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ラノベドランカー

Author:ラノベドランカー
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ハイドラの告白

2010-12-21

ハイドラの告白
メディアワークス文庫
著作名:ハイドラの告白

著者名:柴村仁(しばむら じん)
イラストレーター:也(なり)
発行日:2010/03/25


あらすじ
この本を読むと、恋をするのが怖くなる――
だけど、恋をしたくなった

絶望的な恋をしているのかもしれない。そのことにとっくに気づいてたけど、気づかないふりをしていたのかもしれない。私がやってること、全部、無駄な足掻きなのかもしれない――それでも私は、あなたが欲しい。

美大生の春川は、気鋭のアーティスト・布施正道を追って、寂れた海辺の町を訪れた。 しかし、そこにいたのは同じ美大に通う“噂の”由良だった。彼もまた布施正道に会いに来たというが……。
『プシュケの涙』に続く、不器用な人たちの不恰好な恋の物語。

レビュー
柴村先生の恋愛物語第二弾

プシュケの涙」の続編的な紹介だったが、実のところ関係なさげ。
登場人物(由良)が共通してるだけで、あとは別物。

布施正道という画家を追って邂逅した、春川と由良。
お互いに共通の目的に向かいながらも、隠し事が下手な春川と、どこか狂気じみた由良が対照的でハラハラする。

布施正道事件は由良によって明らかにされ、後半は由良のことが大好きな女性のエピソードとなる。

こちらは前半とは打って変わって恋する女性の一途な強さが伝わってくる。

好きな人に振り向いてもらうために自分を磨き、好きな人のちょっとした一言で喜び、深く傷つき・・・
それでも好きになってはもらえない。求めなければ側にいられる、でも求めたい。
そんな矛盾していても止めることができない気持ちに苦しむ心が切ない。

とはいえ、前半と後半があまりに関係なさ過ぎて疑問符が取れない。
前半は何のためにあったんだろう。

そして、プシュケの涙の続編という立ち位置も要らないと思う。
プシュケの内容の踏襲は殆ど無かったし、この物語に由良を出す必然性も感じられない。

全くの別物として出せばよかったんじゃと思ってしまう。
プシュケの涙があまりに強烈だったが故に、なんというか期待はずれ。


評価
★★★★
(4)

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