シゴフミ4~Stories of Last Letter~
あらすじ
人に許された、最後の奇跡の物語。
レトロな郵便配達員のような制服を身に纏い、喋る不思議な杖・マヤマを相棒とする少女、文伽。
彼女は逝ってしまった人の想いを生きているものへと届ける、人に許された最後の奇跡 「シゴフミ」 の配達人だ。
文伽の肩掛け鞄の中で、ずっと大切に持ち歩いている手紙があった。
それは、切手だけではなく、封筒までもが黒いシゴフミ。
不吉であるとされ、「マガフミ」 と呼ばれるこのシゴフミには、マヤマすら知らない文伽の想いと過去、シゴフミ配達人になったきっかけが秘められていて……?
文伽とマヤマのふたりが紡ぐ、やさしくてあたたかい物語、完結編の登場です。
レビュー
最後の壁を突き破った!
これまであまり高評価をしてこなかった当シリーズだけど、最終巻にして大輪が咲いた。
といっても、小説単品での話ではない。
アニメとのメディアミックスあっての高評価。
しかしここまでアニメと上手くコラボしてる作品を初めて読んだ。
元々アニメ版の先行ノベライズというわかりにくい形だったが、その意味も4巻を読んでわかった。
ずっとモヤモヤしていたことが、アニメと小説を最後まで消化することで完璧に繋がる。
どちらか片方だけではこのスッキリ感は味わえない。
これは本当に良くコラボされてるストーリーだ。
アニメ10話と小説三巻がリンクしているので、興味がある人は是非両方を見て欲しい。
この物語は心優しい死後文配達人「フミカ」の物語。
この言葉の意味が本当に解るのはアニメと小説を見終えた時。
小説だけ読んでイマイチだな、と思った人は必ずアニメを見るべき。
評価ががらりと変わるはず。
とても面白いシリーズだった、と最後まで消化した今なら言える。
評価は単品とミックス版とで分けることにする。
二四〇九階の彼女Ⅱ(2)
あらすじ
塔の外に降り立った時、少年は何を見るのだろうか――。
少年・サドリと相棒の人工知能・カエルは、世界のすべてであると信じられている 【塔】 を降りる長い旅を続けてきた。
それは 【塔】 の外、海で待っていると言い残していなくなった “彼女” との再会の約束を果たすため。
優しくて残酷な、神様と世界のお話。
レビュー
完結してしまったのが惜しい。
一巻ほど強烈なインパクトは無かったけれど、やはりこの物語は好き。
様々な世界を巡り、様々な出会いをし、様々な想いにとらわれ、それでも一つ一つ世界を越えていく。
一つ一つの出来事に心を磨り減らし、それでも旅を続けていくサドリを「頑張れっ!」と応援しつつ読み進めた。
特に印象深かったのが「七三五階の闇」と「一二四四階の競争」。
どちらも面白い世界観で、結末は衝撃的なエピソード。
深く語るとネタバレになりそうなので自重する。
いつまでも話は続けられて、いつでも完結できる作品の形態ではあるけれど、2巻での幕引きはあまりに唐突かつ惜しい。
まだまだ語れていない部分はいっぱいあるし、完結させるには明らかに早すぎる。
キノの旅に勝るとも劣らない独特の世界を持っていた作品だけに、打ち切り的に終わっているのが残念で仕方ない。
この作品の広がりをもっと見たかった。
中途半端な終わり方にはなってしまっているが、傑作であることに変わりはない。
このレビューを見てちょっとでも気になったなら、手にとって見てほしい。
この作品の「世界」を味わってほしい。
おすすめします。
狼と香辛料Ⅵ(6)
あらすじ
大丈夫。 わっちゃあ、そんなぬしが大好きじゃから……。
ホロが口にした、旅の終わり――。
ロレンスはそれを説き伏せ、ホロの故郷・ヨイツまで共に旅を続けることを決める。
そんな2人の次なる目的地は、海に面した港町・ケルーベ。
2人はエーブを追いかけて、レノスの港から船で川を下る。
旅の途中、船が立ち寄った関所では、厄介ごとに巻き込まれている様子の少年の姿があった。
ロレンスは、図らずもその少年・コルを助けることになる。
薄汚れた風貌だが、意外にしっかりとした面を持っており、ロレンスもホロも彼に興味を持ち始める。
そして、コルの故郷の話や船乗りたちの噂話を聞く内に、2人はヨイツに関する言葉を耳にする……。
レビュー
甘~いラブラブ珍道中。
前巻での逼迫加減が嘘のようなゆったりとした旅路。
本当にエーブを追いかけてるんだっけ?と思えるような話の展開。
5巻の後半を読み違えたかと思って、読み直してしまった。
5巻のいざこざを経て、一つ山を越えたロレンスとホロのやりとりがとにかく甘い。
これまでの油断ならない駆け引き的会話が、恋人同士のいちゃつきのような内容に。
甘い、甘すぎる。
本気でこの二人どうしちゃったんだろう、と思ってしまった。
ラブラブなのは非常に良いこと。
でも、これまでがこれまでだけにギャップに付いていけなかった・・・。
ロレンスが振り回されるシーンが少ないからか。
話としては幕間的な内容。
ケルーベに向かう船での移動で一冊終わってる。
道中の仲間が一人増えて、「家族」の様相を呈してきたこの旅路。
今後どんなやりとりが出てくるのか、楽しみで仕方ない。
まったりした内容でも引き込んでくる魅力は十二分。
遂にエーブに追いつくであろう8巻(7巻は外伝らしいので)では、どんな展開が待っているのだろう。
楽しみは尽きないシリーズだ。
さよならピアノソナタ2
あらすじ
おかしくて少しせつない、恋と革命と音楽の物語・第2弾。
天才ピアニストにしてピアノを弾かず、人を寄せつけない蛯沢真冬をギタリストに迎えた音楽研究部。
「あたし、海に行きたいなぁ」
「どうやったら海でバンドの練習ができるんだよ」
「いや、できるよ。 実はもう別荘を借りる手筈ができている」
幼なじみ・相原千晶と、手回しのよすぎる自称革命家・神楽坂響子の一言で、あっという間に海での合宿が決定する。
海といえば海水浴!と妙にはりきる千晶、珍しく思い悩んでいる様子の神楽坂、そしてやっぱり部活に馴染みきれない真冬。
そんな三人との合宿で波乱がないわけはなく、ナオはすっかり翻弄されるが……。
レビュー
恋と革命と音楽のお話第二弾。
相変わらず音楽ネタが満載の一冊。
きっと洋楽とかクラシックに詳しい人には数割増しで面白いはず。
曲がすぐにイメージ出来るのと出来ないのとではやはり違いが出てくる。
角が取れてしまった?
一巻はゴミ廃棄場で埋もれたピアノ、真冬との家出、セッションの血が沸くような感覚などなど
独特な要素がひしめき合う青春全開のボーイミーツガール話だった。
二巻はどうかというと特殊要素が成りを潜めて音楽が前面に出てきた。
それは悪いことでは決してないのだが、角が取れたというか特徴が薄れたというか、
一巻を読んだときにあった何かが揺さぶられる感覚を得ることがなかった。
何やら複雑な神楽坂先輩の過去とか、また一つ増えてしまったフラグとか、話は深くなってきた。
とはいえこれと言った進展があったわけではない。
しかし民音はどれだけ素晴らしい環境なんだ。
そしてナオの鈍感さはどれほどだ!
この手の話は主人公が鈍感だから成り立つとはいえ、なんともどかしいことか。
今回は真冬に振り回され過ぎ感が強くて、話の展開もそれほど無かった。
相変わらずキャラクターの濃さは素晴らしいのだが。。。
これから話を膨らませていく上での準備の一冊だろう。きっとそうだ。
杉井先生の作品には凄く期待しちゃってるので、自分的ハードルが高くなっている。
好きなシリーズではあるけれど、ここは辛めの採点をしておくことにする。
司書とハサミと短い鉛筆
あらすじ
読書嫌いの高校生・文人のもとに、ある日≪飛び出す絵本≫が舞い降りてきた。そしてその≪絵本≫から、全裸の女の子が“本当に”飛び出してきた!?
フィフと名乗る少女は、『古典文学が実体化して街を混乱させている』と偉そうな講釈を垂れるものの、その姿はずっとシーツ一枚のまま。慌てる文人を尻目に、さらにフィフは「拙はそなたのものじゃ」と言い始め、彼女と共に古典文学と戦う羽目に! ていうか、それより早く下着を履いて……!! ちょっとHな学園文学(?)コメディ登場!
レビュー
HA・I・TE・NA・I!
この本のキーフレーズ。
HAITENAI!
何この危険な表紙。読み終えて見直してお兄さん腰抜けたよ!
正直に言います。
雲木さんに漂う良質なツンデレ臭に惹かれて買いました。
時間が立ったら積むと確信できたので、早々に読みました。
手に取った理由からして既に不純。
とりあえず一言。
HAITENAI!
ネタ本みたいな紹介になってしまっているが、良くも悪くも普通のラノベ。
主人公・普通。フィフ(ヒロイン)・HAITENAI。雲木さん(サブヒロイン)・良きツンデレ。
読みやすいし、仕掛け絵本周りの設定はそれなりに目を引く。
主人公がザ・ワールドみたいな特技を持っているが、イマイチその存在意義が解らない。
短い鉛筆の意味ってそれだけなのか?
24Pあたりの雲木さんの破壊力は異常。
このシーンだけでこの本を買った欲求は充足出来たと言える。
ただ願わくばもっと出番が・・・。
フィフは・・・もういいか。
今後の展開次第で面白くもつまらなくもなりそう。
1巻は尻すぼみ感が強く、後半はダレてしまっている印象。
雲木さんのツンデレ補正をもってしても★は3.5と言ったところ。
葉桜が来た夏
あらすじ
第14回 電撃小説大賞<選考委員奨励賞>受賞作
“共棲” の相手は、葉桜という名の美しい少女だった──。
アポストリ── 身体能力と科学技術に優れた、女性だけで構成される異星人。
目が赤いほかは、外見的特徴は人間と同じ。
琵琶湖周辺は、彼らと人間が共存する居留区となっていた。
高校二年の南方学は、過去に起きたとある出来事からアポストリを憎んでいた。
ところが “共棲” と呼ばれる居留区のシステムに則り、一人のアポストリと同居することになる。
彼女の名は、葉桜── 評議長の姪でもある美しい少女だった。
二人は激しくぶつかり合うが、その共棲にはある意図が隠されていて──。
期待の新人が贈る、近未来ボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー登場!
レビュー
葉桜が見た目(イラスト)に似合わず可愛い!
第14回 電撃小説大賞<選考委員奨励賞>受賞作品。
選考委員奨励賞の作品は、私的に良い作品が多いという印象が強い。
特に大賞がハズレの年とかは下の作品にこそ掘り出し物があるもの。
「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」みたいなのが埋まってる可能性が高いわけで。
この作品にも否応なく期待がかかっていた。
結論。
期待は裏切られなかった。
ボーイ・ミーツ・ガール、アクション、SFといろんな要素が詰まっていて上手に話が纏まっていた。
学のアポストリに対する敵愾心が葉桜の真摯さによって解きほぐされていくのは、ラノベの王道的展開。
葉桜が思ってたほどお嬢様気質ではなく、結構なツンデレ分を含有していたことに驚き。
勝手に作ってたイメージとのギャップによって好印象が生まれた。
プリクラでの葉桜に胸を貫かれた件。
とはいえ、ちょっと学の心変わりに拍子抜け。
アポストリを憎む動機、そしてこれまでの行動が描写されてる中での大幅な心変わりが唐突。
学の心情変化について説明不足なのだろう。
単に葉桜に絆されてしまったかのように感じてしまう。
そういった一部分を除いては、設定、キャラクター共に良くできてる。
サクサクと読める(良い意味で)癖のないテイストが特徴か。
著者の次回作に期待。(これ、続かないよね・・・?)
2008年6月購入本
電撃文庫
・灼眼のシャナSII
・とある魔術の禁書目録(インデックス)(16)
・アスラクライン(10)
・桜田家のヒミツ~お父さんは下っぱ戦闘員~
・X(クロス)トーク
・神様のメモ帳3
・モーフィアスの教室3 パンタソスの刃
・リリスにおまかせ!
スーパーダッシュ文庫
・電波的な彼女 ~幸福ゲーム~
・ベン・トー2 ザンギ弁当295円
・雪の夜想曲(ノクターン)†空の奇想曲(カプリス)
6月の購入冊数は11冊。
電撃とスーパーダッシュ文庫だけとは珍しい。
・・・そうです「6」月分です、7月分じゃないです。
気が付いたら梅雨明け宣言が出ていて衝撃。
日々の感覚が希薄化してる。こいつぁまずい。
別に薄っぺらい生活にはなっていない・・・はず。
でも感覚論としてはものすごく一日が短い。
こうやって人は年を取っていくのか。
でも解決策は見あたらない。
仕方ない、あきらめてドラクエⅤに没頭するとしよう。
旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。
あらすじ
少年と少女は旅に出た。 一冊の日記帳を持って、世界の果てへ……。
世界は穏やかに滅びつつあった。
「喪失症」 が蔓延し、次々と人間がいなくなっていったのだ。
人々は名前を失い、色彩を失い、やがて、存在自体を喪失していく……。
そんな世界を、一台のスーパーカブが走っていた。
乗っているのは少年と少女。
他の人たちと同様に 「喪失症」 に罹った彼らは、学校も家も捨てて旅に出た。
目指すのは、世界の果て。
辿り着くのかわからない。
でも旅をやめようとは思わない。
いつか互いが消えてしまう日が来たとしても、後悔したくないから。
少年と少女は旅を続ける。
記録と記憶を失った世界で、一冊の日記帳とともに……。
レビュー
掘り出し物発掘!これはオススメ。
第14回電撃小説大賞の応募作の一つ、なのだろうか。
どえらいもんが埋まってたものだ。
まず一言。
面白かった。
こんなストレートな表現から入りたくなるくらい、良い話だった。
世界を襲う謎の奇病「喪失症」。
喪失症によって名前を「喪った」少年と少女。
二人の旅の途中で出会う様々な人たち。
設定自体に飛び抜けたものはない。
しかし読み進めていくうちに様々な感情が生まれてくる。
それは郷愁の念のようだったり、ほっこりとする感情だったり、別れの哀しみだったり。
一冊の中に広がる世界の広いこと広いこと。
世界は滅びに向かっているというのに、各エピソードに悲壮感が無い。
喪われつつある世界で、後悔しないようにと前向きに生きる人々の様は美しい。
超展開なんて無く。少年も少女も喪失症という大きな流れに為す術はもたない。
悲しい結末が訪れても受け入れて、次の地へ向かう。
旅を続ける故の哀愁もしっかり表現されていた。
楽しいばかりが旅じゃない。
少年と少女の軽いやりとりとは裏腹に、お互いを唯一無二として信頼しあっている様が凄く印象的だった。
普段のやりとりからは見えない、でも確実に存在する互いを思う強い気持ち。
こんな相思相愛なパートナー持ってるなんて羨ましい。
恋人同士かと言われると赤面する少女が青春すぎて萌え。
少女のピンチにこの上なく男らしくなる少年も萌え。
とにかくこの二人はベストパートナー。
一冊の中によくこれだけの要素を入れてきたなと関心してしまう。
それでも詰め込んでるようには感じない。
終わらせ方も続きがあるような、これで終わりなような。
読者の想像を掻き立てる。
無理に続編を書く必要は無いと思う。(続きは読みたいけれど・・・)
潔く名作のまま終わらせた方が良い場合もある。
とある魔術の禁書目録 (13)
あらすじ
恐るべき魔術師と科学者―― 2つの惨事が学園都市を襲う!
上条当麻を狙い、学園都市にローマ正教の刺客 「前方のヴェント」 が侵入した。
彼女が操る謎の魔術により都市機能は完全に麻痺、大部分の人間は意識を失っていく……。
同時に科学者・木原数多率いる武装集団も出現!
魔術と科学、2つの惨事に襲われた当麻の運命は……!?
レビュー
あり得ない程の前巻との温度差。
おかしい、この話は科学サイドのコメディが発祥だったはずだ。
それがどうして科学vs魔術の究極ガチンコ全面戦争一歩手前になっとるんだ!
正直意味がわかりません。
それでも一方通行スキーには垂涎の一冊となった。
とある科学の一方通行だね、この本。
ベクトル操作で地球の自転止めちゃうとか素敵すぎ。
マジで惚れました。
しかしシリーズも13巻目になってようやく動いてきたなという印象。
10冊以上も掛けてばらまいて来たピースが、今回でやっと意味を見せてきた。
これまで伏兵的存在だった上条の表舞台への招集、学園最強のレベル5の闇への帰還。
ラストオーダーやら風斬氷華の存在理由にも触れられていてこれからが楽しみ。
ただ・・・我らが美琴様の不遇さたるやこれいかに!!
おかしい。前巻を読む限りではこんな展開は全く予想できなかった。
学園の三番手はいつになったらハジケてくれるのだろうか。
魔術と科学の絡み合いで、今回はどっちパートという区分けが難しい。
でも魔術側の設定だとか動機だとかが薄っぺらいと感じてしまうのはこのシリーズの共通項。
何とかならないものだろうか。
とある魔術の禁書目録 (12)
あらすじ
罰ゲームをめぐる、科学と魔術の学園コメディ編がスタート!?
冬服への衣替えの季節がやってきた学園都市。
エリートお嬢様学校に通う御坂美琴は、コンサートホール前の広場にいた。
待ち合わせである。 だが、罰ゲームを受けるはずの “あの少年” は姿を見せず……。
上条当麻と御坂美琴が交差する時、学園(ラブ)コメディは始まる!?
レビュー
御坂美琴編キター!
表紙からしてワクテカな展開が予想できるシリーズ12巻。
今回は科学サイドのお話。
ラブコメとは言い切れないまでも、コメディ含有率が高くノリが軽い。
どういう訳かこれまでの色々なキャラクター達が幕間に出てくるが、やっぱりコメディ。
こんな話がくるのをずっと待っていた気がする。ここ最近ずっと漂っていたイマイチ感が全く無かった。
というくらいに当シリーズでは久々にヒット作。
最近は戦い偏重でバランス感が良くなかったから、今回の笑い重視の展開は好ましい。
しかもメインはあの美琴さん!
いいよ、その素直になれない姿が最高だ!
やたら屈強な女性陣においての数少ない萌え要素。
屈強だけど乙女を残しているのはこのシリーズでは美琴と神裂さん位ではあるまいか。
デートとも素直に言えず、カップルという言葉に顔を赤くし、アドリブに弱い。
当麻の犯罪級の鈍さと相まって非常に良い味だしてた。
実は美琴と同じくらいページ数を占領していたのが「一方通行」だったりする。
美琴編はどうした!?と言いたいところでもあったのだが、彼も最近良い味だすのでOK。
一方通行の日常部分や本領発揮の鬼神モード等、一方通行ファンには堪らない一冊にもなっております。
なぜかボッコボコにされたりしてるし。最強のレベル5の威光が随分霞んできた気がしないでもない。
8合目あたりから不穏な空気が漂いだして来たと思ったら、どうやら次に続くらしい。
なにやらこれまでに無いくらい強大な敵みたいなのキター。
一応次も科学サイドの話なのでバトルパートも期待している。
ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険2
あらすじ
トリステイン魔法学院に通う少女・タバサには秘密があった。彼女は母国ガリアから騎士(シュヴァリエ)の地位を与えられており、その中でも極秘任務を専門に行う「北花壇警護騎士団」の一員なのだ。そして今日もタバサは、使い魔の風竜・シルフィードとともに任務へとおもむく。心の奥に秘めた、目的のために――。ある日呼び寄せられたタバサに告げられたのは、無許可で営業している賭博場の調査。そこでは様々な客が大金を失っているらしい。タバサは任務のために与えられたお金を使い、賭博場で勝負を始めるが――。大人気「ゼロの使い魔」からのスピンアウト、無口なタバサの魅力満載の第二弾!
レビュー
この作品はシルフィを愛でる為の本だ。
悟った。
タバサの冒険はあくまで表向きの名。この本の主人公は紛れもなくシルフィ。
無口なタバサの魅力満載。と宣伝されてはいるけれど。。。
シルフィのきゅいきゅいの破壊力の前には全く対抗できず。
いい。凄くいい。癒される。
なんだか危ない人のコメントになっているが、やむなしと言ったところか。
だってシルフィ可愛いし。
話の構成的にも無くてはならないキャラであるシルフィにとりあえず乾杯。
ここまでシルフィの事ばかり書いてきたが、真面目に全体感を見るとやはりヤマグチ先生は凄い。
外伝として本編を邪魔しない立ち位置での話の展開。
されど本編の設定に深みをあたえる内容。
サクサクと読みやすく笑いのポイントもしっかりおさえてあるのは高評価。
面白い一冊だった。
死図眼のイタカ
あらすじ
地方都市・伊々田市を支配する、謎多き女系一族――朽葉嶺家。四つ子の姉妹から一人を跡継ぎとして選ぶ、二十年に一度の儀式が近づいていた。 次期当主の婿として育てられた少年、朽葉嶺マヒルの周囲では、儀式が迫るにつれて不可解な少女猟奇殺人が頻発するようになる。
やがてマヒルの元に現れる、鴉を連れた黒衣の少女。人ならざる存在"GOOs"を狩る組織の一員、"殲滅機関の遺影描き"――藤咲イタカ。 彼女との出逢いによって、マヒルは伊々田市の血塗られた歴史に潜む魔と対峙する……戦慄の伝奇ミステリ!
レビュー
この作品は伝記モノです。
「火目の巫女」「神様のメモ帳」、「さよならピアノソナタ」でお馴染み杉井先生の電撃以外での作品。
他レーベルでの杉井先生作品ということで一本釣り。
これまでの作品との比較だと限りなく「火目の巫女」寄りの一作。
最初はどこのシスター○リン○スかと思える設定に驚き。
一つ屋根の下に住んでる妹同然の美少女四つ子とかどんだけー。
しかも許嫁同然。もう一度どんだけー。
そんな初期設定に惑わされてはいけない。
「伝記ミステリー」と銘打たれてるだけあって絶賛鬱話販売中。
でもサービスカットは結構多かった。
問題点というとキャラが被り気味(?)という点か。
亜希と奈緒の区別がきっちりつけられなかった。
似たタイプのキャラが二人とも短髪ということでなんか混濁。
挿絵的な問題で藤咲(イタカ)と千紗都ってなんか関係あるんじゃないかとずっと疑ってたり。
とかくキャラクターの判別が曖昧だったせいで一人で謎を深めてしまった。
ミステリーとは言えトリックとかそういうのは無く、終わってみれば「そういうことね」という結末。
相変わらずキャラクターは魅力的で申し分無し。
藤咲もイタカも千紗都も非常に可愛らしくてたまらんです。
個人的トップは藤咲かな。
読み終えてみると出だしの一巻という印象が強い。
イタカについても、その他の多くの事柄について何も明らかになっていない。
謎が多すぎて読み終えてもスッキリできないのはちょっとマイナス。
どうみてもシリーズものなので2巻以降どう進んでいくかを楽しみに待ってみる。
ゼロの使い魔12 妖精達の休日
あらすじ
トリステインの女王アンリエッタの頼みで、ティファニアを迎えにいった才人たち一行は、妨害にあいながらも、どうにか学院に戻ってきた。ティファニアはアンリエッタの計らいで、ルイズたちと同じように学院に通うことになり、その可愛らしい容姿と「革命」な胸のため、あっという間にクラスの人気者になる。しかし、ハーフエルフであることを秘密にしておきたいティファニアは、いつも帽子をかぶっておどおどしながら過ごしていた。突然現れたうえに人気をさらったティファニアが面白くない女生徒たちは、帽子をとってやろうとたくらんで……(第1話)。あの人気キャラも活躍!? 大人気異世界ファンタジーは、ちょっと一息の短編集!
レビュー
ゼロの使い魔・おっぱい編。
主に胸のおかしい連中がおりなす、おっぱい外伝(ぉ
12巻とは銘打ってあるが「休日」のサブタイトル通り進行はワンクッション。
なんだかひたすらにおっぱいネタでバカ騒ぎ。
アンチ胸のルイズが久々にツンデレ爆発で怖かったり可愛らしかったりと本領発揮。
今回は何やら救いがない&見所が無いサイトだったが、三階から迷わずダイブする姿は間違いなく「漢」だった。
ストーリー自体は進行しなかったが、その分ギャグ分が満載。
ルイズをの乗りこなせてると勘違いして調子に乗り、ボロカスにされている「いつもの」サイトを見て何か安心した。
完全に元のペースを取り戻したようだ。
鉄板シリーズの厚みがさらに増した。刊行ペースも安定してるし言うこと無し。
しかしブチ切れた時のルイズの恐ろしさは凄い…。改めてガクブル。
今回は最後までどうしようもないギャグで満たされていた。
13巻では大きな動きがあったと風の噂で聞いているので非常に楽しみ。
…その前にタバサの冒険2読まないといかんか。。。
ともかく安心して楽しめるハイクオリティーな一冊だった。
麒麟は一途に恋をする7
あらすじ
『星の子』 が生まれなければ、人類に未来はない――。
世界の破滅を願う星獣から命を狙われる春原麻由。
人類の命運をかけ最後の戦いに挑む、国見遙とその仲間たち。
死力を尽くした戦いが続く中、遙と燐は《混沌》を取り込んだ志摩に遭遇するが……。
レビュー
堂々のシリーズ完結。
「月と貴女に花束を」から数えると15冊目となる。
長かったのか短かったのか。
しかし最終巻としてきっちり締めくくってくれた。
死力を尽くした戦いに心震わす。
因縁の華音vs柚子のガチンコバトルはもの凄かった。
意地と意地のぶつかり合い。どの男キャラ達よりもど根性バトルを繰り広げていた。
ずっと引っ張ってきた割には最強の星獣・東雲がイマイチだったのはちと残念。
直純と由花のコンビ戦もそれはもう格好いい。
往年の二人の強さを再び見ることができて嬉しかった。
悲しい別れも、切ない真実もあった。
でもそれを乗り越えて行く彼らの姿に目を惹かれっぱなしだった。
色々あったが張った伏線もきちんと回収し、綺麗に終わらせたと思う。
6巻での盛り上がり方が相当なものだったので、正直7巻のクライマックスは少々物足りない感がある。
それでも読了後の満足感、達成感は相当なものだったし、登場人物達が幸せになって欲しいと思えた。
そこまで感情移入できる作品に最近出会ってなかったなとふと思う。
一気に読み切ってしまったこのシリーズだが、そこまでさせる力強さがあった。
とても面白かったです、志村先生ありがとうございました。
カレンダー&アーカイブ
<感動>最強ラノベ
<爆笑>最強ラノベ
<独特の世界>最強ラノベ
リンク(ラノベ感想系)