2014年の調査では、更新に伴って通信機器に対する企業の投資がどう変わっているかを調査した。

 一般に、多くの企業は設備更新のたびにIT投資額の削減を目指す。現実の傾向は、投資分野によって異なっていた。無線LAN機器とLANスイッチ、VPNルーター、PBX(構内交換機)の4種類について調査結果を紹介しよう。

 この3~4年の間で機器を更新した企業について、投資額の変化率の分布を示したのが図26である。設備更新に伴う投資減の傾向が最も強いのがPBXで、LANスイッチも投資額が減った。ただ投資額があまり変わらなかった企業も多く平均での減少幅は小さい。減少幅が大きいPBXで平均1.3%の減少、LANスイッチは同0.8%の減少だった。

図26●主な通信機器の更新費用の変化
図26●主な通信機器の更新費用の変化
ここ3~4年で機器を更新した企業が対象。PBXやLANスイッチは投資額が減少しているのに対し、無線LANは増えている。
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 逆にVPNルーターや無線LAN機器は投資額が増える傾向だった。VPNルーターへの投資額は平均6.2%の増加、無線LANは同29.4%の増加である。

 投資額が増える主な理由は、導入規模を拡大すること。無線LANが顕著で、「導入台数を大幅に増やした」「これまでの部分導入から、オフィスへの全面導入を進めている」といった自由意見が目立った。VPNルーターは、インターネットVPNを含めて接続拠点を増やした企業の積極的な投資増が目立ったようだ。