「死ね」「殺す」と子に言われる親御さんへ
漫画や友人のせいにして嘆いているかもしれませんね。
「なら、殺せ」と開き直っているかもしれませんね。
怖くて避けているかもしれませんね。
謝っても変わらず、どうしていいか分からないかもしれませんね。
落ち込んで鬱になる寸前かもしれませんね。……
もう施設に入れるしか思い浮かばない…
そうやって、まがいものの施設に入れることもあるのでしょう。
まず、最初に言わせて下さい。
漫画やテレビやゲームや友人の影響で、「死ね」「殺すぞ」と親に向かって言うようになることはありません。
そう言われることを、あなたが先に子どもにしてきたのです(無意識であれ)。
つまり、子どもは精神的にあなた方に殺されてきたのです。
次に、子どもがそう言えるだけ、まだしも救いがあると思ってください。
なぜなら、そう言えるためには次の条件が揃わないと出来ないからです。
①自分の気持ちを自分で感じることが出来、
②それを言葉にすることが出来、
③それを言える対象があり、
④それを対象に向かって言うことが出来る。
・自分の気持ちを自分で感じることが出来ない人がいるのです
・何らかの気持ちがあるのは分かるけれど、恨み・つらみ・怒り・憎しみ・悔しさ・哀しみ…あまりにも感情がたまっていて、便秘のように苦しいだけの人もいるのです
・言いたくても、言う対象がいないこともあるのです。
・言っても仕方がないとあきらめ、あるいはさんざん家庭内暴力をした挙げ句絶望して沈黙したり、絶望を見るのがイヤで言わないこともあるのです。
つまり、言えなければ、子はさらに途方もなく苦しい状態に追い込まれます。
最後に、あなた方がなすべきことを言います。
子どもが向かってきたら、二人でまっすぐに立ってください。
子どもの目を見て向き合ってください。
そして、子どもの訴えを真摯に受け止めてください。
その時どういう気持ちだったのか、正面から受け止めてください。
子どもが望んでいるのは、自分の辛かった、苦しかった、哀しかった、寂しかった、気持ちをただ理解し受け止めて欲しいのです。
あなた方を支える気がなければ、こんな生き地獄を我慢する必要はなかったのです。あなた方が、親だからこそ耐えてきたのです。あなた方は、子どもに支えられてここまで生きてこられたのです。
過去を返すことは出来ません。
やってしまったことを無にすることは出来ません。
自分のことを受け止めないままの安易な謝罪など求めていません。
それは、あなた方が軽くなるだけのことだからです。
「俺(私)の人生を返せ!」と叫んでも、返ってこないことを子どもは知っています。
だから、将来に向かって歩き出したいのです。
でも、「心のコップ」に溜まりに溜まったこの感情を吐き出さなければ、次に進むことが出来ないのです。進みたくても進めない苦しさの中にいるのです。
せめて、その感情を吐き出したい。
だから、その感情を受け止めること―それが、せめてもの償いなのです。
でも……
あなた方自身が受け止められた経験がありません。
だから、惑います。
「どうやって受け止めたらいいのか?」
あるいは…
あなた方自身が自分の気持ちが分かりません。
だから、惑います。
「気持ちを受け止めるってどういうこと?」
つまり…
自分の気持ちを見捨ててきたからこそ、知らずわが子を見捨ててきたのです。
「子は鏡」です。
子ののたうち回って苦しんでいる姿は、自分の心の姿です。
親が闇の中に封印してしまった自分の心を、子は体を張って映し出しています。
そして、
「いい加減、自分の苦しみは自分で引き受けろ!」
「もう私におんぶするのはやめて、自分の足で立って!」
とクタクタになって悲鳴を上げているのです。
だから、まずあなた方が自分自身を救わなければなりません。
それに、自分のインナーチャイルドを放置して子を救おうとしても、インナーチャイルドが足を引っ張るのです。
そのためには、まずあなた方が「受け止められ体験」をすることです。
そして、自分の親に対する思いを吐き出してしまうことです。
すると、自分で自分を受け止めることも出来るようになってくるでしょう。
自分の「心のコップ」が空にならなければ、子どもの気持ちを受け止める余裕が心に出来ません。
自分の気持ちを受け止めなければ、子の気持ちの受け止め方も分かりません。
子を救いたいのであれば、
まず自分を救うためのカウンセリングに行ってください。
・環境としての親
・どー(Do)していいのか分からない親へ
・国から「死ね」と言われた若者から、親に「死ね」と言う若者へ
・誰でもいいから殺したいは親への殺意の裏返し
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