龍盤七朝 ケルベロス 壱 [★★]
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三首四眼五臂六脚、戦場に現れ一軍をも滅ぼすという――これは未だ生まれぬ“怪物を殺す怪物”の物語。
不死にして無敵の怪物、覇王ラガンに七国が蹂躙されていた時代、ひとつの街に、三人の半端者が流れ着いた。
口八丁のヒョウ使い。突くべき鐘を持たない鐘突き男。亡国の皇姫を名乗る小便餓鬼。奇妙な三人が出会う時――もう一匹の怪物が、凄まじい産声を上げる……!!
奇才・古橋秀之が放つ、乾坤一擲、渾身の中華ファンタジー!
またすっげーのを読んでしまった気分だ。まさしく「圧巻」の一言に尽きる。血が滾るぞ。
発売される前は待ち焦がれた「ドラゴンバスター」の続編がついに!!――と思っていたら、また違う舞台だったりキャラだったりしていました。というよりこれ書いてるの秋山瑞人じゃなくて古橋秀之だからな……。
なにがすげえってこれ一冊で蘭珈の挫折も絶望も本能もプライドも、ほぼ余す所なく描かれているところ。これ以上ないエンターテイメントな導入部も珍しい。というかもう一文字一文字から力を感じた。ページを繰る手が止まらない類のやつだ。
最終目的はとある化物を倒すことなんですが、これがまたとんでもない化物でして、絶対殺せねえよと思ってしまうほど圧倒的な力を持つ存在でした。
始めは殺したいほど憎んでいた廉把やとらえどころのない浪无と、じょじょに馴れ初めていくところも良かったです。廉把と蘭珈なんてもう家族同然の付き合いになっているし、やはりそこにいたるまでの経緯がカッコよかった。マジで殺っててもおかしくなかったしね。
そんな感じで今後にかなり期待の掛かる中華武侠小説でした。
さて、一番の問題は続きがちゃんと出るかってことなんだけど。とりあえずドラゴンバスターの続きまだですか……?
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