米Microsoftは現地時間2011年4月12日、米国ラスベガスで開催したMIX11初日のキーノートにおいて、Internet Explorer(IE)の次期バージョンInternet Explorer 10(IE10)を初披露した。IE10ではHTML5への対応をさらに進め仕様を拡大すると同時に、処理速度も向上させるとアピールした。
MIX11初日のキーノートではまず、同社でIEを担当する副社長のDean Hachamovitch氏(写真1)が登壇、提供を開始したばかりのIE9について説明した(日本では震災の影響で4月26日に公開を延期)。IE9の提供により、HTML5をWindows上でネイティブに扱えるようになり、これまでHTMLだけでは実現が難しかったコンテンツもハードウエアアクセラレーションの活用などで表現できるとした。
その具体的な例として、Foursquareの「Playground」、カヤックの「SVG Girl」、Bon Joviのディレクターズカット、パックマンの拡大版などを実演した。例えば、カヤックのSVG GirlではHTML5のSVGを使ってアニメーションを表示。キャラクタの色設定を変えて、自分の好みに合わせて色でアニメーションを表示できるというデモを示した(写真2)。こうしたHTML5を活用したコンテンツを確認するためのデモサイトも紹介した。
IE9の紹介の後に、同社でWindowsとWindows Liveを担当するプレジデントのSteven Sinofky氏が登壇。Hachamovitch氏と一緒に、現在開発中のIE10を初公開した(写真3)。
キーノートでは、IE9のパフォーマンス比較でよく見せた金魚鉢に金魚を泳がせるデモの新版を使い、IE10ではさらにパフォーマンスが向上するとアピールした。そのうえで、IE10で新たにサポート予定であるHTML5の機能を披露。CSS3のマルチカラム/Gradients/Grid/Flexible Box/マルチカラム、ECMAScript 5のStrictモードといった機能の実装をGoogle Chromeと並べながら表示、いずれもChromeより高速かつ正確に処理できるとアピールした。
Microsoftは今回の発表に合わせIE10のPlatform Preview版を「Internet Explorer Test Drive」のサイトで既に公開しており、ダウンロードできる。このPlatform Preview版を最長でも12週間おきに新しいバージョンに更新していき、CSS3 TransitionsやCSS3 3D Transformsもサポートしていく方針を表明した。
第2段落の最後の文で、「ハードウエアアクセラレーションのを活用などで表現できるとした」としていましたが、「ハードウエアアクセラレーションの活用などで表現できるとした」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2011/04/13 15:28]