スマートフォンが人気だ。もはやスマートフォンが従来型の携帯電話機を新規販売台数で追い抜くのも時間の問題となっている。2010年11月、NTTドコモの山田隆持代表取締役社長は冬春モデル発表会後の会見で、「2013年ごろにスマートフォンとiモード機(従来型携帯電話機)は新規販売数で逆転する」と、かねてからの見方を改めて強調(関連記事)。さらに1月28日の2010年度第3四半期決算発表会では、NTTドコモのスマートフォンの年間販売予測を250万台に上方修正している(関連記事)。携帯電話事業者にとって、スマートフォンへの移行は既定路線といってもいいだろう。
スマートフォンへの移行は世界的な流れ
海外では日本以上にスマートフォンへの移行が進んでいる。例えば、若干古いデータだが米IDCの調査によると、2010年第3四半期の全世界の携帯電話出荷台数で、米アップルが4位にランクインした(関連記事)。世界の携帯電話市場でスマートフォンの重要性がさらに増しているとIDCのアナリストは分析している。また米国に限ると、2010年第3四半期のスマートフォンユーザーは第2四半期より15%増えて5870万人になったという(関連記事)。米国の人口は2010年4月時点で約3億900万人だから、米国民の約5.4人に1人がスマートフォンを持っている計算になる。
翻って日本はどうか。調査会社のデータはスマートフォンへの移行をはっきりと裏付ける。2011年1月24~30日のBCNによる携帯電話週間売れ筋ランキングでは、1位が富士通東芝モバイルコミュニケーションズの「REGZA Phone T-01C」、2位が韓国サムスン電子の「GALAXY S」、3位と4位が米アップルの「iPhone 4」、5位と6位にシャープの「IS03」と「LYNX 3D」がランクインしている。従来型携帯電話が登場するのはやっと7位に入ってからだ。
ただ、このランキングには日本ならではの点がある。日本にいるとあまり気づかないが、富士通東芝モバイルコミュニケーションズやシャープといった日本メーカーのスマートフォンがランクインしていることだ。もちろん、日本でもアップルのiPhoneやサムスン電子のGALAXY Sといったいわゆる「グローバル端末」は売れているが(各国の事情に合わせたカスタマイズは多少入っている)、海外市場で富士通東芝モバイルコミュニケーションズやシャープのスマートフォンがランクインする、といったことは聞いたことがない。
REGZA PhoneやIS03、LYNX 3Dは、グローバル端末のGALAXY Sなどと同様、米グーグルのAndroidを搭載している。だが、明らかにグローバル端末と一線を画すのが、「おサイフケータイ」「ワンセグ」といった日本市場ならではの機能を搭載していること。いわゆる多くの機能を搭載する“全部入り”スマートフォンが人気だ。