スクランブル・ウィザード6 [★]
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特別対策局への復帰が決まった十郎は、過去を乗り越えるべく、能勢と決着をつけようとする。そんな中、有名魔法士としてテレビ出演など多忙な日々を過ごしていた月子の前に、能勢が突如姿を現した! 能勢は月子に「十郎を殺す」と告げるが、月子は、十郎のことを心配するあまり、そのことを周囲に打ち明けられない……。決断と葛藤が交錯する第6巻!
意外に能勢にまだ人間味や人情が残っていたことが意外。
てっきりもうPM社に魂を売り渡しきって、対策局には非情になると思ったのに。渋いおじさまの淵上局長とのバトルは見ごたえありましたけど、まだ能勢は十郎に対しては冷酷になりきれていない気がする。情が移ったとかそういうんじゃないと思うけど、なんなんだろうなこれは。でもその他に対しては本当に歩く殺戮機械もいいところなんだよね。今回の十郎との戦いは中途半端に終わってしまったけど、また対峙する機会はあるんだろうか。
さて、月子の境遇はいよいよただの12歳の少女には重過ぎる荷になってきたぞ。
祖父からは政治的権力の圧力を受け、ただでさえ魔法士という特異な人種なのに人気者として世間からは祭り上げられ、背負うものの重さが生半可ではない。たった12歳の小学生女児に対し、それはあまりにも重過ぎる。しかし、そんな重さにも月子は耐え、周りに流されず、自分の意思を持ってまっすぐに生きている。彼女の支えは、拠り所はたくさんあるのだから。それは、ふつうに考えればすごいことなのではないでしょうか。
けれど老獪な爺さんの陰謀は、月子へまだ爪を隠している。それが容赦なく振り下ろされる時期は、近い。
いやいや盛り上がってきましたね。今回はなんか次回の布石的なものだったので、次回がとても楽しみ。
十郎と月子はますます離されてしまうことになるけど、ふたりならきっと何とかしてくれると信じている。
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