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ヘッジファンドの米小型株ショートが04年以来最大-割高感で

4月28日(ブルームバーグ):米国株の強気相場で最も高いリターンを提供してきた小型株に対し、資産運用者が空売りを仕掛けている。
小型株の指標ラッセル2000指数 の下落に賭けるヘッジファンドなど大口投機家のポジションは今月、28億ドル(約2860億円)に達した。
ブルームバーグとバンク・オブ・アメリカ(BOA)の集計データによれば、これは2012年以来の高水準で、04年からの平均との比較でも最高。
強気な賭けが続いたこの1年とは180度方向が転換した背景にはパフォーマンスの不振がある。ラッセル2000指数 は年初来高値を7.1%下回っており、S&P500種株価指数が最高値まであと1.5%以内の水準に回復したのに比べて出遅れている。

キャップストーン・ペーパー・アンド・パッケージングやカードトロニクスなどの小型株は収益の急成長を追い風に、09年3月以来、S&P500種の20倍の上昇率を見せ、割高になっている。
ラッセル2000指数のバリュエーション(株価評価)は1990年代のテクノロジー株バブル期を上回る水準だ。小型株は通常、経済成長の加速で最初に恩恵を受けるが、5年にわたる株式の強気相場でプロの投資家の信頼を失ったことが最近の不振に表れている。

アストン/リバー・ロード・インディペンデント・バリュー・ファンド(運用額7億2400万ドル)の運用者、エリック・シナモンド氏はインタビューで、「私は20年間このビジネスをしているが、小型株は私がこれまで見てきた中で最も割高だ」と指摘。
「ラッセル2000指数にはジャンクが多い。ネットフリックスやフェイスブック、バイオテクノロジー株などを売り始める動きが見られる中で、ヘッジファンドであれば、リスクを売る良い方法はラッセル2000を売ることだ」と述べた。


大口投機家

テクノロジー株主導で米株式市場の時価総額が今月2日から12日に10億ドル減少した中、大口投機家は空売りを増やした。
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ヘッジファンドなどのトレーダーは今月15日終了週にナスダック100種指数先物 の保有を減らし、S&P500種の先行きについて弱気に転じた。

CIBCワールド・マーケッツのテクニカル調査ストラテジスト、シド・モクタリ氏は23日に電話インタビューで「市場が守りの姿勢に転じたことを示している」と述べ、「小型株市場では勢いが失われたようだ」と指摘した。
ラッセル2000指数 は先月、構成銘柄の年間EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)の10.8倍のバリュエーションに達した。
これは少なくとも1995年来の高水準。先週末は10.2倍だった。

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