スプリンターは疾風の如く。
娘の出身校である東洋大学にこれほどの選手がいる事を私は全く気付かなかった。娘が第一志望に選んだ大学だったから、親としてもう少し関心を寄せるべきだったと反省しているが、ロンドンオリンピックミドル級金メダリストの村田諒大選手の事は知っていた。
9月8日~10日の3日間に渡り、福井運動公園陸上競技場で開催された『天皇賜盃 第86回 日本学生陸上競技対抗選手権大会(全日本インカレ)』で9月9日、陸上男子100mに出場した桐生祥秀(東洋大)が9秒98を記録し、日本人で初めて10秒の壁を破った。
このニュースは瞬く間に列島を光の如く駆け巡り、歓喜の声が日本各地で沸き上がった。日本人スプリンターにとって10秒の壁は、そこに存在するエベレストの如く高き峰だったかも知れない。世界の陸上界を見渡せば、外国人、特に黒人選手たちの独壇場である。カール・ルイスを初め、陸上界の王者ウサイン・ボルトなど、優れた身体能力、高身長、長い脚とどれを取っても日本人選手の敵う相手ではないように思えた。
生まれた国や民族性など走る事に長けている狩猟民族のDNAが長い時を経てもなお、現在に受け継がれているのである。群雄割拠する短距離の中で日本人選手が世界と肩を並べるには、並大抵の努力では実現出来ないだろう。
スプリンター個人の持って生まれた素質と恵まれた体格、優れたコーチたちとの出会いやライバルの存在など、運も含めてこれらの要素が一つになった時に奇跡的とも思える記録は誕生する。桐生選手はスタートもさる事ながら、中盤での超人的勢いがそのままゴールを引き寄せた。追い風も味方したとは言え、桁はずれの瞬発力や持続性は黒人選手たちを脅かす材料になっている。
9秒台を視野に入れた日本の若きスプリンターたちにとっても、桐生選手の快挙は大きな弾みになる事は間違いないだろう。桐生選手が東洋大の法学部に所属している事を知って、娘も同じ法学部だったからもしかすると面識があるのではないかと思った。今度それとなく娘に訊いてみようと思う。
走る事には全く縁がなく苦手な私であるが、このような勢いがあり希望を与えてくれるニュースは嬉しいものである。桐生選手、日本新記録おめでとうございます。これからも益々活躍してくれる事を期待したい。
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