俺の妹がこんなに可愛いわけがない5 [★★]
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫) かんざき ひろ アスキーメディアワークス 2010-01-10 売り上げランキング : 1 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「じゃあね、兄貴」──別れの言葉を告げ、俺のもとから旅立った桐乃。……別に寂しくなんかないけどな。
新学期。平穏な高校生活を謳歌する俺のもとに、奇妙な後輩が現れる。「おはようございます、先輩」
俺は、黒猫(クロ)の人間としての真名を知り、より深い“絆”を築いていくことになる。“妹”と“親友”。ともに大きなものを失った二人は、数多の思想が渦巻く校内で、“魔眼(マガン)遣い”の少女と対峙する。
“稀少能力(レア・アビリティ)”を持つ少女に、俺と黒猫は圧倒され、異空間へと誘(いざな)われ……!!
“日常”と“非日常”が交差するとき、物語は始まる──!!
読む前は読書メーターの感想がどれもこれも「黒猫かわいいよ黒猫」で、いったい何があったんだと思ったらマジで黒猫かわいいよ黒猫だった。黒猫の制服姿もまあ新鮮だったし、本名が瑠璃とかちょっときれいすぎだろ……とか思ったりもしましたが、まさかこいつにデレ期が訪れるとは思いもしなかったよ。まさかほっぺにチューとか……。
そしてクソうざったい桐乃がいなくなって読むのが楽しいなあ、と余裕をカマしていたら不意打ちを食らった。この新キャラで眼鏡でおっぱいがでかくて若干地味子と被る(地味子の乳のデカさは知らん)瀬菜とかいう後輩キャラがやってくれやがりました。なにこの変態。もう一度言う、なんだこの変態は!! おいまさか正真正銘のオールジャンル腐女子きちゃったよ! 「私守備範囲広いですよー」とか自分で言っちゃったよ! そして何よりもこいつのカップリングスキル半端ねーぞ! これは京介泣いてもいい。
いやー、なんか今回は同人ゲームを作るお話だったんですが、結構熱かったな、これ。
始めは黒猫の自己満足のオナニー作品上等はどうかと思ったけど、まあ確かに彼女のクリエイター精神に共感できるところも少なからずありました。「他人に受け入れられなければ、また次がんばればいい」「叩かれるのはすべて自分の責任」――等、黒猫はああいう性格で大分厨二病に毒されたイタい子には変わり無いんですけども、ちゃんとそれを知った上で挑戦しているのだからすごいところ。どんなに恥ずかしかろうがイタかろうが叩かれようが、「自分が本当に作りたいものを作らないでどうする」(悔しいけどこれ桐乃の言動なんだよね)という友人の言葉があったからこそ、黒猫も突っ走れたんだろうし、あれだけいがみ合っていた瀬菜も協力する気が起きたんだろうなあ。
まあ黒猫は才溢れて何でもそつなくこなす桐乃とは違い、根っから努力の子だからなあ。だからこういう「凡人は凡人なりに意地がある」っていう言い回しは結構惚れたかもしれない。
その後はまさかの渡米編。まあすぐ帰ってくるんですが、高坂家の親父がさすがすぎる。しかし京介すっかりシスコンに染まったな。どんだけ桐乃のこと好きなんだ。
シリーズで一番毒されてるのは京介というのはもう言わずもがなですが、もうこいつは立派なオタク兼シスコンと捉えてもいいはずです。それでもまあいい兄貴してるなあとは思いますけどね。変わったといえば桐乃も同じことが言えるか。もう黒猫のことも大好きなんだな、桐乃は。
いままでのシリーズで一番おもしろかった巻かもしれない。って桐乃もう日本いるんだっけ……とんぼ返り早いな(今更)
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「そう。『あるべき姿』なんて知ったことかと開き直ってしまうのよ。そうすればもう、葛藤なんてすることもないでしょう?独りよがりの自己満足?オナニー作品?知ったことじゃないわね。言いたいやつらには幾らでも言わせておけばいいのよ。私は私がやりたいものをやりたい
2010-01-19 21:21 :
ただ、それじゃ終われないでしょ!
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