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パナソニック コネクトが実践する
顧客価値を起点としたマーケティング

「サプライチェーン」「公共サービス」「生活インフラ」「エンターテインメント」分野向け機器・ソフトウェアの開発/製造や、施工/保守など幅広いソリューションを提供するパナソニック コネクトは、顧客・マーケットの理解を最重要視した「顧客価値起点のマーケティング」を実践している。マーケティングではいかにプロモーションするかといったHowが先行しがちだが、何の価値を誰に提供するかといったWhat、Whoの定義が重要になる。

関口 昭如 氏

パナソニック コネクト株式会社
デザイン&マーケティング本部
エクゼクティブ 兼 統括部長
関口 昭如

 セミナーの冒頭で、関口昭如氏はパナソニック コネクトが定義する「顧客価値」について説明。顧客が費やすコストに見合った顧客の便益があることと、自社ソリューションには他の選択肢にはない独自性があることを強調した。

 顧客が価値を感じている理想的な状態とは、「顧客企業内で、そのソリューションや商品を使って正解だったと社内合意されている状態です。例えば、当社のビジネスモバイルPC『レッツノート』にしてよかったと経営層から現場の人まで思ってもらえることが理想です」と話す。

 続いて、顧客価値起点のマーケティングの全体像を解説。マーケティング活動の起点となる「顧客、マーケットの理解」が最も重要であり、次のステップの「商品、サービス企画」「作る(製造)」「プロモーション」「販売」「サポート」まで、トータルに一貫性のある顧客体験(CX)を最適化することがポイントになるという。

 そして、顧客価値起点のマーケティング活動に必要なプロセス、データ・システム、コンテンツ、組織・カルチャーについて説明。例えばプロセスでは、N1インタビューによって顧客の理解や仮説の立案を行い、そのデータを検証し、ブループリント(マーケティング設計書)に合わせて各事業部門が同じ目標を持つ。「N1インタビューで得られたデータを用い、顧客ニーズの理解をベースに、商品の便益を明らかにします。そして短期的にはマーケティング訴求、中期的には商品のコンセプト、戦略の策定に役立てます」。

ブループリントを活用し
What/Whoの定義から始める

 次に、関口氏は「マーケティングブループリントの活用」として、①What/Whoの定義、②セールス/サポート体制の確認、③Howの設計、④データを見ながらPDCAを高速に回す体制・プロセスの4つについて説明。「マーケティング活動を考える際、プロモーションを優先するHow先行になりがちですが、誰に向けて何の価値を提供するのか、データに基づくWhat/Whoの定義を一番先に行います」と説明した。

 さらに2つ目のポイントとして、販売やサポートの体制が整っているかどうかを確認し、3つ目に、どんな顧客体験を提供するか、どんな戦術が必要なのかといったHowの設計を行う。そして最後のPDCAでは、戦術や戦略を立てても実際にやってみないと分からないこともあるため、「仮説が違っていた場合、軌道修正をスピーディーに行います。このPDCAを高速に回すプロセスが非常に重要です」と強調する。

 さらに、各事業部門が持つ顧客データ・システムの統合や、プロダクトアウトから顧客第一へのデジタルコンテンツの変革、自主的でオープンなディスカッションが行える組織、カルチャーもポイントになる。関口氏は最後に、「マーケティング部門の皆さんも顧客に積極的に会い、何に困っているのか聞いてみましょう」と呼び掛けた。

各事業部門が連携しながら、プロダクトマーケティング、セールスマーケティング、リレーションシップマーケティングの活動を進めている
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