「正義感強い優等生」は発達障害グレー おかしいのは私か社会か

「ASDの傾向」「ADHDのグレーゾーン」と医師に言われた小春さん=北関東で2025年11月19日、黒田阿紗子撮影
「ASDの傾向」「ADHDのグレーゾーン」と医師に言われた小春さん=北関東で2025年11月19日、黒田阿紗子撮影

 おかしい、と思ったことが見過ごせない。

 新卒で入社した北関東の中小企業では、セクハラが身近にあった。男性の上司が、若い女性社員の席のそばを通るたびに「最近、彼氏とどうなの」と尋ね、肩や背中を触っていた。

 小春さん(27)=仮名=は当然、声を上げるべきだと思った。だが、本人は「会社を辞めたら行くところがない」と我慢していた。周りの男性社員も「あいつ、きもいよね」と言いつつ、何もしなかった。

 「声を上げることさえできない。この社会を、どうしたらいいんだろう」

 もどかしくて、退社を決めた。

 大学生の時、医師に「自閉スペクトラム症(ASD)の傾向」「注意欠如・多動症(ADHD)のグレーゾーン」だと告げられた。特性の一つである強いこだわり。それが、小春さんの場合は「正しいことをしたい」という正義感だった。

 「社会の役に立つ人間にならなければ」。自分を追い込むあまり、死を意識したこともある。今は定職を手放し、発達障害を手がかりに自分を理解しようともがいている。

 連載「となりの発達障害」より、好評だった回を再掲します。

優等生だった高校時代

 原点はフランスの歴史小説「レ・ミゼラブル」だった。

 子どもの時にテレビアニメや映画で作品を知った。主人公らが貧…

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