中川昭一氏というとネットで目立った意見は「イケメン」だの「ダンディ」だのと言う外見
についての意見であり今一何をやってるのかと言うことが伝わっていなかった様な印象が
ありまして、皮肉な事に大臣を辞任した事で取り上げる機会となってしまいました。

ローマに於ける日本のマスコミ向け会見で呂律（ろれつ）が回らず、
マスコミ各社一斉に批判されたという話は既に報じられた通りです。

以下のような中川大臣の具合で会見をやり通したようですが、確かにこれは批判を受けて
も仕方がありません。但し、マスコミ各社や野党の言うような意味での批判を繰り返すのは
意味がありませんし、これら報道は状況からすると的外れであると言わざるを得ません。

※１０分５０秒付近で中川氏が激しく咳き込み水を飲む様子があります。

というのもそもそもご覧頂ければお分かりになられるでしょうが明らかに尋常ならざるご様子
なのは容易に見て取れる訳で、通常このような状況であれば当然に中川氏周辺の側近が
静止するのがまず考えられる対応であることは言うまでもありません。

時事ドットコム：「国民に申し訳ない」＝Ｇ７会見での醜態を釈明－中川財務相
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2009021600856

＞質問した民主党の中川正春氏、共産党の佐々木憲昭氏は、体調を考慮して会見
を遅らすべきだったなどと財務省の対応も問題視したが、同行した篠原尚之財務官は
「財務相に成果を直接説明してもらうことが大事だった」と答弁。同省の玉木林太郎国際局
長も「会見を迅速にするのが慣例だ」とした。会見に同席した日銀の白川方明総裁は
「体調が悪いとは思ったが、（酒に）酔っていたとは感じなかった」と述べた。

しかし、この記事によるとここまで憔悴した中川財務大臣を誰も止めようとはしなかった
ようでどうにもこの件は腑に落ちません。もちろん中川氏本人がこの体調で無理を押して
会見に望んでしまったことに瑕疵が無い訳ではありません。

＞「批判は真摯（しんし）に受け止める。国民に申し訳ない」と重ねて陳謝した。その上で、
「風邪を引いていたので、友人の医師から処方された風邪薬を（規定の）倍くらい飲んだ。
それが原因だと考えている」と答弁し、「深酒」が原因との見方を否定した。

それほどまでにお体に差し障りがあるような状態であれば政府の要人として今後の国会
審議も視野に入れ、会見は白川日銀総裁か随行した財務省の官僚などに任せる等の対応
が適切ではなかったかなどと考えざるを得ません。恐らく今後も政府要職に就く可能性もあり
ますからこの事を踏まえて学習し、ご本人の健康をまず第一に考え無理は禁物であると言う
事を徹底して頂きたいと思います。国益を代表する身であればその方の健康管理は最早、
危機管理と同義なのではないのかと考える次第であります。この事態は同行した篠原尚之
財務官や玉木林太郎国際局長、同席した日銀の白川方明総裁にも責任が無いとは言えず
寧ろ、中川氏周辺も何をやっていたのかと疑義を呈したくなります。国家の危機管理について
の責任は大臣と大臣ご本人以上に長く同じ政府機関に属してきた者にあると考えます。

↓こういう危機管理担当の人を常に総理近辺には随行させるべきでしょう。

↓ちなみに関連報道として当日の中川氏の様子。

中川氏を直撃「妻から叱責された」ヘロヘロ答弁の真相
http://www.zakzak.co.jp/top/200902/t2009021740_all.html

通常時の中川大臣による国会答弁をご参考までに。民主管議員の質疑に対し。

（追記）どうもサルコジさんもこの会見での喋りが怪しい事が発覚。



中川大臣辞任について主な海外での報道はこちら。

＜Ｇ７での中川財務大臣の功績＞

中川昭一財務大臣の功績を述べる前にこのような記事をご紹介。

世界四季報: 外貨準備高（福田元総理の辞任は）
http://4ki4.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-edd8.html

Electronic Journal: ●「福田首相が辞任した本当の理由」（ＥＪ第２４８４号）
http://electronic-journal.seesaa.net/article/112214327.html

「アメリカから日本が保有する全外貨準備高にあたる１兆ドル（約１００兆円）の提供を
求められた」という圧力があったらしいぞという記事なのですがこの事実の有無はともかく、

【円ドル人民元】「米住宅公社救済協力へ外貨準備活用案浮上」 (1/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080717/fnc0807172048018-n1.htm

＞渡辺氏は続けた。「米政府が必要とすれば日本の外貨準備の一部を公社救済のために
米国に提供するべきだと考えている」

この記事が正しいとするならば反米的傾向のあるマスコミ各社が麻生政権批判のために
持ち上げた渡辺喜美氏の正体がこれであり、米国から圧力があったどころか渡辺氏により
日本から米住宅抵当金融公社を日本の金で救済する話になぜかなっていたのでした。

しかしそういった米国を支援する動きから一線を画したのが麻生・中川の両氏のようです。

[金融不安]先進国なら自分で処理できるんでしょう（笑） - 璧を完うす
http://andreagritti.blog112.fc2.com/blog-entry-359.html

Ｇ７で日本の外準活用し各国支援を表明へ＝中川財務・金融相 | Reuters
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34236320081010

＞「米国だから、自分の国のことは自分の国で処理できると期待している」と述べた。

その代わり、世界経済に対して何もしないという訳ではなくＩＭＦに日本としては使えない
外貨準備金の一部（１０００億ドル）を拠出して国際的な発言力を高めるという策を講じた
訳なんですな。そこで下のネット魚拓をご覧頂きたいのですがおかしな事がありました。

記事の魚拓⇒ＩＭＦ拠出で署名＝過去最大の１０００億ドル－中川財務相

時事ドットコム：ＩＭＦ拠出で署名＝過去最大の１０００億ドル－中川財務相
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200902/2009021400138

魚拓取った記事と下の現在公開されている記事を見比べると下の方はごっそり、

＞加盟国支援が必要になった場合、要請を受けた日本が約１００兆円の外貨準備から
ＩＭＦに貸し付ける形で拠出する。加盟国による資金提供としては過去最大で、
ストロスカーン専務理事は「人類の歴史上、最大の貢献だ」と謝意を表明。
財務相は「有効活用を期待したい」と述べた。（了）

この部分が削除されております。何が時事通信社にあったのでしょうか。

削除された部分の発言は別のところでは報じられておりました。

Ｇ７後の会見での要人発言要旨 - 速報　ニュース：@nifty
http://news.nifty.com/cs/economy/stockdetail/reuters-JAPAN-364798/1.htm

＞◎ストロスカーン国際通貨基金（ＩＭＦ）専務理事（日本による資金支援について）

＞今回の会合の最大の具体的成果は、日本による（ＩＭＦへの）融資だ。率先して行動した
日本に謝意を表したい。今後もＩＭＦの資本倍増に向けた努力を続ける。日本による融資
は、これまで人類の歴史で最大のものだ。

魚拓を取った記事と現在の記事を比較して取り上げたのがこちらの「ピックアップニュース」。

日本前向新聞 :: ２月１７日の前向きニュース
http://blog.livedoor.jp/maemuki_news/archives/486654.html

更に中川氏は米国の保護主義的政策である「バイ・アメリカン条項」を批判する急先鋒
でもありました。Ｇ７以前からの批判はもちろんの事、Ｇ７に於いても批判しております。

時事ドットコム：保護主義排除で一致＝中川氏、バイ・アメリカンに懸念－日米財務相会談
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200902/2009021400072

＞中川財務相がさらに「大恐慌時代の教訓を生かさないといけない。断固とした強い決意
で（保護主義に）立ち向かわないといけない」と迫ると、長官は「強く同意する」と応じた。

またこちらの記事では日本のバブル後対応のように米国も資本注入をと要求しています。

金融危機対応、日本の経験発信を＝Ｇ７で米に資本注入促す－麻生首相指示
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200810/2008100700864

中川大臣のこれまでの発言や流れを考えると米国の金融機関は米国で資本注入せよという
米国に対する要求にも思えてきます。同盟国たる米国を含めどの国に対しても可能な限り、
毅然とした対応を取り続けてきた様子が見て取れると思われます。

麻生氏の中川氏に対する評価は以下の通り。

【麻生首相ぶら下がり詳報】中川財務相「仕事に関しては全く優秀な人を選んだ」（１７日夕）
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090217/plc0902172058017-n1.htm

逆に中川昭一氏で取り上げるべき失策は引退の切欠になった会見しかなく、この総理の
評価はいかに「盟友」中川氏に対するものであるにせよ。Ｇ７の働きだけを見ても至って妥当
なものであると当ブログ主は考えます。それだけに今のマスコミや野党の対応を鑑みると
日本経済に於ける指揮官であり、麻生氏の重臣である中川大臣辞任は残念でありました。

そしてＩＭＦ同様にＧ７で発表された日本の経済政策を評価すると表明したのが
今回のＧ７議長国であるイタリアの主要メディアでした。

【イタリア】伊メディアのＧ７論調：日本が保護主義けん制の先頭に立つと高評価 /NNA.EU
http://news.nna.jp/free_eu/feature/090212_eur/09/0215g.html

「ディリーヨミウリ」メルマガによると「中川財務・金融相は、発展途上国が先進国の金融
危機に巻き込まれた場合に、短期の融資を行なうことを発表をし、Ｇ７各国から高い評価を
与えられました。」とあります。

１０月１５日号〇中川財務・金融相、Ｇ７で高く評価〇 [まぐまぐ！]
http://archive.mag2.com/0000265510/20081016020022000.html

途上国企業の資金繰り支援、中川財務相がＧ７で表明へ : YOMIURI ONLINE（読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090214-OYT1T00430.htm

＜中川大臣辞任その後の関連報道＞

中川財務相が病院へ　午前の国会審議とりやめ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090217/plc0902171120005-n1.htm

【中川財務相辞意表明】外国メディアも速報 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090217/asi0902171307002-n1.htm

「Ｇ７ではしっかり発言」　日銀総裁が中川前財務相かばう - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090219/fnc0902192337016-n1.htm

河村官房長官　与謝野氏の大臣兼務期間　予算案の衆院通過がメド？ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090218/plc0902181320010-n1.htm

＜特別アンケート「中川財務・金融相の辞任について」結果＞

実施日：2009/02/17 21:30

総参加人数：59,679人

ニコニコ動画に於いてたまに内閣支持率の高低を計ったり社会的な事件・事故（ブログ炎上
で逮捕者など）が起きた際に実施しているのがこういったアンケートです。

これを「ニコ割アンケート」とニコ動では呼んでいますが動画を見ていた人に限り、突然強制
的にアンケート動画が開始されると言ったもので「アンケートの開始時や、日程は現在不定
期であり、告知していないため、組織的な投票が困難」と組織票を投じにくい仕組みには
なっているようです。瞬時に約６万人（今回）の調査結果を集計でき、その上アンケートを
答えた後、１０分後程度で結果を見られ、しかも世代別・男女別の結果も見られます。

ヤフーアンケートのようにどこかにリンクを貼って特定の考えをもった人々だけを集めて
意見を偏らせるという事も難しく、ニコ動ユーザー最大の政治勢力は無党派層なので個人的
な意見ではありますが意外にそれなりの結果が出たりします。とは言えニコ動ユーザーに
限定されたものであるためこれはこれで偏ったアンケートではあるのですが。

2009/2/17　特別アンケート「中川財務・金融相の辞任について」
http://www.nicovideo.jp/static/enquete/n/20090217.html

このアンケートの項目別に最も多くの票を集めたのが次の通り。

・中川財務・金融相のG7後の記者会見「問題あり」57.2%

・記者会見時の中川財務・金融相に関するマスコミの報道姿勢「大騒ぎしすぎ」48.3%

・中川財務・金融相の辞任は「当然」34.8%、
「予算、関連法案通過後に辞任するべきだった」23.8%、
「辞任する必要はなかった」22.6%で割れる

・麻生首相の任命責任は「責められるほどのことではない」50.0％

つまり「確かにこの会見は問題であるがマスコミが言う様なものではなく、辞任については
意見が分かれるものの麻生首相が責められるほどの事でもない」が日本最大の動画サイト
において調査された代表的な意見となります。世代別・男女別で意見が結構異なっていたり
しますのでこの問題について考えるご参考までに。私は面白いと思いました。

ちなみにこちらは前回のニコ割アンケート「内閣支持率調査」です。

2009/02/13　テーマ：「内閣支持率調査　2009/02/13」
http://www.nicovideo.jp/static/enquete/o/20090213.html

【コピペ】中川大臣のIMF融資について一応貼っておきますよ。

Ｑ　ＩＭＦに融資した外貨準備金って何？

Ａ　自国通貨の為替レートの急変動を防ぎ貿易等の国際取引を円滑にするためのお金です。
外貨準備は「国民経済の貯金」などとも呼ばれます。ドル建てのこのお金は主に円安の時に
介入するために使われます。今は異常な円高なので当分使うことの無いお金です。

Ｑ　そんなお金あるなら外国より先に日本に回せばいいのでは？

Ａ　日本に回すにはドル建てした外貨準備金を円に変えなければいけません。（政府が介入
したことになる） つまりドルを売り円を買うわけなので、当然ですが円高になります。
輸出産業はさらなる打撃を受けるでしょう。

Ｑ　ＩＭＦに貸してもそのお金は戻って来ないんじゃないの？
それより困っている国に直接融資した方が喜ばれるんじゃない？

Ａ　IMFは一度に貸すのではなく、借金の支払いのたびに、その分だけ渡す形で貸し出す
ので政府が無駄遣いをできません。それに郵便や水道、電力など社会的インフラをIMF
の管理下において（問題があれば、政府に法律ごと変えさせて）、郵便代や水道代、
電気代などを引き上げて無理矢理借金を返済させます。日本で問題になってるヤミ金
より怖いですねｗ　つまり１００％返ってきます。（返さないと国が滅びますｗ）
それに比べて２国間で直接融資した場合は借り逃げされてもどうしようもありません。
軍事力がある国なんかはそれで脅して回収可能でしょうが、日本は無理ですね。
現に以前融資したのにまだ返していない国がありますｗ。

つまり今回の融資は塩漬けになっているタンス預金を世界で一番信頼の置ける銀行
に預けただけ。 しかもそれだけなのに世界中から感謝されているってことです。