昨年、あいついで注目すべき論集が刊行された。まず書名その他をご紹介したあとで、なぜこれらが(少なくも)筆者の関心を惹きつけたか、少しばかり理由を述べよう。一冊目は、Cultural Ways of Worldmaking: Media and Narratives (Vera Nünning, Ansgar Nunning, and Birgit Neumann ed., De Gruyter, 2010) である(以下でCWWと略す)。ネット上の情報から、やはりAnsgar Nünning と Birgit Neumannの二人が編纂した、The Aesthetics and Politics of Cultural Worldmaking という本 (APCW) がWissenschaftlicher Verlag Trie から 2011年に出版されている。 (ついでながら、前者はア