中南海の「異変」
■ 本邦の党首・・総裁選挙よりも、国際政治上は、衝撃度の高い話になるかもしれない。
□ 中国系香港紙が異例の批判=外務省の習副主席取材予定変更
時事通信 9月11日(火)22時41分配信
【香港時事】中国系日刊紙・香港商報は11日、10日に予定されていた習近平国家副主席とデンマークのトーニングシュミット首相の会談がキャンセルされたことに関連して、中国外務省は事前に取材を受け入れると香港メディアなどに通知しておきながら、予定変更について何も説明しなかったと批判した。中国当局の指導下にある香港紙が中国当局を公然と批判するのは極めて異例。
また、中国系香港メディアは通常、中国メディアと同様、同国指導者の健康不安説に触れることはないが、香港商報は習副主席について「病気のうわさがある」と指摘した。
「次期国家主席」に異変が起こっているとすれば、相当に怖いことになりそうである。真相は判らない。病気説、「水泳中に背中を負傷」説、「交通事故」説、果ては「暗殺未遂」説まである。世界中のチャイナ・ウォッチャーが目下、躍起になって追いかけているはずである。ところで、ロイター通信が報じた「水泳中に背中を負傷」説というのは、全然、イメージが判らない。日本の芸人よろしく、「素人の飛び込み」をやったのか。
習近平の「安否」は、来月の党大会「になれば判ることである。もっとも、これも、そのまま10月開催となるのかは判らない。それにしても、習近平が公に姿を現したのは一日であるから、10日も姿を消していることになる。「体調を崩した」というレベルではない異変が起こったととみるのが、普通であろう。
もし、習近平が予定通りに国家主席になるこがないということになれば、どうなるのか。確実にいえることは、過去数年、「権力移譲」のために行われた一切の努力が、無駄になるということである。天皇陛下との「ゴリ押し」会見を含めて、習近平の御披露目に向けた努力が、あらかた水泡に帰すのであるL。
だとすれば、誰であれ、習近平の代役としての「次期国家主席」は、弱い政治指導者になるはずである。「本来、なるべきと認識された人物」と「なるはずではなかった人物」の間には、求心力において相当な開きがある。胡錦濤が引退を撤回して、「次期国家主席」の選びなおしをするという選択もあるかもしれないけれども、それでも、「中南海」の動揺は避けられまい。「中南海」の混乱から眼を逸らすために、日本に八つ当たりすることのないように、願いたいものである。
こういう「ざわざわとした感じ」は、レオニード・ブレジネフやコンスタンティン・チェルネンコの逝去の後の空気に感じられれたものと似ている。流石、「中南海」と「クレムリン」は、同類といったところか。「開かれた社会」で政治家を批判できる日本の空気は、何と幸いなることか。
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