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量産型の戦い

昨日更新したコラムでは、ゴジュラスMK-II量産型とアイアンコングMK-II量産型の戦いは遂に行われなかった……と書きました。

そういえば新世紀はどうだろう。

ジ・オーガとPKの戦いはありましたが、ノーマル同士の戦いあるいはガナーとMSの戦いは遂に描かれる事がなかった……。
新世紀でもやっぱり戦いは少なかったようですね、、。

アイアンコング用CP「CP-11マニューバスラスターユニット」には
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ロングレンジバスターキャノンを装備した「ゴジュラスガナー」とは、遠く中央大陸戦争時代からの宿敵同士であり、その仇敵が今、北エウロペ大陸へ上陸を果たした。
数十年前の決着をつける時がきたのだ。
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なんて書いてあるんですけどねぇー。


本格開始前の新世紀ゾイドはゴジュラスとコングが代表の扱いでした。
新世紀ゾイドが高速ゾイドの華やかでカッコいい姿で疾走し大成功した事に異論はありませんが、それはそれとしてレッドホーンを豪快に投げ飛ばすゴジュラス。ゴジュラスと五分に戦えるコング。
このような重々しいゾイドの活躍も多く描いていたらどうなっていただろう……という想像はどうしてもしてしまいます。

ただ旧大戦時と違ってゴジュラスは数が少なかった。
(旧大戦時は希少だ適合するパイロットが少ないだ言う割に無限に戦場に居る)
昔と違って一機損失の持つ重要度が全然違う。気軽に出撃させられない。
レッドホーンに勝てる事は分かっていても倍する敵に対しては出撃をためらう場面もあったと思います。
ましてコングが相手の時など……。

私の想像ですがゴジュラスは「侵攻」に用いられることは少なく、主として「防衛」に運用されていたと思います。
あの頃の共和国軍はとにかく防衛が大事だった。

ただ唯一、これってゴジュラスMK-II量産型とアイアンコングMK-II量産型の戦いなのかな……? と思える資料もあったりします。


これはコロコロ付録のゾイドカレンダーの裏表紙。

暗闇に浮かぶ両雄がカッコよすぎる!
これは新世紀時に公開された画像ですが、ゴジュラスの目が緑だから明らかに旧大戦時を記録した写真だと思います。
どう解釈したもんだか。

まぁ、この写真を手掛かりに「あまり写されていなかっただけで、やっぱり無数の戦いが行われていた」と思うのが一番夢があるかなーと思います。

105mm砲

ゴルドスのキャノン砲の口径は105mm。
これはゴルドス発売当時(1984年)の地球主力戦車の主砲と同じです。


これは陸上自衛隊の74式戦車。
私が最も美しいと思っている戦車です。


105mm砲装備。
74式戦車、すごく好きです。曲面装甲を持ちスマートで、より新型の90式や10式よりも好きです。
大型の投光器があるのも良い。これがデザインを微妙に左右非対称にしているのも好きなポイントです。
10式戦車が登場した現在はさすがに主力から退いていますが、割と近年まで陸自の戦車と言えば74式でした。


ゴルドスと比べるとこんな大きさ。ゴルドスは全長30.3mで74式は9.41m。
全長もさることながら、ゴルドスは高さが圧倒的にあります。
ゾイドは改めてデカいなぁ……。

あと、これだけの大きさを誇るのにゴルドスの主砲は105mm。
かなり控えめなことが改めて分かります。

さて74式。
80年代当時は絶大な人気を持っていたと思います。
というのも一つ前の61式戦車はちょっと中途半端な出来でありました。


こちらが61式。
なんというか、見た目からして一世代古い事が分かりますね。
車高も高いし。

砲は90mm砲。当時の標準で、攻撃力は及第点です。
ただし欠点も多く、まず馬力が低い。そのくせに燃費が悪い。そのうえ燃料搭載量が少なく航続距離が非常に短い。
操縦もクセが強く兵員の育成に時間がかかる。世界一操縦の難しい戦車との評価もあるほどでした。
更に致命的な点として、開発が遅延してしまった。そのせいで完成した頃には他国はもっともっと先進的な戦車を開発完了してしまっていました。

61式は戦後第一世代戦車に分類されます。欠点がありつつも、第一世代戦車の中では並程度の能力と言えるでしょう。
しかし完成時期は他国が新型高性能戦車を開発。時代は「戦後第二世代戦車」に移っていったのでした。
こうして61式は完成直後から既に型落ち感のある戦車と相成ったのでした。
華がない。これではときめきにくい。

そこで早くも後継(第二世代戦車)として開発されたのが74式で、61式の経験を活かして飛躍的に完成度の高い仕上がりになりました。
主砲は90mm→105mmにパワーアップ。
更に姿勢制御や主砲発射システムで最新の高性能システムを積んだのも特徴です。これは戦力を飛躍的に向上させました。
戦後第二世代戦車の中では最強との評価もあります。まさに汚名返上と言えましょう。

やりようによっては第三世代戦車(90式など)とも互角にやりあえると言われています。
さすがに次世代車両には劣るが全く勝てないわけではない……というのも何だかロマン。



74式はデザインも低姿勢・曲面で優雅で、61式のこれはこれで味のあるデザインながら戦中戦車の設計から抜けきっていない感じがするものから大きく進化しています。
74式を見てから61式を見ると、全体的な印象に加えて主砲先端にあるT字のマズルブレーキが非常に古臭く感じてしまうんですよね……。
まぁその戦中戦車から戦後世代へ流れる「過渡期」を感じる意味では61式も魅力的なんですが。ゾイドで言うとゾイドマンモス的なポジションで。

74式戦車で熱くなり過ぎました。
話を元に戻します。


そんなわけでゴルドスの105mmキャノン砲は当時の主力戦車の主砲が由来だと思います。
ゴルドスは高性能レーダーに加えて最新戦車2両分の火力を持っているんだ! というわけです。

ゾイドはトレンドをよく取り入れています。
ビガザウロのカラーは当時のチビッ子のあこがれ0系新幹線。
デスザウラーの目は当時最新の100系新幹線。
ジーク・ドーベルはステルス機の設定を持ち丸い曲面装甲を持っていますが、これは当時話題になったF-19ステルスファイターのデザインを思わせます。

新世紀もジュラシックパークIIIでスピノサウルスが一躍有名なヒーロー恐竜になった翌年にダークスパイナーを出しているし。
大型イベント「恐竜博2002」でセイスモサウルスが話題を呼んだら翌年にゾイド版セイスモサウルスを出しているし。

ゴルドスもまた、トレンドを取り入れたゾイドなのかなあと思います。全体ではなく主砲という「部分」ではありますが。
ゴルドスの主砲は当時かなりアピールされた点でもあります。
対象年齢が低い雑誌になるほど、レーダーよりも大砲がアピールされている気がします。
やっぱり電子戦は少し難しいのかもしれませんね。大砲はもう、単純明快でドカンと撃つだけでいいから。



唯一だけ惜しいとすれば、色が本体と同じなので、紛れてしまい目立っていない事です。

「ウルトラザウルス:本体=黒、キャノン砲=灰色」
このように大型砲を持つゾイドは砲の色は違う事がほとんどです。
ゴジュラスキャノンも、アイアンコングのミサイルも、マッドサンダーのマグネーザーも。
武器を目立たせる配色は後期になるほど激しくなり、末期においては金色にさえなります。



大型武器を持ちながらも色が本体と同じなのはレッドホーンとゴルドスくらいかなぁ。
初期は武器の色も地味に。ミリタリー的にリアルにする方針だったんだなぁと思うと興味深いものです。

シーマッドの大きさ問題

まさか今年になってこの改造ゾイドの事をここまで詳しく考えるなんて全く想定外なんですが、シーマッド。


の続き。
さすがに今日でラストになると思います。

今日は例のダーク・ホーンにやられた時に小さくなってない? 問題も解決したいと思います。


<小学三年生 1989年6月号より>

これねぇ。多くのユーザーが突っ込んだ案件じゃないでしょうか。
私も当時から「なんでやねん」と突っ込んでいました。

あと他に矛盾と言えば、


<小学二年生 1989年6月号より>

「シーマッドは輸送船だ。武器など積んでいない」との記述があります。そのため錨を投げつけたんですが、背中に大砲付いているじゃんか……。
ノーマルタイプでいう所の二連大口径加速衝撃砲とキャノンビーム砲。これがそのまま大サイズになったのが付いてるではないか。
これの矛盾も解決できれば良いかなと思います。



さてシーマッドですが、上記の点を考える前に、ちょっと思いついた事があったのでそこから書きます。
船の先端がマッドサンダーになっているという衝撃的な姿ですが、ちょっと思いました。


これはフェリーに自転車積んで四国に行った時の写真ですが、船首部分が開いている事に注目。
輸送船はこういう構造になっている事が多いですね。

シーマッドを船としてみた場合、船首形状がこれでは波の抵抗とかを受けまくって操舵がすごくやりにくい。
そこで、普段は船首に普通の船のようなカバーが付いているんじゃないかな。通常の高校はこれで行う。
いよいよ上陸直前になった段階でのみ、船首のカバーを外してマッドの頭が出てくるという構造を想像しました。

シーマッドが敵に発見された場合……、暗黒軍としては「艦船を発見!」と思っていたらデカいマッドサンダーが出てきたというのは凄い衝撃でしょうね……。



次に大きさ問題です。
シーマッドがダーク・ホーンに突撃された時に小さくなってる問題ですが、私は、もしやシーマッドは「中に通常のマッドサンダーが入って操縦している」んじゃないかと思いました。
Gガンダムの操縦方法みたいな感じです。あるいはスペースキングキタンみたいな。

1:パイロットがマッドサンダーに乗り込んで操縦する
2:そのマッドサンダーがシーマッドの中に入って操縦する




という事です。
なぜこんなことをするかというと、シーマッドはこちらの記事で書いた通り上陸時に一帯を整地する役割を持っています。
しかし味方が上陸してしまえば用済みになってしまう。
貴重なマッドサンダーをそれ以降使い道がないようにしては勿体ない。
そこで、任務が終われば通常タイプに瞬時に戻せるように、このようにしたと思いました。

上陸時のシーマッドはガワが付いた状態。だから大きかった。
ダーク・ホーンにやられた時は、ガワを脱いで通常のマッドサンダーに戻った後だった。だから通常と同じ大きさだった。
(またシーマッドとして動いた直後だったので蓄積した疲労がありダーク・ホーンに容易に不覚を取った)

ゾイドは「人工ボディが元の姿とかけ離れた姿だと上手く動けない」という問題があります。
シーマッドはその問題を回避するべく(また開発期間を短縮するべく)、ガワは元と全く同じ形で作っておいた。
なので外観上は砲も付いているが機能しない。

そんな風に考えてみました。
これにて大きさの問題、武装が明らかにあるのに無いと書かれている点が解消できたでしょうか。
この見解をとりあえずポイント・シーマッドとしておきたいと思います!

でかさ

先日の記事ではシーマッドやデスクラッシャーについて、その目的を考えました。
シーマッド
デスクラッシャー

巨大。画面から推測してだいたい2倍強の大きさ。単純に言うと重量は8倍程度になっています(シーマッドは船体重量は省く)。
ただ8倍となるとさすがに動く事さえ難しいと思う。
重量が8倍って凄まじい事です。
界王様の星に行った直後の悟空みたいな感じの動きになりそう。

さすがにそれでは役に立たないので、装甲は大幅に削られていると思います。
その作業目的において十分な働きを示せれば良い。
分かりやすく言うと元のマッドサンダーやデスザウラーの装甲は重戦車の正面装甲。非戦闘用のシーマッドやデスクラッシャーは農作業用のトラクター並の感じ。

私の推測ではシーマッドのドリルの強度はせいぜいブラックライモス並。いやもっと言うとグランドモーラーが大きくなった程度かもと思います。
それでも岩盤を崩すくらいには強いから必要十分。
回転の出力もマグネーザーよりだいぶ減らしてあると思います。
(マッドサンダーはその気になれば全力回転でマッドサンダータイフーンという攻撃さえ出来る)

シールドも掘削で飛んできた岩の破片とかを防げれば十分。岩であっても勢いよくと出来ればコンテナには重大な脅威たります。
マッドの大きなフリルでそれを受け止めるのだと思います。
とはいえもちろん岩を防ぐ程度でしかないから、荷電粒子砲はもちろんレッドホーンの砲でさえやばい。もちろんダークホーンの突撃やハイブリットバルカンを喰らおうものなら……。

その一方で、そうした作業用機としての最適化の結果、重量はノーマルからせいぜい2~3倍程度で済んでおり、緩慢ではあるが動ける程度を維持できた……と思います。
これはデスクラッシャーも同じです。装甲を減らして攻撃用装備も撤去したのでどうにか動ける程度は維持できている。
ただ、やっぱり鈍い。
ノーマルのあのシールドライガーさえ軽くとらえてみせる俊敏さはない。ガンブラスターの砲撃を一切回避できず全弾喰らってしまう。そして装甲が弱いのですぐに沈んでしまう……。

今回の考えでは、イロモノくさかったシーマッドやデスクラッシャーに良い見解を出せたと思って満足しています。
ただ唯一だけ残る疑問は……、


<小学三年生 1989年6月号より>

シーマッドの大きさはいったい……という所ですねぇ。
これ、ダーク・ホーンが大豪院邪鬼現象でデカく見えてるだけなのか、それとも……。

ま、「誤記」と考えるのが一番楽ではあるんですが。
新ゾイドバトルストーリーは金グライガーが「シールドライガー」と誤表記されている箇所があったりするし。

ちなみに学年誌だとこれは別のエピソードで、ノーマルのマッドサンダーでした。
デッド・ボーダーを倒して「もはやデッド恐れるに足りず!」と調子こいてた所を襲われました。
慢心はいかんですね……。

デスクラッシャー

昨日の記事でシーマッドの事を書きましたが、今日はもう一つの超巨大ゾイド「デスクラッシャー」について考えたいと思います。
超超巨大なシーマッドが登場して、その次の号で超超巨大なデスクラッシャーが登場する。なんていうか凄い号ですねぇ。
でもこんな豪快な改造ゾイドが登場する中で初登場のインパクトを残したガンブラスターは本当に凄いゾイドです。

さてデスクラッシャーです。


<小学二年生 1987年7月号より>

解説ではデスザウラーの部品をすべて2倍にしているとのこと。
本当に巨大です。


<小学二年生 1987年7月号より>

ゴジュラスを踏みつぶして、


<小学二年生 1987年7月号より>

パワーハンドで握っちゃう。


ジオラマで言うとデスザウラーは通常のキット。1/72です。
対してゴジュラスはJr.ゾイドの1/155を使っています。
更にデスザウラーの方は脚や腕を延長しているので、通常タイプよりもいくらか大きくなってる。
厳密には2倍ではなく2.2倍くらいかな。


ストーリーの推移については先のブログ記事こちらのコラムを参照してください。
改めて読むとデスクラッシャーVSガンブラスターは「ダビデとゴリアテ」がモチーフになっている気がします。

さてデスクラッシャーですが、不思議なのはその戦法です。踏みつぶしや握りつぶしで戦うなんて、とても原始的。
このサイズで荷電粒子砲(暗黒粒子砲?)を撃ったら共和国部隊をまとめて消してしまえそうなのに。

考えたんですが、もしかしてデスクラッシャーは砲は撃てないんじゃないかと。
というか、そもそも戦闘用ではないんじゃないかと。

じゃあ何かというと、作業用メカです。
暗黒大陸は地形が険しくて、移動が大変です。
例えば断崖絶壁の崖。こういう場所に来るたびに進軍がストップするなんて、そんなのやってられねぇ。
デスクラッシャーの意義は、そうした場合に味方の移動を支えるサポートメカなんじゃないかと。

デスクラッシャーがゴジュラスを握りつぶしている画像を見てください。
パワーハンドがかなり巨大化しています。
ただ前から思っていたんですが、これは箱状で握り潰す事は苦手な形に見える。

例えば目の前に崖がある。味方部隊はそれを越えなければならない。
そういう時にデッド・ボーダーやダーク・ホーンを手に乗せて崖の上に乗せる。
こうする事で進軍の速度が低下するのを防ぐ……。
本来はそういう目的なんじゃないかと。

そういえば体中にライトのようなものが付いていますね。


<小学二年生 1987年7月号より>

これも夜間の設営とかで付近一帯を照らす照明として使うんじゃないかな。
かなり便利そうです。


<小学二年生 1987年7月号より>

ダーク・ホーンは凄まじいジャンプでガンブラスターに飛び掛かりましたが、もしやデスクラッシャーが放り投げていたのかも……。
そういうサポートも出来るのかもしれない。


ただしサポートメカであって、戦闘用に使うもんではない。


サイズ2倍になるというのは体積(重量)は8倍になるという事です。
デスザウラーが400tだから単純計算すると3200t!
ガンブラスターに一瞬で撃ち抜かれている所からして、かなり装甲を削るなどの軽量化はしていると思う。
それでも2000tくらいはありそう。
コアはデスザウラーです。出せるパワー限界にはノーマルから変わりがないので、体を動かすだけで精一杯でしょう。
(ディオハリコンで強化していたとしても、この大重量の前には大した効果じゃない)
とてもこの状態で荷電粒子砲を撃つなど……。


思えばデスクラッシャーが登場したシーンは印象的でした。
①シーマッドが暗黒大陸に座礁した。共和国軍はひとまずの戦力展開をした。
②デッド・ボーダー部隊が迎撃に出た。
③続けてダーク・ホーンが加わった。
④しかしガンブラスターやゴジュラスMK-IIの活躍で暗黒部隊は敗北した。

⑤ここでようやくデスクラッシャーが登場しています。


デスクラッシャーが戦闘用であれば最初に登場するべきだった。暗黒軍が今回行っているのは「戦力の逐次投入」です。
天下の愚策です。

戦力の逐次投入とは要は小出しです。初動戦力が損耗してから場当たり的に次の戦力を投入する事です。
小出しの戦力なので弱い。各部隊がすりつぶされてしまい最終的に全体が壊滅する。
敵戦力の見積もりの甘さや時間的物理的制約からこうなってしまいます。

似たような戦術に「波状攻撃」もあります。
これも戦力を分散して次々に敵にぶつける作戦ですが、これは良策とされます。
違いは、敵戦力に対して十分な戦力を用意しつつ味方の損耗を見ながら随時部隊を入れ替えて敵を攻撃。敵に補給や再編の余裕を与えず攻撃を続ける事です。

暗黒軍の戦術は明らかに前者の愚策。
デッド・ボーダー部隊を投入して。当初こそ優位に立つもののシーマッドの錨などで反撃されて形成不利になった。
こうなってからダーク・ホーンを投入している。判断が遅い👺
そしてダーク・ホーンも敗走した後になってようやくデスクラッシャーを投入している。
間違いなく波状攻撃ではなく戦力の逐次投入になっている。

この暗黒軍のチグハグな戦いは、共和国軍の突然の上陸に驚いた暗黒軍が、デスクラッシャーで急いで戦力を移動させた。
運び終わった部隊から次々に投入した。でもそれは戦力の逐次投入になってしまい失敗した。
最終的に手持ちの戦力はゼロになり、仕方なく本来は作業用サポートメカのデスクラッシャー自身が戦場に立ったが負けてしまった……という推移だと思います。


もちろん暗黒軍の輸送艦はホエールカイザーですが、あれはでかすぎる。
またグスタフでは暗黒大陸での輸送には適さない。崖や険しい山岳では十分な働きが出来ない。
そこで輸送や各種作業を理想的に行えるデスクラッシャーが開発されたのではないか……。

貴重なデスザウラーをこのようにするのは勿体ないんですが、当初の暗黒軍はデッド・ボーダーがあればデスザウラーは不要と考えていたのかも。
かつてゼネバス帝国軍は大型レッドホーンの後継機に中型ブラックライモスを採用しました。あれと同じで……。
ただ結局、デッド・ボーダーは早期に対策がされて戦力として不十分になってしまった。
一方のデスザウラーは巨大ゆえに底力があって、やっぱりこっちの方が総合的な能力ははるかに上だった。
なのでデスクラッシャーは結局量産されず、デスザウラーは変わらず本来の姿で戦闘用として運用されたのかも。

デスクラッシャーもなかなか興味深いゾイドだなと思います。

シーマッド

少し前の小二の暗黒大陸上陸作戦の記事を書いていてふと思ったんですが……、シーマッド


<小学二年生 1989年6月号より>


改めてデカいですね。ゴジュラスが上に乗ってるもんなぁ。
(ジオラマ的にはJr.ゾイドを使用している)

巨大コンテナ船なので、おそらく全容はこんな感じでしょう。



さてシーマッドです。
昨日まで、また共和国もワケ分からんものを作って・・・・・・・・ と思っていたわけですが、この形状に意味を見出せました。

ワケ分らんというのはまさに文字通りで、普通の船じゃいかんのか? という事ですね。
わざわざ巨大化したマッドサンダーの顔を船首に付けなくても……。

普通の輸送艦で、それをウルトラザウルスとかが護衛する形じゃいかんかったの?

これについて、多分「このサイズの巨艦を動かすにはゾイドのエネルギーが必要だった」のだと思っていました。
ただ、それならマッドサンダーの顔を船首にする必要もないわけで。
だって船首形状がこれでは波の抵抗とかを受けまくるでしょう。操舵がすごくやりにくそう。
実際、漂流してしまったし……。

マッドサンダーのエネルギーが必要だったとして、艦内にマッドサンダーを置いて、コアにエネルギーパイプをつないで、それで船を動かせばいいはず。
わざわざ船首をマッドサンダーの顔にした理由とは。

これは「暗黒大陸海岸部は切り立った崖(断崖絶壁)が多い」と想定していたからではないかと。



浜ならそのまま乗り上げてしまえばいいんですが、切り立った崖なら無理。
探せば浜もあるだろうけど、悠長に探してなんておれん。敵に発見される前にいち早く上陸せにゃならん。

また浜なんかの上陸しやすい地点は暗黒軍も迎撃態勢を整えているでしょう。
そんな場所に上陸したくはない。
できれば暗黒軍の裏をかくような上陸……、切り立った崖などの想定外の位置から上陸したい。
そうすれば暗黒軍の対応も遅れ、共和国軍の上陸成功の確率は格段に上がるだろう。

そこで共和国軍は二つのプランを作った。
一つは空飛ぶ輸送艦、タートルシップ。
これは飛べるから崖を無視して上陸できる。

もう一つはシーマッド。
これは輸送艦の船首を巨大化したマッドサンダーの頭部とする。
これにより暗黒大陸の切り立った崖をマグネーザーで破壊・整地して強引に上陸する。

シーマッドはそういう目的の艦ではないか……と思いました。だからあんな巨大なマッドサンダーの頭(マグネーザー)が必要だったのです。
シーマッドはあの巨体のまま暗黒大陸の切り立った崖に突撃し切り崩す。そして強引に上陸するという発想の輸送艦だったのであります。

こう見ると、一見ありえないだろ……と思っていたシーマッドも中々味わい深いものがあります。

ダーク・ホーンにやられずにデスクラッシャーと対戦していたらどうなっていただろう……。

VSギル・ベイダー、ザ・ファイナル

VSギル・ベイダー、ザ・ファイナル。
だいぶグダグダ続けてしまった気がしますが、今日で最終回。
年内に終わらせることが出来て良かった。(年明けからも補足の話題くらいは書きそうな気もするけど)

さて今回はマッドでギルを倒す! 最終回を始めます。

前回までの記事をまとめます。

・既存の改造マッドでは厳しい。
グレートサンダーやマッドジェットは初回だけの不意打ちならばワンチャンスあるかもしれない。
しかし二度目はない。
その他の改造マッドでは根本的に厳しい。

・ギルの翼を奪って地上戦を展開すれば勝てる。
翼を奪うというのは[飛行能力][大型ビームスマッシャー]を無くすという事である。

・ギルの翼は鉄壁を誇るが、唯一、貫通力を高めた「点」の攻撃には弱い。
中性子ミサイルにも耐えたその一方、ガンブラスターの黄金砲を避け、オルディオスの砲撃で翼に穴が開いた所から。

ここから導かれる答えは「マッドサンダーに対ギル用の貫通力を高めた対空装備を積めば良い」です。
そうすれば地上戦に引きずり込める。


ガンブラスターや改造タイプ「アルトブラスター」は防空戦で活躍してるんですよね。
(新バトストではノーマルのガンブラスターもギル相手に対空戦をしている)

ところでアルトブラスターはともかくガンブラスターはよく対空射撃できたなぁ。
射角が正面に限られるガンブラスターでよくもまぁ対空射撃を……。


ガンブラスターを操っていたのは超エースであるところのグラハム大尉でした。
もしかしてガンブラスターを一時的に立ち上がらせて撃っていたのかな。
四足歩行の動物でも立ち上がることってありますもんね。猫とか犬とか。

ワニにも古代には二足歩行するタイプが居たという。
ガンブラスターは非常に短足ですが、グラハム大尉くらいの超エースだったら短時間立たせるくらいやってしまえるのかも……。

グラハム大尉がガンブラスターで対空射撃をしたのはギルが中央大陸を初爆撃した日でした。
ここで、最終的にやられたとはいえ善戦したガンブラスターを見た軍部は考えた。
ガンブラスターの対空射撃はけっこうイケる。
でもグラハム級の超エースじゃないとそんな芸当は出来ない。
そこで元から二速タイプにした改造仕様「アルトブラスター」が急造されたのかも。

まぁでも、ノーマルタイプからしてアンキロサウルスの特徴を完全に振り切った仕様のガンブラスターです。
お前はどこの特殊改造タイプや というくらい凄い仕様。
なので、いまさらちょっと立たせたり完全二足化することなんて大した問題じゃないのかも……。


とまぁ話が逸れてきたので本題に戻しましょう。
マッドに対空砲を付けるなら、ガンブラスターの黄金砲と同性能のものか、あるいはオルディオスのグレートバスターを装備したい。

グレートバスターは厳しいかなぁ。
この装備は「翼で吸収した超電磁エネルギーを体内で増幅・発射する」と解説されています。
翼がないと厳しいかも……。

ただし黄金砲はイケると思います。
この装備は箱解説によると「最大限まで増幅されたエネルギーを全開で発射する超兵器」とあります。
なのでどのゾイドにも搭載できるわけじゃないと思う。
エネルギーチャージャーが要るのだろう。
でもマッドはいけます。なぜならマッドはエネルギー増幅装置・ハイパーローリングチャージャーを持つからです。

むしろマッドに載せた方がパワー値で大きく勝る分、長時間の射撃を継続できると思う。
改造の手順としては
・対空砲(黄金砲)を増設する
・ハイパーローリングチャージャーのエネルギー回路を対空砲にも回せるようにする

になるかな。そこまで難しくはないと思います。

なおその時に最適化もしたい。
ガンブラスターの黄金砲……、ハイパーローリングキャノンというのは多種多様な砲の集合体です。

・ブレーザーキャノン(×2)
・パルスガン(×2)
・ビームライフル(×2)
・サンダーキャノン
・連装加速ビーム砲
・電磁砲
・プラズマキャノン
・連装パルスビーム砲
・ビームキャノン
・レールキャノン
・ショットガン
・加速衝撃砲
・三連速射砲


という13種類・合計20門という凄まじい内容。
豪華絢爛だが無駄が多い仕様でもあります。
それはそれでいい。多種多様な砲を複合する事で、どんな防御機構を持つゾイドにも効力を発揮する。
しかし今回は対ギル・ベイダー用に特化したい。
そこで貫通力の低いものはのきなみ撤去。貫通力の高いもののみを残したいと思います。
そしてその分、同じエネルギー量で多くを発射できるようにします。

付き位置はマッドの背中で良いでしょう。
キャノンビーム砲や大口径二連加速衝撃砲の位置に付けます。
もちろん元と同様に旋回機構は残します。仰角も90度までイケるようにしたいところ。

まとめます。

1:マッドサンダーのキャノンビーム砲と大口径二連加速衝撃砲を撤去
2:同位置にハイパーローリングキャノンを装備(※)

※・ハイパーローリングキャノンは貫通力の高い砲のみを選んで装備する。
 ・門数が減ったのでエネルギー消費量が少なくなる。
 ・それでいてマッドサンダーのエネルギーで撃つので、かなり長時間の発射が可能。


絵にするとこんな感じでしょうか。


あまり豪華絢爛にせず、コストを出来るだけ少なくしつつ特化しました。

キャノンビーム砲は撤去しましたが、基部のエネルギータンクはそのまま残しました。
出撃時にここにチャージしておけば対空射撃時間が幾らか伸びるでしょう。
砲はとりあえずハイパーローリングキャノンの中から砲身が長く威力が高そうなのを選んでまとめました。
(キャノンビーム砲と同じように左右に積んでいるイメージです)

細かい事ですが、砲の旋回性能を最高にするために司令塔上にあるレーダーは尾部付け根に移動させました。
マッドは対空にも使えるレーダーを持つのは強みですね。


これなら……!



ギルが攻撃しようとしても、この仕様のマッドの懐に飛び込むのはマズイ。
360度旋回可能・仰角も高く取れる。この対空砲を二基積んでいるのは強いです。

アルトブラスターやガンブラスターは善戦しつつも結局やられた。
覚悟を決めたギルが突撃したら倒せなかった……。


これは一生懸命ギルを狙っても、やっぱり砲が旋回しない。仰角も取れない。撃つ方向に自分ごと動かなきゃいけない……という弱点ゆえでしょう。
だから惜しくもギルを倒すことが出来なかった。

でも360度旋回可能・仰角も高く取れる。この対空砲が二基あれば……!


一基で狙い、もう一基はギルの未来位置に撃つようにすれば効果的だと思う。
未来位置というのは「そのまま飛行していれば到達する位置」です。
つまり頭を押さえつけ、回避運動を強いる。
回避運動をすると速度が一気に落ちるので非常に当てやすくなる。
特に運動性の低いギルならなおさらです。

これは空戦で編隊を組んで戦う際もよく使われます。
一機が敵を押さえ込んでもう一機が撃墜する。

マッドサンダーの優れたところは背中に司令塔を持つことですね。
中に複数人が入っているので、砲一基につきガンナー1名を用意する事も可能でしょう。
一人で二基受け持つのは無理があるけど、その点においてだいぶ余裕がある。

アルトブラスター以上の対空射撃でギルを追い込む。
上手くいって翼を砕けば地上戦に持ち込んでそのまま攻める。
翼がないギルと陸上で戦えば、パワーも攻撃力も防御力も上。勝てる。

アルトブラスター戦のようにギルが覚悟を決めて突っ込んできても、対空能力で上回る事からそのまま撃墜できる可能性も十分にある。


おお、これはなかなか良いのでは。
勝てそうなのでは。
対空砲なので、ギルがある程度の高度を飛んでいても狙える。これも良いですね。


ノーマルのマッドとギルの戦いを想像した時、私は以下のように考えました。
・ビームスマッシャー(射出)はマッドサンダーが反荷電粒子シールドを展開している時なら防げる。
・しかし常にシールドを展開していれば、さすがのマッドも疲弊する。疲弊してシールドが切れた時に攻めればギルは楽に勝てる。


これはノーマルのマッドだと決定的な対空装備がない。ギルが牽制してきたら守りに入らざるを得ない性能だからです。
今回の仕様の場合、ギルが射程に入った時点でこちらから攻めていける。
もちろんこちらのエネルギーも減る。でもギルも回避運動でエネルギーをロスする。
こちらだけが損をするわけじゃない。
イーブンな戦いです。


というわけで、私的には今回の対空装備を積んだ改造タイプを対ギル用マッドサンダーの見解としたいと思います。


さてザ・ファイナルなのでもうちょっと続けます。
我ながら良い見解が出せた。マッドは戦えるゾイドだ! ととエツに浸っていますが、一方で本仕様には限界も感じています。
この対空マッドは一見してギル・ベイダー対策になっていますが、本仕様でもって共和国軍が巻き返す事は難しい事も事実と思います。

本仕様は共和国軍で考案されなかったのか。
マッドサンダーの対空仕様を作ろうという案は出なかったのか。
これは当然出たと思います。
が、途中でやはり作った所で…となったんじゃないかと思いました。

ギルとマッドの最大の違いは、やはり飛行機と陸上機という事です。
移動速度が段違いである。
マッドが半日かかってようやくたどり着く場所にギルは1時間もかからず行けてしまう。
要は「ギルが現れた! よし倒しに行くぞ!!」となっても、マッドはそこから出撃しても間に合わない。
現場に駆け付けた頃にはギルは既に共和国基地を破壊しているという事です。
間に合わないんじゃ意味がない。
正直、マッドジェットの方が行けるだけまだマシである。

暗黒軍というのは正面切ってのガチンコプロレスバトルにはあんまり興味がない。
どちらかというと効率的に共和国軍を撃破するような戦い方をします。
これは国力が低いので当然であります。
仮に本仕様マッドが出来たならば、暗黒軍は徹底的に交戦を避けてマッド不在の基地を狙うんじゃないかな、と思います。

……似たような史実を紹介しましょう。
かつて日本軍は高度1万~1万5000mを飛ぶB-29に対空射撃をするものの、そもそも高すぎて届かないという事案がありました。
ですが最末期にようやく「五式15cm高射砲」という超高性能対空砲が出来て撃破が可能になった。
これからはB公をブチ落としてやるぜ! となったわけです。
しかし悲しいかな、敵はこれが配備された位置を避けて飛ぶようになってしまったのでした。
なので結局、高性能の割に戦局にはほとんど寄与しないまま終戦を迎えてしまった悲劇の兵器です。
対空マッドを作ったところで、こうなってしまったかもしれない。

マッドサンダーの数が多かった時期なら良かったと思う。全拠点に本仕様を配備する事もできる数が居たでしょう。
でもトライアングルダラスでの海戦やデビルメイズの戦いで数えきれないマッドがやられその数は激減。
もはやそのタイミングでは本仕様を作った所で決定的ではなくなってしまっていた。

暗黒軍の素晴らしい所は、共和国軍が本仕様を開発するよりも早く、効率的な作戦で大多数のマッドを撃破した事でもあります。

生き残った少数のマッドを本仕様にした所で戦局には大した寄与をしない。
ならば、同じく「ギルの翼を破壊できる砲を持ち」しかも「移動力が高い。ギル発見の報を受けたら直ちに現場に急行できるゾイド」を作ろうとなった。
それがオルディオスなのかも。

そりゃぁ砲を作ったなら当てねばならぬ。
対空砲も重要です。それは間違いない。でも、根本的にはやはり飛行機に対しては飛行機でしか対抗できない。

一連の文章では、やっぱり飛行機は強いなと思いました。
移動力が凄い。
1対1ならともかく、戦場全体で考えると、そのスピードゆえ採れる作戦が圧倒的。

しかしそれでも、我がマッドサンダーで1対1であればギルと互角程度に戦う妄想ができたので、やはり満足しています。
2020年の暮れにこういう妄想が出来てとても満足しています。

VSギル -マッドで倒せ2-

VSギルの続き。
今回で最終回となるか!?
えらく長いこと続けていますが、もうちょっとだけお付き合い願います。

さて既存の改造マッドでは厳しい。
これは悔しいかな認めざるを得ない……。
唯一アドバンテージがあるとすれば地中に退避できることかなぁ。
さすがに陸海空を制覇するギル・ベイダーも地中にまでは行けない。
とはいえ、地中潜行可能というのはギル・ベイダー戦を考えれば「退避」位しか使えないかなぁ。

また地中潜行といっても一瞬で潜れるわけじゃないから、掘ってる途中に後ろから撃たれそうでもある…。
(悪いことに後ろから攻められたら弱点のハイパーローリングチャージャーに被弾しやすい)


対陸上ゾイド戦なら地中からいきなり飛び出して奇襲なんていう策が使えなくもないんですが。


こんな風に。
マッドサンダーについては、やはり対陸上ゾイドであればいかようにも戦える。
地中潜行能力は凄まじい長所だと思います。
(地中からの奇襲は対キンゴジュ戦でもある程度は有効だと思う)

加えるとデススティンガーよりも有効だと思う。
デススティンガーはハサミで握って圧壊させる。つまり「飛び出してから」「相手を挟む」という動作が必要。
対してマッドサンダー(とブラックライモス)はドリルだから「飛び出すと同時に攻撃」が可能。
ドリルは最強なんじゃーい!

まぁ地中潜行といっても無限に掘れるわけじゃない。むしろ近距離に限られるであろうから、セイスモ戦は苦手かな……。
セイスモが撃ってきた!
よっしゃ地中に退避しろ。そしてそのまま掘ってセイスモの真下まで攻める! っていうのは無理そう。
超絶便利な地中潜行能力だが、やはり制限はあるとも思います。

話が逸れてきました。戻します。

さて勝つ策を考えます。
今まではノーマルあるいは改造マッドでの戦闘をシミュレートしました。その結果、残念ながら勝てそうになかった。
では逆に、どのような状況であれば勝てるかを考え、そこから導きます。


●こんなギルが相手だったら勝てる●
マッドサンダーが勝てるのはどんなギル・ベイダーか。

やはりマッドが勝つには、なんだかんだ言ってもマグネーザーだと思います。
それしかない。
キャノンビーム砲では心もとない。

どうすればマグネーザーを突き刺せるか。
ギルが陸上にいればいい。陸上なら対デスザウラー戦と同じように突き刺せる。

でも陸戦で負けたこともある(小三)。


その理由は何か。
たぶん、陸戦での運動性はギルの方が上だと思います。
マッドサンダーは首の可動がよくグレートサーベルやガルタイガーをも捕える。
ただし足回りの軽快な動きはギルが上でしょう。
ギルとて巨大ゾイドだし、脚も短い。でも翼がある。
これがあるので大ジャンプや軽快なステップも可能で、常に好位置を取れるんじゃないかと予想します。
マグネーザーを刺そうとしても軽快な動きでよけられる。

蝶のように舞い蜂のように刺す……。
いかにマッドの首の可動が良かろうが、軽快な動きで常に好位置を取るギルを追いかけたら参ってしまいそう。
疲弊したら、あとはもうギルが一方的に勝つと思います。

ギル自体は陸上最高速度が80km/hでありマッドよりも遅い。
でも翼があるから軽快さで遥かに上をいくのだと思います。

では翼がないギルなら勝てるか。
これは勝てるんじゃないかな。さすがに。
翼がなければ運動性はギルもマッドも似たようなレベル。

それでも重量が軽い分だけギルがやや軽快。といってもそれで常に好位置をとれるレベルじゃない。
最高速度はマッドが上。これを加味すれば互角程度になるでしょう。

そしてパワー、防御力、攻撃力はマッドが上。
まぁ、そりゃ「翼がない=大型ビームスマッシャーが使えない」だから、そりゃそうですね。
残る武器で猛攻してもマッドが覚悟を決めて突撃すれば突き刺せそう。


問題はどうやってそんな状況にするのか。どうやって翼を破壊するのか。
という問題です。
キャノンビーム砲じゃ無理だろうなぁ。トライアングルダラスでの海戦時は翼を吹き飛ばした……けど、あれはギル側が意図的に翼をパージしたのである。
まぁ「パージの決断をさせた」というのは凄いことです。割と深刻なダメージは与えたのだと思う。
しかしこうなるわけじゃない。35機ものマッドサンダーで撃ちまくってようやくああなったのだから、1対1ではとてもじゃないが……。

ギルはディバイソンコブラの放った超巨大ミサイル(中性子ミサイル)にも耐えています。



これ……、ゴジュラスキャノンやウルトラキャノン砲にも耐えるんじゃないかな……。

翼を無くせばギルに勝てる。
ジョジョ風に言えば「なるほど完璧な作戦っスねーーーっ 不可能だという点に目をつぶればよぉ~」という感じですね。

いや、可能性はあると思います。

視点を変えて、ギルが倒された戦いを見ましょう。



ここではオルディオスがギルを攻撃しています。
ギルに鋭い刃が突き刺さっています。
これによりギルは飛行不能となり墜落してしまう。

この攻撃は「サンダーブレード」と書かれていますが、射出しているのでおそらくグレートバスターの誤記でしょう。
翼を貫通したというのが注目ポイントです。


この戦いは奇襲とかではなく、オルディオスとギルが大きく旋回して向かい合ってにらみ合う。そして戦いがスタートという王道の一戦でした。
なのでギル側も万全の状態だったはずです。
それを貫いた!

ちなみに地上に落ちたギルを追ってオルディオスが追撃をかける。
戦いは地上戦にもつれ込みます。
しかしここでは対格差を活かしてギルが逆襲。オルディオスを追い込んでいきます。


しかしその後、


ゴッドカイザーが助太刀に入る。メタルクローでギルの翼を完全に切断する(!)
これによりそれ以上の戦闘は不可能と判断したギルは緊急用離脱エンジンを使用。からくも逃走したのだった……となります。

さてこの描写を見て思ったのですが、ギルの翼はウイングバリアーによって鉄壁を誇る。
それはもうキャノンビーム砲だろうが中性子ミサイルだろうが跳ね返す程。
ただし「面」のように撃たれる大口径砲は防げるが、貫通力だけを高めた「点」の突破であれば防ぎきれないのだと思いました。

オルディオスは頭部のサンダーブレードでギルに体当たりする戦法を用いますが、これって当時の共和国軍もギルのウイングバリアーの特性を把握していた。
もはや大口径砲で破壊するのは不可能だ。貫通力を高めた「点」の武器を作るしかない。

貫通力を高めた点の武器。
マグネーザーを射出する「マグネバスター」ならギルの翼を貫けるかもしれない。しかしマッドは飛べないので当てにくい……。
そこで飛行ゾイドで同様の装備を積んだゾイドを作ろう。
そういうシナリオで出来たのがオルディオスなのかも……。

ゴッドカイザーのメタルクローも刃状の武器なので「線」のような武器と言えるでしょう。
この時にウイングバリアーの効力が出ていたかは不明です。
翼に穴が開いて墜落した後だから……、出ていないかもしれない。
それでも、その状態であっても切り裂いたのは大したもんです。

ここから、ギルの翼を破壊するには大口径砲じゃない。点の突破力を高めた武器である。そう思いました。

そういえばギルはガンブラスターから対空射撃を受けた際は回避に専念しています。
確かに威力は高い。でも普通に考えてガンブラスターの黄金砲に中性子ミサイル以上の破壊力があるとは思えぬ……。
しかし回避。
特に改造タイプ「アルトブラスター」との戦いでは激しい回避運動の末にエネルギー切れ寸前まで追い込まれています。


アルトブラスター、頑張った。

ガンブラスターの黄金砲も貫通力が非常に高い。

コングを面で押しつぶすのではなくて、各砲が点で貫いてる。
貫いた後も威力が減衰していないように見えるのが凄いですね。

共和国軍って基本的には大艦巨砲主義。でっかい砲で豪快に撃って破壊せよという思想です。
それが点で突破すると転換したポイントがガンブラスターにあるのかも。

ゾイドバトルリサーチ(在庫あと数冊だけあります)ではガンブラスターを「元々は試験機だった」と考えました。
各種ビーム砲の性能を試験するために、あのような砲の配置になったという考え。
それが運命のいたずらで実戦配備されて大活躍した。
しかもギル・ベイダー対策の転換点にもなった……と考えると非常に面白いと思います。

大口径砲での面の破壊と貫通力を高めた点の突破。
押してダメなら引いてみろ みたいな考えですね。

さて、これでマッドサンダーに施すべき改造パターンが見えてきたでしょうか……。
次回でラストになると思います。

VSギル -マッドで倒せ1-

VSギルの最終局面……。
いいかげん完結まで持って行きます。
今回からは具体的にマッドをぶつけて、どのような戦術が見えてくるかを研究します。
はたして1対1で勝てるか……。

まずノーマルタイプおよび既存の改造ゾイドでは厳しいなぁ……というのが正直な所。


ノーマルタイプは勝てる可能性がないわけではないが、やはり圧倒的に不利なのは否めない。


サンダーヘルクレスは勝てるわけがない……と思う。
カブトムシなのでヘリ的な飛行性能でしょう。速度がないのが辛い。さすがに本格的な飛行ゾイドには勝てないと思う。
防御力は高いですが、翼の付け根などを狙われれば危ういと思います。


海戦仕様は論外。まぁ、これはもともと海上航行を目的とした仕様なので当然か……。
なお、

後期型のギルは標準能力として潜水機能があったりする。
これは……、察するに、「暗黒大陸から飛び立ち→中央大陸を爆撃し→暗黒大陸に帰還する」という長大なミッション。
一応は航続距離は足りる計算だが、戦闘でエネルギーを大きくロスする可能性もある。
途中の海上で力尽きて損失となるような事は絶対に避けたい。
なので当初からギルには着水しても簡単には沈まないような。もっと言えば浮ける。泳いで暗黒大陸に帰還する事が可能。そんな能力が求められていたのかも。
その能力は後期型で洗練され、海戦ができるまでになった……と。


海戦ができる仕様ならサンダーパイレーツにも勝ちそうかも……。
ウルトラを倒しているシーンは凄い。よほどの勢いがないとこうはいかない。
もちろん海戦に特化した、しかも喰らえばおそらくアウトであろう電磁ソードを持つサンダーパイレーツは恐るべき相手ではある……が、やはりギルの方が上だと思います。


グレートサンダーも辛いかなぁ。
……あれは思えば勝てた戦いだった。
グレートサンダーは「落下するギルにマグネーザーを刺す」ように戦ったから刺さりが甘かった。その結果として致命傷を与えられなかった。
どうやれば勝てたか。
1:ギルが完全に地上に落下するまで待つ

2:ギルが地面に落ちた瞬間、上からマグネーザーを押し込む
こうすれば地面に押し付けながらマグネーザーを押し込む形になるので、コアを貫くまで行けたんじゃないかな。
二足歩行化したマッドです。頭を下に向けて押し込む事も可能でしょう。

とはいえ、グレートサンダーでギルに勝つというのはデスウィングでマッドサンダーに勝つのと同じで、最初の一戦しか通用しないと思う。
グレートサンダーの戦法は「特殊な対空爆弾でギルを攻撃する」というものでした。


チェーンで連結された巨大な爆弾。
これの致命的な弱点は、通常の砲弾に比して射程が極めて短いであろう事です。
つまり、よほどギルが接近しない限りは使えない。
この時はギルがマッドを翼を直接ぶつけに来たから良かった。
あちらから近づいて来てくれたので良かった。
でもネタがバレればギルは同じ戦法は使わないでしょう。

もう一つの弱点は足回りにあると思います。
グレートサンダーは急降下し翼を直接ぶつけようとしたギルをかわした。
飛行ゾイドの突撃をかわすという凄まじい運動性を誇るわけです……が、思うにそんな動きを長時間続けることはできないと思う。
マッドサンダー585tを二足で支えるだけでも負担が凄まじいでしょう。それで動き回る。
疲弊するのが早そうな気がします。

ギルとしては上空から牽制して時間をかければグレートサンダーを疲弊させる事ができる。
疲弊したところに突撃。疲弊しているからグレートサンダーはかわすことが出来ない。
そうすれば安全に倒せる気がします。
要はあの戦いは「グレートサンダーのパワーが満タンの時にギルが突撃をかけた」というマッド側にとって願ったりな状況だったからああなったと思います。
二度目はない。


非常に惜しかったマッドジェットはどうか。
これも残念ながら二度目はない仕様だと思います。
本機はマッドを無理やり飛ばした仕様だが、巨大エンジンのおかげで直進時の速度はかなり高い。
運動性の低いギルに体当たりする専用の飛行能力である……。
とはいえ、致命的な弱点はエンジンに装甲がなく被弾すれば終わりであろう事かな……。
よけられなくても。落ち着いてギルが迎撃すれば、その豊富な火力でもってエンジンを破壊し撃墜する事は可能だと思います。
ただし改造マッドの中では最も対ギル用に特化した仕様であり、最も警戒すべき相手であるとも思います。
好き。

その他だと……、


マッドフライは飛行性能で純粋に劣りそうなので相手にならないと予想。
マッドVSギルについては「空を飛べない事がマッドサンダーにとって不利だ」と評されますが、飛んだらいいってもんでもない。
「飛ぶため」じゃなくて「勝つため」に飛ばねばならん。



ゴールドサンダーは……、


学年誌の解説の通りなら勝てそう。
でもさすがにこの解説は誇張しすぎでしょう。20倍て……。

ウルトラキャノン砲を8門も持つので地上戦になれば勝てそうかな。
小三で起こった戦い。あのような地上戦になればウルトラキャノン砲8門+キャノンビーム砲で猛攻できそう。
とはいえ……、ギルがわざわざこんな超砲撃ゾイドの正面で地上戦を展開するわけはないか……。

装甲はビーム砲を反射させるゴールド合金。しかしこれはビームスマッシャーに対してはあまり意味がないのも辛い所。
ウルトラキャノン砲は旋回不能で正面固定。仰角もさほど取れないのでギルが飛んでいる限りは有効に使えない……。
飛んでいるギル相手にはノーマルと同じ程度の戦いをするのが精一杯だと思います。

ということでざらっと見ましたが、既存の改造ゾイドでは厳しそうな気がしています。
ではどうするか。秘策はあるのか。

一つ、これだと思う戦法を思いついていたりします。
その戦法とは……、次回に続きます。

VSギル-ギルの能力研究3-

VSギルの続きです。
前回まででギルの代名詞、地獄の光輪ことビームスマッシャーを考えました。
今回はその他の装備について考えます。

戦歴を見ると、マッドサンダーを破壊した事のある装備は、
1:魚雷
2:ツインメイザー

です。

ただ、これらが対マッド戦において決定力のある装備かといえば否と思います。
なぜなら、マッド側は両方とも腹に喰らっているからです。


魚雷は潜水したギルによって下から撃たれた。


ツインメイザーは崖から落として腹を撃った。

マッドサンダーの弱点の一つは腹部装甲の弱さだと思います。
というか、まぁこれは当然ですね。基本的に下から撃たれることなんて想定していないでしょう。戦車とかでもやっぱり撃たれる正面の装甲が厚く、上面や下面は薄いのが普通です。

まぁマッドの腹はけっこう頑丈そうな見た目はしているし、ブラックライモスのドリル程度なら防げると思います。
しかしせいぜいそこまで。一定以上の破壊力を持つ装備…、ツインメイザーのような攻撃に対しては無力だと思います。
(ツインメイザーはライガー級のゾイドなら一発で破壊してしまう威力を持つ)

ちなみに同タイプのレッドホーンも腹部が弱点です。


おそらく四足歩行ゾイドの共通した弱点でしょう。

小三の戦いでは、
1:マッドのマグネーザーを折る。
2:決め手を失ったマッドを猛攻してジリジリ後退させる。
3:崖から落として腹にツインメイザー

という手順で戦いました。

ここから考えて、やはりツインメイザーは通常時においては決め手にならないと言えるでしょう。
腹以外に撃っても破壊は難しい。

ギルのその他の装備、ニードルガン、プラズマ粒子砲、連装重力砲も同様に決め手にはならないでしょう。
ただし……、ギルは正面に向けた武装が非常に多い。
向かい合った形だと、全火力を一斉に撃てます。

・プラズマ粒子砲は1万度の「熱」で攻撃。
・ニードルガンは「実弾」で攻撃。
・ツインメイザーは暗黒粒子を撃ち出す「光線」の攻撃。
・重力砲は重力を操る「特殊」な攻撃。


それぞれ違う攻撃になっているのが特徴ですね。
この複合攻撃はたまらん……。
小三の戦いでジリジリ後退したマッドですが、マグネーザーを失っていたとはいえ防御力は低下していないはずです。
それでも後退してしまったのは、この多種多様な攻撃を一斉に複合して撃たれたからではないでしょうか。
一種類の火器では決め手にならないが、複合して撃てばマッドサンダーでもジリジリ後退してしまう。そんな威力を想像します。



ただしマッドサンダー側をフォローすると、たまらず後退するとはいえ複合攻撃をも跳ね返す防御力はやはり凄まじいです。

マッドはパワーではギルよりも上を誇ります。


なので、ギルがエネルギー切れまで撃ったとして、マッドは耐え切ると思います。ギルのエネルギーの方が先に尽きる筈である。
小三の戦いでは立地としてマッドの後ろに崖があったから「後退させる」という戦い方で良かった。
しかし基本的には使えない戦法でしょう。
逆に言えばこの時は「そういう立地だった」からギルはそのように戦った。あえて陸戦で戦ったのかも……。


さて武装を見てきましたが、ギルがマッドに勝つにはやはりビームスマッシャーを「直接」ぶつけるのが一番確実な手だと思います。
あるいは、マッドを疲弊させてシールドが展開できない状態まで追い込む。その後に「射出」で切る。
どちらにしろビームスマッシャーです。
足回りを強化したグレートサンダーのような仕様ならともかく、四足タイプのマッドは直接にしろ射出にしろビームスマッシャーをかわす事は難しいでしょう。

ではなぜギルが常にそのように戦わないかといったら、これはキャノンビーム砲でしょう。
基本的にこれを撃たれても大丈夫な防御力を持つ……といっても、翼を直接ぶつけるような距離にまで近づくとなると不安も残る……。

マッドのキャノンビーム砲はある程度離れた位置からでもコングを貫く威力を持ちます。
ビーム砲は飛距離が伸びるに従い威力が減衰する。
これを考えれば、放たれた瞬間の威力減衰が一切起こっていないMAX威力のキャノンビーム砲の威力は更に大である。
さすがのギルも積極的に飛び込みたいとは思わないでしょう。
キャノピーとかは特に心配です。
ギルはそこを上手く処理しながらマッドと戦う必要がある。


とまぁこんな風に考えると、ギルがかなり優勢ながらマッドもなかなか頑張って感じがします。
少なくとも油断できる相手ではない。互角とは言えずギルかなり優位……とはいえ、あんがいいい勝負。
これが見えただけで一連の文章を書いた意義があった気がしています。
とはいえ、勝てるまで続けますが!


さて、ギルの能力はざっと見てきたんですが、もう一つだけ加えたいと思います。
それは


メタルバースト。


てれびくんでの対決ではギルの勝利。その際にマグネーザーが溶けて曲がったような描写があるので、これはメタルバーストと推測しています。


キンゴジュの腕を引きちぎったこちらもメタルバーストだと思っています。
このシーンは凄いです。よくぞ引きちぎったものだ。
思えば不思議なシーンです。
何故キンゴジュは腕を引きちぎられるまで何もしなかったんだ。
指に力を込めればたちまちギルの爪は破壊されていたでしょう。デスザウラーを紙のようにぶっ千切るキンゴジュの握力は圧倒的です。
この時、なぜギルの爪を握りつぶさなかったのか。
それは事前に肩(付け根)にメタルバーストを喰らっており既に回路が断線していた。動かしたくても動かせなかったという状況を推測します。

マグネーザーやキングゴジュラスでこれだから、それ以外のゾイドに使ったら角砂糖に熱湯をかけるような溶け具合になるんじゃないかな……。
想像するとチートすぎる。もはやビームスマッシャーなど不要では。というか、そんな超性能だったら案国軍勝てたのでは。
そんな風にも思えるのですが、これは3つほど出来なかった理由を考えます。

1:取り扱いの危険性
一歩間違えればギル自身を溶かしかねない液体なので取り扱いが難しい。
たぶん2種類の液体(個別では無害)を持っている。
放つ瞬間に混ぜる。混ざることで化学反応して有毒化する。
そんなメカニズムだと思います。
(ガンバレル型核兵器の構造を思い浮かべても近い)

戦闘で被弾する事もあるでしょう。
たまたま当たり所が悪くて破損してしまう。そんな事が起こったら……。
格闘戦で乱暴に使用するし、その際にも破損するかも。
また「爪に仕込んである」というのが問題でもあります。爪は着陸時のランディングギアでもあります。333tものギル・ベイダーを支える爪は疲労が蓄積しやすそう。
そんな事を考えると、「搭載する事は可能だが、ここぞという時以外には使わない」という選択をしそうです。

ただし一つ目の問題はまだしも克服できると思います。
より大きな問題は二つ目、三つ目です。

2:希少性
単純な話ですがおそらく希少であり量がない。おいそれとは使えない。
以前にメタルバーストは「デストゲラー」の毒液と同じものではないかと推測しました。
デスクロスがゼネバス帝国で開発された改造ゾイドとすれば、毒液=メタルバーストを開発したのもゼネバス帝国という事になります。

以下のように考えました。
末期のゼネバス帝国がメタルバーストの生成に成功した。
しかしデストゲラーに搭載する量、そして余剰分がもう少し……。それくらいが生成できた時点でゼネバス帝国首都は陥落してしまう。
残存戦力はニカイドス島に集められる。だがニカイドス島には生産設備などない。よって、メタルバーストはそれ以降の生産が不可能になってしまう。

共和国軍は知らず知らずのうちにメタルバースト製造工場を破壊してしまった。それゆえ自軍の装備として採用することはなかった。
一方、暗黒軍もメタルバーストの製造技術の吸収に失敗してしまった。デストゲラーに使用しなかった余剰分だけはどうにか回収した。だがそれ以降の追加生産が不可能……。
よって普段は使用せず、ここぞという時にのみ使うようになった。

「装備品が継続使用できない」というケースはままありますね。
太平洋戦争当時の日本陸軍が用いた「マウザー砲」と呼ばれる20mm機関砲は弾速も威力も命中精度も高いチート砲でした。
が、これはドイツから輸入したものだったので、砲はもちろん砲弾も「使い切ったらそこで終わり」なものでした。
なので軍は「階級を問わず腕の良い者の機体に厳選した与える」という運用をしていました。

3:土壌汚染が許容できないレベルで酷い
あるいはこのような可能性も考えます。
まぁマグネーザーを溶かせるレベルの毒液が害じゃないわけはないよなぁ……。

「使用すればその一帯はその後数百年にわたって生物の生存に適さない不毛の地となってしまう」のかもしれないと思いました。
言ってしまえば様々な汚染を引き起こす核兵器に相当するイメージです。

私としては1,2,3全ての複合と考えます。
希少だからおいそれと使えないし、下手すれば自爆する危険性もある。
加えて土壌汚染も酷いから、開戦以来ガイロスは使用を禁止していた。
しかし切り札ギル・ベイダーをより強く思わせたい。それで共和国軍にプレッシャーをかけたい。そんな心理戦のために一部のギル・ベイダーにのみ使用が許可された。
そのギル・ベイダーは「マグネーザーを溶かす」という非常に演出がかった戦いをして共和国軍に絶望を与えた……。

本来はこれで終わるはずだった。さすがに深刻な土壌汚染は許容できない(戦う場所は主に母国暗黒大陸である……)。
メタルバーストは再び封印された。

だが末期の敗戦寸前の暗黒軍は、もはやヤケクソ気味に使用したのだった……。

負けが込んでくると倫理的な部分はどうしても無視されがちです。
上のキンゴジュに対して使った戦いは、「キンゴジュ参戦」→「暗黒首都ダークネス陥落」→「ガイロス皇帝脱出」→「共和国軍追撃」という流れで起こった戦いでした。
次の号が「ギル・ザウラーVSキングゴジュラス」つまり最終決戦です。
このギルはもしかすると、ギル・ザウラー完成までの時間稼ぎに、なりふり構わずメタルバーストをありったけ装備してキンゴジュに挑んだのかも。
(ガイロスは仕様をあくまで禁止していたが、親衛隊がガイロスを守りギル・ザウラー完成までの時間を稼ぐために独断で使用したのかもしれない……とも思った)

メタルバーストについては以上のように考えます。

という事で、ここまででギル・ベイダーの能力を研究してきました。
長々と続けていますが、いよいよ次回からはマッドサンダーをぶつけていきたいと思います。
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