組み込み機器のソフトウエア開発プラットフォームとして米グーグルの「Android」を活用する一般社団法人「Open Embedded Software Foundation」(OESF)が2009年3月24日に設立総会を開催し,正式に発足した(関連記事)。
Androidは携帯電話用のプラットフォームであるため,組み込み機器向けとして使うには機能が足らない。OESFでは,IP電話機,セットトップ・ボックス,カー・ナビゲーション・システムなど画面を持つ組み込み機器に必要でAndroidにはない共通のミドルウエアやデバイス・ドライバ,開発環境を構築する。「各社が個別に同じようなソフトウエアを開発するのは時間と労力の無駄。必要な部分を共通に作ることで,各社が差別化部分を特化して作れるようにする」(OESFの三浦雅孝代表理事)のが狙いだ(写真1)。各種APIが共通化することで,アプリケーションやサービス開発者のエコ・システムも広がる。
本格的な活動は2009年4月から開始する。3月24日時点で,アームやアルパイン,富士通ソフトウエアテクノロジーズ,プラネックスコミュニケーションズなど23社が参加する。年内には100社規模が参加する見込み。台湾や韓国,中国といった組み込み機器の開発が盛んな地域の企業の参加も積極的に進める。既に台湾には支部を設置したほか,2009年6月に韓国,2009年中に中国に支部を設置する予定。開発したソースコードが各国で分散しないように,海外の企業であってもOESFの参加企業は日本で用意したストレージに投稿するように運用する。