藍坂素敵な症候群 [★]
藍坂素敵な症候群 (電撃文庫) 東条 さかな アスキーメディアワークス 2010-01-10 売り上げランキング : 1727 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
私立千歳井高校。那霧浩介が転校初日に連れていかれたのは医術部というちょっと奇妙な部活だった。
部長・藍坂素敵。白衣を纏いメスを持ち、ちっちゃくてやたらと元気な女子。部員その1、宵闇ヶ原陰子。傘を異常に溺愛するお嬢様。部員その2、黒崎空。いつもご機嫌斜めな金髪ヘッドホン女。
三人ともかわいいのはいいのだけど、藍坂はなぜか手術をさせろと迫ってくるし、さらに街では《耽溺症候群(フィリア・シンドローム)》なるものが蔓延していて──。
『C3 -シーキューブ-』の水瀬葉月が贈るフェチ系美少女学園ストーリー!
あの水瀬葉月の新作です。
正直絵師さんから「魔女カリ」よりも「C3」寄りだなあと油断していました。とんでもない思い違いでした。
改めて水瀬葉月という作家の本質を理解せざるを得ない作品だなーと痛感。だってさ、表紙の幼女さ、一瞬も躊躇わずに人の喉笛に向かってメスを振り下ろすんだぜ? どんだけ猟奇なんだよ。「C3」で控えめだったグロ成分が全部こっちに回ってきました。作者はあとがきで藍水瀬とか自称していましたが、どう考えても真っ黒です本当にありがとうございました。いや、もちろんこの幼女がそうする理由はちゃんとあるんですけどね。そこは本編を読んでのお楽しみということで。
要するにフェチが進みすぎて一種の殺人衝動が生まれてしまう病気が蔓延した街のお話。
どんなフェチであろうが最終的に人を殺しにかかる異能に変わる設定にしたのはさすがの水瀬先生いだと思います。この人とことんこういうの大好きだな。まるでバイオハザードの一種だぜ。しかもその病気の治療法がなかなかシビアで、それが倫理に反するだとか人としておかしいとか、まあ初見の主人公にはそう取れてもおかしくないよな。
医術部の面々もかつてはフェチから症候群にかかあって治療を受けた人間であり、藍坂素敵に対してどことない敬意があったと思います。陰子さんはあからさまだったけど、空は逆にツンデレすぎるな。そんな医術部の組み合わせがまた良いんですが。
そして藍坂素敵が症候群を治療できるのは自分しかいないと思いながらも、ちゃんと人を殺す異常者ではなくて人間性を確立した存在であったことに好感。見た目幼女なのにえらくしっかりした子なんだなーと。そりゃ進んであんなことしたくないよね……。
いやー、楽しかった。「C3」と並行して続けてほしいなあ。しかしこれが出たことによって「魔女カリ」の続刊は絶望的に……。
そして次回はどんなフェチズムをもった変態が出てくるんでしょうね。
さくら荘のペットな彼女 [★]
さくら荘のペットな彼女 (電撃文庫) 溝口 ケージ アスキーメディアワークス 2010-01-10 売り上げランキング : 94 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
俺の住む寮・さくら荘は、学園の変人たちの集まり。そんな寮に転校早々やってきた椎名ましろは、可愛くて清楚で、しかも世界的に有名な天才画家だという。寮の変人たちの餌食にならないよう、ましろを守らねば!と意気込む俺。だけど彼女は、部屋はめちゃくちゃ、外に出れば道に迷い、服を自分で選べないし、着られない、生活破綻少女だったのだ!
そんなましろの“世話係”に任命された俺。って、服とか俺が着替えさせるの!? これでも健全な男子高校生なんですけど!? 変態と天才と凡人が織りなす青春学園ラブコメディ登場!!
同人漫画「いちゃレー」でおなじみ、溝口ケージの絵につられて。今月の電撃新作ではかなり売れてるらしいですよ。
主人公以外全員奇特な住人である「さくら荘」で繰り広げられるドタバタ系ラブコメって感じですかね。「荘」モノはまあ好みです。
全体的にあんまり山場もないし、淡白しすぎで平坦すぎる展開が読んでてちょっと飽きてきた感もあったし、メインヒロイン・ましろには人間味をまったく感じないし、何よりも個人的に主人公の性格が受け入れがたいのが難所だった。なんかもうフラフラとああだのこうだの言動が覚束ないわ、ましろが仁さんとデートしてラブホに連れ込むところにいきなり殴りかかるわ(特にましろに惹かれているような描写もなかったような)、とおまえ結局何がしてえんだよって感じでイライラ。ちょっとこの主人公は好きになれそうにない。
しかしまったく魅力がない作品というわけでもないんですよ。
サブキャラの美咲先輩と仁さんがやってくれた。この二人の関係は本当にいい。
美咲先輩は天才メーターが振り切れすぎた変人でも、中身は超恋する乙女という素晴らしいギャップをお持ちでした。たぶん作中で一番好きになれるキャラだったと思う。見ているだけで和む。仁さんは超女癖悪いくせに美咲先輩のことは本当に大切なんだなーと、溢れ出る好意に惹かれた。ただこの二人が恋人になるというには色々障害があるんですけどね。仁さんが美咲先輩の好意をわかっていて無視し続ける理由も納得がいった。美咲先輩がすごい不憫だけどさ。ううん、この恋模様はどうなるのかなあ。
4月に続刊出るらしいですが、たぶん買うかなあ。あと溝口ケージさんはいい仕事しすぎですね。キャラはとてもかわいい。
ほうかごのロケッティア School escape velocity [★★]
ほうかごのロケッティア (ガガガ文庫) しずま よしのり 小学館 2009-12-18 売り上げランキング : 10239 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
何もかもが、順調なはずだったオレの学園生活。あの電波女が来るまではーー。「私の“友達”を宇宙に返して!」電波女に弱みを握られたオレに与えられたのは「携帯電話を人工衛星にする」というバカげたプロジェクト。高校生が自作ロケット? ほかに行き場のない連中の現実逃避だろ!? オレの心配をよそに、ひと癖もふた癖もある連中が集まり、ロケット制作は始まった。カウントダウンの先にあるのは、バカげたドリーマーの自爆行為か、教室という箱庭からの脱出かーー。青春と妄想をのせたロケットが今、宇宙へ「リフトオフ」する!
夏・大空・ロケット! という三拍子がそろうと人間、不思議とわくわくしてしまうものなのです。
誰しもがなんらかの「黒歴史」を抱える少年少女が集まった、掃き溜めみたいな島。そこで繰り広げられるは、愚かでスクールカースト最底辺なドリーマーたちによる、ロマンと電波の熱き青春ストーリー。良いモノ読ませてもらいました。
かつては邪気眼持ちでイタイやつだった主人公が、この島でクラスのスクールカーストの舵を握ることに成功していたところに、「ロケットを飛ばしたい」という世にも美しい電波女が現れて波乱が――という冒頭なのですけれど、各キャラの因縁やら関係がちゃんと物語に結びついているところが好印象でした。
始めは半ば脅されるかたちで嫌々ながらだったロケット作り。
ロケットとかにはあんまり詳しくないんで専門用語とかバンバン出てきても雰囲気でしか理解できないんですけど、成り行きで集まったやつらがそれぞれの得意分野をフル活用して、ロケット作りに励むところはまんま部活ものみたいな熱い青春なんだよね。もちろん色々挫折や妥協もあって、主人公も再びスクールカーストの底辺に落ちてしまったりしてしまうんですが、いつの間にかロケット作りという活動、電波女の携帯電話を宇宙に届ける目的のために、そしてなによりかつて自分がしでかしたかぐやへの贖罪のために――なりふり構わず再結成してロケットの打ち上げに臨む彼らの姿はとてもカッコよかった。こういうのは本当に読ませる勢いというものが大事だと思う。
あと驚いたのが絶対にくっつかないだろうなと思ってた主人公とヒロインが最終的にくっついたこと。
正直かぐやにとって主人公は人生を一度台無しにされた存在でありますし、対立して然るべき関係だと思っていたのにやってくれた。というか後半の急接近っぷりといったらニヤニヤレベル。かぐやの電波は、いわば主人公の古傷(黒歴史)そのものであったし、それをロケット作りというかたちで二人の「黒歴史」を昇華させて、恋愛感情に繋げたのはのはうまい構成だなーと思いました。思わざるを得ませんでした。そりゃあ惚れるわ。くっついたことに全然違和感感じなかったしね。
「ピクシーワークス」や「AURA」が好きな人は読んで損はないはず。それ以前に青春モノとして大変よくできているので、やっぱりオススメです。
冬まっただなか
いつの間にか1月が終わりそうとかホント洒落にならない。このまえまでお餅ばっか食ってたというのに。
そういえばなのはとFateの映画が始まりました。どっちも一応観たいなという認識なんですが、とりあえず映画が安くなる1日になのはさんでも観てこようかと思います。やっぱり評判いいみたいだしね。Fateはまちまちってところ。
ああ、そういえば最近「キラ☆キラ」というゲームにすごくハマりましてね。i-Phoneのアプリで体験版をずっとやっていたんですけどすっごいいいところで切られてしまったので製品版を視野にいれるつもりです。ノベルゲーの部類は文章ずーっと見てるのがダルくてあんまり自分から進んでやることはないんですけど、アプリだとなぜかそれが気にならない。たぶんタッチの方がやりやすいのかもしれない。
というかこういうギャルゲ全般はデスクトップより携帯できる方がやりやすいなーと個人的には思いました。必然的にコンシューマ版オンリーになるけどね。だから今度PSPでリメイクされるクロスチャンネルとか楽しみです。
ちなみにこのゲームではかっしーが一番好きです。
とりあえず恋愛サーキュレーションを無限リピートしつつ今期のアニメの感想とかやります。
のまえに2月度読みたいラノベ。
2/1 角川スニーカー文庫
○レンタルマギカ 銀の騎士と魔法使い/三田誠
○ばけてろ2/十文字青
2/10 電撃文庫
○幕末魔法士/田名部宗司 (電撃大賞大賞)
○ヴァンダル画廊街の奇跡/美奈川護 (電撃大賞金賞)
○ご主人さん&メイドさま/榎木津無代 (電撃大賞銀賞)
○アクセル・ワールド4/川原礫
○ロウきゅーぶ!4/蒼山サグ
○世界平和は一家団欒のあとに9/橋本和也
○放課後限定勇者さま。2/七飯宏隆
○ラプンツェルの翼4/土橋真二郎
○ほうかご百物語7/峰守ひろかず
○神のまにまに!3/山口幸三郎
2/18 ガガガ文庫
○ラ・のべつまくなし2/壱月龍一
2/20 富士見ファンタジア、一迅社文庫
○SH@PPLE8/竹岡葉月
○蒼穹のカルマ4/橘公司
○いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室1/鏡貴也
○白夢3/瀬尾つかさ
○絶望同盟/十文字青
2/25 MF、スーパーダッシュ、メディアワークス文庫
○かぐや魔王式!6/月見草平
○IS(インフィニット・ストラトス)4/弓弦イヅル
○ゴミ箱から失礼いたします2/岩波零
○パパのいうことを聞きなさい!2/松智洋
○探偵・花咲太郎は覆さない/入間人間
○ボクらのキセキ/静月遠火
2/27 ファミ通文庫
○バカとテストと召喚獣7.5/井上堅二
○世界の危機はめくるめく!5/佐藤了
○狂乱家族日記 番外そのろく/日日日
電撃文庫は財布を殺しにかかってきてると思います。電撃大賞もあるからなあ。
個人的に「パララバ」から一年間音沙汰なかった静月遠火がMW文庫で出してくれるところが嬉しい。たしかにこの作家はMW文庫向けだと思う。あと「ぷりるん。」「ヴァンパイアノイズム」の十文字青&ま@やコンビがまた一迅社から出してくれるのでかなり期待してます。
というか全体的に多いな……。お金が……。
というわけでだいたい3周したので、今期のアニメの感想をちょろっと書く。順番に特に意味はありません。
○おおかみかくし
原作が竜騎士07の時点でなんらかの伝奇モノなんだろうなと思ってたけど、まあその通りだった。
でもこのアニメの名前出されるとはっさくしか思い浮かばない。まあキャラかわいいからまだ切るつもりはないけど。
○ひだまりスケッチ×☆☆☆
期待に違わぬデキ。ただOPくらい完成させとけよシャフト。完成版観たら満足だったけど。
新入生ズの乃莉ちゃんもなずな氏もきちんとかわいい。やっぱり超安定シリーズだな。
○聖痕のクェイサー
規制版(地上波)を観る→規制されすぎて何が起こっているかわからない
ディレクターズカット版を観る→ディレクターズカットしすぎて話が頭に入ってこない
ハラショー。
○ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
今のところいい意味でも悪い意味でも雰囲気アニメ。そろそろ軍人である意味合いを出してほしい。
たぶんキャラよりも世界観で見せたい作品だと思う。まあ雰囲気は好きなので視聴は続行するよ。
○ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド
悠木碧の演技がすごいカッコいい。でもなんでOPが「フレンズ」なのだろうか。
ところでこのアニメの略称はダンヴァインで確定なの?
○デュラララ!
いい具合に原作の味を出していると思います。今期のアニメではかなり上の方。
ただやっぱり原作未読者はなにが起こっているかよくわからないかもしれない。ただでさえ最初からキャラ多いしね。あと細かいところにスタッフの遊び心が入っているので、それを見つけるのも楽しみになりつつある。
○バカとテストと召喚獣
シャフトっぽい演出だけど特に気にならない。2話で1巻の内容を消化してしまったので駆け足気味だなーとか思っていたけど、3話でスタッフはやってくれました。
とりあえずアニメになって久保くん躍進しすぎだろうと。いいぞもっとやれ。アキちゃんの出番が意外に早かった。このまえアマゾンのDVDランキングを席巻していたので、もしかしたら爆売れかもしれませんね。
○はなまる幼稚園
ああわかったぞ! これはあんずやひーちゃんや小梅ちゃんとか園児を愛でるロリコンアニメじゃない! これは聖母山本先生の御尊顔を拝見するアニメなんだ!! というか山本先生かわいすぎでしょう常識的に考えて。今期のアニメで一番かわいいよガチで。そういう意味では3話は神回でした。
まあ山本先生分(これで8割くらい)以外でも全体的にほのぼのしていて和むアニメですね。たぶん今期で一番好きです。日曜深夜の癒しタイムです。
○刀語
月曜に1話やっていましたが、一時間という長さでもだれることはありませんでしたね。
アクションシーンもよく動くと思いますし、いかにも西尾節全開だったと思いました。あととがめみたいな田村ゆかりの演技は好きです。
こんな感じで。でも春アニメはこれよりもっと多いんだろうなー。
ベン・トー5 北海道炭火焼き秋鮭弁当285円 [★★★]
ベン・トー 5 (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9-7) 集英社 2010-01-22 売り上げランキング : 181 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋たちHP同好会は合宿を終え、地元に戻って日常の争奪戦に精進していた。そんなある日、佐藤のかつての憧れのクラスメイト、現在芸能アイドルとして活躍する広部さんが転校生として現れる。傍若無人の振る舞いをする彼女に、案の定巻き込まれる佐藤は、徐々に弁当争奪戦から遠ざかってしまう。さらに、しばしの沈黙を破り、再び立ちはだかる猟犬群たちの乱入で戦闘は激化していき…! 佐藤は「狼」としての誇りを失ってしまうのか!? それとも秋鮭のごとくスーパーに戻ることはできるのかーーー!? 庶民派シリアスギャグアクション、原点回帰の第5弾!
変態こと主人公・佐藤洋の初恋の人であり、かつてはみんなのマドンナだった広部さんこと広部蘭、ついに登場。
鬼灯ランという芸名で妹系アイドルとして売り出し中の彼女が、交換学生制度でドMの内本くんの代わりに佐藤のクラスにやってくる。
私としては「原点回帰」という名目に恥ぬお話だったと思いっています。
佐藤からして純粋に好意だけで言えば著莪や槍水先輩よりも高い広部さんは、いつでもどんな「広部蘭」であろうとも彼にとっては永遠のマドンナなんだなーと思いました。というか広部さんのキャラがツボる。芸能界という厳しい世界で自分という存在を見失いつつあった彼女が、バカな佐藤と久々に触れ合って感じたものは安心感のようなそれで、これはまた著莪と違うタイプの幼馴染みキャラだなーと。
で、なにが原点回帰だったのかと言うと、客観的に見ての狼たちの饗宴のことだと思います。
たとえば広部さんは正論過ぎるほどの正論を言う。たかが半額弁当。痛い思いをしてまで手にいれるものなのか?
たとえばダンドーと猟犬群の山原は言う。本当は楽して勝ちたいんだろう。誇りがなんだ。無様で愚かで異常な執着心。何が楽しいんだ。
そう、冷静に考えてみればホント何してんのこいつら? って話なんですよ。半額弁当に誇りがなんだの言ってるやつなんて普通に考えて頭がおかしいでしょうよそりゃあ。広部さんは佐藤を自分につなぎとめるために、山原はかつて自分が居た場所にいる佐藤に、それぞれ自分の想いをぶつける。
そんでもって今回の佐藤。すっげえカッコよかったし熱かった。まるで主人公。
小学校のときからあれほどフラれまくっている広部さんからのまさかのアプローチ。でも半額弁当を追い求めるのはをやめて、と。ここでもし佐藤が広部さんを取っていたら、もしかしたら広部さんは一生本当の自分に気づけなかったかもしれなかったよね。でも佐藤は広部さんへの想いが変わったわけじゃない。その上、広部さんことを真摯に考えている佐藤カッコいいよ佐藤。
そして争奪戦パートも山原や猟犬群との戦い、そしてなにより憧れの槍水先輩と背中を合わせ、肩を並べて共闘できることが嬉しいんだろうな。とても強い信頼が無いと出きないことだしね。
そう、やっぱり“狼”の誇りはだてではない。より強い相手と切磋琢磨しあい、全力をぶつけ合って、もぎ取る半額弁当の味は、「本当の勝利」の味なのだから。
でもって華々しく散った佐藤の長い初恋。失恋の数だけ人は強くんなれるんだよ。それにしても広部さんちゃっかり佐藤のことガチに好きになってるっぽいよなあ。二人の再会がこれは楽しみ。もしかしたら、もしかするかもね。
それにしても佐藤家は親父だけじゃなくて母ちゃんも変人なのかよ。正直アレはイタすぎるわw
白粉大先生はケツの張り方で男を見分けられるようになってるし、もう露骨に佐藤のことネタにしようとしてるし。
久々に出たオルトロスの姉妹はかわいかった。著莪も金髪も大概にいい奴だった。プチ嫉妬モードの槍水先輩もかわいかった。
そして今回の白梅梅様。
「お疲れ様。バイバイ」またしても素敵な張り手でございました。そういえばこのバイバイネタも一巻だったような。ギャグまで原点回帰かw
「佐藤君、その呼び方はやめてくださいと以前言いましたよね? 久しぶりなので忘れてしまいましたか? 覚えていませんか? 怒っていいですか?」
今回はギャグより燃え寄せだったけど、すごく満足な内容でした。ちなみに銀剥がししおりの結果は「がんばれ!」だった。裏のあせびちゃん厄除けと言いマジでしゃれにならない。
←『ベン・トー4 花火ちらし寿司305円』の感想へ
15×24 link five&six [★]
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15×24 link six この世でたった三つの、ほんとうのこと (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-6) 箸井 地図 集英社 2009-12-25 売り上げランキング : 16000 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
最後の賭けに出る藤堂。究極の試練に挑むマリエたち。笹浦たちが見いだした、東京の奥底に眠る巨大な秘密とは!?〈捜索隊〉は徳永を止められるのか?『完璧な場所』はどこなのか?〈ラノベ史上もっとも長い一日〉がいよいよ完結する!
発売日同じだし分けるの面倒なので5と6一緒に。ついに長い一日も完結です。
さて、華々しく幕を閉じたこの物語ですが、正直ラストの展開はちょっとなんか、あれですね。いきなりファンタジーっぽくなったところはなんだったんだろうか。そしてみんなちょっとスッキリしすぎ。
というか途中まではおもしろかったんですけど、なんかあれだけやって「死」については割と軽かったイメージしかなかったような気がする。もしかしてそれは枯野透が死んでからも、語り手として度々出てきたところからを感じていたのかもしれない。死人に口なしって言葉もあるよ。
それとファブリの顛末は結局どうなったんだ。そこらへんうやむやだったからなんか消化不良だった。
うーん、なんか収まるところに収まったというか、読んでるのは楽しかったんだけど、結構殺伐としてたのがあまりに丸々しくまとまっていたのに違和感だなー。
上のような文句もあるっちゃありますが、人と人とのどうしようもない繋がりというところは概ね同意。
長い一日、そしてもう体験することのないだろう出来事をこなしてきてきた子供たちが見つけたものは、とても尊いもの。各々失うものもあるが、得たものもある。ただし、その比重は人による。
まあこういうのも含めて若い世代特有の思考や行動、大人たちへの形なき反発は、世代の近い私から見ても共感できるところもあればできないところもあったりとまちまちでしたね。
おもしろかったけど、どこか違和感の残る作品でした。
←『15×24 link four Riders of the Mark City』の感想へ
空ろの箱と零のマリア3 [★★★]
空ろの箱と零のマリア〈3〉 (電撃文庫) 鉄雄 アスキーメディアワークス 2010-01-10 売り上げランキング : 301 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「お前、“O”と関わっているだろ?」
クラスメイト・大嶺醍哉が、星野一輝に向かって発したその言葉は、新たな“箱”への入り口だった。
気づけば一輝は音無麻理亜と共に、“騙し合い”のゲーム──『王降ろしの国』のプレイングルームにいた。中世風の職業に就き、一度の面談を介し行われるそのゲームの勝利条件は、他プレイヤーを殺して生き残ること──。つまりこれは、“殺し合い”にまみれた狂気のゲーム。
“箱”に願い、この空間を作り上げた“所有者”の正体とは……? 緊迫の第三巻!
第二の黒土橋がここに現わる!
しっかし見事な構成だなこれは……。実際かなりおもしろい。まざまざとその実力を見せつけられる。はこまり恐るべし。
前回“箱”の所有者だとわかった醍哉が、複数の密室で行われる疑心暗鬼を募らさざるを得ないゲーム『王降ろしの国』を策謀する。その内容は男女六人による殺し合い、騙し合い、謀り合いが付きまとう危険なゲーム。【職業】の性能によって動き方や勝利条件も変わるため、密会の会話の中や態度による駆け引きが鍵。情報戦が必須。
そんな救いも容赦もない殺し合いに、一輝とマリアはどう協力し、立ち向かうのか。それは本書を必見。
ゲームに生き残ることが勝利条件なわけですが、それは本当に「勝利」とは限らない。
役職によっては二人とも生き残れないパターンがどうしてもある。そして生き残るためには「絶対に誰かが殺されなければならない」という状況でまともな思考ができるか否か。それでもこのゲームの参加者は時に爪を隠し、冷静に状況を分析してゲームに望んでいるのはさすがといえるなあ。ちょっとマリアの出番が少ないと思ったら、そういう理由があったなそういえば。どう動いてもこのゲームはマリアにとって存在意義さえも左右してしまうのだから。日常に固執する一輝と、一輝の命を優先マリアの絆が見え隠れして、それがとても強固なものだと改めて思った。心地のいい信頼関係ですね。
ゆるがぬ心理戦の中で、誰が本当のことを言っているか、或いは陥れるために嘘をついているかわからなかった。というか一輝とマリア以外だれが何を言っても嘘と構えていてもよかったかもしれない。常に賭け引きが付きまとう参加者の掛け合いにも注目。
そして今回一番の演技派、柳悠里が凄まじくピンポイントで私のツボを突くキャラでした。というか自分でもビッチキャラ好きすぎだろうと思うよ。
なによりやばいのはこの人のなんとしてでも生き残ろうとするしぶとさ、或いは醜さ。一回目はあっさり殺されてしまったけど、こいつの真価が発揮されたのは終盤。
こんな生存本能の塊のクセに、それを剥きだそうとはせず、見事に抑え込んで使えるものはすべて利用する周到さ。そして大胆さ。ここまで頭がキれるやつだとは誰が想像しただろうか。だって最初はただのおどおどした小動物系の女の子だったんだぜ。それを武器にして同情を誘い、裏では申し訳ないと思いつつも自分の命を最優先させる彼女のエゴの強さが。それはもうありありと見せつけられてしまったよ。やべえこいつはとんだクソアマだ。大好きです。
さてゲームオーバーを繰り返しながら終盤にいったわけですが、これがまだ序章……だと……!?
続きが気になりすぎるけども、果たしてどう決着をつけてくれるのか楽しみですね。あと一輝のメイド姿はありだ。
←『空ろの箱と零のマリア2』の感想へ
シュガーダーク 埋められた闇と少女 [★★]
シュガーダーク 埋められた闇と少女 (角川スニーカー文庫) mebae 角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-11-28 売り上げランキング : 264 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
えん罪により逮捕された少年ムオルは、人里離れた共同霊園に送られ墓穴を掘る毎日を送っていた。そんなある夜、自らを墓守りと名乗る少女メリアと出逢う。彼女に惹かれていくムオル。だが謎の子供カラスから、ムオルが掘っているの墓穴は、人類の天敵・死なずの怪物“ザ・ダーク”を埋葬するものだと聞かされる! 混乱するムオルは、さらにダークに殺されるメリアを目撃してしまい――!?
初版を買い逃して一ヶ月ちょい。ようやく難民から開放させられた。
さて、涼宮ハルヒ以来実に6年ぶりとなるスニーカー大賞の作品ですが、おもしろかったです。大賞の名に恥ないデキだと思わされましたし、注目されるのもわかります。無駄を一切省いた精錬で緻密な手堅い文章は、まさに純文学そのもの。冒頭から圧倒的な筆力を見せつけられました。
こういう、いわゆる「お固い文章」ってラノベ読者からはあんまり受け入れられ難いもんだし、すぐに飽きられてしまうと個人的には思いますが、この作品はそんな退屈感をまったく感じない。文章を堪能しつつもいつの間にかこのダークな世界観に引き込まれていました。
ストーリー的にはダークファンタジーの世界観でのボーイ・ミーツ・ガール。とある運命を背負った墓守の少女に、少年がどんどん魅力を感じつつ少女を救おうというある種の王道。王道っぽいんだけどあんまり王道呼ばわりしたくないってのが本音。少なくとも個性的で強烈なキャラで物語を引っ張るんじゃなくて、この世界の中でキャラを活かしたいんだなーというのが第一印象。
しかし構成は見事といわざるを得ません。お話がお話だからどんな展開待ち受けているのか予想もつかなかったのだけれど、結構辛い選択だよなこれ。救う道がそれしかないというのはわかるけども、進んでとりたい選択肢じゃないよね。
まあそんな少女を救うお話での、仄暗いけどそんな中で確かな「甘さ(物語的な意味で)」があり、綺麗にまとまっていたと思います。よかったです。というか最後とかベッタベタじゃないですか。
そして気になるのは続刊があるということ。どう続けるんだこれ。
デュラララ!!×3 [★★]
デュラララ!!×3 (電撃文庫) ヤスダ スズヒト メディアワークス 2006-08 売り上げランキング : 5612 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
少年ギャング団が暗躍し、漆黒のバイクを駆る “首なしライダー” がいる街―― 東京・池袋。
現実逃避するボス、責任を感じている女子高生、友人の想いに鈍感な少年、情報で人を操る青年。
奇妙な運命で繋がった人々が出会う時、クールで危険な日常が始まる!
早くも奇妙な三すくみの関係が明かされたのは意外だったけど、ここで一つの区切りなんですね。
帝人、正臣、杏里がそれぞれ別の顔を知り、しかし壊れずに保ち続けるその絆の強さにはあっぱれ。臨也から帝人がダラーズのリーダーだと告げられた正臣が、守るべき親友と過去に救えなかった女の子とを重ねて、今の「黄巾賊」と昔の「ブルースクエア」ときっちりとケジメをつけたところはカッコよかったな。少しおちゃらけキャラだった正臣を見直してしまったぜ。
でもまさか事が終わったら何もいわずに姿を暗ますとは思わなかった。
この物語は2巻からの上下巻構成だと思っているけども、収束具合も落とし所も良かった。
役割のあるキャラがしっかりとその役割を果たし、キャラの多さにも負けずにちゃんと誰一人欠けず人間性が確立している。ダラーズ、黄巾賊、罪歌――そしてそれらの少年少女たちを裏から暗躍してかきまわし、同時に引き寄せる者たち。事態を察して協力する者、策謀者に鉄槌を振るう者。
そうして流れるような群像劇、この池袋三国志は勢いよく読めた気がします。ドタチンとサイモンが良い人すぎる。
あとセルティかわいいよセルティ。あれ、なにこのカップルってここまでバカップルだったの!?
←『デュラララ!!×2』の感想へ
人類は衰退しました5 [★★]
人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫 た 1-6) 山崎 透 小学館 2010-01-19 売り上げランキング : 15 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は"妖精さん"のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の"調停官"であるわたしのお仕事。そしてこの仕事に就く前、多くの時間を過ごしたのが《学舎》と呼ばれる人類最後の教育機関です。寄宿舎で出会った友人たち。RYOBO230r。秘密の倶楽部・のばら会。妖精のお茶会。感傷に浸るにはまだ早いのに、なぜ思い出すの……? 里に現れた侵略者! 奪還チームを組んで地下に潜ったわたしたち――死亡!? ピロリロリン♪で
超久々の「人退」続刊。たしか4巻が08年の12月。
一年経っても相変わらず妖精さんはかわいい。疲れた脳に癒しの力を与えてくれる。マジ和む。
さて今回は短~中編っぽいのが2策あって、「わたし」が調停官になる前の学生時代の過去話と、謎の侵略者が現れた里で妖精さんたちとチームを組んでその侵略者を探しに行くお話です。
「わたし」の過去話は、最初はクラスから浮いていた「わたし」が徐々に「巻き毛」や「Y」と絡んでいく様がおもしろかった。というかのばら会の人間のギャップがことごとくやばい。特に髪フェチが尋常じゃないヤバさ。これは引くわ。
しかし終盤にいくにつれてなんかいい話っぽく仕上がっているのはこのシリーズらしいなー。「わたし」の境遇も最初に比べれば全然変わってるし。妖精さんとの出会いが「わたし」を大きく変えたのかもしれません。ていうかクスノキの里のあれが初邂逅じゃなかったんだ。
あとクリケットのネタは理解した瞬間吹き出した。
16×16ピクセルになってしまった里のお話は、もうなんかシュール以外の何者でもないな。
レベルが上がるごとにどんどんディティールが美化されていって調子にのる「わたし」も相変わらずですが、妖精さんの鬼畜さが今回は際立っていた。というかオヤジギャグで核爆発ってどういうことだよw 敵が不憫すぎるだろこれw まさに外道。しかしかわいいから許せ……うん許せるな。
というわけで久々に堪能した。おもしろかったです。
←『人類は衰退しました4』の感想へ
オオカミさんとおかしな家の住人たち [★★]
オオカミさんとおかしな家の住人たち (電撃文庫) うなじ アスキーメディアワークス 2010-01-10 売り上げランキング : 463 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
地味ぃ~な女の子、白鳥さんは実は超美少女さん。過去のトラウマが理由で男嫌いになり、本当の自分を隠しているとか。これまた御伽銀行が彼女のために暗躍するのだが……。
一途な男もいるのだと知れば、彼女の考えも変わるはず。そのりんごさんの安直な発想から、犠牲になるのはやはり亮士くん。「本能丸出しのときにこそ、本当の男が試されるんですの~」とばかりに、亮士くんは徹底した禁欲生活を強いられて……。そんなギラギラな亮士くんが選ぶのは白鳥さん? おおかみさん? 結果はいかに!?
アニメ化決定というおめでたい帯なのに内容は下ネタのオンパレードってどういうことだよw
もうりんごの自重のしなさが神がかっているんですが。この腹黒リの鬼畜さと黒さと図太さはラノベヒロインでも頭一つどころか二つも三つも飛び越えている気がする。もう本当に男心をえぐるはえぐる。亮士くんがマジ哀れでならない。
そして一応主人公という名目のはずの亮士くんの扱いが本当に色々と酷い。というかいじられすぎ。そりゃああそこまで精のつくもんばっかり食わされたら処理が追いつきませんよね。女子にはとうてい理解できないであろうこの辛さが! 亮士くんはすごい純情少年なので、りんごの毒牙にかかりまくりです。
そういや魔女先輩のことが語られたのがこれが最初だったっけ。
というか普通に魅力的な容姿なのにあの奇行の数々。でもおつうさんとは何かしら通じるものがあるってのは改めてわかったし、亮士くんにはけっこうすんなり本性明かしちゃった感じですね。そしてそのままおかし荘に住み着くんですか。
で、最後の最後に涼子さんのエピソードがくるわけですが、なにこれ超かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!
なにこれなにこれ嘘の毛皮を完全に剥いちゃうとうこうなっちゃうわけ!? これはいい涼子さんですねえ! ちくしょうドッキリにガチ泣きしちゃう涼子さんマジでかわいすぎる。これはやられた。すべてを持っていった。もう序盤の下ネタのオンパレードとか全部チャラにしてもお釣りがくるものを見せてもらいました。
亮士くんもまあ基本スペックがヘタレだけどやるときはやる男ですからね。ちゃんとしっかり涼子さんの特別になれてよかったじゃないですか。ようやく報われたと思ったけど、別にこれ付き合ってくださいとかそういうんじゃないから、それはまた別の機会になるのかな。
とりあえず終始ニヤニヤできる一冊でありました(他意は多く含みます)。
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みにくいあひるの恋2 死にぞこないの人魚姫 [★]
みにくいあひるの恋 2 (MF文庫J あ 2-14) みことあけみ メディアファクトリー 2009-12-22 売り上げランキング : 15320 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
八月一日。学校にみんなで泊まって共同生活をする『夏期特別学級』が始まった。そんななか、陀衣とあひるが前よりも親しくなっていること――図書室で一緒にいたり、病院に連れさられそうになったあひるを陀衣が助け出したりしたことは、生徒たちの興味の的になっていた。お騒がせ女王・遊菊は、「二人を理想の公認カップルにしようじゃないか」と言い出して、あひるを怒らせてしまう。だが、遊菊の本当の目的が、あひるの『病』を克服する薬探しだと知って、陀衣はあひるの恋人役をつとめながら遊菊に協力することに。一方、陀衣の『妹』の茜子は、陀衣があひるに関わることに深く傷ついていて……。せつない思いが交錯するピュアなラブストーリー、第2弾!
夏期特別学級という時期に、陀衣とあひると遊菊で恋の病の特効薬といわれる「人魚の肉」を探しに行くお話。
とりあえず陀衣があっちこっちにふらふらしすぎなんだよなこれ。
いや終盤はちゃんと覚悟決めて髪までバッサリいっちゃったんだけどさ。でもそれで本当にいいのかね。この世界ならたいていの人は「妹」や「姉」と一生を共にすることになるんだろうけど、もうっちょっと自由恋愛を楽しんでもいい気がする。まあたぶん続くと思うんでこんなところであひると、はいさようならするとは思いませんけどね。
でもこれは茜子から見ても辛いですよね。
いままで愛情を注がれたと同時に注いできたはずの「兄」が、ぽっと出の女に取られようなら反抗する気も起こるわけですけどもちょっと甘すぎる。まあ「妹」としての武器には強力なことに違いないけれどね。そんな失敗を犯してしまった音忠とは共感し協力する仲になりそうですが、果たしてその選択でいいのか……。いずれにせよも、やたらハードな展開になってきたなあ。「人魚の肉」の効力然り。
次巻でこのハードな展開がもう少し緩和されるといいのだけれど、恋する若者はどんな奇跡を起こすのかな。
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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん9 始まりの未来は終わり [★★]
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈9〉始まりの未来は終わり (電撃文庫) 左 アスキーメディアワークス 2010-01-10 売り上げランキング : 100 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
長瀬透が殺された。
そのあと、変な奴から殺人声明の電話が掛かってきた。
でも、僕の人生に一片の起伏もない。僕とまーちゃんの毎日は、それでも何も変化しなかった。
僕は長瀬の死を知らされても、涙も流さなかった。
教室にある長瀬の机の引き出しには、教科書が残っていた。置きっぱなしは教師から注意されているのに。長瀬なりの反抗期かな、これ。 ……ははっ。ああ、良かった。僕はまだ、笑えたぞ。
これぞみーまーの、そして入間人間という作家の本領発揮だろう。
やっべえよこれ。やっべえよこれ麻薬かよ。みーくんの狂気は。3章から欠けて、4章からの狂気発したみーくんの独り語りは本当にすげえ。改行なしスペースなしの文章がおよそ10ページ続き、それが全てみーくんの虚言戯言。本当に意味をなさない、読み飛ばしても話が進むたわごとにして思考の駄々流し。けど信者の私にはむしろご褒美です。喜んで頂戴して、みーくんの狂気にどっぷり浸かりましたとさ。読むのすごい疲れるけどさ、もう慣れたよ、さすがに。
いままで死者を悼んだり慈しんだりしなかったみーくん。
だが今回ばかりはそうもいかない。長瀬透の死、「知り合い」を何者かに次々と殺されるクレイジーな状況で、完全にみーくんはトランス。狂気一転正気二転狂気。
それにしても、いままで誰もの死を軽んじてきたみーくんがここまで精神的にキてるとは思いもしなかったな。やはり長瀬透を始めとしてそれなりに親しかったし、まあなによりもまーちゃんがその殺人犯さんに誘拐されちゃったことが完全にみーくんのタガを外してしまったんだろうね。
壊れてしまいたいところを壊れたかのように演出し、みーくんという道化を演じ続けることを望んだゆえの現実逃避のツケが回ってきたってところですか。勝手にみーくんは「打たれ強い」というイメージがあったけど見事に瓦解しましたわ。
心身ともにボロクソになりながらも、湯女様のナイスアシスト(?)によって息を吹き返した嘘つき。
終わる前に、逃げる前に、なす事をなすために、嘘つきは立ち向かう。嘘まみれの日常を取り戻すために、復讐劇が幕を開ける? 次回完結なんだってねー。寂しいなー。なー。
それにしても湯女様とみーくんの掛け合い好きすぎるんだが。
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ダンタリアンの書架4 [★]
ダンタリアンの書架4 (角川スニーカー文庫) Gユウスケ 角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-01-01 売り上げランキング : 2735 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
郊外の寄宿学校に招かれたダリアンとヒューイ。上流階級の令嬢が集まる女子校で、“幻書”を探す二人は、中等部五年のジェシカと出会う。ジェシカの狙いは、学園に“幻書”を持ち込んだ、連続猟奇殺人犯ディフリングを見つけ出すこと。学園で相次ぐ神隠し事件、その被害者の一人はジェシカの親友だった。神出鬼没のディフリングに対し、ダリアンの仕掛けた罠とは――!? 悪魔の力を封じた書物“幻書”を巡る少女の冒険、第4弾!!
短編5編と掌編2編でお送りする久しぶりのこのシリーズ。表紙のダリアンマジ天使すなあ。
相変わらずの手堅い作風で短編といえど、しっかりと起承転結の立つ物語性はさすがです。さすがにそろそろネタ付きてくるだろうなと思った私が阿呆でした。でもホントすごいよなあ、短編なのにちゃんと一本一本山場があるんだから。サブヒロイン的なキャラの配置もうまいし。
幻書に取り憑かれた人の様々な末路が今回も見えました。こういういわゆるヤラレ役はたいてい幻書の力に溺れて読姫としてのダリアンによって葬られるオチなんですが、「調香師」のお話はそれとはまた一風違った見せ方でしたね。というかこのお話のお姉さんは普通に善良な人で、なんだかああいう結末は心苦しかった。匂いは嘘をつかない、ね。雰囲気としては「幻曲」のお話もこれに若干似てて好きだった。
そして相変わらず終始ダリアンかわいいよダリアンに尽きる一冊でした。次巻もまたこのいつも通りを期待。
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龍盤七朝 ケルベロス 壱 [★★]
龍盤七朝 ケルベロス 壱 (メディアワークス文庫 ふ 1-1) アスキー・メディアワークス 2009-12-16 売り上げランキング : 2507 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
三首四眼五臂六脚、戦場に現れ一軍をも滅ぼすという――これは未だ生まれぬ“怪物を殺す怪物”の物語。
不死にして無敵の怪物、覇王ラガンに七国が蹂躙されていた時代、ひとつの街に、三人の半端者が流れ着いた。
口八丁のヒョウ使い。突くべき鐘を持たない鐘突き男。亡国の皇姫を名乗る小便餓鬼。奇妙な三人が出会う時――もう一匹の怪物が、凄まじい産声を上げる……!!
奇才・古橋秀之が放つ、乾坤一擲、渾身の中華ファンタジー!
またすっげーのを読んでしまった気分だ。まさしく「圧巻」の一言に尽きる。血が滾るぞ。
発売される前は待ち焦がれた「ドラゴンバスター」の続編がついに!!――と思っていたら、また違う舞台だったりキャラだったりしていました。というよりこれ書いてるの秋山瑞人じゃなくて古橋秀之だからな……。
なにがすげえってこれ一冊で蘭珈の挫折も絶望も本能もプライドも、ほぼ余す所なく描かれているところ。これ以上ないエンターテイメントな導入部も珍しい。というかもう一文字一文字から力を感じた。ページを繰る手が止まらない類のやつだ。
最終目的はとある化物を倒すことなんですが、これがまたとんでもない化物でして、絶対殺せねえよと思ってしまうほど圧倒的な力を持つ存在でした。
始めは殺したいほど憎んでいた廉把やとらえどころのない浪无と、じょじょに馴れ初めていくところも良かったです。廉把と蘭珈なんてもう家族同然の付き合いになっているし、やはりそこにいたるまでの経緯がカッコよかった。マジで殺っててもおかしくなかったしね。
そんな感じで今後にかなり期待の掛かる中華武侠小説でした。
さて、一番の問題は続きがちゃんと出るかってことなんだけど。とりあえずドラゴンバスターの続きまだですか……?
成人式だった
あ、成人式いってきました。
ともかくもう懐かしい面々と再会しつつ式後は高校→中学→中学クラスの飲み会に顔を出し、懐かしいあの日々を語り合ったり近況を報告しあったりと、行ってよかったと思います。ああ、でもデジカメくらい持っていくべきだった。他の人のカメラには映りまくったんだけど。つーか身長低いのでいかんせんフォーマルな格好は似合わないんですけどね。
しっかし、変わらないやつもたくさんいますが、変わったやつもいっぱいいました。知り合いじゃなかったら絶対に話しかけないようなイカついやつとかいたし、あと喫煙者がたくさんいた。中3で同じクラスで男子一同から「姐さん」って呼ばれていた人がいたんですが、すんげえヘビースモーカーになっててびびった。そんで見た目は無害な黒髪美人だっつーんだから不公平な世の中ですよね。まあそれは胸中に収めつつ「姐さんお久しぶりッス!」と男子一同でお酌してきました。マンガのヒロインか。
ヘビースモーカーばっかりでもうタバコのにおいがやばかったんですが、私も半ば出来上がっていた状態だったんでそれほど気にしなかったはず。それより帰宅した後でスーツににおいが染み付いて大変でございました。
あとは、まあ、やっぱり飲み会の話題はもうヤったとかヤらなかったとか、いま彼女いんのかとかどうとか、そんな話ばっかりでしたね。私は多くは語らなかったけどな! リア充の話を聞くだけでお腹いっぱいなんで!
あー、それと感想の書き方をちょっと簡略化しました。ちょっといままで時間かけすぎましたので。
感想書くシリーズを減らすという手もあったんですが、それやると細かいA型精神が働いてしまってもどかしくなっちゃうんですよね。ですので、1つの感想の文章を減らして多くの感想を残そうと思いました。今のやり方だと感想一つ一時間だったのが十五分くらいになった。3つ書いても一時間掛からない計算。
ただ多くを語りたい作品もやっぱりでてくると思うんで、まあそこら辺は要所要所ということで。
新アニメのお話を簡単に。初回の感想はまた別に書くと思います。
ひっととーり観たいのは観ましたが、まず最初にいいたいことははなまる幼稚園半端ない。
すいません正直嘗めてました。ただのロリコン御用達のアニメだろって思ってました。負けました。断じてロリコンではないと主張しますが、それを差し引きしても普通に和むアニメでした。園児もかわいいけど、やっぱ山本先生だよな。うん、結婚してください。でもあの設定はどうかと思うけどね。
色々話題性が高かったソラノヲトはいまんとこ雰囲気アニメっぽい。まあどっちに転がるかはこれからに期待です。
あとはおおかみかくしが八朔アニメだってことはわかった。雰囲気がいかにも竜騎士07っぽい。
【2009年12月度三ツ星ラノベ】
ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫) abec アスキーメディアワークス 2009-12-10 by G-Tools |
感想はこちら
キリトさんマジパねえッス! そのフラグマジパねえッス!!
とある飛空士への恋歌3 (ガガガ文庫) 森沢 晴行 小学館 2009-12-18 by G-Tools |
感想はこちら
怒涛のごとく容赦ない空戦シーンは読んでいて辛かった。そして『追憶』のあの人がががが
【二ツ星】
SH@PPLE―しゃっぷる―(7) (富士見ファンタジア文庫) よう太 富士見書房 2009-11-20 by G-Tools |
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色々もどしかくて叫びたくなった一冊。いいから早く続きが読みたい
機巧少女は傷つかない 1―Facing“Cannibal Candy” (MF文庫J) るろお メディアファクトリー 2009-11-21 by G-Tools |
感想はこちら
結構好きなタイプのバトルモノだったので、応援して行きたいところ。るろお絵で和服は反則
15×24link two―大人はわかっちゃくれない (集英社スーパーダッシュ文庫) 箸井 地図 集英社 2009-09 by G-Tools |
15×24 link three 裏切者! (集英社スーパーダッシュ文庫) 箸井 地図 集英社 2009-10-23 by G-Tools |
15×24 link four Riders of the Mark City (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-4) 箸井 地図 集英社 2009-11 by G-Tools |
感想→[link two/three/four]
大晦日の東京を舞台に繰り広げられる群像劇。話の広げ方がすごい
カンピオーネ!〈5〉剣の巫女 (集英社スーパーダッシュ文庫) シコルスキー 集英社 2009-11 by G-Tools |
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草薙ハーレムに神剣使いの最強巫女推参。ただしエリカ回であることを忘れなきよう!
会長の切り札 逆転プランの用意あり! (角川スニーカー文庫) KeG 角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-11-28 by G-Tools |
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予定調和ぽかったけどキレイな終わり方だった。新シリーズにも期待
生徒会の七光 碧陽学園生徒会議事録7 (富士見ファンタジア文庫) 狗神 煌 富士見書房 2009-12-19 by G-Tools |
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とにかく知弦さんが一番かわいいということだ。それ以上はない
12月にキーワード検索が多かったラノベTOP5
ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫) abec アスキーメディアワークス 2009-12-10 by G-Tools |
とある飛空士への恋歌3 (ガガガ文庫) 森沢 晴行 小学館 2009-12-18 by G-Tools |
空ろの箱と零のマリア〈3〉 (電撃文庫) 鉄雄 アスキーメディアワークス 2010-01-10 by G-Tools |
緋弾のアリア 5 (MF文庫J あ 5-8) こぶいち メディアファクトリー 2009-12-22 by G-Tools |
プシュケの涙 (電撃文庫) 也 アスキーメディアワークス 2009-01-07 by G-Tools |
11月までほぼ無双状態だった聖剣の刀鍛冶が退場。SAOと恋歌の双璧状態だった。
うちはなんか零のマリアとアリアがヒット率高いなー。結構な頻度でいる。あとなんでいまさらプシュケ?
以下はいつもながらの読書メーター。あと去年一年間の読書数など。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない5 [★★]
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫) かんざき ひろ アスキーメディアワークス 2010-01-10 売り上げランキング : 1 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「じゃあね、兄貴」──別れの言葉を告げ、俺のもとから旅立った桐乃。……別に寂しくなんかないけどな。
新学期。平穏な高校生活を謳歌する俺のもとに、奇妙な後輩が現れる。「おはようございます、先輩」
俺は、黒猫(クロ)の人間としての真名を知り、より深い“絆”を築いていくことになる。“妹”と“親友”。ともに大きなものを失った二人は、数多の思想が渦巻く校内で、“魔眼(マガン)遣い”の少女と対峙する。
“稀少能力(レア・アビリティ)”を持つ少女に、俺と黒猫は圧倒され、異空間へと誘(いざな)われ……!!
“日常”と“非日常”が交差するとき、物語は始まる──!!
読む前は読書メーターの感想がどれもこれも「黒猫かわいいよ黒猫」で、いったい何があったんだと思ったらマジで黒猫かわいいよ黒猫だった。黒猫の制服姿もまあ新鮮だったし、本名が瑠璃とかちょっときれいすぎだろ……とか思ったりもしましたが、まさかこいつにデレ期が訪れるとは思いもしなかったよ。まさかほっぺにチューとか……。
そしてクソうざったい桐乃がいなくなって読むのが楽しいなあ、と余裕をカマしていたら不意打ちを食らった。この新キャラで眼鏡でおっぱいがでかくて若干地味子と被る(地味子の乳のデカさは知らん)瀬菜とかいう後輩キャラがやってくれやがりました。なにこの変態。もう一度言う、なんだこの変態は!! おいまさか正真正銘のオールジャンル腐女子きちゃったよ! 「私守備範囲広いですよー」とか自分で言っちゃったよ! そして何よりもこいつのカップリングスキル半端ねーぞ! これは京介泣いてもいい。
いやー、なんか今回は同人ゲームを作るお話だったんですが、結構熱かったな、これ。
始めは黒猫の自己満足のオナニー作品上等はどうかと思ったけど、まあ確かに彼女のクリエイター精神に共感できるところも少なからずありました。「他人に受け入れられなければ、また次がんばればいい」「叩かれるのはすべて自分の責任」――等、黒猫はああいう性格で大分厨二病に毒されたイタい子には変わり無いんですけども、ちゃんとそれを知った上で挑戦しているのだからすごいところ。どんなに恥ずかしかろうがイタかろうが叩かれようが、「自分が本当に作りたいものを作らないでどうする」(悔しいけどこれ桐乃の言動なんだよね)という友人の言葉があったからこそ、黒猫も突っ走れたんだろうし、あれだけいがみ合っていた瀬菜も協力する気が起きたんだろうなあ。
まあ黒猫は才溢れて何でもそつなくこなす桐乃とは違い、根っから努力の子だからなあ。だからこういう「凡人は凡人なりに意地がある」っていう言い回しは結構惚れたかもしれない。
その後はまさかの渡米編。まあすぐ帰ってくるんですが、高坂家の親父がさすがすぎる。しかし京介すっかりシスコンに染まったな。どんだけ桐乃のこと好きなんだ。
シリーズで一番毒されてるのは京介というのはもう言わずもがなですが、もうこいつは立派なオタク兼シスコンと捉えてもいいはずです。それでもまあいい兄貴してるなあとは思いますけどね。変わったといえば桐乃も同じことが言えるか。もう黒猫のことも大好きなんだな、桐乃は。
いままでのシリーズで一番おもしろかった巻かもしれない。って桐乃もう日本いるんだっけ……とんぼ返り早いな(今更)
←『俺の妹がこんなに可愛いわけがない4』の感想へ
Le;0 2 -灰とリヴァイアサン- [★]
Le;0 2―灰とリヴァイアサン (一迅社文庫 む 1-3) 一迅社 2009-12-19 売り上げランキング : 155455 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
禁宮島は大蒜島を、顕九郎を狙うことを諦めてはいなかった。
奇襲によって、姫乃が灰になってしまうという大ピンチに陥った顕九郎たちの運命は!?
そして、大蒜島に流れ着いてきた、
ゴシックロリータと忍術を組み合わせたまったく新しい格闘術
「ゴスロリ忍法」を使う吸血鬼"緑青"の正体とは!?
六塚光がおくる渚の一大アクション、第2弾の登場です。
とりあえず一言いいですか。ゴスロリ忍法万能すぎる。
うん、正直私もこれゴスロリ関係ないじゃん!? とかツッコミを心のなかでしてしまいましたよ。でも重要なのはそんなことじゃないんだということにも気づきました。あなたが思うゴスロリ忍法がゴスロリ忍法ですってことなんですね、わかりました。じゃあ私もちょっとゴスロリ忍法使ってくるわ。……凄まじくどうでもいいけど「ゴスロリ忍法」って語感良いよね。その分のインパクトもでかいんだろうなあ。このシリーズ読んでない人がゴスロリ忍法って聞いたら何を思い浮かべるんだろうか。
さてゴスロリ忍法は置いておきまして、物語の方です。一巻がおもしろかったので、続刊も期待していたのですがちゃんと答えてくれてうれしいなあ。
序盤で大蒜島と禁宮島の争いに第三勢力が加入したことにより、まさかあの姫乃さんが不意打ちといえど片腕を吹っ飛ばされる痛手を食らった顕九郎。というか顕九郎は姫乃さんがいないとただのヘタレだな。これはマザコンとか言われてもしかたない。
顕九郎を中心とするテンポのよい会話中心の日常パートも魅力なんだけど、このシリーズのすごいところは勢力争いがきちんとしているところ。各勢力の思惑が絡み合い、少しでも自分の勢力の力を上げようとする駆け引きやら、ちゃんとその勢力の暗部もしっかりとしているところが読み応えを感じさせるいシリーズなんだと思います。
続刊も楽しみ。またインパクトのデカい格闘術出してくれるのかなー。ドキドキ。
←『Le;0 -灰とリヴァイアサン-』の感想へ
“文学少女”見習いの、傷心。 [★★]
DVD付特装版"文学少女"見習いの、傷心。(ファミ通文庫) 竹岡 美穂 エンターブレイン 2009-12-26 売り上げランキング : 245 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「きみが大嫌いだ」心葉にそう告げられてしまった菜乃。その日以来、心葉は本心を見せず、取り繕った笑みで菜乃に接するようになる。そんなのは嫌だ! と、夏休み、菜乃はある行動に出るが……。傷心の夏が過ぎ、秋。文化祭に向け賑わう校内で、菜乃はまた新たな出逢いを体験する。不吉な影を背負った少女。彼女に関わる中で、菜乃は彼女の、そして心葉やななせ、皆が様々に心に抱える闇と光を見つめることになる。もうひとつの"文学少女"の物語、第2弾!!
ななせ派だった私としては非常に辛かったんですが、この一冊。心葉どんだけななせブレイカーなんだ……。
一度フラれていて、でももしかしたらまた付きあえるかもしれないという一縷の希望を捨てずに、こんなにも健気にアタックし続けるななせはマジ良い子。しかしその想いが報われることは永遠にないだろうな……。まあななせを焚きつけた菜乃ちゃんも同じことではありますが。
しかし菜乃ちゃんも諦めが悪いというか、なんというか。雑草魂の塊みたいな人間ですね。
でもこういう子は嫌いじゃないです。たとえ見てくれなくても、その人に振り向いてもらうために一生懸命になるのはやっぱり応援しちゃうじゃないですか。遠子先輩になりきろうとして、でもそれが逆に心葉の心を逆撫でしているのに気づかずに突っ走っちゃうところは、悪い意味での空気読めないなんでしょうが。でもこのうざさが菜乃ちゃんらしいって言った瞳ちゃんは良い友達だなあ。
そして今回は演劇部と文芸部の共同戦線で演目「フランケンシュタイン」を作り上げるお話。
しかし練習中に不気味な現象で部員たちを脅かす正体不明の「怪物」が見えない嫌がらせを振り下ろす。この「怪物」と演劇部部長の過去がミソとなるんですが、なんとも後味の悪い愛憎劇だなあ。まあ文学少女らしいっちゃらしいけど。
それにしてもラストでびっくり仰天でした。なんでおまえが……! って感じでしょうね菜乃ちゃんから見ても。
ついでだからDVDの感想も軽く。
最初は花澤ボイスの遠子先輩はやっぱり合わないなと思っていたけど、開始2分弱でそんなことはなくなった。観終わったら花澤以外ありえないと思うほど。遠子先輩の文学がたりな演出も良かったし、掌編ストーリーとしては満足のいくデキだったと思います。ただ作画がちょっと不安定なところが怖い。あとななせの髪が……。
←『“文学少女”見習いの、初戀。』の感想へ
緋弾のアリアⅤ 序曲の終止線 [★]
緋弾のアリア 5 (MF文庫J あ 5-8) こぶいち メディアファクトリー 2009-12-22 売り上げランキング : 311 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
東京武偵高校、そこは武力を行使する探偵――通称『武偵』を育成する特殊な学校。強襲科の超エリートでSランクの最強武偵・アリアのパートナーに選ばれてしまった(普段は)ただの一般人・遠山キンジの前に、犯罪組織『イ・ウー』のリーダーである『教授』がついに姿を現した。しかし、その人物はアリアにとって、かけがえのない大切な「あの人」で――。キンジに銃を向けるアリア、避けられない運命、二人の前に立ちはだかるのは全てを予知する力――『条理予知』。それはまだ始まりの終わり、舞い戻る日常、新たなる敵――。大スケールアクション&ラブコメディー第5弾!!
ごめん、ちょっとこれは正直読むの辛くなってきた。
あんだけつええつええ言われてたイ・ウーの面々がいて、その頂点たる『教授』があんな特攻でやられて、『緋弾』としてのアリアが目覚めてその力が云々だとさんざん聞かされて、正直「ええ……」って感じだった。4巻なんだったんだよ……これ茶番だろ……。2巻のジャンヌ戦がかわいくみえる。というか正直ここまでバトル要素詰め込まなくてもよかった気がするんですが。
そんでこれで「まだ」序章だっていうんだから、もうついて行ける気がしない。ここでレキがやってくれるのか。
せっかくの山場だったのにバトルも全然燃えなかったし、というか一旦負けて仕切り直すとかならまだよかったんだけど、急ぎすぎなんじゃないですかね色々。だからアリアと袂を分かちそうだったところも全然きゅんとこなかったんだけど。
ただその後の白雪の妹だとかサッカーのお話だとか、ぎりぎりのところで留年が危ぶまれていたキンジの単位を取り戻すところは普通におもしろかったんですけどね。
超展開を楽しむってしても限界はありますし、ちょっと次巻の購入は保留するかもしれません。
←『緋弾のアリアⅣ 堕ちた緋弾』の感想へ
バカとテストと召喚獣7 [★★★]
さあさ、アニメもついに始まります。今が旬ですバカテス7巻!
今回は体育祭のおまけ種目である召喚獣野球メインの話。
姫路さんは料理も殺人級だけど、まさか投球も殺人級だったなんて……。恐ろしい子。
しかしだな、やはり今回は雄二と明久のバッテリーに燃える回だと思うんだよね。こいつらホントいい友達だよなあ。あと秀吉は萌え殺す気か。
バカとテストと召喚獣7 (ファミ通文庫 い 3-1-9)
シアター! [★★★]
実は初めての有川浩だったんですが、これがかなりおもしろかったという。MW文庫では今んとこ一番。
色々語りたいところはあるのだけれど、なんといっても生き生きとしたキャラのバイタリティが素晴らしい。登場人物は総じて「少年少女」と呼べる年齢じゃないけど、そんなもん気にもならなかった。
単なる演劇モノではなくて、ちゃんとドラマを描いていた印象。ホントに素晴らしかった。そして千歳のモデルはみゆきちだったのか。
シアター! (メディアワークス文庫)
氷結鏡界のエデン2 禁断水晶 [★★]
2010年初めての感想はこのシリーズで始めたいと思います。今年もどうぞよしなに。
というわけで、この氷結鏡界シリーズでありますが、今回は浮遊大陸を守護する巫女についてのあれこれが語られた印象。それにしてもまたこのシリーズもシェルティスとユミィの間にデカい壁をおっ立ててきましたねえ。この残酷なまでの運命に彼らもちゃんと立ち向かうのがすごいんですが。
氷結鏡界のエデン2 禁断水晶 (富士見ファンタジア文庫)
えそら的2009年アニメ10選+α
明けましておめでとうございます。ついにゼロ年代が終わりました。今年もよろしくお願いします!
コミケは結局二日目しかいきませんでした。お金的な問題ばっかりはどうしようもねーや。
でも岸田さんと二言三言言葉を交わした上に握手までできたのは、すごく嬉しかったなあ。もうこれだけで満足だ。
あ、売り子をさせていただいた(といっても最初の二時間は買い物に奔走してましたが)ラ管連スペースの新刊・再版分の売上はすごく好調でした。最終的に新刊の方はほぼ完売ということまでなりまして、お買い上げいただいた皆様ありがとうございました。著者近影はスルーしろよ。
というわけでですね、今年最初の記事はコミケで満身創痍になりながらも2009年観たアニメを私的にまとめてみます。何度でも言いますが、これは一個人の意見ですので耳を傾けるも傾けないも、参考するもしないもあなた次第でございます。本当は年内に書ききりたかったんですが、ガキ使観てたらいつの間にか新年になってました。
対象作品は2009年に終わったものなので、去年の秋季アニメから2クールで食い込んでいるものもありますのでそこは容赦ください。昨年はランキングだったけど、順位つけるの面倒だったんで10選という形にしました。でも挙げた作品はどれも甲乙つけがたいものだと思うので、機会があれば是非観てみてはいかがでしょう。
と、いうわけでまずは対象作品。
○とある魔術の禁書目録
○とらドラ!
○CLANNAD ~AFTER STORY~
○屍姫 玄
○天体戦士サンレッド
○みなみけ おかえり
○続 夏目友人帳
○ドルアーガの塔
○WHITE ALBUM(後編含)
○鉄腕バーディーDECODE:02
○まりあほりっく
○明日のよいち!
○黒神
○鋼殻のレギオス
○RIDE BACK
○Pandora Hearts
○涼宮ハルヒの憂鬱
○シャングリ・ラ
○けいおん!
○ハヤテのごとく!!
○咲 -saki-
○東のエデン
○うみねこのなく頃に
○青い花
○大正野球娘。
○化物語
○かなめも
○GA―芸術家アートデザインクラス
○狼と香辛料Ⅱ
○東京マグニチュード8.0
○CANAAN
○宙のまにまに
○けんぷファー
○にゃんこい!
○生徒会の一存
○そらのおとしもの
○聖剣の刀鍛冶
○DARKER THAN BLACK -流星の双子-
○ささめきこと
○ミラクル☆トレイン
計、全39作品。単純計算で1クール10作品。今年も結構観てましたねー。
というわけで興味のある人だけ以下に続く。