2026-03-14

兼業トレーダーだけど月曜の日本株シナリオ別に整理する

投資自己責任。これは個人分析メモであって投資助言ではない。損しても俺は知らん。でも何も考えずに月曜を迎えるよりはマシだと思うので書く。

封鎖から2週間が経った。ブレントは100ドル突破IEAは史上最大の4億バレル備蓄放出を決定したが市場の反応は冷淡。イラン最高指導者は封鎖継続宣言した。この状況で月曜に何をすべきか、中東情勢の今後のシナリオ別にまとめる。

■ まず前提:今の市場が何を織り込んでいるか

3月2日の週に日経平均は3.6%下落(54,245円)。これは「封鎖は起きたが短期解決するかも」くらいの織り込み。その後もズルズル下げているが、本格的な長期封鎖シナリオはまだ株価に反映しきれていない。つまりシナリオ次第でここからさらに大きく動く余地がある。

海運3社は封鎖直後に急騰(川崎汽船+6%、商船三井+5%、日本郵船+4%)した後、利確売りで反落3月13日の段階で「次の方向感を探っている」状態原油関連のINPEXは素直に上昇。一方、航空・化学自動車は明確に売られている。

シナリオA:1ヶ月以内に部分再開(確率20-25%)

トランプ停戦交渉に本腰を入れるか、中国仲介機能して、ホルムズ海峡部分的通航再開が実現するケース。ゴールドマン・サックスが言う「通過量が通常の50%程度に回復」がこれにあたる。

このシナリオなら:

売る必要があるもの特になし。むしろ下がったところを拾うフェーズ

買い → 直近2週間で売り込まれ銘柄の戻りを取る。JAL(9201)、ANA(9202)は反発する。三菱ケミカルG(4188)、三井化学(4183)などナフサ系化学も戻す。自動車大手トヨタ7203、ホンダ7267)も。

利確 → INPEX(1605)、海運3社(9101, 9104, 9107)は利確ポイント原油が下がれば上昇の根拠が消える。

ただし。このシナリオ確率は正直低い。イラン最高指導者が封鎖継続宣言し、機雷敷設の可能性まで報じられている状況で、1ヶ月以内の部分再開は楽観的すぎると考える。

シナリオB:封鎖が2-3ヶ月続く(確率40-50%)— 最も蓋然性が高い

停戦交渉が長引くか、部分的合意破綻を繰り返すケース。原油ブレン100-120ドルレンジLNGスポットはJKM 30-50ドル/MMBtu。円安は1ドル160-170円台。

これが本命シナリオだと思っている。月曜にポジションを動かすなら、このシナリオを前提にすべき。

【売り(ショートまたは手仕舞い)】

JAL(9201)・ANA(9202)。ジェット燃料は原油から精製される。燃料費営業費用の3割前後を占める。原油100ドル超が2-3ヶ月続けば、ヘッジが切れた分から順次コスト増が直撃する。加えて、航空便の減便が既に始まっている。国際線需要インバウンド含めて確実に落ちる。今のうちに逃げたほうがいい。

石油化学セクター三菱ケミカルG(4188)、住友化学(4005)、三井化学(4183)。ナフサが入ってこないとエチレンが作れない。既にエチレン減産に入っている。ナフサ在庫20日分程度。2-3ヶ月の封鎖はこのセクターにとって致命的。

電力・ガス。東京電力HD(9501)、東京ガス(9531)、大阪ガス(9532)。LNG価格高騰分を燃料費調整で転嫁できるとはいえタイムラグがある。その間の資金繰りが厳しくなる。加えて、電力需要抑制計画停電含む)が現実になると販売自体が減る。

内需消費セクター外食、小売、レジャーエネルギーコスト上昇→物価上昇→消費マインド悪化トリプルパンチコロナ後の回復恩恵を受けていた銘柄ほど落差が大きい。具体的にはオリエンタルランド(4661)、すかいらーく(3197)あたり。ガソリン高で外出控えも効く。

自動車トヨタ(7203)、ホンダ(7267)、日産(7201)。部品プラスチック原料が止まると生産ラインが止まる。塗料、合成ゴムシール材、電線被覆、全部石油化学由来。加えて、円安ドル建て売上の多い大手には本来プラスだが、原材料コスト増と部品不足による減産が上回る。

【買い(ロングまたは新規)】

INPEX(1605)。原油・ガスの上流企業原油高は純粋追い風豪州のイクシスLNGプロジェクトホルムズと無関係に動いている。封鎖が長引くほど業績上振れ。ただし既にかなり買われているので、押し目を待つのが賢い。

防衛関連。三菱重工(7011)、川崎重工(7012)、IHI(7013)。中東情勢の長期化は日本防衛費拡大議論を加速させる。既に防衛株は上昇トレンドにあったが、今回の危機さらテーマ性が強化された。

再生可能エネルギーレノバ(9519)、ウエストHD(1407)。「化石燃料依存危険」という認識国民レベルで広がる。政策的にも再エネ推進の追い風。ただし実際の業績に効いてくるのは中長期なので、テーマ買いの色合いが強い。

原発関連。三菱重工(7011)は防衛原発の両方のテーマを持つ。日立(6501)のGE日立ニュークリア計画停電現実になれば原発再稼働の世論が変わるので、先回りの思惑買い。

農業・食料自給関連。クボタ(6326)、井関農機(6310)。肥料中東から入ってこなくなるリスクがある一方で、食料自給率向上は国策テーマになりうる。

商社三菱商事(8058)、三井物産(8031)。資源高はトレーディング収益プラス。加えて、エネルギー調達多角化商社仲介機能が再評価される。ただし、円安資源高のネット効果銘柄ごとに精査が必要

金(ゴールド)関連。純金上信託(1540)、SPDRゴールドシェア(1326)。有事の金買い。円安もあって円建てゴールドは最強。株じゃないけど、ポートフォリオ保険として持っておく価値はある。

シナリオC:封鎖が半年以上、全面的エネルギー危機確率20-30%)

機雷が本格的に敷設され、掃海に数ヶ月を要するケース。原油は130-200ドル計画停電現実化し、製造業が止まる。1ドル180-200円の超円安

このシナリオでは正直、個別株の選別よりも「日本株全体から逃げる」フェーズ

日経平均は40,000円台前半、下手すると30,000円台まで落ちうる。こうなると海運もINPEX一時的に上がった後、世界景気後退懸念で叩き売られる。

やること:

日本株のポジションを大幅に縮小

ドル建て資産米国債米国株ETF)にシフト

・円建てゴールドを最大化

現金比率を高める(機動的に動けるように)

・もし信用取引をやっているなら、追証リスクを今のうちに計算しておく

このシナリオが最悪なのは、1ドル200円近くまで円安が進んだ場合海外資産に逃げるコスト自体が高くなること。つまり逃げるなら今。シナリオCが顕在化してからでは遅い。

■ 月曜の具体的なアクション

自分がやること(参考程度に):

1. JALANAの残りを全部売る。これはシナリオA以外すべてで損するポジションシナリオAの確率は2割。期待値マイナスポジションを持ち続ける理由がない。

2. 化学セクターの持ち株を半分売る。ナフサ在庫20日分という事実を重く見る。

3. INPEXの利確は半分。残りは引っ張る。

4. 防衛商社は追加買い。ただし月曜の寄り付きではなく、場中の押し目で。

5. 金ETFを追加。ポートフォリオ10-15%を目安に。

6. 全体の現金比率を30%以上に引き上げる。

最後

相場格言で「遠くの戦争は買い」というのがある。だが今回は「遠くの戦争」ではない。日本エネルギーの9割が通る海峡が止まっているのだから、これは日本にとっては「自分の家の水道管が破裂した」に近い。

買いと売りをはっきり書いたが、当然ながら明日の朝には状況が変わっている可能性がある。トランプが急に停戦合意を発表するかもしれないし、逆にイランが本格的に機雷を撒くかもしれない。

からこそ、シナリオを持っておくことが重要なのだ。「こうなったらこう動く」を事前に決めておけば、月曜の寄り付きでパニックにならずに済む。

以上。各自がんばれ。

  • わかりやすい!ありがとう!

  • 2週間前の増田とか結構正しかったんだよね。このとき直後は様子見ですぐに市場は動かなかったけれど。機関投資家もサラリーマンだから慎重にゆっくり動くので、個人は対策をする時...

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