冴えない彼女の育てかた 5 (富士見ファンタジア文庫)
あらすじ
詩羽先輩に続き原画担当の英梨々の作業も快調に進み、順風満帆に思えた同人ゲーム製作。だが、意外な落とし穴が…。「って、結局絵とシナリオ以外は何も進んでないってことじゃないの!BGMとかどうすんのよ?」悩む俺に追い打ちをかけるように、突然家出中の徒姉妹・美智留が転がり込んでくる。男と同居していることなんて頭の隅にもないような無防備な美智留に振り回される俺だったが、彼女の奏でるギターの旋律に心を奪われてしまい―。「一緒に、最強のギャルゲーを作らないか?」「…は?」ここに、非オタクのバンド少女と俺の“戦い”が幕を開ける!!
レビュー
同じヒロインを二度落としにいくだと…?!
2巻の表紙かつ攻略キャラ(?)だった詩羽先輩再び。
何このエロゲっぽい表紙。
詩羽先輩から完成したはずのシナリオの第二稿を突きつけられ、初稿とどちらが良いかと問われた倫也。
問いに秘められた乙女の想いに気が付くはずもなく、斜め上に突き抜けていく倫也の勇姿(?)を見よ。
表紙の通り詩羽先輩成分が大半の一冊。
そしてこれまで超絶フラットを貫いてきた加藤に少し変化が。
恋愛アドバイザーみたいな役回りになってきてるけど、メインヒロインとしてそれは良いのだろうか…
でもそんな加藤も悪くない。ちょっと積極的な加藤、良いです。
ゲームのシナリオと小説の決定的な違いといった、丸戸先生ならではのネタもあったりして興味深い内容も結構多い。
ゲーム作ってる人の言葉はやっぱり含蓄がある。
なのにシナリオライターの丸戸先生の初小説(ラノベ)がこんなに小説として面白いのはこれいかに。
数多のエロゲプレイヤーを号泣させてきた手腕は媒体を選ばないということか。
詩羽先輩と倫也君がいちゃいちゃ(?)していたせいで存在感薄まっちゃった英梨々はというと…
これは次巻で絶対何かある!!という締めに。
もうね、最終ページで泣きそうになっちゃいましたよ。
やっぱり私は英梨々が最高に好きなようだ。
次への含みもばっちりで楽しみが尽きないシリーズ。
さあ、6巻よ早く出るんだ!
冴えない彼女の育てかた 4 (富士見ファンタジア文庫)
あらすじ
詩羽先輩に続き原画担当の英梨々の作業も快調に進み、順風満帆に思えた同人ゲーム製作。だが、意外な落とし穴が…。「って、結局絵とシナリオ以外は何も進んでないってことじゃないの!BGMとかどうすんのよ?」悩む俺に追い打ちをかけるように、突然家出中の徒姉妹・美智留が転がり込んでくる。男と同居していることなんて頭の隅にもないような無防備な美智留に振り回される俺だったが、彼女の奏でるギターの旋律に心を奪われてしまい―。「一緒に、最強のギャルゲーを作らないか?」「…は?」ここに、非オタクのバンド少女と俺の“戦い”が幕を開ける!!
レビュー
ヒロイン増えた!
新ヒロインは倫也のいとこで、(色々と)開けっぴろげで竹を割ったような性格の美少女・氷堂美智留。
家出して従兄弟の家に転がり込んできて、英梨々のアイデンティティである幼馴染み属性を丸食いしてしまうキャラの強さ。
こらまた偉いモン放り込んできたな、丸戸先生。
美智留がふと弾いたギターに心奪われた倫也はゲーム音楽の作曲をさせるべく一計を案じる。
まぁ一計というか二計、三計くらいの猛アタックですが。
サークルの人間関係(加藤除く)に波風立てながら、欲しいもの(ゲーム音楽)のために突き進む倫也君。
相変わらず罪な男でござる。
そして待ち受けるオチの残念さ。
いや、もちろん良い意味で。
ラブコメしそうでしないもどかしさもまた堪らない。
加藤のフラットさも凄い良い味になってきた。
勢いは全く衰えず。
ラノベとしてのクオリティは現代最強レベル。
冴えない彼女の育てかた 3 (富士見ファンタジア文庫)
あらすじ
詩羽先輩との甘い一夜(?)を経て、無事我らが同人ゲームのプロットが完成。次は英梨々によるキャラデザなのだが…「被告人に問います…なぜ急に髪型変えてきたの?」「え~と…なんとなく、かな?」「そんな理由で、あたしの作業量を倍以上に膨らまそうとしてるの!?」「いえ裁判長!被告人は常々『キャラが立っていない』『あ、いたんだ』などと誹謗中傷を繰り返され、犯行当時は心神喪失の状態にあったとして無罪を主張…」「別にわたし、そこまで言われなくても…」加藤の髪型チェンジにより、混乱するサークルの面々。だがその裏で英梨々が引き抜き!?秘めた想いを胸に、夏が始まる。
レビュー
今回は英梨々ルートだぜ!
なのに表紙は倫也くんの後輩一番弟子の美少女。
わざとやってるんだろうなぁ。でも後輩可愛いから許す。
夏コミで幼馴染みと後輩一番弟子がバトるわけがない。
エロゲを知り尽くした丸戸先生作、一筋縄ではいかないラブコメと夏コミのお話。
コミケへの暑苦しいまでの情念(怨念?)はこれでもかと伝わってくる。
夏コミで大手サークルから引き抜きに合う英梨々。
夏コミに初挑戦するという後輩美少女・出海ちゃん。
立場が全く違えど、何故か倫也を間に挟んで擦った揉んだする美少女二人。
出来上がった秀才と芽が出始めた天才という構図も面白い。
幼馴染み、金髪、ツンデレという鬼スペック搭載の英梨々がポテンシャルを発揮しきれないのがもどかしい!
まぁここで誰かが突出してしまうとゲーム(?)バランスが崩れてしまうので、小競り合いをのほほんと見守る倫也くんでいて欲しいところ。
ページ数も文量も決して多く無いんだけど満足感はしっかりある。
やはり丸戸先生のテクニックには普通の小説作家とは違う何かがあるんじゃなかろうか。
2巻で先輩を、3巻で英梨々を落としてみせた倫也くん。
4巻では誰を落とすのか。加藤じゃないだろうから、新ヒロインかな。
ワクワクするZE!
神さまのいない日曜日VIII (富士見ファンタジア文庫)
あらすじ
黒面の向こう側に現れた新世界。世界は救われ、封印都市は新たな街に生まれ変わろうとしていた。そしてアイも、新たな自分を見つけ始める。「アイ・アスティンは、始まりを見守るものでありたい…それがきっと『私』なんです」夢が果ててもなお、たくましく変わりゆくアイ。そんなアイを目の当たりにしたアリスは―。そんなとき、黒面からもう一人の少女が降り立つ。「私は世界を救うのよ」夢に生きる少年と少女の物語は、再び交わるのか―?
レビュー
過去の自分と同じ夢を持った少女の出現。
突如黒面を超えて現れたのは年端の行かぬ少女。しかし彼女は万能とも言える能力と、やっかいな夢をもっていた…
黒面の向こう側に行っちゃって「魔界編」とかにならないかと懸念していたけど、
向こうからトンデモキャラクターが飛んできた。ヨソウガイです。
夢を諦めて、それでも幸せを見つけつつあったアイ。
そこにかつての自分と同じ路を行く少女が現れる。
本当に世界を救いうる力を持った少女と、それでも救いきれない世界のジレンマ。
世界を救えずに壊れていく少女と、そんな少女を殺そうとするアリス。
突然舞い降りてきた救世主が世界を滅ぼす。
とても歪で、救われない話が展開している。
夢を諦めたアイが随分悟ったようになっていて、これまでの無茶がまるで嘘のよう。
もはやこのシリーズで「どうしてこうなった」とは思わない。
来る物拒まず読む体制が出来ているからだが、超展開に違和感を感じないっていうのが凄い。
前科が成せる技だ。
このシリーズの内容説明するのは困難を極めるため、もう細かいことは書かない(ぉ
7巻まで読んで8巻読まない理由は無い。読まなくなるならもっと早い段階でドロップアウトしてるだろうしね。
さて、次巻が最終巻になるらしい。
ちゃんと終わるのか、どんな終わり方で締めるのか、関心は尽きない。
フルメタル・パニック! アナザー5 (角川ファンタジア文庫)
富士見ファンタジア文庫
著作名:フルメタル・パニック! アナザー5
著者名:大黒尚人(おおくろ なおと) 原作:賀東招二(がとう しょうじ)
イラストレーター:四季童子(しき どうじ)
発行日:2013/02/25
あらすじ
社長のマオがテロで倒れ、民間軍事会社D.O.M.S.は激しく揺れ動く。姿を見せぬ新首脳陣、経営方針の大転換に残されたアデリーナたちは戸惑いと苛立ちを隠せない。会社を離れた市之瀬達哉もまた、陣代高校の卒業を間近に控え、自分自身の道に迷っていた。やっと戻ってきた日常にもかかわらず、彼の心を支配するのは拭いきれぬ違和感ばかり。周囲とズレていく思考、埋められない家族や友人との差異。そして、仲間から突きつけられた厳しい選択―。苦悩と逡巡の末、達哉が下した大きな決断とは!?―。
レビュー
やっとフルメタらしくなってきた。
と書いたら、4巻のレビューと同じ内容だったぜ。
あれ、じゃあ直感的な感想は変わってないのか。。。
前巻でマオが吹っ飛ばされて、よろしいならば戦争だ、になるかと思ってワクテカしてた本巻。
ざくっと表現すると、もう一息だけついて次に繋いだ、といった感じ。
社長をやられて(殺られて、ではない)リベンジを誓い雌伏する猛者達と、燃え尽き気味な達哉。
きな臭さはより一層強くなり、ホンマモンのドンパチの予感がビシビシ伝わってくる。
とはいえ今回は総じて雌伏の時。
達哉が一つの決断を下すまでのエピソードとなっている。
どうしてもフルメタ本編のASがぶっ飛び過ぎていたので、このシリーズでは熱さが発揮しきれていない。
本質的にはロボットアクション(一部SF)であるフルメタだけにどうにも物足りなさが付きまとってきた本作。
元々のコンセプトが「世界各地のASやそのバリエーションの紹介」だったらしい。
大鉈ふるってこの巻で舵を切ったそうな。(大黒先生のあとがき談)
正解だと思います。このままズルズル行かれても正直しんどかった。
M9とかの往年(?)の名機も出てきたし、やっと想像通りのフルメタが読めるようになるのかな。
まだ待ちます。フルメタファンですから。
でも、次の次までは待ちたく無いなあ。