富士通元社長の野副州旦氏が2010年4月22日に記者会見で公開した録音テープの全文を以下に掲載する(関連記事)。昨年9月25日の取締役会前に、野副氏と富士通幹部とのやり取りを、富士通が録音したものだ。野副氏が取締役の地位保全を求めた仮処分手続の中で、富士通側が裁判所に提出した。テキストは会見当日に野副氏が配布した資料を基に作成した。
野副氏側は録音テープの公開に際し、「会社名や個人名を伏せ、本質とは関係ないプライバシーにかかわる部分を一部省略した」としている。会社名や個人名については、本文中では「ファンド名」「人名」などと表記している。本質とは関係ない部分については「(プライバシーにかかわる部分につき、野副氏側がカット)」と記した。
日時:2009年9月25日(金)午前8:30から
場所:富士通 汐留本社 32F 来賓G
出席者:山本卓眞名誉会長、大浦溥取締役、秋草直之相談役、間塚道義会長、山室惠監査役、安井三也法務本部長、野副州旦氏
(野副氏入室)
大浦:突然呼び立てして。実は会社の非常に重要な問題についてお話ししたいと思っておりまして、野副さん自身にとっても関連することでありまして。えー、私どもが話をする前に、山室監査役から、いくつか確認したいことがあります。
山室:色々これからご質問させて頂きますが、あの、フォーマルな質問だと思ってください。つまり会社法に定められた、監査役の権限に基づいて、取締役の職務に関する調査の一環として質問をさせて頂きます。最初の質問ですが、「人物A」氏。
野副:はい。
山室:どういう人ですか。つまり職業、現在何をしている人ですか。
野副:現在、えー、元は「会社名」えーと、「会社名」ですね。
山室:そうですね。2000年ごろに。
野副:はい、はい。
山室:現在は「ファンドA」の代表として活動している。
野副:はい、はい。
山室:それから、まさに「会社名」に2000年頃おられた、ですね。いつ頃からのお付き合いですか。
野副:秋草さんが社長の時ですから、当時からの付き合いでございます。
山室:2000年ごろ。
野副:はい。
山室:野副さんはビジネス開発室長。そうですね。
野副:はい。
山室:どんな付き合いですか。つまり、業務に関連するものか、それとも個人的な付き合いなのか。
野副:元々は「会社名」がですね、提携したときの、仲介をやって頂きました。
山室:はい。
野副:はい。
山室:という意味では、業務上の関連がありますか。
野副:大いに関係しています。
山室:えーと、現在も付き合いがありますか。
野副:あります。
山室:どんな付き合いですか。
野副:実は昨年、ニフティをですね、えーまあ、ああいう形で、問題を解決するために、ニフティに対して資本の投下をお願いしたいということで、「人名」という人がいるんですけれど、まあこの方に対する仲介をやって頂いたという経緯がございます。
山室:そうすると現在もたとえば会っている。あるいは電話をしている。
野副:はい、電話しています。
山室:はい。
野副:それは、しかしただ、「人名」君ですね、というビジネス開発室長の。
山室:はい、知っています。
野副:ええ、仲介をベースにやっています。
山室:野副さん自身が「人物A」氏に電話することはありますか。
野副:え、ああ、時々あります。
山室:時々、どれくらい。たとえば、8月、9月、何回くらい。
野副:うーん、まあ、月に2、3回ですかね。
山室:月に2、3回。
野副:はい。
山室:えーと、かなり長い時間、電話で話すことはあるんじゃないですか。
野副:あります。
山室:たとえば1時間。
野副:いや、そんなことはないと思いますね。
山室:30分は超えてますね。
野副:え、そういうときはあります。
山室:どんな話ですか。