

機巧少女は傷つかない1 Facing''Cannibal Candy'' [★★]
富士見の「白夢」といい、るろお絵ならもう無条件で買っている私がいます。
いやでもこの表紙を見てください。この和装にスカートという聞こえは変な取り合わせですが、これをなんの違和感もなく描いてみせるいい仕事っぷりときたら。というかいつも思うけどるろお絵って紐とかリボンとか過剰だよね。そこがまたこだわりがあっていいんですけど!
お話もイラストに負けてはいません。少年漫画的なわかりやすくかつ熱いバトルモノだし、話も割とすんなり進んでいくんですけど、そういうテンポの良さとかはやっぱり武器だと思う。今後が楽しみなシリーズ。
機巧少女は傷つかない 1―Facing“Cannibal Candy” (MF文庫J)

機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。その最高学府である英国ヴァルプルギス王立機巧学院では、人形使いのトップ「魔王」を決める戦い、通称「夜会」が開催される。そして今、二つの影が学院の門をくぐった。日本からの留学生・雷真と、そのパートナーたる少女型人形の夜々である。「夜会」参加資格を得るため、雷真は参加予定者との決闘によりその資格を奪おうとする。標的は次期魔王有力候補で、暴竜の異名をもつ美少女・シャル! しかし雷真が彼女に挑んだところ、思わぬ邪魔が入り……? シンフォニック学園バトルアクション!
復讐の名のもとに、少年は機巧少女を従え「魔王」に挑む――!
メインヒロインである機巧少女(マシンドール)の夜々ちゃんが、見た目は清楚であどけない少女なのに、言動がかなり卑猥でちょっとヤンデル入ってるけどなんなんですかこの子かわいい。
主である雷真にも物怖じしない態度で迫る彼女。会話の中にもさりげなく雷真と結ばれようと画策するのが見え見えな夜々ちゃんがとてもかわいいです。そんな彼女を雷真はあしらいつつも、ひときわ戦闘となれば的確な指示と見事なコンビネーションを見せるのだからカッコいい。これこそまさに主従の絆と言えましょう。雷真が夜々ちゃんに編み上げブーツをプレゼントするところは、そんなのが見えて良かったですねぇ。というか雷真もなかなかなカッコつけだよね。
かわいいのは夜々ちゃんだけではありません。
シグムントというドラゴン型の機械人形(もはや人じゃないけど。どっちかといえば魔法生物的な)を従える孤高な少女・シャルロットもなかんかヒロインとしてはキャラが強いです。容赦も慈悲もない戦闘スタイルを持ち、周りの生徒たちには「暴竜」と恐れられるプライドが高い少女。シグムントいわく、そんな彼女は人知れず優しい一面を持っていたり、実は手芸が趣味だということを知らされたときは、その猛禽のようなツンデレさと合わせてギャップに悶え死にしそうでした。
今回はこのシャルが絶体絶命のピンチなところを雷真が助けるみたいなお話なんですけど、雷真がなんかヒーローすぎるなこれ。体は傷だらけ、信念も打ち砕かれ、絶望に打ちひしがれるシャルを命をかけて救い、立ち直らせる雷真がカッコいい。やっぱり少年漫画的だなあ、熱い。
あれ、この1巻通じて思ったことが「雷真かこいい燃える」に傾いているぞ……。
まあともあれ少年漫画的なんだけど、ラブコメ度が低いということはなく、非常にバランスがいいと思います。
魔術や人形使いという前世紀の時代設定とゴシックな世界観で紡がれるお話は、テンポもよくて1巻としてのつかみとしてはこれ以上はないんじゃないでしょうか。これなら1巻の時点でイメージCDが出るのも頷ける……まあこれはやりすぎだと思うけど。
特に気になるとか疑問に思う点もなかったし、ストーリーにはかなりのめり込めたので次巻以降も楽しみではありますが、欲を言えば戦闘描写をもうちょっとわかりやすくしてほしかったです。まあ設定上仕方ないといえばないんですが……。
ということで面白かったです。MFにまた楽しみなシリーズが増えました。普通にオススメです!
それと一つ言わせてください。和服に編み上げブーツという組み合わせは私的にすごくありです!
↓ちなみにイメージCDというのはこちら↓
![]() | 「機巧少女(マシンドール)は傷つかない」プロローグEP「MACHINE DOLL」 原田ひとみ メディアファクトリー 2010-01-22 by G-Tools |