民主党における「馬鹿の四乗」
■ 民主党が「直近の民意」に揺さぶられるとは…。「4の字固め」をかけたつもりが、逆にひっくり返されて悶絶の表情を浮かべるレスラーのようなものである。
□ 補選敗北、首相の求心力低下は否定できず
今回の衆院選北海道5区補選は、民主党にとって小沢氏が選挙戦に関与せずに臨んだ国政選挙という意味合いもあった。
党内には「候補者の知名度不足は決定的で、敗北は織り込み済みだ」と菅首相を擁護する声もある。岡田幹事長は24日午前、徳島県小松島市で記者団に「補選で一喜一憂することはない」と強調した。
中略。
首相の求心力低下は否めず、首相に近い議員からも「菅首相のもとで早期に衆院を解散しようという意見は完全に消えた」との声が上がっている。(2010年10月25日01時08分 読売新聞)
雪斎は、この「織り込み済み」という発言をした民主党政治家の実名を知りたい。
それは、選挙敗北を受けたコメントの中では、最も愚かな部類に属する。
民主党候補者や彼に票を投じた有権者に対して、まことに無礼な発言であるl。
他の「泡沫政党」の候補や関係者ですらも、こういう「織り込み済み」という発言はしないであろう。
この補選の結果、現在のの与党は、社民党を抱き込んでも、衆議院再可決に必要な議席に達しない状態に陥ったはずである。
議員全員が出席したとして、民主党を含む与党系312に社民党6を加えても、総議席480の三分の二である320には達しない。、実際は、出席議員総数410数台の三分の二だから、少しはハードルは下がるであろうけれども、それでもかなり微妙な情勢である。
自民党か公明党かが協力しなければ、民主党の安定した政権運営は、もはや進まないのである。
補選で争われた議席は、民主党にとっては、こうした事態を避けるために、維持されなければならない議席だったのではないか。
「織り込み済み」と発言できる神経が理解できない。
それにしても、この記事には、天を仰いだ。
□ 鳩山前首相 引退撤回か 側近議員「近く本人が表明」
毎日新聞 10月24日(日)10時11分配信
民主党の鳩山由紀夫前首相が周辺に対し、自身の進退について年内に改めて判断する考えを示したことが分かった。鳩山氏はこれまで来春に進退を判断する考えを示しており、これを早めた形。鳩山氏は22日からベトナムを訪問、政府要人と会談するなど、6月の首相辞任後も外交を中心に精力的に動いており、周辺では鳩山氏が引退を撤回するとの見方が強まっている。
「私どもが先陣を切って議論を進める」。鳩山氏は22日、国会内で開かれた民主党の「新しい公共調査会」初会合で力説した。公共サービスの担い手に市民らが参加する「新しい公共」は、鳩山氏が首相時代に提唱した理念。自ら党の調査会長に就任し、この問題への意欲を印象づけた。
鳩山氏は首相を辞任した後、中国(6、8月)▽ロシア(8、9月)▽米国(9月)▽韓国(10月)と既に4カ国を計6回訪問。中国の温家宝首相やロシアのメドベージェフ大統領らと、環境分野での技術協力などについて意見交換した。20日には超党派による「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」の会長にも就任。側近議員は「引退するようには見えない。近く鳩山氏自身が(引退撤回を)表明するだろう」と話す。
鳩山氏は首相辞任時に「次の総選挙には出馬しない」と語ったが、7月には後援会の会合で、進退について「来春の統一地方選のころを目安に結論を見つけたい」と述べていた。【朝日弘行】
民主党をガタガタにするという「党争」の観点からすれば、「いい球が来ました…」ということになろう。自民党サイドは、表向き唖然とした表情を浮かべつつも、内心、ほくそえんでいるかもしれない。小沢ネタに並んで、民主党を根幹から揺さぶるネタがまたひとつ増えたということになる。こういう「前言撤回」の態度は、世の人々から、間違いなく冷笑されるだけのものにしかなるまい。それは、民主党の党勢を削ぎ落とすのは、十分であろう。もし、雪斎が、鳩山の立場ならば、保身の都合上、表に出ることを避ける。「雉も泣かずばうたれまい」のであるl。鳩山は、とにかくVIP扱いされないと気が済まないようなので、結局、出てきたわけである。これだけ、阿呆な対応をしていると、政治家系としての鳩山家も彼の代で終りであろう。彼がそのことに気づいていないようであるのは、まことに憐れむべきことであろう。
とはいえ、民主党内閣は、現在の枠組のままならば、2012年までは続く。
次の選挙は、民主党の「壊滅」に終わるであろう。
残されるのは、「日本の停滞」だけであろう。「政権交代可能な政治風土」の定着などという話も吹っ飛ぶ。
民主党内閣の「失政」の尻拭いは、2012年に始まったとして2025年までは続くのであろう。近代日本の盛衰「40年周期」説に従えば、1945年に続き、2025年が「底」になる。それまでに、日本の「体力」が温存されていれば、2065年に向けた「復活」は、何とかなるであろうが…。「債務処理」にあと、15年も費やすのは、いたたまれない。
もっとも、日印経済連携協定正式合意は、まことに悦ばしい、
経済だけではなく安全保障を含めた「準同盟」関係のステップ・アップを早々に図るべきであろう。
「国内政治」カテゴリの記事
- 三ヵ月の空白(2011.08.28)
- 仏滅の内閣改造/与謝野馨という「トロイの木馬」(2011.01.14)
- 民主党における「馬鹿の四乗」(2010.10.26)
- 「過剰配慮」の代償(2010.10.19)
- 日本のナショナリズム(2010.10.17)
The comments to this entry are closed.
Comments
今回の補選に対する「織り込み済み」発言は「いくら何でもそこまで見苦しい責任逃れやるか!」と私も思いました。まだ公明党との連立という目があるという方もおられますが、民主党は人も悪ければ運も無い状態にしか見えません。雪斎先生なら多分分かるのでしょうが、運が無い相手と組むという選択肢はありますでしょうか?
鳩山前首相については、夫人か他の鳩山家の方が成年被後見人に認定する裁判を起こすべきでしょう。改正前の言葉で言うなら禁治産者として扱えと言う事です。そもそも、次の選挙で当選できると思っておられるのでしょうか? たとえ、邦夫氏の息子達が頑張っても、伯父の赫々たる悪名が足を引っ張って泣かず飛ばずで終わりそうです。邦夫氏が裁判起こしてもいいのですけど。大幅な世代交代抜きで、政治が復活する事が見込めなさそうなのが頭痛いです。
Posted by: almanos | October 26, 2010 03:30 PM
鳩山一族は、近代日本屈指の破壊王としてもう十分に名を残しました。
当代の弟は「日本の改革」を妨害して国民が自民党に愛想を尽かす原動力として、兄は日本の政治と政治家そのものを国民の嘲笑の対象にしてみせました。
思えば祖父は大正デモクラシーを殺した統帥権屁理屈の生みの親ですし、日本政治に纏わり付く呪いのような破壊の血の前に、彼を担ぎ出した小沢神話が微塵になるのは当然すぎたことかもしれません。
かの一族から日本人が学べることがあるとしたら、「政に貴族を頼るな。そんなものこの国に居ねぇ」ということでしょうか。
封建的意識からの安易な名門への寄りかかりへの警鐘と思えば、彼らの存在は厳しくとも貴重な道標かもしれません。
とでも思うしかないなぁ・・・
Posted by: KU | October 27, 2010 11:26 AM
「織り込み済み」ですか…酷いコメントですね。
民主党の補選の候補者は官僚出身と聞いています。彼は役所を辞めて退路を断ち切り、民主党の説得を受け、考えに共鳴して立候補したことでしょう。
そのような人物を、捨駒・当て馬のように「織り込み済み」と言い放つのは、(私は支持していない政党とはいえ)無慈悲な話です。
政治家には、自由もプライバシーも休日も生活保障も何もなく、潤沢なのは借金と非難だけ、寄るべきものは日本への愛着とより良き社会を創ろうとする意志だけというのに…捨駒のように扱われたのでは堪りません。
このまま行けば、次の衆院選で民主党は現有議席を守れないでしょう。その時に、民主党の政治家は落選した議員と秘書、政党職員・有権者に言うのでしょうか…「織り込み済みです」と。
Posted by: いしかわ | October 27, 2010 06:27 PM
次の総選挙もさることながら、民主党は、過大な議席の改選となる2013年の参院選でも議席を増やす見込みがないですからね。自民党からすると、政権奪還ということに加え、参院においてどのような連合を形成するか、はたまた参院改革につなげるか、課題も多いです。
ちょうど今のアメリカの民主党における上院が同じような立場なんですね。今の改選期でさえこの苦戦ぶり、大勝した議席の改選である2012年、2014年はよほどのことがない限り、上院で議席を減らすでしょう。まあホワイトハウスがどうなっているかも問題ですが、過大な議席に支えられた政権の脆弱性というのを感じます。
Posted by: KK | October 28, 2010 05:55 AM