スプライトシュピーゲルⅢ いかづちの日と自由の朝
あらすじ
近未来都市ウィーン――ミリオポリスと呼ばれるその都には、たくさんの言語とたくさんの神とたくさんの闘争があって、混沌の中で人々はあがき生きていた。
機械化された身体を持ち、治安を守る組織MSSに所属する三人の少女がいる。
「死にませんわ、あたくし」鳳/アゲハ。
「坊主じゃねーし」乙/ツバメ。
「ボク、独りはやだ」雛/ヒビナ。
国連ビル内での内務大臣暗殺から始まるテロを前に、少女たちは立ち向かい、立ちすくむ――組織の内部崩壊を目の当たりにして。互いの絆をもって戦いへと身を投じる少女たちに襲いかかる、大いなる雷鳴。MSSの長く、熱い二十四時間が今、幕を開ける!!
レビュー
MSSに襲いかかる驚異!1時間毎に物語が進行する24時間クライム・アクション。
内務大臣暗殺から始まり、立て続けにテロがMSSを襲う。
様々な方法で攻撃を仕掛けてくる敵組織にMSSは体力を削られていく。
特攻児童の戦力を持ってしても、組織戦を覆すことは出来ず次第に戦況は悪化。
1時間毎に刻々と変わる戦況にページを捲る手が止まらない。
誰が味方で誰が敵か・・・それすらも解らなくなる混沌とした感じもプラスポイント。
今回はオイレンシュピーゲルとのリンクは少量。
これまでのように事件の側面をオイレンシュピーゲルで補完というのは難しそう。
せわしなく物語が進んでいくので、一回読んで事件の全容を把握するのはしんどいかもしれない。
でもご安心を。最後に事件を時系列でまとめたページがあるので、読了後に確認すれば整理もできるだろう。
今回も大変熱い展開でございました。
オイレンシュピーゲル 参 Blue Murder
あらすじ
「初めて仕事で人を殺したときのこと、覚えてるか?」。国際都市ミリオポリスの治安を守る、警察組織MPBの機械化された3人の少女、涼月・陽炎・夕霧。ある日、涼月は、初出撃時の記憶がないことに、あらためて疑問を抱く。彼女たちは、人殺しでトラウマを背負わぬよう、“人格改変プログラム”を適用されていた。あのとき、本当は何が起こったのか?クールでキュートでグロテスクな“死に至る悪ふざけ(オイレンシュピーゲル)”、核心に迫る第3幕!
レビュー
MPBの3人の特攻児童にそれぞれ焦点をあてた短編集。
それぞれのエピソードから別々のアプローチで物語の核心に近づいていく。
どれも少女達の「少女らしさ」がちらちら見える珍しいエピソード。
言葉的におかしいが、彼女たちの少女らしさってのはあまり見てこなかったので。
個人的には陽炎のエピソードが一番好み。一番恋する乙女をしてるのは彼女だろう。
どうやら特攻児童には隠匿された過去がある模様。
それもかなり重要な過去が。
スプライトシュピーゲルとのリンク要素は今回は少なめだが、あっちも読んでおかないと十分にこのシリーズを楽しめないのはこれまで通り。
4巻はやたら分厚い様だが、どんな悪ふざけがまっているのか期待は膨らむ。