御池岳のボタンブチにて何度でも行きたくなる良いところだった。
反面、侮れない一面も。【目的】
1.初の鈴鹿山系を歩く
2.何かと話題の「ボタンブチ」とはどんなところなのか確認
3.ヤマヒル地獄がどんな感じなのか確認
4.テーブルランドとはどんなところなのか確認
【コース】
鞍掛トンネル三重県側駐車場(7:45)-鞍掛峠(8:10)-鈴北岳(9:30)-御池岳山頂-ボタンブチ-(うろちょろ)-
奥ノ平-御池岳山頂付近(下山開始)(14:25)-長命水-国道306号-鞍掛トンネル三重県側駐車場(16:55) ※写真を撮りながらのんびりと時には休憩しながらなのでコースタイムは緩めである。
※下山時にルートを間違い復帰に少々時間がかかった。
※登山道が崩落していて回避に時間がかった。
鈴鹿山系は今まで敬遠してきた。
アクセスが遠くコストがかかりすぎる点や、ヤマヒル天国(地獄?)であると散々聞かれてきたから。
そんなところにわざわざなんで?という感じなわけで、
古い言い回しであるが、アウトオブ眼中だった。(^^ゞ
そんなわけで先日まではまったく意識することも無かったわけであるが、山友のブログのリンクから、
ほんの
先月起きたばかりのyuconさんという方の遭難救出の一部始終の記録を読んで非常に感心を持った。
さらには山を愛するヤマレコメンバーの連帯感も素晴らしく、感動した。
救出に加わった方の
ヤマレコ。
その前には、山登りをやってる人の中では知らない人が居ない
今年の冬の遭難事故。
(youconさんのブログへリンクさせていただいております)
なんと防寒着もツエルトもシュラフもGPSも持っていたのに遭難し、二ヶ月も発見されなかった出来事。
積雪期はもちろんのこと、ガスってしまうと方向がまったくわからなくなる平らで広大な大地、通称テーブルランド。
いったいどんな山なのだろうか気になって仕方がなかったので行ってみた。
もちろんヤマヒル覚悟の上。特に対策はなし(^^ゞ
はたまた遭難対策最優先のガラクタ(ガジェット)総動員。
水分や食料もたっぷりという重装備。
果たしてどんなところだったのだろうか。
アクセス往路、名神高速の多賀SAに着いたのは午前7時。
立ち寄ってみるとなかなか魅力的なご当地の食べ物がいろいろ売っていた。
コンビニでオニギリやラーメンを調達してきたが、ここで調達すれば良かったと思った。
多賀SAの直近の出口である「彦根IC」で下りる。
そこから下道で約20キロ20分ほど山を登って行く。
鞍掛トンネルの両サイド(滋賀県側と三重県側)にそれぞれ10台以上停めれる無料駐車場がある。
どちらに停めるか迷ったが、周回するかもしれないのでトンネルを抜けた三重県側に駐車。
すでに5台ほどの車が停まっていた。
天気は降水確率ゼロで抜群の青空のはずが雲の流れが早く、目指す山頂付近はガスってきている感じ。
恐るべし鈴鹿山山脈。
ルートの確認と準備を済ませて7時45分に登山開始。
どこから登るのかとキョロキョロしていたら、登山届のボックスがあったので取り付きが判明。
鈴鹿山脈はヤマヒルだらけと聞いていたので、くっついたらすぐに気づいて除去できるよう
ズボンの裾をまくりあげて
ギアータイで固定するという「
なんちゃって短パン」モードへ。
今年、マムートのかっこいいツーウェイパンツ(短パンにもなるやつ)を見つけたけど
セール時でも一万円超えというビックリ価格で断念。
それなのにいつ出番があるともしれないヘルメットを購入。オイオイ。
鞍掛峠へ登りだしは砂利道状でつづら折れの道を徐々に高度を上げていく。
日差しが暑いのでさっそく
ゴーライトの傘を使う。
山で日傘というスタイルはまだ流行していないが実際はずいぶんと涼しいのだ。
時おり吹く強い風に壊れたかと思うほど変形しても元通り。風にも強い傘であった。
これはもう一つの武器である。動物ですら追い払えるかも。
欲を言えば、地面か置いたザックかどこかに傘を突っ立ってる機能があれば
炎天下のどこであっても腰を下ろして涼しく休憩できるのに。
登りだしは標高も650m程度と低く、汗が次から次へと流れてくる。
夏場、前半戦のいちばん汗をかいて体力を消耗する重要なシーンでは、水ではなく最初からポカリを摂取していく。
特に展望などが無いまま、ほどなく鞍掛峠(コル)に到着した。
鞍掛峠には地蔵とその祠があった。
鈴北岳へ最初のピークである鈴北岳へは、地図上ほぼ一直線で等高線の緩い尾根の登りである。
登り始めから眺望は良く、三重県側から滋賀県側に吹き抜ける風が常に吹いている感じなので涼しい。
その反面、冬は厳しい寒さだろう。金剛山とそんなに標高が変わらないのに寒さと雪の量はハンパ無いと聞いている。
登るに従って展望も良く、大地は広く、ゴルフ場を思わせるような開放感は他の山域には無い印象。
気分爽快でまるでアルプスに来ているかのような錯覚を覚えるほどでワクワクして楽しい。
敷物を広げて昼寝ができるところがそこらじゅうにある弁当広場天国と言ったところか。
来て良かったという満足度特盛り。登山者は数人程度で貸切状態だ。
テーブルランド地形図の等高線を見るとすごい形をしている。
山頂周辺がほぼ平らできわめて広大である。
これを例えて通称テーブルランドと言われているようだ。
鈴鹿セブンマウンテンズの中で、藤原岳や竜ヶ岳もこのような形状をしているようだ。
テーブルランドでは実のところ「山と高原地図」や「地形図」があまり役に立たないと思った。
山と高原地図の御池岳は5万分の1であるし、
2万五千分の1の地形図を見ても等高線がほとんど出ない上にこれといった目立つ目標物がほとんど無い。
なるほどここでガスが出て視界不良にくなったり、積雪等でホワイトアウト状態になったら遭難は十分ありえる。
堂々めぐりをしてしまってここから出られないうちに低体温症になる恐怖。
無雪季の今というと縦横無尽にトレースがあるので山と高原地図の実線を忠実に歩くことすら困難である。
たまたまGPSの地図データ「JAPAN TOPO10MPlus」のバージョンだったからだからこそ
山と高原地図には書かれていない破線ルートが引かれてあったりで安心感があった。
地形図とコンパスによる読図技術はここではほとんど役に立たないのではないだろうか。
雪でトレースが隠されたりすると、まさにGPSが命綱となる場所だ。
実際、テーブルランド内に遭難碑もある。
そしてやたらと目についたのが穴ぼこ。まさに伏流水の大地で、水が抜けて行く落とし穴のようなのがあちこちに。
御池岳山頂へ正しい道を進んでいるかGPSにて常に確認しながら山頂を目指す。
山頂周辺は自然林に囲まれていて多少の登りがあり、山頂には砥石のような岩がゴロゴロ。
展望はあまりなく、ただの通過地点のような感じ。
山頂の森を抜けるとまた広大なテーブル。
このあたり一帯を奥ノ平と言うらしい。
まずは本日の核心部であるボタンブチへと向かう。
ボタンブチ広大なテーブルのかすかなトレースを見つけてボタンブチに到着。
転落するような垂直では無いがかなり急峻な立ち上がりの斜面である。
眼前には「T字尾根」が確認できる。そしてこの眼下にあの「ゴロ谷」がある。
けっこうな深さで沢を伺い知ることはできない。登り返してくるのはたいへんな労力がいることだろう。
この谷に一週間閉じ込められて救出さらたyuconさんへの思いをはせる。
そして今年2月に遭難された方の遭難ケルンに石を積む。
奥ノ平(1241mピーク)
朝4時前に食べてから7時間も経過しているのですぐにでもお昼にしたい気分であったが
ボタンブチから左に目をやると気になる芝生広場のようなところを発見。
そこが奥ノ平だと思い込んで向かってしまう。
なんとか到着してみるも、遠くのボタンブチからの眺めでイメージしていたような場所でもなかった。
せっかくなので木陰を見つけて腰を下ろして昼食にする。
人の気配はまったく無いし、こんなところまで誰も来ないだろうと思う。
テーブルランドは常に風が吹いているかんじなので清々しい。
先週の大峰とまったく同じパターンの食事をしていると
コンビニ袋にゴマ粒大程度の小さな黒いものが1つ。よく見るとどうもヒルっぽいけどこんなに小さかったけ?
休憩もそこそこにその場を退散。ヒルらしいものを見たのはそれが最初で最後だった。
バリエーションルートというか平地なので適当にあるいて高台にある看板のところまで戻ると
そこに「奥ノ平」という看板があった。
草の生えてないハゲたところに
ザ・チェアを広げて休憩の続き。
遭難対策グッズとしてせっかく持ってきていたガラクタのうち、デジタルアマチュア無線機で
D-STARモードにて山かけ通信をしてみる。
ピークではなく西向きの斜面であったが、2エリア(東海地区)の熊野レピーター(三重県熊野市有馬町:JP2YDV)
3エリアでは比叡山レピーター(京都府京都市左京区修学院牛ヶ額:JP3YCS)などなど数カ所と交信可能を確認。
D-STARに関しては後日紹介しようと思う。
次に前日に買ったばかりのホイッスル「
ソニック ブラスト CMG マルチ」であるが、誰も居ないのをいいことに、
1コールだけためしに吹いてみたところ、耳鳴りするくらいの強烈な音が鳴ってびっくりした。(^^ゞ
それにしても今回はゆるゆるの山行きであったがのんびりできた。
ここでピストンして帰れば「
本当に楽しい山行きだった」で終わるところであったがダークサイドに落ちてしまった。
コグルミ谷御池岳のピーク付近まで戻り、まずは山と高原地図の実線ルートで下り20分のルートを行く。
展望も無いどころか、雪解け水の伏流水で深くえぐれた溝に沿って歩く。
最初の分岐の「コグルミ谷・真ノ谷」と書かれたしっかりとした道にしたがって下っていったが
ふとなにげにGPSを確認してみたら、破線ルートの真ノ谷のほうに向かっていることが判明し、
来た道ではなくバリエーションでGPSに頼りながら本来のコグルミ谷への実線ルートに復帰するも
GPS内蔵地図の実線や破線はそんなに正確ではないのがわかっていたが
付近にトレースが見当たらない。
それでもバリエーションしながら極力実線に沿うようにしているとたしかな道に合流できた。
あとはたいくつな実線ルート歩きかと思いきや、次の分岐から長命水のあるところまでが難所だった。
あとで解ったことだが、下から登る場合、登山道崩落のための迂回路の案内があったが、
上から下山する場合は案内が無かったので従来の登山道にしたがって下りて行ったらけっこう危険な場所だった。
少し引き返して伏流水でえぐれた溝を利用してなんとか沢まで下りることができたがロスタイムが大きい。
長命水から先は国道までダラダラ歩くだけの道かと思いきや、
滑ると転落するようなところが何箇所もあり、慎重に歩かなければならないシーンが多々あった。
すっかり疲れ果てて国道に合流するも、高低差80mほどの登り返しである。
車も通るし道路工事もしている。
こんなことなら登ったルートをピストンすればどれだけ良かったかと少し後悔しつつも、
鈴鹿の山の山深さというか厳しさの一面を見た気がした。
総括すると、御池岳・藤原岳をセットで縦走するのはかなり楽しそうだと思った。
琵琶湖を望む展望は無いものの、周辺環境も含めて考えると比良山系とはまた違った大きな魅力を感じた。
下山完了後は滋賀側でななく三重県側へと下った。
阿下喜(あげき)温泉は500円とリーズナブルで良いところだった。源泉かけながしと書かれている。
それに何よりも四日市を抜けるときの移ろいゆく風景や街並みなどが昭和レトロを感じされる面もあったりで新鮮でかなり良かった。
高速は四日市ICから東名阪自動車道から新名神高速経由、京滋バイパスを経て帰ったが高速料金は行きとほぼ同じだった。
その他の画像は以下より。
「御池岳」はココ!
GPS軌跡(薄い黒線)
すごい等高線である
鞍掛トンネル(三重県側) 歴史が秘められた道だそうだ
登山届ボックスと鞍掛峠への取り付き
つづら折れの砂利道を歩く
鞍掛峠
東側に展望のある日差しきつい尾根を行く 風はあるので日傘を使うと涼しい
比良山系に似た植生のトンネルを抜けると・・
鉄塔のある芝生広場だった。
寄せ植えしたような木がまとまって生えている不思議
東側だけなぜかシダ類
大展望の広場 もうここまででええわと思うほど爽快
広大な斜面である。上のほうはガスってそう
遠く前方には鈴ヶ岳へ通じるテーブルランドの稜線が見える
少しだけ下って前方の尾根を登り切る
快適でゴキゲンなトレール
振り返ると北側はこんな感じ
涼しい~♪ 日陰だし。
鈴北岳 遠くに霊仙山も見渡せた
テーブルランド
方向がわからなくなりそう
クリックで拡大可裾をめくりあげて
ギアータイで留めた「なんちゃって短パン」 ※ヤマヒル対策
とにかく広大である
クリックで拡大可遭難碑 若き大学生が4月29日に遭難
来た方向を振り返っても似たような景色
真ノ池
御池岳の山頂付近はこんな感じ
御池岳山頂にて
御池岳山頂付近を越えるとまたまたテーブルランド
ボタンブチ近くまで来て歩いてきた方向を振り返るとスキーゲレンデのようだ
ボタンブチ
今年2月に遭難されたNさんを偲ぶケルン
ボタンブチからゴロ谷のほうを望む T字尾根が見える
ボタンブチから北側を見る
ボタンブチから南側を望む 前方の芝生広場みたいなところが気になって行ってみる
途中はこんな感じ
奥の平(1241mピーク)
奥の平のピークまで戻ってきてスーパーズームでボタンブチを見ると登山者が居た
過剰装備な遭難対策グッズの数々
奥の平から下山へと向かう
クリックで拡大可この分岐からルートを誤った
危険ゾーン
長命水のところに迂回路取り付きがあった
国道を登り返して駐車場へ
「御池岳」はココ!
GPS軌跡(薄い黒線)
すごい等高線である
鞍掛トンネル(三重県側) 歴史が秘められた道だそうだ
登山届ボックスと鞍掛峠への取り付き
つづら折れの砂利道を歩く
鞍掛峠
東側に展望のある日差しきつい尾根を行く 風はあるので日傘を使うと涼しい
比良山系に似た植生のトンネルを抜けると・・
鉄塔のある芝生広場だった。
寄せ植えしたような木がまとまって生えている不思議
東側だけなぜかシダ類
大展望の広場 もうここまででええわと思うほど爽快
広大な斜面である。上のほうはガスってそう
遠く前方には鈴ヶ岳へ通じるテーブルランドの稜線が見える
少しだけ下って前方の尾根を登り切る
快適でゴキゲンなトレール
振り返ると北側はこんな感じ
涼しい~♪ 日陰だし。
鈴北岳 遠くに霊仙山も見渡せた
テーブルランド
方向がわからなくなりそう
クリックで拡大可裾をめくりあげて
ギアータイで留めた「なんちゃって短パン」 ※ヤマヒル対策
とにかく広大である
クリックで拡大可遭難碑 若き大学生が4月29日に遭難
来た方向を振り返っても似たような景色
真ノ池
御池岳の山頂付近はこんな感じ
御池岳山頂にて
御池岳山頂付近を越えるとまたまたテーブルランド
ボタンブチ近くまで来て歩いてきた方向を振り返るとスキーゲレンデのようだ
ボタンブチ
今年2月に遭難されたNさんを偲ぶケルン
ボタンブチからゴロ谷のほうを望む T字尾根が見える
ボタンブチから北側を見る
ボタンブチから南側を望む 前方の芝生広場みたいなところが気になって行ってみる
途中はこんな感じ
奥の平(1241mピーク)
奥の平のピークまで戻ってきてスーパーズームでボタンブチを見ると登山者が居た
過剰装備な遭難対策グッズの数々
奥の平から下山へと向かう
クリックで拡大可この分岐からルートを誤った
危険ゾーン
長命水のところに迂回路取り付きがあった
国道を登り返して駐車場へ
私は3月福寿草を見るのに藤原岳に登り、御池岳まで
縦走して3月はその国道冬季閉鎖をしてますので
ダラダラ東側の藤原町山口まで歩きデポしていた車に
乗り朝の大貝戸まで帰ってすっかり暗くなっていたのを
思い出しました。私もあの下りは少し迷いました。
(地図読みが出来ないもので)
でもあの尾根歩きと御池岳の近辺は最高でしたネ。