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Duvar 1983年 【再掲】

映画
10 /31 2024
Duvar 

  1983年 トルコ、フランス  (日本未公開)
 
  監督:ユルマズ・ギュネイ

  THE WALL 
 
  IMDb Duvar

毛が生え始めた頃の少年の珍をアップで正面から見せている映画として、紹介したい。

これはフランス映画だが、トルコのアンカラにある刑務所を舞台にした映画で、言語もトルコ語となっている。「DUVAR」は壁という意味だ。

刑務所の中は、男女や年齢で分かれており、ドラマとして特にスポットをあてたのが、13才~19才の男の子がいる少年刑務所。ここで暮らす少年たちが、暴力や性的虐待などを受けながら、厳しい生活をしている様子がドラマとして描かれていく。

そして、少年刑務所以外にも刑務所があるのだけれども、先に女性刑務所の注目する場面を二つ紹介したい。

現実問題として服役中に臨月になる女性もいるのだろう。映画の終盤近くに出産場面があった。夜に急に陣痛がはじまる女性がいて、助けを呼んだけど看守や医療スタッフはこなかった。それで囚人たちで出産を応援する。このときカメラは女性の下半身側から見ており、大きく開いた膣から赤ちゃんの頭が出てくる様子をそのまま撮影しており、映画としてドラマの場面になっていた。作り物ではなく、本当の赤ちゃんのようだ。生生しい映像なんだけど、全部見せちゃうんだなと思った。版によっては、赤ちゃんの頭が出てくる瞬間だけはカットしたものがあるようだ。さすがにNGと判断されたのだろう。

そしてもう一つ、女性囚人の入浴場面が中盤にある。通常、映画では男性の入浴場面が描かれる場合が多いと思うけど、ここは女性となっているのはめずらしいかも。母と子で洗濯をしており、囚人の子が一緒に暮らしているのがわかる。お風呂では、腋毛を剃ったり、裸の女性が陰毛を剃ったりする場面が、そのまま描かれている。

基本的に刑務所の中はみんな私服だし、大部屋での共同生活という感じ。もちろん看守には逆らえないし、問題を起こせば暴力による虐待もある。刑務所の中で結婚したり、出産したり、親子で暮らしたりと、壁の中に束縛されているけれども、そこでたくましく生きるということを感じさせる光景がある。

それでは、少年刑務所に話を戻そう。前半の場面で、ネクデットという少年が女の子じゃないのかと疑われ、他の少年たちと一緒に所長のところに連れていかれる。どうも見た目が女の子っぽいし、ネクデットの珍を見たという人がいない。ネクデット本人は僕は男子だと主張するけれども証拠を見せろということになる。みんなの前で珍を出せという命令を受けるのだ。もし珍を見せないのなら女子刑務所送りにするぞと脅されたりもする。恥ずかしいから見せたくないと言うけど、殴られて最後は見せることになった。カメラは少年のズボンの前をアップにして注目し、珍が出てくるをの待っている。少年がズボンの前の穴に指を突っ込んで、ボロンと珍を取り出して見せる。親指よりも太い感じの珍で、付け根付近にはうっすらと毛が生えている。ちょうど成長過程の男子のそれとわかるような描写だった。

珍を見せて女の子じゃないことが証明できたのだけれども、そこからがもっと大変なことになった。思春期の男子が、がっつり皮を被っていたからね。割礼を受けていないじゃないか、お前はムスリムじゃないのかと疑われることになる。ムスリムだと信じてくださいと言っても、また証拠を見せろと言われてしまった。誰もが知っているはずの神を賛美する句を語ろうとするのだけど、ネクデットは思い出せず、うろたえてしまう。

刑務所という劣悪な環境で生きる人たち、虐待が当たり前の看守たちの対応、割礼などの儀礼や宗教の問題、いろいろなことを考えさせられる映画だったと思う。監督のユルマズ・ギュネイは、トルコでは作家として反社会的だと指摘され投獄された経験を持っている。その後亡命したフランスで、「路:YOL」と「壁:DUVAR」の二つの問題作を発表し、1984年に亡くなっている。

  https://www.youtube.com/watch?v=iOL4UUepv7Y

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Re: タイトルなし

>コメントくださった方へ

 珍出しの場面は42分~43分頃です。

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Re: タイトルなし

コメントくださった方へ

 > 一瞬ですね

そうですね。出してすぐに終わりという感じです。

映画一路

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