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「精神の生態学」~ベイトソンのダブルバインド理論の詳細

2014/09/04(Thu) Category : 心理学
「ダブルバインド」について、わかりにくいところがあるようですので、グレゴリー・ベイトソンの著作「精神の生態学」(新思索社)の中のダブルバインドに関する論考の中から体験を交えてまとめておきたいと思います。

体験というのは、強烈なパワハラを受けたときに感じた身動きできない状態、その挙げ句の「自分の行動が自分のものではないような操られ感」(統合失調症の前駆症状のようなもの)まで感じたダブルバインドとしか言いようがない私自身の実体験と、相談者の方々のダブルバインド体験―それらの体験です。

もう一つは、世代間連鎖の体験及びその観点です。
私は、人生脚本やゲーム、ストロークなど交流分析の見方や、「図と地」やエンプティチェアなどゲシュタルトの見方や技法、体の各部位に封印されている記憶や感情を体感に意識を向けることによって呼び起こすフォーカシング的アプローチ、絵から解析するアートセラピー的アプローチ、部屋の構造や家具調度類の配置、持ち物、及びそれらの配色などから、家族の権力構造や心の状態を見るアプローチ等々を、そのときの流れや必要性によって行い、時に相談者との間に創発が起こるナラティブセラピー的なシーンが出てきたり、スピリチュアルな神仕組みが見えたりしますが、すべての土台に世代間連鎖の観点があります。

上記に書かれた理論や技法は、それぞれを個別に深く学んだわけではなく、土台に世代間連鎖の観点があったからこそ相談者の方々から奥深く学ぶことが出来、かつ連鎖というベクトルがあるからこそ統合的に使えるようになったものです。ダブルバインドという概念も世代間連鎖という土俵の上で捉えておりますので、その旨ご承知おきください。

人間を学ぶに人間に接する以上のものはありません。すべての学問は、人間や自然を観察することから来ていますが、私もまた、学問から人間を学ぶのではなく、人から直接学び、それをフィードバックしているだけです。個々人の方々の貴重な体験が、私を通じて他の方の助けになっていく―私はその“経路”であればいいと思っています。ベイトソンが提示したかったものは、そういう姿勢そのものだったのではないでしょうか。






では、次のように展開していきますので、ごゆるりとどうぞ。



「精神の生態学」~ベイトソンのダブルバインド理論の詳細

1.「実体」と「観念」
2.「メタメッセージ」と「コンテクスト」
3.存在自体がメタメッセージ=存在自体がコンテクストを持つ
4.行動を観察することでコンテクストが見える
5.「トランス・コンテクスチュアル」に生きる
6.コンテクストとダブルバインド
7.ダブルバインド状況の背後にはベクトルがある

8.ダブルバインドを経て成長するvs病気になる、の違い
9.ダブルバインド事例:第一次禁止令
10.ダブルバインド事例:第二次禁止令
11.ダブルバインドと人生脚本
12.ダブルバインドの諸事例
13.メタコンテクストに気づくことによるダブルバインドからの解放
14.世代間連鎖によるダブルバインド事例






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