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米国株(23日):下落、決算低調でECB量的緩和の効果相殺

(ブルームバーグ):23日の米株式相場は下落。
中央銀行が世界の成長を支援するとの信頼感は広がっているものの、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)やキンバリー・クラークなど低調な企業決算を背景に売りが優勢となった。主要株価指数は、週間では今年に入り初の上昇となった。
UPSは大幅安。同社の2014年暫定決算では、利益が従来予想を下回った。ホリデー期間の大量輸送への過剰対応によりコストがかさんだ。バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)メロンやステート・ストリートなど金融株も安い。両社ともユーロ下落に伴い同通貨圏での収入が打撃を受けたことを明らかにした。キンバリー・クラークも安い。2015年の業績見通しが市場予想に届かなかった。

S&P500種 株価指数は前日比0.6%安の2051.82。週間では1.6%高となった。ダウ工業株30種平均はこの日141.38ドル(0.8%)下げて17672.60ドル。

スタイフェル・ニコラスで1700億ドルの資産運用に携わるケビン・キャロン氏は「市場は依然として欧州中央銀行(ECB)の措置について評価を続けている。決定会合が始まる前に既にどの程度織り込まれていたのか、そして今後の金融市場にどういった意味を持つのかという点を把握しようとしている」と述べた。

米証券取引所全体の出来高は約65億株と、3カ月平均と一致した。下げは取引終了前の30分間で加速した。資源株の下落率は1.6%に拡大した。この日は、25日のギリシャ総選挙を控え様子見姿勢も広がった。世論調査では、反緊縮を掲げる政党が勝利するとの見通しが示されている。


ECBの量的緩和

ECBのクーレ理事は、量的緩和(QE)プログラムがインフレに対して十分な効果を発揮していないと判断された場合、QEを拡大あるいは延長する可能性があると述べた。ドラギECB総裁は22日、月600億ユーロの資産を購入するQEプログラムを少なくとも2016年9月末まで実施すると発表した。
  
ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「ECBは今後も数営業日は最も注目される材料だろう」とし、「市場は依然としてこのバズーカ砲の消化しようとしている。企業決算の方が今後より注目を集めるのは明らかだが、重要なのは相場上昇の継続だ。きのうは良い上昇が見られたが、これまでも1日だけ上昇して、その後続かなかったケースが数多くある」と述べた。

この日の経済指標では、米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した12月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.5%上昇した。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.4%上昇だった。
一方、昨年12月の米中古住宅販売は市場予想を下回る伸びとなった。


10指数中8指数が下落

S&P500種の業種別10指数 は8指数が下落。資源株の下げが目立った。
UPSは9.9%安で、下落率は2006年以降で最大。フェデックスも3%下げた。  
また為替の変動が銀行に影響を与えている。ユーロは11年ぶり安値に下げ、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は終値ベースで過去最高となった。BNYメロンとステート・ストリートはこの日、ユーロ下落で同通貨圏の収入が縮小しつつあると説明した。ステート・ストリートは6.1%安。BNYメロンは4.7%下げた。
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