてJRをはじめとする各社のダイヤ改正が行われます。その中で東急1の混雑を誇る田園都市線の混雑緩和を目的に学生時代通学で利用した東急大井町線で急行運転を開始すると言うニュースが入ってきました。
 今回はバスや廃線ばかりで名前倒れになりつつある当企画の第4弾として急行運転開始目前の大井町線を駆け足ですが見てきました。

大井町駅~デパートのなくなったターミナル~
東急大井町駅





写真:多くの人の行きかう東急大井町駅

 まず最初に訪れたのはターミナル大井町駅、公式HPによる2006年度の1日の乗降人員は109,705、3.3%増との事、2003年に開業したりんかい線の影響か増加傾向にあり山手線、地下鉄浅草線との乗換駅である池上線の五反田駅を上回る乗客数を誇るのは注目したいところです。



ダイヤ改正を告げるポスター各停の文字が誇らしげな案内表示停車中の二子玉川行き電車











写真:大井町駅の光景

 ダイヤ改正を控えた大井町を見るとポスターがあるのは当然として電車の発車案内では各停の文字が誇らしげに光を放っています。きっと3/29以降は急行の赤い表示も加わるでしょう。また今後溝ノ口へ延長した際の準備か電車には「大井町線」のシールが張られています。もともと大井町線は中延で都営浅草線、旗の台で池上線、大岡山で目黒線、自由が丘で東横線、二子玉川で田園都市線に連絡・接続し、うち目黒線と田園都市線とは同じホームで接続する乗換駅の多い路線なので混乱を避けるのにも便利な対応と言えるでしょう。

YAMADA電器@大井町大井町駅前のYAMADA電器






写真:大井町駅前の大型店阪急&YAMADA電器
 さて大井町駅の周辺を少し歩いてみます。大井町と言えば内陸側に東急沿線なのになぜか出店している阪急百貨店と海側に品川区民会館キュリアン(大学時代の連れがここで行われるコンサートに行くと大騒ぎしていたので覚えていた)と同居する丸井が定番といえていたのですが、りんかい線乗り入れ、大井町線改良と発展著しい鉄道に比べ阪急はBOOK OFF等が入居して百貨店の看板を下ろして阪急ホテル付属のSCの形態となり丸井はYAMADA電器となったのが印象的でした。
 同じ京浜東北の沿線を見ても川崎はラゾーナは好調なもののMORE'sがもはや百貨店の体裁を保てていなくてさいか屋が孤軍奮闘、大ターミナル横浜ですら三越が撤退している状況でデパートと言うのがだんだん衰退して、代わりに郊外で鍛えられたYAMADA電器やBOOK OFFが東京に進出しているのは時代を感じずにいられません。
 個人的にも昔に比べてデパートに行くのにときめくというか盛り上がる部分は減っているのも否めないです。

大井町の駅店舗






写真:ブックファーストを中心とした大井町エキナカ

 一方で頑張っているのはエキナカ店舗です。JRの駅ビルアトレに比べて高架下などの古典的な店舗しかなかった大井町駅も改装されアトレに比べれば小降りですが2階建てに改装されブックファーストを中心にエキナカ店舗が増えたのが印象的でした。
 まぁお隣はJR、京急がしのぎを削るエキナカオブエキナカとも言える品川駅なので東急大井町駅はかわいいものですが小粒ながらセンスを感じさせるのはさすがといった感じです。デパートが衰退し、郊外でもまれた個性豊かなカテゴリーキラーと鉄道会社のエキナカ展開がしのぎを削っている大井町は小売業の今後を先取りしているのかもしれません。

中延駅~空港から見放された浅草線末端部~
東急中延駅





写真:東急中延駅

 続いて訪れたのは都営浅草線との乗換駅中延駅です。、2006年度の1日の乗降人員は19,038人、2.3%増、周辺の駅に比べたらやや多いですが単独駅の尾山台、等々力、上野毛に比べると落ちると言う微妙な立ち居地にあります。

浅草線中延駅中延駅乗り換え案内中延駅周辺光景






写真:浅草線中延駅と東急からの乗り換え案内
 その微妙な立ち居地が災いしたか、今回乗換駅では唯一急行停車駅に選ばれなかったという憂き目に会うことと相成りました。実際浅草線の中延駅方面へ向かうと駅も案内板も昭和のにおいが漂う感じで、周辺も古くからあるパチンコやさんや駅前商店街等下町テイストにあふれていました。浅草線と言うと京急線経由で羽田空港、京成線経由で成田空港に乗り入れる路線と言うイメージがありますが、京急線と分かれる泉岳寺以南では以北へ行く電車は日中20分に1本、他は泉岳寺~西馬込を走る区間電車のみと都営浅草線西馬込支線とでも言いたくなる状況にあります。
 今後浅草線の挽回に期待したいところですが、一方でこの昭和テイストの駅前の光景も捨てがたいと複雑な気持ちにさせる急行通過の乗換駅です。

旗の台駅~急行運転の華緩急接続~
旗の台駅に停車中の大井町行き電車






写真:旗の台駅に停車中の大井町行き電車
 続いて訪れたのはホームを新設し新たに急行と各停の乗り換え駅となる旗の台駅、2006年度の1日の乗降人員は大井町線のみで17,131人、2.3%増加、ただし池上線との乗換駅なのでこの数字では語れない乗換客のいる駅です。

旗の台駅完成予想図旗の台駅新本線











写真:旗の台駅完成予想図と新設された新本線
 旗の台駅はもともとは大井町線と池上線の乗換駅ではあっても設備は最小限と言う地味な駅でしたが急行と各停が接続する駅となり大改造がなされました。完成予想図にあるようにホームが増え線路ごと覆うような大屋根がつき現在工事中の待合室も出来ます。
 かつては中延同様昭和テイスト漂う駅でしたが、大井町線に関しては規模はやや小さいものの最先端の駅に生まれ変わるので、池上線からの乗り換え客だけでなく急行~各停の乗り換え客でよりにぎわい生まれ変わるさまに期待したいところです。

 さてここまで見てきましたが長くなってきたので以降の駅は次回と言うことで今回は取り敢えずここで小休止と生きたいと思います。



成長へのキーワードはネットワーク~JR連絡定期拡大~




写真:今回の決定で定期券も含めた連絡駅に@北総鉄道東松戸駅

連絡定期券の発売範囲拡大に関するご案内@JR東日本2/12
2008年3月15日(土)より、より多くのお客さまに一枚の定期券でご利用していただくため、首都圏の私鉄・地下鉄(連絡会社)との連絡定期券(Suica定期券・磁気定期券)の発売範囲を拡大します。

 JR東日本は今年も3/15に夜行列車の削減や新駅開業などのダイヤ改正を行うのですが、同じ日に私鉄などとの連絡定期券の発売範囲などを拡大すると発表しました。主な内容としては

1、連絡定期販売範囲の拡大
<連絡会社名>27社局
伊豆箱根鉄道(大雄山線のみ)、江ノ島電鉄、小田急電鉄、関東鉄道、京王電鉄、京成電鉄、京浜急行電鉄、埼玉高速鉄道、埼玉新都市交通(ニューシャトル)、相模鉄道、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)、新京成電鉄、西武鉄道、多摩都市モノレール、東京急行電鉄、東京地下鉄、東京都交通局、東京モノレール、東京臨海高速鉄道(りんかい線)、東武鉄道、東葉高速鉄道、箱根登山鉄道、北総鉄道、ゆりかもめ、横浜高速鉄道(みなとみらい線)、横浜市交通局、横浜新都市交通(シーサイドライン)
2、新しい連絡定期乗換駅の追加
連絡会社名 追加する乗り換え駅
小田急電鉄 町田、海老名
新京成電鉄 新八柱《八柱》
京王電鉄 稲田堤、八王子
西武鉄道 新秋津《秋津》、新宿、川越《本川越》
京成電鉄 上野、成田
東京都交通局 田町《三田》、有楽町《日比谷》、秋葉原《岩本町》、馬喰町《東日本橋》、日暮里(※)、西日暮里(※)
京浜急行電鉄 東神奈川《仲木戸》、鶴見、川崎、久里浜、新杉田《杉田》
北総鉄道 東松戸
横浜市営地下鉄 新横浜、中山(※)、関内
埼玉新都市交通 大宮
(※)の駅は、平成20年3月30日から追加します。
《 》内は連絡会社線の駅名です。

 
 注目したいのは26もの連絡駅の増加、新線開業による3駅を除いても23駅は激増です。小田急の町田・海老名、北総の東松戸、横浜市の新横浜・関内、埼玉新交通の大宮などはこれまでなっていなかったのが不思議な駅ともいえますが、西武の本川越や京急の新杉田と言った意外な駅や京王八王子、京成成田、京急久里浜と言った競合関係にある駅もエントリーしているのは特に注目されます。
 
駅名   2006年度乗降人員 
渋谷   1,066,360  
横浜   311,933 
目黒   203,745
武蔵小杉 189,817 目黒線含む、南武線乗換 
中目黒  172,644 日比谷線直通
武蔵溝ノ口164,612 南武線乗換
蒲田   150,059 多摩川線、池上線

 その背景には何があるのでしょうか?上の表は東急が公表している各駅の1日当たりの乗降人員から1日15万人以上乗降のある7駅を抜粋したものです。かつては渋谷、横浜に次ぐ第3の地位にあった蒲田駅が7位まで落ちていてそれに変わったのが地下鉄船との乗り入れターミナル目黒・中目黒、南武線との乗換駅武蔵小杉、武蔵溝ノ口の各駅です。当然のことながらこれらの乗換駅は東急にとってローカル線とは言え都心ターミナルと言える大井町、五反田をも上回る盛況を見せているのです

駅名  2006年度  1996年度 増加率 順位
練馬  88,728   74,380  19.3  7→6
秋津  72,252   65,312  10.6  13→9
東飯能 4,841    4,664  3.8  82→79
西武全体3,353,324 3,572,468 -6.1
西武鉄道駅別乗降人員より

 続いて西武鉄道の状況を見ていきます。なぜ西武かと言うとHPの過去データが充実しているのが理由なのですが10年前に比べ全体では6%乗客数が減少している中、30分後とにしか電車の来ないローカル線区間の東飯能を含めた各乗換駅で乗客増加、順位向上が見て取れます。

 と考えるとJRや施策の協力を行う私鉄各社の狙いが見えて来くると思います。人口減少、かつ高齢化による通勤通学客の現象が予測される中で新杉田や本川越のような駅も含めて通勤客の乗換の便を向上させてネットワークを充実させることで新たな成長の起爆剤にしようと言うことなのでしょう。
 個人的には大歓迎と言いたい所ですが正直な所久里浜、杉田、仲木戸、鶴見、川崎とあってなぜ蒲田がないのかと思わずに入られません。


ポイントはJRか~仙台空港線苦戦に思う~




写真:空港アクセス線としては仙台の先輩?後輩?北総線を走る都営5300系

【特報 追う】つながらない「空」と「街」 仙台空港アクセス鉄道 @産経新聞2007/10/14より
 空と街をつなげたい-。今、多くの地方都市が鉄道やバスを活用した「主要駅-空港間のアクセス改善」に取り組んでいる。空港の利便性を高め、観光客誘致や地域経済の活性化を図るのが狙いだ。JR仙台駅と仙台空港を結ぶ「仙台空港アクセス鉄道」もその一環。しかし、開通後半年間の利用者数は当初の目標(1日1万人)を下回る1日7600人と、今ひとつ元気がない。背景を探った。(渡部一実)~中略~
 開通前、仙台空港駅の需要予測は、空港利用者の1日4000人に加え、通勤・通学、買い物客らが1900人で合計5900人。だが、実際には、空港関係の利用者は1日3900人で目標に近づいたものの、通勤・通学客は目標の1割にも満たないわずか150人にとどまる。


 昨年3月のダイヤ改正時に取り上げた仙台空港線が苦戦しているそうです。
 大まかに需要予測との乖離を見ると
            需要予測 実際  
仙台空港駅空港利用者  4000人  3900人(97.5%)
仙台空港駅その他利用者 1900人  150人(7.9%)
仙台空港駅合計     5900人  4050人(68.6%)
中間駅利用者      4100人  3550人(86.6%)
合計          10000人 7600人 (76.0%)

 と言った感じで特に仙台空港その他利用者(通勤・通学)が足を引っ張っているようです。中間駅も予測を満たしてはいないとは言え9割近い充足率であることを考えると1割に満たない充足率は異常に思えます。

そして運賃。片道で仙台駅-空港駅間は630円、住宅地の多い名取駅-空港駅間は400円。空港駅を利用する通勤客約600人にアンケートしたところ、大半が「高い」と回答した。

 理由を考えると運賃が浮かび上がってきます。名取駅を基準に運賃を見ていきましょう。
       距離   運賃 同距離JR運賃 倍率
杜せきのした 1.8km  170円  140円   1.2倍
美田園    3.8km  210円  180円   1.2倍
仙台空港   7.1km  400円  190円   2.1倍
 中間駅の運賃が1.2倍程度なのに対し仙台空港だけが2倍を超える運賃となっています。更に母都市である仙台へのアクセスではJRの運賃もかかるわけですから運賃の高さが際立つと言うのは北総線などでも見てきたとおりです。
 これは比較的運賃負担力のある空港アクセス客向けの運賃を割り増しにすることで設備投資の負担を回収する為であり、他の空港アクセス鉄道でも行われていることです。特に新線区間のみしか保有していない仙台空港線にとっては重要なものになります。仙台空港アクセス客が乗客の過半数を占め、かつその運賃は他の区間の倍ですから収入のシェアは7~8割に及ぶと言えるでしょう。
 そう考えるとこの区間の運賃収入はこの路線の生命線と言え、その値下げは現実的な選択肢とは言えないでしょう。
 と考えるとこの乖離を生めるためには実質的には空港アクセス客の増加しかありえないと見られます。
 と言うのは中間駅は確かに区画整理等で乗客増加は期待できますがその乗客の客単価は空港駅乗客の半分でしかない以上現状の倍以上の像客が必要であるのですがそれは現実的とは言えないでしょう。
 と考えるといかに空港アクセス客の増加を考えていくかになるのですが空港鉄道のHPに興味深いコーナーがあります。
仙台空港アクセス線-仙山線接続 時刻表等につきまして
仙台空港アクセス線~仙山線(山形駅発着) 接続時刻表@山形県

 現在空港線からは仙台までの直通しかないのですが少しでも他の路線からの乗客を増やそうと言う姿勢が見て取れないでしょうか?しかし他の路線の経営はJR東日本社となっていて直通が中々出来ないと言う苦しさも感じます。
 仙台空港鉄道にとって以下の2つの点が他の空港アクセス鉄道に比べて悪い材料となっています。
・新線区間のみの運営を行う3セク鉄道であること(他は直通する既存鉄道会社直営)
・母都市以外の主要地域への直通が無い(新千歳空港→旭川・小樽、宮崎空港→延岡など)
 この2点を考えると浮かび上がってくるのはJR東日本の存在です。JRの直営だったら、直営でなくても仙山線をはじめとした主要路線への直通があったらというのは関係者の偽らざる気持ちではないかと思います。
 そう言った意味で言えば実はこの苦戦からの脱却のポイントはJR東日本社といってよいと思います。
 本来ならJRにとっても高速バスの構成を受ける各線の付加価値を高めるのに空港直通と言うのは渡りに船のはずなのですが中々実現が出来ません。他のJR(九州、西日本、北海道)だったら当たり前にしていることをなぜ出来ないのかこの辺も大きなポイントではないでしょうか?
 


仙台空港線は何故どこにも直通しないのだろう~3/18ダイヤ改正特集2~





 今回の舞台仙台の象徴~伊達政宗in青葉城~

 明日3月18日にJRのダイヤ改正が行われますが時刻表などで今回の1番の売りとされているのは仙台の仙台空港線の開業と言われています。今回はこの仙台空港線を取り上げたいと思います。
仙台空港アクセス線時刻表@仙台空港アクセス鉄道
 大まかにアクセス鉄道を分析すると以下の様な感じです。
対象:仙台発下り
全体の本数:40本(うち快速4本)
日中10:00~16:00発:16本(うち快速3本)
日中の間隔:13~31分毎(快速を除くと13~45分毎)
始発駅:全列車仙台駅~仙台空港駅間
 他の空港アクセス路線を見るとどうでしょうか?例として仙台と同じく地方の政令指定都市である札幌の新千歳空港アクセス鉄道、新千歳と比較するには仙台空港は東京線がない分利用者数が違いすぎるのでやや利用者数の少ない九州の宮崎空港アクセス鉄道についてみていきましょう。
 新千歳空港(対象札幌発下り)
全体の本数:63本(1部を除いて快速)
日中10:00~16:00発:24本(全列車快速)
日中の間隔:15分毎
始発駅:小樽始発29本、札幌始発19本、旭川始発(札幌まで特急)9本、札幌~小樽間:6本
 宮崎空港(対象南宮崎駅発下り)
全体の本数:29本
日中10:00~16:00発:12本(全列車料金不要:宮崎~宮崎空港間は特急列車も特急券不要)
日中の間隔:9~64分毎
始発駅:延岡:10本、別府7本、宮崎5本、南宮崎4本、博多2本、小倉1本
 それぞれの路線の最も多い始発駅が札幌、宮崎でなく小樽、延岡になっているのが象徴的なのですが空港の母都市とも言える都市だけでなく周辺まで直通させて多くの乗客を確保しようと言う戦略が見て取れます。また宮崎空港線では別府・小倉・博多の各駅から、新千歳空港では旭川からと他都市から母都市へ向かう特急を直通させて特急料金収入も確保する(新千歳空港行快速では指定席を連結してその料金収入も)のももう1つの戦略と言えるでしょう。
 そう言った他空港のアクセス鉄道に比べて仙台空港線は非常に淡白な感じがします。確かに途中にも駅を作って通勤利用を見込むと言うのは政令指定都市仙台を考えれば有力な収益確保手段ではありますが、だからと言って宮崎や新千歳の様なやり方が出来ないと言う事は無いはずです。

 この淡白さの背景には何があるのでしょうか?実は有力スポンサーが・・・と言うわけでしょうか?と言う事で続いて経営面について少し見て行きましょう。
 仙台空港線に関しては宮崎や新千歳空港のアクセス鉄道と比べて1つだけ大きな違いがあります。それは「JRが直接運営しているのではなく、新線部分に関しては行政などが出資した第3セクター鉄道が運営している」と言う点です。
 第3セクター鉄道と言うと既存の鉄道会社が直接的な運営を避けた路線であり北総鉄道ゆいレール等都市部でも苦戦している路線が多いのが特徴です。
 さて仙台空港線はどうでしょうか?営業開始は明日なので現段階での資産状況を知るべく貸借対照表を見ると固定負債が158億円と北総鉄道やゆいレールに比べて規模的には小さいですがやはり借入金を背負っての経営となっています。ただし資本金が70億円を超えていて総資本の1/3程度あるのでゆいレールのように「需要予測通り順調にお客さんや収入は推移しているのに3年目で債務超過寸前」と言う事は無いとは思われますが、ただこの負債の返済は非常に大きな負担になると思われます。特にJRが直営している宮崎や新千歳では延岡や小樽・旭川からのアクセス客からの収入は運賃や特急料金指定席料金など全て運営しているJRに入るのに対し仙台空港鉄道ではどんなに遠くから来るお客さんでもあくまで自社内の運賃である400円しか収入が増えないわけですから経営面では厳しいと言えるでしょう。

 さてこんな厳しい状況にある仙台空港線、開業後状況を改善していくには何が必要でしょうか?少し見て行きましょう。
 まずは目的地である仙台空港の現状を見て行きましょう。

・アクセス鉄道への逆風:航空会社の苦境
JALグループ、2007年度国内線路線便数計画を策定!@JALプレスリリース
 JALの経営再建の絡みで曲りなりにも大都市と言える仙台便でも減便などがあるようです。
・神戸線:休便→JALエクスプレスによる運行
・福岡便:3→2便へ減便
 仙台空港アクセス鉄道開業によりアクセス改善される追い風の中でも減便などがあると言うのは経営状況の深刻さを感じさせます。そしてアクセス鉄道としても目的地の価値が減少すると言う意味で根本的な状況の厳しさを感じます。

・競争の後には石油高?→逆風続きの高速バス
 ~富士交通の新規参入から民事再生法申請までを追う~@近未来交通地図
 福岡・広島などとともに高速バスの激戦区として知られていた仙台、JRの在来線快速網が他の2都市に比べて発達していない事もあって山形・福島などがこの地域のバス路線のドル箱となっていたのですが2002年のバス参入規制緩和で貸し切りバス業者である富士交通・桜交通の参入が行われ、低価格化、便数増加が一気に進み一大激戦区となっていました。結果的には富士交通の民事再生法提出と両社の撤退と言う結果に終わったのですが、現状はどうでしょうか?
福島線:38(56)便→48便、800(500)円→900(650)円
郡山線:24(42)便→28便、1800(1050)円→1900(1200)円
山形線:60(75)便→70便、750(600)円→900(767)円
※()内はそれぞれ富士交通・桜交通を含めた本数、回数券の1回乗車あたりの単価
 競争が激しかった頃に比べてトータルで減少していても既存各社としては増加と相変わらず旺盛な需要があることが分かります。ただし値段に関しては競争時よりも普通券で100~150円、回数券単価で150~167円と結構急激に値上がりしている事が分かります。競争がなくなったから値段を戻したとも言えそうですが他の路線も同時期に値上げを行っている事から昨今の石油価格の上昇に耐え切れずと言う状況になってきているのではと感じます。とは言え既存各社としては本数を増やしてかつ値段も上げられる位旺盛な需要があるとみているのは間違いなさそうです。

・その上でどうするか
 JALの減便はリストラ策と言う状況下とは言え、仙台空港の成長力の弱さを示したと言えますし、逆に高速バスの現状は空港を除いた仙台と言う都市の集客力の成長力の底堅さを示したと言えそうです。と考えるとJRの福島・山形方面と言った都市間列車網の増強とその増強との仙台空港線の連携と言うのが、これから必要になってくるのではないでしょうか?実際新千歳空港線開業前後の札幌地区ではこの施策が行われ現在も増強が続いています。仙台でも高速バスに対抗して福島方面への快速を設定強化してきましたが、1時間に何本も走る高速バスへの対抗を考えるともう1段高いレベルでの対応とそして仙台空港線との連携がアクセス鉄道、JR双方のWin-Winに繋がると考えますが如何でしょうか?

SUPPORTER TRAFIC HOME 掲示板

 

東葉高速3月18日ダイヤ改正に見るジレンマ

 東京メトロニュースリリースより
東京メトロ(社長 )では、平成19年3月18日(日)に東西線のダイヤ改正を行います。今回のダイヤ改正では、平日朝ラッシュ時間帯の運転形態を見直すとともに、土曜日・休日ダイヤの夜間時間帯の列車を増発して混雑緩和を図ります。また、東葉高速線の列車増発にあわせて、東葉高速線からご利用のお客様の利便性の向上を図るため、朝夕ラッシュ時間帯を中心に直通列車を増加いたします。

《主な改正内容》
平日ダイヤ
○ 朝ラッシュ時間帯の運転形態の見直し
最も混雑する時間帯(約30分間)の中野方面行き列車は全て浦安駅から各駅に停車します。
○ 東葉高速線との直通列車の増加
・ 朝夕ラッシュ時間帯を中心に東葉高速線との直通列車を増加します。


 JRが3月18日にダイヤ改正を行うのですがその関係で相互直通のあるメトロ東西線、そしてメトロ東西線に乗り入れる東葉高速鉄道でもダイヤ改正があるそうです。
 上の引用がその内容です。
 一番注目したいのは太字で書かれている部分です。東西線と言うと西の中野寄りよりも東の西船橋よりの乗客の方が圧倒的に多く、その理由として大手町・日本橋など便利な地域を走る事と地下鉄では珍しい東陽町~西船橋間の快速運転が挙げられています。実際千葉県のサイトで混雑率を調べても
年度 輸送力 輸送人員 混雑率
95   38,448 75,552  197
2000  38,448 75,656  197
2004  38,448 75,645  197
 平成不況の中決して他社線で乗客減少に悩む中混雑率200%弱で推移してきた千葉県を代表する混雑通勤路線だった事が分かります。
 そして太字の部分を見ると最も混雑する時間での快速運転を縮小するとありますが、逆に言えば混雑する時間帯に遅延が問題となり通過運転を行う快速の運転が限界に来ている事が見て取れます。

 さてそこでタイトルの件に戻るのですがこの東西線には東葉高速鉄道と言う第3セクター鉄道が乗り入れています。この路線は東西線の西船橋駅を基点に千葉県の船橋市、八千代市を通って京成線と接続する勝田台まで運行されているのですが、2500億円もの建設費の償却が上手くいかず赤字が問題となっています。ちなみに最新の2005年度決算を見ると
営業収益:141.3億円
償却前営業利益:103.0億円
営業利益:42.8億円
経常損失:12.5億円
当期損失:19.7億円
累積損失:826.6億円
債務超過:522.0億円
 と100億円を超える巨額な償却前営業利益に対し、当期損失20億円弱、累積損失826億円と言う多分償却前営業利益率では日本でもNo1と言える収益性と同様に日本1とも言える累積損失の大きさと言うアンバランスな状態になっています。理由は60億円を超える減価償却費、50億円を超える支払利息と言う資本費にあり、どんなにコストダウンしても焼け石に水と言う状況にあるのも分かると思います。
 さてそんな東葉高速ですが今後の増客を考えるときに今回のダイヤ改正の様な状況は非常に厳しいと言えます。ドル箱である通勤客の増加を目論むならば当然最も混雑する時間に早く使い勝手の良い快速をどんどん乗り入れさせる必要があるのですがそれができないと言うわけですから厳しいです。
 良く考えると東葉高速の日本1とも言える収益性は快速列車を中心とした東西線乗り入れにあり、東葉高速の乗客増加が「もはや快速を走らせられない」程の混雑を招いたと言う面もあるだけに東葉高速の苦悩は尽きないと思います。
 もし改善があるとすれば、東西線とある意味でライバル関係にある京葉線・京成線・都営新宿線などの改善による混雑の緩和ですが果してどうなっていくのか今後に注目していきたい所です。
参考サイト:千葉県鉄道乗車人員推移から見る千葉の鉄道の現状

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