(写真は時事)
長崎県などの有明海の諫早湾を占めきって実施してきた国営諫早湾干拓事業の完工式が開かれました。
テープカットをする金子原二郎・長崎県知事らのニュース映像。
ところが、「主役」のあの人がいません。有明海に生息する魚、ムツゴロウもそうだけど、この事業を推進した「あの人」です。
農林省出身で地元・長崎2区選出の久間章生さんですよ。映像で見る限り、この会場にいなかったようです。聞けば入院中とか。さぞかし無念でしょう。
諌早湾干拓は、国が有明海にある諌早湾を堤防で閉めきって干潟を農地にする事業で、21年の歳月と2500億円を超える費用を投じました。
ラムサール条約で湿地(wetland)の保護がうたわれましたが、そんなの無視!無視!
秋田の八郎潟干拓地を休耕田にして、西日本に干拓地を誕生させる、まさに「国土の均衡ある発展」。この農林族の頂点が久間章生さんなのです。
諫早湾を堰き止めるショッキングな「ギロチン事件」は1997年4月14日のことでした。
渡辺周衆院議員のホームページから
これは1998年7月の第18回参院選での自民党惨敗の遠因ともなりました。
干拓が始まった後も、民主党が公共事業コントロール法案の提出など抵抗は続きました。
鳩山由起夫さんが橋本首相に直談判に乗り込み、ムツゴロウの置物をプレゼントしたこともありました。鳩山さんのやり方を「冷笑」した政府・与党関係者の顔を私は覚えています。
衆院予算委員会で追及する菅直人さんにヤジを飛ばす久間さん。菅さんに「筆頭理事がやじるんじゃないよ!!」と制されると、すかさず「いや、地元のことだから」と不規則発言。
そして今日、完工式を迎えました。
来春から農地の貸し付けが始まります。
この複数年度にわたる2500億円の支出こそ自民党政治のなんたるかを示しています。まさに今、戦後レジームからの脱却が求められています。
諫早湾干拓の完工式 着工21年、抗議行動も(共同通信) - goo ニュース
諫早湾の奥を堤防で閉め切った国営干拓事業の完工記念式典が20日、長崎県の諫早市内で開かれた。着工から21年、紆余曲折を経た総事業費2500億円の大型公共事業は大きな節目を迎えた。干拓地の式典には金子原二郎長崎県知事ら関係者約60人が出席。「多くの人の協力で今日を迎えられた。感無量だ」と金子知事。近くの海上などでは漁業者や市民団体が集まり「漁業被害は干拓が原因だ」と抗議した。
(共同通信)
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