水の音、無形の雫

アニメやゲームのレビュー、日常の様々な事象に関する考察など。C86・3日目東P21a

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「このパンツがすごい!」&「この便所がすごい!」2011年版   2011.12.03


パンツオブザイヤーに代わって今年から新設された「このパン」及び「この便」が発表されました。
まずは「このパンツがすごい!2011」から。

第3位:そふてにっ

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規制とは何か、規制とは誰のためのものなのか、そういった疑問に真っ向から勃ち向かう姿勢が評価されました。パンツを規制するという行為そのものをパロディ化し皮肉な笑いへと昇華した優れた作品でした。
参照:パンツ規制の基準はどこにあるか


第2位:ベン・トー

Bento5.jpg

「見せパン」という言葉が一般的に認知されて久しい昨今ですが、そうした世間の流れとは逆行するように「伏せパン」の魅力を追求しました。改めて、パンツへの渇望、パンツに対する憧れの気持ちを思い出させてくれる有意義な作品となりました。
参照:2011年秋期新作アニメレビュー(2)


第1位:Aチャンネル

Ach5.jpg

パンツの有無を画面上で表現するのではなくキャラクター自身の語りによって認知させる手法は群を抜いて秀逸でした。タイポグラフィや劇中歌同様、パンツについても、視聴者は作品内部の情報と画面上に表示される情報をその場その場で選り分ける必要に迫られ、片時も目を離せない構成になっていました。高度なパンツ・リテラシーを要求される作品でしたが、その分、次世代のパンツ表現への示唆に富んでいたと言えるでしょう。
参照:可視化される不可視性~メタ・パンツはいてない~


続いて「この便所がすごい!2011」の発表です。

第3位:輪るピングドラム

pd1.jpg

序盤から見せた便所への執念もさることながら、明らかに下水処理場のメタファーとして描かれている子供ブロイラー(一ヶ所に集められ、ろ過されて透明な存在になる)であったり、いずれは排泄物へと変化する運命を背負った「食事」シーンの多用であったり、何かにつけて便所が付きまとう攻撃的な作品でした。プリンセスオブクリスタル(=陽毬)が「ウン命の至る場所(=下水処理場=子供ブロイラー)」から来た、という真相も終盤になって解き明かされましたし、そうであればペンギンとベンキの押韻にも頷けるでしょう。
参照:排泄戦略しましょうか


第2位:放浪息子

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2011年の便所論壇はまさしくこの作品から始まりました。便所とは如何な空間か、便所とは決して排泄行為を行うためだけの場所ではない、というラディカルな指摘がなされました。物語の舞台として、そして物語を動かす演出装置として大活躍する便所の姿に感動の念を禁じえません。
参照:女子便所から発生するドラマ


第1位:戦国乙女~桃色パラドックス~

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満場一致で大賞の受賞となりました。もはや出来レースの感さえ漂いますが、今年最も輝いていたのは間違いなくこの作品でしょう。排泄、そして便所への探究心あるいはリスペクトがひしひしと感じられる、まさに便所論壇の金字塔と言える作品でした。今や我々は、この作品なしに便所を語ることなどできないでしょう。個人的には第六話「想出乙女」での治水の話が印象に残っています。「水を制した者が便所を制する」というありがたいお言葉に感動しました。スイッチを押すと水が流れるという排水システムによって安土城が高度に便所化されていたというのも、この作品を象徴するエピソードとして映るでしょう。
参照:便所化する物語――ミツヒデの命題――


以上、「まどか☆マギカ」に一切触れない今年の総括記事でした。
ちなみに、今度の冬コミで二日目・東ポ-29bにおいて頒布されるらしいシンシアニメ第二号(もうちょっとしたら詳細出ると思います)でピングドラムの記事を書いてます。それから、便所論壇に関しては第一号でより詳しく書かれていますので、冬コミに参加された際にはぜひお勃ち寄りください。





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