銃姫(11) The strongest word in the world
あらすじ
夢のような日々は、思いも寄らない形で終幕を迎えた。忽然と姿を消したアンブローシアを求めて、セドリックは親友ティモシーを頼り、再び旅に出る。しかし、灰海戦でセドリックは魔力槽に深刻なダメージを受け、まったく魔法が使えない身体になってしまっていた。ただの人間に戻った彼は、それでも”絶対信仰中枢”へ向かおうとする。そのころ、暁帝国の皇帝ベルトリーゼは、十万の艦隊を編成し、御代をかけての大親征を行おうとしていたのだった。はたして、竜王アスコリド=ミトとの結婚式へ向かうアンブローシアの真意は。そして、本当の”銃姫”の正体とは!? 銃と魔法の本格異世界ファンタジー、ここに堂々完結!!
レビュー
堂々の完結!
長かった・・・途中で期間が空いたりして余計に長く感じた。
突然姿を消したアンブローシア、彼女を追いかけるセドリック。
何故アンはセドリックから離れたのか、銃姫とは何なのか、世界はどこに向かうのか。
張り巡らされた謎を明らかにしつつ、物語は思わぬ終着を迎える。
こんな終わり方するとは想像もしていなかった。
確かに「そんな伏線あった」ってところから話が一気に展開。
それは伏線としてあったけれど、本当に来るなんて。
大団円、と言えるのかどうかはわからない。
だけれど、堂々の完結とは言える。
当初の本格魔法ファンタジーから、多少のスライスがあったのも確か。
方向性が途中からずれてきたのを感じてはいた。
セドリックが銃無しで魔法使い始めてからだと思っている。
やっぱり制限を取っ払っちゃうと歪みが出てきてしまうのか。
心よ。
届け、弾丸のように-
思えばこの言葉に心打たれて読み始めたシリーズだった。
この物語では、魔法の源たる「言葉」が非常によく作られていた。
魔法のフレーズに痺れることが多々あった。
深いファンタジーがまた一つ終わった。
けれど、そんな深いファンタジーがきちんと完結したことを喜びたい。