2025-09-14

QC検定受けてきた

2025年8月、うだるような暑さが続く午後。俺は、QC検定2級の試験会場にいた。窓の外からは、けたたましいセミの声が聞こえてくる。俺のTシャツは、すでに汗で張り付いていた。

周りの受験生は、みんな真剣な顔でテキストを広げている。俺の目の前には、QC検定公式テキスト。だが、俺の頭の中は、今朝、冷房の効いた電車で見たホッテントリのことでいっぱいだった。

ポアソン分布理解したら人生が変わった話』

試験直前、なぜかこのタイトルけが砂漠オアシスを見つけたかのように、俺の好奇心を刺激した。まるで、この中に試験の答えが隠されているかのように。いや、きっと隠されているに違いない。そう、俺は確信していた。

試験開始の合図とともに、問題用紙が配られた。最初のページをめくる。…ポアソン分布。俺は絶望した。試験開始5分で、俺はすでに敗北を悟った。だが、その絶望の淵で、あのホッテントリタイトルが再び俺の脳裏を駆け巡る。

(そうだ、スマホだ。ホッテントリには答えがある…!)

俺は、ポケットの中のスマホに手を伸ばした。

「鷹の目」を持つ試験監督官

試験監督官の山崎は、この道20年のベテランだ。彼の鋭い目は、些細な受験生の動きも見逃さない。その眼差しは、不正行為兆候を見つけるために鍛え上げられた、まさに「鷹の目」だった。

俺は、ポケットの中のスマホを静かに握りしめた。その瞬間、山崎視線が俺に向けられた。

試験中、一切の通信機器使用を禁じます使用した場合は、不正行為とみなし、即刻退場となります

彼の静かな声が、セミの鳴き声にも負けず、会場に響き渡った。俺は手を止めた。スマホを握りしめたまま、うつむいた。

ホッテントリの囁き

俺は試験問題に目を戻した。しかし、思考はすでにホッテントリ世界に引きずり込まれていた。

ポアソン分布の答えが知りたい…」

その時、俺の脳内に直接、声が聞こえた。

『…ポアソン分布の答えは、はてブにある…』

それは、俺の欲望が作り出した幻聴だった。俺は、抗うことができなかった。

俺は再び、ポケットスマホを取り出した。画面の光が、静かな試験会場で、まるで小さな太陽のように輝く。その光は、山崎の目にも届いた。

消失

山崎は、俺の不正の念が最高潮に達したのを悟った。

受験番号107番。不正行為です。退場してください」

彼の声が聞こえた。俺は、頭が真っ白になった。

「…いや、違います。俺はただ…」

その時だった。俺の体は、音もなく崩れ始めた。いや、「崩れた」のではない。まるで、熱い夏の陽炎のように、蒸発していくような感覚。腕、足、胴体、そして顔。すべてが、まるで最初から存在しなかったかのように、空気中に溶けていった。

残されたのは、机の上に置かれたままの受験票と、俺の人生が詰まったスマートフォン

俺は、この世から消え去った。地獄にも行けず、天国にも行けず、ただの「無」になった。

はてなブックマークホッテントリは、俺に答えを教えてくれた。しかし、それは試験の答えではなかった。「楽をして真理を得ようとすれば、存在のものを失う」という、冷酷な真理だった。

そして、その日のホッテントリには、新たな記事ランクインしていた。

試験中にホッテントリを見ようとして、存在消滅した話』

  • マスに向けての文章で略語(QC)使っちゃダメやで!と思って調べたら正式名称だったわ 日本規格協会 JSA Group Webdeskェ…   品質管理の知識を問う試験を毎年2回、全国主要都市で実施し...

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